令和6年度後期 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全62問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験は選択解答制です(全62問中40問を解答)。No.1〜4は必須、No.5〜10から4問、No.11〜29から10問、No.30〜35から3問、No.36は必須、No.37〜40は必須(五肢択一の能力問題)、No.41〜50から6問、No.51〜62から8問を選択して解答します。
この試験回をクイズ形式で解く →No.1
工学基礎図Aの合成静電容量をC_A〔F〕,図Bの合成静電容量をC_B〔F〕とするとき,C_A/C_Bの値として,適当なものはどれか。

- 1.2/9
- 2.1/3
- 3.3/2
- 4.3
正解:1
解説
考え方
図Aは静電容量 〔F〕と 〔F〕の2つのコンデンサを直列に接続した回路、図Bは同じ 〔F〕と 〔F〕を並列に接続した回路です。直列接続の合成静電容量 と並列接続の合成静電容量 は、それぞれ次の式で求めます。
計算
答え:1 2/9
図Aのように2つのコンデンサが1本の線でつながっているのが直列(電荷は共通、電圧は分かれる)、図Bのように上下の節点で2つのコンデンサが橋渡しされているのが並列(電圧は共通、電荷は分かれる)です。直列は「逆数の和の逆数」、並列は「そのまま足し算」という基本公式を取り違えると選択肢2(1/3)や選択肢4(3)のような誤答になります。
No.2
工学基礎無限に長い直線状導体に,図に示す方向に電流I〔A〕が流れており,直線状導体の中心から10 cm離れた点P₁における磁界の大きさは,10 A/mである。このとき,直線状導体から20 cm離れた点P₂における磁界の大きさH〔A/m〕の値として,適当なものはどれか。

- 1.2.5 A/m
- 2.5 A/m
- 3.20 A/m
- 4.40 A/m
正解:2
解説
考え方
図は電流 〔A〕が流れる無限に長い直線状導体と、その周囲にできる同心円状の磁界を示しています。導体の中心から距離 〔m〕離れた点における磁界の大きさ 〔A/m〕は、次の式で表されます。
この式から、磁界の大きさは導体からの距離 に反比例することが分かります。
計算
点 は導体の中心から10 cm離れた点で、磁界の大きさは10 A/mです。点 は導体から20 cm離れた点なので、の2倍の距離にあります。
答え:2 5 A/m
「距離が2倍になれば磁界は半分になる」という反比例の関係を押さえていれば、電流の具体的な数値を求めなくても解けます。距離に比例して大きくなる、あるいは変わらないとする選択肢3・4は、反比例の関係を誤って捉えた誤答です。
No.3
工学基礎図に示す回路において,3 Ωの抵抗を流れる電流I〔A〕の値として,適当なものはどれか。

- 1.2 A
- 2.4 A
- 3.6 A
- 4.8 A
正解:1
解説
考え方
図は起電力36 Vの直流回路で、5Ωの抵抗に続いて、2Ω・3Ω・6Ωの3つの抵抗が並列に接続されています。まず並列部分の合成抵抗を求め、回路全体の抵抗から全電流を求めたうえで、3Ωの抵抗にかかる電圧から分岐電流を求めます。
計算
並列部分の合成抵抗 は、
回路全体の合成抵抗は、直列の5Ωと合わせて、
回路全体を流れる電流は、
並列部分の両端電圧は、
3Ωの抵抗を流れる電流は、
答え:1 2 A
並列回路では各抵抗にかかる電圧が共通になる点がポイントです。先に並列部分をひとまとめの抵抗に直してから全体の電流・電圧を求め、最後に個別の抵抗に立ち返って分岐電流を計算するという手順を踏めば、遠回りに見えても計算ミスを防げます。
No.4
工学基礎極数が2極の三相回転界磁形同期発電機において,周波数を60 Hzとする場合の回転速度〔min⁻¹〕の値として,適当なものはどれか。
- 1.1 500 min⁻¹
- 2.1 800 min⁻¹
- 3.3 000 min⁻¹
- 4.3 600 min⁻¹
正解:4
解説
考え方
三相同期発電機の回転速度(同期速度)〔min⁻¹〕は、周波数〔Hz〕と極数から次の式で求められます。
計算
極数 、周波数 を代入すると、
答え:4 3 600 min⁻¹
同期速度の公式 は、極数が小さいほど回転速度が速くなる関係を表しています。極数を2乗したり、120を掛け忘れたりすると選択肢1・2・3のような誤答になりやすいので、公式を正確に覚えておくことが大切です。
No.5
電気工学汽力発電に用いられる次の記述に該当する装置の名称として,最も適当なものはどれか。「煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱し,熱回収することによって,ボイラ全体の熱効率を高めるためのもの。」
- 1.過熱器
- 2.再熱器
- 3.節炭器
- 4.空気予熱器
正解:3
解説
考え方
設問の「煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱し、熱回収することによって、ボイラ全体の熱効率を高めるためのもの」は、節炭器(エコノマイザ)の説明です。ボイラから排出される燃焼ガス(煙道ガス)はまだ高温を保っているため、これを給水の予熱に利用することで排熱を回収し、ボイラ全体の熱効率を高めます。
他の選択肢との違いは次のとおりです。
- 過熱器:ボイラで発生した飽和蒸気をさらに加熱し、タービンに送る蒸気を過熱蒸気にする装置です。
- 再熱器:タービンの高圧段から出た蒸気を再びボイラに戻して加熱し、タービンの低圧段に送る装置です。
- 空気予熱器:燃焼用の空気を煙道ガスの余熱で予熱し、燃焼効率を高める装置です。
答え:3 節炭器
「給水を温める=節炭器」「空気を温める=空気予熱器」「蒸気をさらに温める=過熱器・再熱器」というように、余熱を何に使うかで装置名を区別すると覚えやすくなります。
No.6
電気工学変電所における次の記述に該当する中性点接地方式の種類として,最も適当なものはどれか。「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」
- 1.抵抗接地方式
- 2.直接接地方式
- 3.非接地方式
- 4.消弧リアクトル接地方式
正解:2
解説
考え方
中性点接地方式は、1線地絡事故が発生したときの健全相(事故が起きていない相)の電圧上昇の大きさや、地絡電流の大きさなどの特性によって使い分けられます。
- 直接接地方式:中性点を直接大地に接地するため、1線地絡時の健全相の電圧上昇が最も小さく抑えられますが、地絡電流は大きくなります。
- 抵抗接地方式:中性点を抵抗を介して接地し、地絡電流を抑制しますが、健全相の電圧上昇は直接接地方式より大きくなります。
- 非接地方式:中性点を接地しないため、1線地絡時の健全相の電圧上昇が大きくなりやすい方式です。
- 消弧リアクトル接地方式:地絡電流を消弧リアクトルで打ち消し、アーク地絡を自然消弧させることを目的とした方式です。
答え:2 直接接地方式
「健全相の電圧上昇を抑えたいなら直接接地」「地絡電流を抑えたいなら抵抗接地や消弧リアクトル接地」という、電圧上昇と地絡電流の大きさがトレードオフの関係にある点を押さえておくと整理しやすくなります。
No.7
電気工学配電系統における高調波に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.高調波成分は,第3,第5,第7などの低次の奇数次のものが大部分を占める。
- 2.機器に高調波が流入すると,過熱,振動,異常音,焼損などが生じる。
- 3.高調波障害対策として,電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する。
- 4.発生源における低減対策として,発生機器に高調波フィルタを設ける。
正解:3
解説
考え方
配電系統に流入する高調波は、第3・第5・第7調波など低次の奇数次成分が大部分を占め、機器に流入すると過熱・振動・異常音・焼損などの障害を引き起こします。発生源側の対策としては、高調波を発生させる機器に高調波フィルタを設けることが有効です。
一方、電力用コンデンサは進み電流を流す性質があるため、高調波障害対策としてはコンデンサに直列にリアクトル(直列リアクトル)を接続し、特定次数の高調波に対して回路が共振しないようにするのが一般的な方法です。電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設するという記述は、接続の仕方が実際の対策と異なっており不適当です。
答え:3 高調波障害対策として,電力用コンデンサに並列にリアクトルを施設する。
高調波対策の直列リアクトルは、コンデンサと直列に入れることで回路の共振点をずらし、高調波電流の増幅(拡大)を防ぐためのものです。「直列」を「並列」と取り違えないように注意しましょう。
No.8
電気工学地中電線路における電力ケーブルの温度上昇の原因として,最も不適当なものはどれか。
- 1.抵抗損
- 2.誘電体損
- 3.シース損
- 4.コロナ損
正解:4
解説
考え方
地中に布設された電力ケーブルは、通電に伴っていくつかの要因で温度が上昇します。抵抗損(導体の電気抵抗による発熱)、誘電体損(絶縁体に交流電圧が加わることによる発熱)、シース損(金属シースに流れる誘導電流による発熱)は、いずれもケーブル自体で発生する損失であり、温度上昇の直接的な原因になります。
一方、コロナ損は主に架空送電線の電線表面で高電圧により空気が部分的に絶縁破壊を起こして発生する損失で、地中ケーブルは絶縁体で覆われているためコロナ放電が生じる余地がなく、地中ケーブルの温度上昇の原因としては最も不適当です。
答え:4 コロナ損
コロナ損は「架空電線」特有の現象、抵抗損・誘電体損・シース損は「ケーブル自体の構造」に起因する損失、と区別しておくと迷いません。
No.9
電気工学照明に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.光束発散度は,受光面の単位面積あたりに入射する光束の大きさである。
- 2.視感度は,ある波長の放射エネルギーが,人の目に光としてどれだけ感じられるかを表すものである。
- 3.光束は,光源の放射束のうち,人の目に光として感じるエネルギーである。
- 4.グレアは,視野の中に輝度の高いものがあることにより,目の不快感や物の見えにくさが生じる視覚の状態である。
正解:1
解説
考え方
照明に関する用語は、光がどの面を基準にしているかで意味が異なります。
- 視感度:ある波長の放射エネルギーが、人の目に光としてどれだけ強く感じられるかを表す度合いです。
- 光束:光源の放射束のうち、人の目に光として感じられるエネルギーを表します。
- グレア:視野内に輝度の高いものがあることで生じる、目の不快感や物の見えにくさです。
これに対し、「受光面の単位面積あたりに入射する光束の大きさ」は光束発散度ではなく、照度の定義です。光束発散度は、光源や反射面など発光・反射する面から単位面積あたりに出ていく(発散する)光束の大きさを表す量であり、光を受け取る側ではなく発する側に着目した量である点が異なります。
答え:1 光束発散度は,受光面の単位面積あたりに入射する光束の大きさである。
「入射する光束=照度」「発散する光束=光束発散度」という、光を受ける面か発する面かの違いを取り違えないようにしましょう。
No.10
電気工学単相誘導電動機の始動法として,最も不適当なものはどれか。
- 1.コンデンサ始動形
- 2.反発始動形
- 3.インバータ始動形
- 4.分相始動形
正解:3
解説
考え方
単相誘導電動機は単相交流だけでは始動トルクを得にくいため、始動時だけ回転磁界に近い状態をつくる工夫が必要です。コンデンサ始動形(コンデンサで位相をずらした補助巻線を使う)、反発始動形(整流子とブラシを利用して始動トルクを得る)、分相始動形(主巻線と抵抗の異なる補助巻線を使い位相差を生じさせる)は、いずれも単相誘導電動機の代表的な始動方式です。
一方、「インバータ始動形」という分類名は単相誘導電動機の始動方式として一般的に用いられるものではありません。インバータは主に電動機の速度制御に用いられる技術であり、単相誘導電動機の始動方式の名称としては最も不適当です。
答え:3 インバータ始動形
コンデンサ始動形・反発始動形・分相始動形は、いずれも「補助的な巻線や整流子構造を使って始動時のトルクを作り出す」という共通点を持つ古典的な始動方式として押さえておきましょう。
No.11
電気設備水力発電に用いられる水車に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。「圧力水頭をもつ流水をランナに作用させる構造の水車を[ア]と呼び,[ア]には,流水がランナの外周から流入し,ランナ内で軸方向に向きを変えて流出する[イ]がある。」
- 1.ア:衝動水車 イ:フランシス水車
- 2.ア:衝動水車 イ:ペルトン水車
- 3.ア:反動水車 イ:フランシス水車
- 4.ア:反動水車 イ:ペルトン水車
正解:3
解説
考え方
水車は、水のエネルギーをランナに伝える仕組みによって衝動水車と反動水車に大別されます。
- 衝動水車:ノズルから吹き出す水の速度エネルギー(速度水頭)だけをランナの羽根に作用させて回転させる水車で、代表例はペルトン水車です。
- 反動水車:圧力水頭をもつ流水そのものをランナに作用させ、水がランナ内を通過する際の圧力変化・向きの変化を利用して回転力を得る水車です。
反動水車のうち、流水がランナの外周から流入し、ランナ内で軸方向に向きを変えて流出する構造を持つのがフランシス水車です。
空欄の埋め方
「圧力水頭をもつ流水をランナに作用させる構造の水車を[反動水車]と呼び,[反動水車]には,流水がランナの外周から流入し,ランナ内で軸方向に向きを変えて流出する[フランシス水車]がある。」
答え:3 ア:反動水車 イ:フランシス水車
「圧力水頭を使う=反動水車」「速度水頭だけを使う=衝動水車(ペルトン水車)」という対応関係を軸に、フランシス水車は反動水車の代表例として覚えておきましょう。
No.12
電気設備変電所の変圧器の騒音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.変圧器のコイルは,通電時に働く電磁力により振動し,騒音源となる。
- 2.鉄心の断面積を小さくし,磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である。
- 3.強制冷却方式の変圧器では,冷却ファンや送油ポンプなどの補機類も騒音源となる。
- 4.変圧器と基礎の間に防振ゴムを設置することは,騒音対策に有効である。
正解:2
解説
考え方
変圧器の騒音は、主に鉄心の磁歪振動やコイルの電磁力による振動が原因で発生します。コイルは通電時に働く電磁力によって振動し騒音源となり、強制冷却方式では冷却ファンや送油ポンプなどの補機類も騒音源になります。また、変圧器と基礎の間に防振ゴムを設置することは、振動の伝達を抑える騒音対策として有効です。
一方、鉄心の磁束密度を高くすると、鉄心の磁歪(磁化に伴うわずかな伸縮)による振動が大きくなり、かえって騒音は増加します。騒音対策としては、鉄心の断面積を大きくして磁束密度を低く抑える設計が有効であり、「断面積を小さくし,磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である」という記述は実際の対策とは逆の内容になっており不適当です。
答え:2 鉄心の断面積を小さくし,磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である。
「磁束密度を上げる→磁歪が大きくなる→騒音が増える」という関係を覚えておけば、騒音対策としては磁束密度を下げる(=鉄心断面積を大きくする)方向が正しいと判断できます。
No.13
電気設備変電所において,無効電力の調整を行う機器の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.同期調相機は,短絡事故時に故障電流を供給することはない。
- 2.電力用コンデンサは,電圧調整が段階的となる。
- 3.電力用コンデンサは,電圧を下げることができない。
- 4.分路リアクトルは,変圧器よりも騒音,振動が大きくなる。
正解:1
解説
考え方
変電所で無効電力の調整に使われる機器には、同期調相機、電力用コンデンサ、分路リアクトルなどがあります。それぞれ次のような特徴があります。
- 電力用コンデンサ:進み無効電力を供給して電圧を上昇させる働きをしますが、投入・開放の切替えでしか制御できないため電圧調整は段階的になり、電圧を下げる方向の調整はできません。
- 分路リアクトル:遅れ無効電力を吸収する働きをし、変圧器よりも磁気回路に起因する騒音・振動が大きくなる傾向があります。
一方、同期調相機は回転する同期機であり、界磁電流を調整することで進み・遅れ両方向の無効電力を連続的に調整できる装置ですが、その構造は同期発電機と基本的に同じであるため、系統で短絡事故が発生した際には他の同期機と同様に故障電流(短絡電流)を供給します。「短絡事故時に故障電流を供給することはない」という記述は、同期調相機の実際の挙動と異なり不適当です。
答え:1 同期調相機は,短絡事故時に故障電流を供給することはない。
同期調相機は「無効電力調整用の同期機」であり、原理的には同期発電機と同じ回転機である以上、短絡時には他の同期機と同様に事故電流を供給する、という理解がポイントです。
No.14
電気設備架空送電線路における電線のたるみに関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.温度が高くなると,たるみは大きくなる。
- 2.たるみを小さくすると,電線は短くてすむ。
- 3.たるみを大きくすると,電線にかかる張力は小さくなる。
- 4.たるみを小さくすると,電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。
正解:4
解説
考え方
架空送電線の電線は、温度変化や自重によってたるみ(弛度)が生じます。温度が高くなると電線が熱膨張してたるみは大きくなり、たるみを小さくするほど同じ径間に必要な電線の実長は短くて済みます。また、たるみを大きくするほど電線にかかる張力は小さくなる(たるませることで張力を逃がす)という関係があります。
一方、たるみを小さくする(電線を強く張る)と、強風などによる電線の振動幅はむしろ小さくなる傾向があり、逆にたるみを大きくすると強風時に電線が大きく揺れて電線相互が接近・接触しやすくなり、短絡事故を起こすおそれが高まります。「たるみを小さくすると,電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある」という記述は、たるみと接触リスクの関係が実際とは逆になっており不適当です。
答え:4 たるみを小さくすると,電線相互が接触して短絡事故を起こす恐れがある。
たるみを大きくすると「張力は小さくなるが、風などで電線が振れやすくなり接触事故のリスクは上がる」という、一方を立てれば他方が立たないトレードオフの関係を押さえておきましょう。
No.15
電気設備高圧架空配電線路に使用する電線の太さを選定する際の検討項目として,最も関係のないものはどれか。
- 1.電力損失
- 2.地絡電流
- 3.電圧降下
- 4.機械的強度
正解:2
解説
考え方
高圧架空配電線路に使用する電線の太さを選ぶときは、通常時・事故時にどれだけの電流に耐えられるか、電圧降下がどの程度になるか、電線自体の強度(引張強さ・弛度など)が十分かを検討します。
- 電力損失:電流の2乗と抵抗に比例して発生するため、電線の太さ(抵抗値)の検討項目になります。
- 電圧降下:電線の太さ(抵抗・リアクタンス)によって変わるため、検討項目になります。
- 機械的強度:電線自体が支持点間で自重や風雪荷重に耐えられるかという、太さ選定の基本的な検討項目です。
一方、地絡電流は、地絡継電器の整定や中性点接地方式の検討に関わる要素であり、電線の太さそのものを直接決める検討項目ではありません。
答え:2 地絡電流
地絡電流は「保護継電器の整定」に関わるもので、「電線の太さ(許容電流・電圧降下・機械的強度)」を決める要素ではない点を区別しておきましょう。
No.16
電気設備架空送電線により通信線に発生する電磁誘導障害の軽減対策として,最も不適当なものはどれか。
- 1.送電線をねん架する。
- 2.故障箇所を高速度で遮断する。
- 3.送電線と通信線の間に遮へい線を設ける。
- 4.送電線の中性点の接地抵抗値を小さくする。
正解:4
解説
考え方
架空送電線に近接する通信線には、送電線を流れる電流(特に地絡時の零相電流)によって電磁誘導障害が生じることがあります。軽減対策としては、送電線をねん架して各相からの誘導作用を平均化する方法、事故電流を高速度で遮断して誘導が生じる時間を短くする方法、送電線と通信線の間に遮へい線を設けて誘導磁界を打ち消す方法などが用いられます。
一方、電磁誘導障害の主な原因は地絡時に流れる零相電流(誘導電流)であり、これを抑えるには送電線の中性点接地抵抗値を大きくする(高抵抗接地に近づける)ことで地絡電流自体を制限するのが対策の方向性です。「中性点の接地抵抗値を小さくする」という記述は、地絡電流をかえって増加させ誘導障害を悪化させる方向であり、軽減対策として不適当です。
答え:4 送電線の中性点の接地抵抗値を小さくする。
中性点接地抵抗を小さくする(直接接地に近づける)ほど地絡電流は大きくなり、誘導障害はむしろ強まります。「軽減したいなら抵抗を大きくする」という向きを取り違えないようにしましょう。
No.17
電気設備架空配電線路の雷害対策に用いる機器等として,最も不適当なものはどれか。
- 1.断路器
- 2.架空地線
- 3.避雷器
- 4.放電クランプ
正解:1
解説
考え方
架空配電線路の雷害対策には、架空地線(誘導雷や直撃雷を電線の上部で受け止め大地に導く)、避雷器(雷サージが機器に加わるのを抑制する)、放電クランプ(がいしの絶縁破壊時にアークを電線から離れた位置に誘導し、電線の損傷を防ぐ)などが用いられます。
一方、断路器は無負荷状態の電路を区分・開閉するための機器であり、雷害から線路や機器を保護するための対策機器ではありません。
答え:1 断路器
架空地線・避雷器・放電クランプは「雷から線路や機器を守る」という共通の目的を持つ機器としてまとめて覚え、断路器は「無負荷時の回路の区分・開閉」という別の役割の機器と区別しておきましょう。
No.18
電気設備高圧配電線路に施設される地絡方向継電器において,地絡電流の方向を判定する要素として,最も適当なものはどれか。
- 1.線間電圧と負荷電流の位相差
- 2.線間電圧と零相電流の位相差
- 3.零相電圧と負荷電流の位相差
- 4.零相電圧と零相電流の位相差
正解:4
解説
考え方
高圧配電線路の地絡事故を検出する保護継電器には、地絡過電流継電器(零相電流の大きさだけで動作)と地絡方向継電器(零相電流の大きさに加えて方向も判別)があります。地絡方向継電器は、地絡時に生じる零相電圧を基準にして、零相電流との位相差から地絡電流が線路のどちら向きに流れているかを判定し、事故が自線路内にあるか他線路にあるかを区別します。
線間電圧や負荷電流は通常運転時の量であり、地絡電流の方向判定には用いられません。
答え:4 零相電圧と零相電流の位相差
地絡方向継電器は「零相電圧」を基準(位相の物差し)にして「零相電流」の位相を比較する、という2つとも零相成分を使う点がポイントです。線間電圧や負荷電流と混同しないようにしましょう。
No.19
電気設備一般事務室照明の省エネルギー対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.保守率の値が小さい照明器具を選定する。
- 2.点滅区分を細分化して,こまめに点滅できるようにする。
- 3.タスク・アンビエント照明方式を用いる。
- 4.明るさセンサを設置し,昼光を利用する調光制御を行う。
正解:1
解説
考え方
一般事務室の照明では、点滅区分を細分化してこまめに点滅できるようにする、タスク・アンビエント照明方式(作業面は明るく、周辺は控えめに照明する)を用いる、明るさセンサで昼光利用の調光制御を行う、といった対策が省エネルギーに有効です。
一方、保守率は、照明器具の経年による光束減少や汚れなどを見込んで、設計照度を確保するために設定する係数です。保守率の値が小さい照明器具を選定すると、将来の光束低下を大きめに見込んで初期照度を過大に設計する必要が生じ、初期段階でのエネルギー消費がかえって増えてしまいます。省エネルギーの観点では、経年劣化が少なく保守率の値を大きく設定できる高性能な照明器具を選ぶ方が有利であり、「保守率の値が小さい照明器具を選定する」という記述は省エネ対策として不適当です。
答え:1 保守率の値が小さい照明器具を選定する。
保守率は「劣化の少なさ」を表す係数で、値が大きいほど優れた(省エネに有利な)器具と考えます。「小さい値を選ぶ」という記述を見たら、劣化を大きく見込んだ設計になり不利になる点に気づけるかがポイントです。
No.20
電気設備かご形誘導電動機にインバータ制御を用いた場合の特徴として,最も不適当なものはどれか。
- 1.始動電流を小さくできる。
- 2.低速でトルクが出にくいものがある。
- 3.速度制御が容易で省エネルギー性に優れている。
- 4.高調波対策が不要である。
正解:4
解説
考え方
かご形誘導電動機にインバータ制御を用いると、始動時の突入電流を抑えて始動電流を小さくでき、速度制御が容易になり省エネルギー性にも優れるという利点があります。ただし、低速域ではトルクが出にくくなる機種もあります。
一方、インバータは交流を直流に変換し、再び任意の周波数の交流に変換するスイッチング動作を行う装置であるため、その変換過程で高調波電流を発生させます。このため、インバータ制御を用いた設備では、高調波フィルタの設置など、むしろ高調波対策が必要になります。「高調波対策が不要である」という記述は、インバータの基本的な特性と矛盾しており不適当です。
答え:4 高調波対策が不要である。
インバータは省エネルギー性に優れる一方で、スイッチング動作に伴う高調波の発生源にもなるという、長所と注意点をセットで理解しておくことが大切です。
No.21
電気設備金属線ぴ工事による低圧屋内配線において,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。ただし,線ぴの長さは8 mとし,事務所ビルの展開した場所に施設するものとする。
- 1.使用電圧が300 V以下の金属線ぴ配線を,乾燥した場所に施設した。
- 2.湿気の多い場所又は水気のある場所に施設するので,D種接地工事を施した。
- 3.線ぴ相互及び線ぴとボックスその他の附属品とは,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続した。
- 4.使用電圧が交流対地電圧150 V以下であり,線ぴに人が接触しないよう防護措置を施したのでD種接地工事を省略した。
正解:2
解説
考え方
金属線ぴ工事による低圧屋内配線は、「電気設備の技術基準とその解釈」上、原則として乾燥した場所の露出場所または点検できる隠ぺい場所に限って施設できる工事方法です。湿気の多い場所や水気のある場所は、金属製の線ぴ内部で結露や水気による絶縁劣化・腐食が生じやすいため、そもそも金属線ぴ工事の施設場所として認められていません。
したがって、「湿気の多い場所又は水気のある場所に施設するので,D種接地工事を施した」という記述は、接地工事さえ施せば湿気の多い場所・水気のある場所にも金属線ぴ工事を施設できるかのような内容になっており、施設場所の制限そのものに反するため不適当です。D種接地工事は感電防止のための対策であって、施設場所の制限を緩和するものではありません。
他の選択肢について、使用電圧300 V以下の金属線ぴ配線を乾燥した場所に施設したこと、線ぴ相互及び附属品を堅ろうかつ電気的に完全に接続したことは、いずれも適切な内容です。また、対地電圧150 V以下で人が接触しないよう防護措置を施した場合にD種接地工事を省略できるという規定もあり、選択肢4はこの条件に沿った適切な内容です。
答え:2 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設するので,D種接地工事を施した。
金属線ぴ工事は「乾燥した場所」が施設場所の大前提であり、D種接地工事を施したからといって湿気の多い場所・水気のある場所に施設してよいことにはならない、という点がこの設問のポイントです。
No.22
電気設備キュービクル式高圧受電設備に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.PF・S形の主遮断装置は,高圧交流負荷開閉器と限流ヒューズを組み合わせたものである。
- 2.PF・S形の受電設備容量は,300 kV・A以下である。
- 3.CB形の主遮断装置は,断路器と過電流継電器を組み合わせたものである。
- 4.CB形の受電設備容量は,4 000 kV・A以下である。
正解:3
解説
考え方
キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置には、JISで規定されたCB形とPF・S形があります。
- PF・S形:高圧交流負荷開閉器(LBS)と限流ヒューズ(PF)を組み合わせた主遮断装置で、受電設備容量は300 kV・A以下に限られます。
- CB形:遮断器(CB)と保護継電器(過電流継電器や地絡継電器など)を組み合わせて主遮断装置とする形式で、受電設備容量は4 000 kV・A以下まで対応できます。
これに対し、「CB形の主遮断装置は,断路器と過電流継電器を組み合わせたものである」という記述は誤りです。CB形の中核となる機器は遮断器(CB)であって断路器ではありません。断路器は無負荷状態での区分・開閉に用いる機器であり、事故電流を遮断する能力を持たないため、保護継電器と組み合わせて主遮断装置とすることはできません。
答え:3 CB形の主遮断装置は,断路器と過電流継電器を組み合わせたものである。
「CB形」の「CB」は遮断器(Circuit Breaker)を指します。断路器(DS)と混同しないよう、CB形=遮断器+保護継電器、PF・S形=限流ヒューズ+高圧交流負荷開閉器、という組合せを正確に覚えておきましょう。
No.23
電気設備D種接地工事を施す箇所として「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。
- 1.高圧キュービクル内にある高圧計器用変成器の二次側電路
- 2.屋内の金属管工事において,使用電圧100 Vの長さ10 mの金属管
- 3.使用電圧が200 Vの電路に接続されている,人が触れるおそれがある場所に施設する電動機の金属製外箱
- 4.高圧の電路に施設する避雷器
正解:4
解説
考え方
D種接地工事は、300 V以下の低圧用の機器の金属製外箱や、使用電圧の低い金属管工事などに広く用いられる接地工事の区分です。高圧計器用変成器の二次側電路、使用電圧100 Vの金属管、200 V電路に接続され人が触れるおそれのある電動機の金属製外箱は、いずれもD種接地工事の対象として扱われます。
一方、高圧の電路に施設する避雷器は、高電圧の機器そのものであり、その接地には低圧用のD種接地工事ではなく、より接地抵抗値の小さいA種接地工事が必要とされています。「高圧の電路に施設する避雷器」にD種接地工事を施すのは、接地工事の区分を取り違えており不適当です。
答え:4 高圧の電路に施設する避雷器
「高圧・特別高圧の機器の外箱等=A種接地工事」「低圧機器の外箱・計器用変成器の二次側等=D種接地工事(一部C種)」という対応関係を、電圧の高さと接地工事の種類のセットで覚えておくと判断しやすくなります。
No.24
電気設備低圧屋側電線路の工事として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。ただし,木造の造営物に施設する場合を除く。
- 1.金属管工事
- 2.ケーブル工事
- 3.金属ダクト工事
- 4.合成樹脂管工事
正解:3
解説
考え方
低圧屋側電線路は、屋外に近い環境で電線を保護する必要があるため、「電気設備の技術基準とその解釈」上、施設できる工事方法が限定されています。木造の造営物以外に施設する場合、金属管工事、ケーブル工事、合成樹脂管工事などは低圧屋側電線路の工事方法として認められています。
一方、金属ダクト工事は、主に屋内の乾燥した場所で多数の電線をまとめて収める工事方法であり、低圧屋側電線路(屋外に近い、雨露にさらされやすい環境)の工事方法としては規定されていません。
答え:3 金属ダクト工事
低圧屋側電線路は「屋外」に準じる環境での配線であるため、屋内配線で使われる工事方法がそのまま認められるわけではない点に注意が必要です。金属管・合成樹脂管・ケーブルは屋側配線でも使える代表的な工事方法として押さえておきましょう。
No.25
電気設備自動火災報知設備の差動式スポット型感知器の設置場所として,「消防法」上,誤っているものはどれか。ただし,感知器の取付面の高さは4 m未満とする。
- 1.自家発電室
- 2.ボイラー室
- 3.食堂
- 4.駐車場
正解:2
解説
考え方
自動火災報知設備の感知器は、設置場所の環境(温度変化の仕方や煙・熱の発生パターン)に応じて適した種類を選びます。差動式スポット型感知器は、周囲の温度が急激に上昇したときの温度変化率を検知するもので、緩やかな温度変化が日常的に生じる自家発電室、食堂、駐車場などに適しています。
一方、ボイラー室は、ボイラの点火・燃焼に伴い急激かつ大きな温度変化が日常的に生じる場所であり、このような場所に温度変化率を検知する差動式スポット型感知器を設置すると、火災でない通常の温度変化でも誤作動(非火災報)を起こしやすくなります。ボイラー室のように急激な温度上昇が通常時にも生じる場所には、一定の温度に達したときに動作する定温式スポット型感知器を用いるのが適切とされています。
答え:2 ボイラー室
「急激な温度変化が日常的に起こる場所(ボイラー室・厨房の火気使用部分など)=定温式」「緩やかな変化が普通の場所=差動式」という設置場所と感知器種類の対応を押さえておきましょう。
No.26
電気設備防火対象物に設置する非常ベルに関する記述として,「消防法」上,誤っているものはどれか。
- 1.非常ベルは,避難設備である。
- 2.非常ベルには,非常電源を附置しなければならない。
- 3.非常ベルは,自動火災報知設備の有効範囲内の部分については,設置しなくてもよい。
- 4.非常ベルは,当該防火対象物の全区域に火災の発生を有効に,かつ,すみやかに報知することができるようにしなければならない。
正解:1
解説
考え方
消防法令上、防火対象物に設置する消防用設備等は「消火設備」「警報設備」「避難設備」「消防用水」「消火活動上必要な施設」に区分されます。非常ベルは、火災の発生をベルの音により防火対象物内に報知するための設備であり、この区分では「警報設備」に位置づけられます。
非常ベルには非常電源を附置しなければならず、自動火災報知設備の有効範囲内の部分については非常ベルの設置を省略できるとされ、防火対象物の全区域に火災の発生を有効かつすみやかに報知できるようにしなければならない、という記述はいずれも正しい内容です。
一方、「非常ベルは,避難設備である」という記述は、非常ベルが実際には「警報設備」に区分されることと矛盾しており誤りです。避難設備には、避難はしごや避難器具、誘導灯・誘導標識などが該当します。
答え:1 非常ベルは,避難設備である。
非常ベルは「警報設備」、避難はしご・誘導灯などは「避難設備」というように、消防用設備等の5区分を対応づけて整理しておくと混同しにくくなります。
No.27
電気設備建物の入退室管理設備に用いる機器として,最も関係のないものはどれか。
- 1.音声誘導装置
- 2.ICカードリーダ
- 3.暗証番号入力装置
- 4.バイオメトリックス照合装置
正解:1
解説
考え方
建物の入退室管理設備は、入室者の認証・識別を行い、許可された者だけを通す仕組みです。ICカードリーダ(カードの情報を読み取る)、暗証番号入力装置(テンキーなどで暗証番号を入力する)、バイオメトリックス照合装置(指紋や静脈など生体情報で照合する)は、いずれも入退室管理における代表的な認証機器です。
一方、音声誘導装置は、主に視覚障害者などを音声で誘導するために設置される設備であり、入退室の可否を判定・管理する機能を持たないため、入退室管理設備に用いる機器としては最も関係がありません。
答え:1 音声誘導装置
ICカードリーダ・暗証番号入力装置・バイオメトリックス照合装置は「本人確認・認証」を行う機器という共通点でまとめ、音声誘導装置は「案内・誘導」のための別分野の設備と区別しておきましょう。
No.28
電気設備架空電車線の区分装置のうち,電気的に区分する装置として,最も不適当なものはどれか。
- 1.エアセクション
- 2.エアジョイント
- 3.FRPセクション
- 4.がいし形セクション
正解:2
解説
考え方
架空電車線には、異なるき電区間の境界で電気的に絶縁を保ちながらパンタグラフを通過させるための区分装置が設けられます。エアセクション(一定の空間距離で2本のトロリ線を並べて電気的に絶縁する)、FRPセクション(絶縁性の高いFRP材で電気的に区分する)、がいし形セクション(がいしを用いて電気的に絶縁する)は、いずれも電気的な区分を目的とした装置です。
一方、エアジョイントは、トロリ線やちょう架線の温度伸縮を吸収したり、線条を機械的に接続・調整したりするための装置であり、電気的な区分を主目的とするものではありません。
答え:2 エアジョイント
エアセクション・FRPセクション・がいし形セクションは「電気的に区分する」ための装置、エアジョイントは「機械的な接続・伸縮吸収」のための装置、という目的の違いで区別しておくと判断しやすくなります。
No.29
電気設備太陽光発電システムのパワーコンディショナの機能に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.既存の電力系統と接続する機能
- 2.直流電流を交流電流に変換する機能
- 3.光エネルギーを電気に変換する機能
- 4.電圧や周波数など電気の品質を保つ機能
正解:3
解説
考え方
太陽光発電システムのパワーコンディショナ(PCS)は、太陽電池モジュールが発電した直流電力を交流電力に変換し、電力系統と連系させるための装置です。既存の電力系統と接続する機能(系統連系保護機能を含む)、直流電流を交流電流に変換する機能、電圧や周波数など電気の品質を保つ機能は、いずれもパワーコンディショナが担う代表的な機能です。
一方、「光エネルギーを電気に変換する機能」は、太陽電池モジュール(太陽電池セル)自体が光電効果によって行う機能であり、パワーコンディショナの機能ではありません。パワーコンディショナはあくまで太陽電池モジュールが発電した直流電力を受け取って変換・制御する装置です。
答え:3 光エネルギーを電気に変換する機能
「光→電気」の変換は太陽電池モジュールの役割、「直流→交流」の変換や系統との整合はパワーコンディショナの役割、と発電と変換の担当を分けて理解しておきましょう。
No.30
関連分野建物内の給水設備における高置水槽方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する。
- 2.ポンプ直送方式に比べて,水質汚染の可能性が高くなる。
- 3.建物の停電時は,高置水槽に残っている分の給水が可能である。
- 4.水道本管断水時は,受水槽及び高置水槽に残っている分の給水が可能である。
正解:1
解説
考え方
建物の給水設備における高置水槽方式は、いったん受水槽に水道本管からの水を受け、ポンプで屋上などの高置水槽にくみ上げたのち、高低差による自然流下で各所へ給水する方式です。この方式では、建物の停電時でも高置水槽に残っている水量の分は給水を続けることができ、水道本管の断水時にも受水槽・高置水槽に残っている水量の分は給水が可能です。また、水槽で水を一時的に貯留する構造上、直結増圧方式などに比べると水の滞留時間が長くなりやすく、ポンプ直送方式に比べて水質汚染の可能性がやや高くなるとされています。
一方、高置水槽方式は水道本管と高置水槽・受水槽の間でいったん水を受け止める構造になっているため、給水圧力は高置水槽の設置高さ(水頭)によって決まり、水道本管の圧力変化の影響を直接受けにくいという特徴があります。「水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する」という記述は、高置水槽方式の特徴とは異なり不適当です。
答え:1 水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する。
高置水槽方式は「本管の圧力変動から切り離されて、水槽の高さで安定した圧力を得られる」点が長所です。本管の圧力変化がそのまま給水圧力に影響するのは、高置水槽を介さない直結方式の特徴である点と区別しておきましょう。
No.31
関連分野土を固結させる基礎地盤改良工法として,最も不適当なものはどれか。
- 1.凍結工法
- 2.ケーソン工法
- 3.薬液注入工法
- 4.石灰パイル工法
正解:2
解説
考え方
基礎地盤を固結させる(土そのものを化学的・物理的に固める)地盤改良工法には、地盤を凍結させて一時的に強度を高める凍結工法、薬液を地盤に注入して土粒子間を固結させる薬液注入工法、生石灰を地中に柱状に打ち込み吸水・発熱反応で周囲の土を固結・脱水する石灰パイル工法などがあります。
一方、ケーソン工法は、あらかじめ製作した箱状の構造物(ケーソン)を地中に沈設して基礎そのものを構築する工法であり、周囲の土を薬液や生石灰などで化学的に固結させる「地盤改良」の手法ではなく、基礎躯体を築造する工法に分類されます。
答え:2 ケーソン工法
凍結工法・薬液注入工法・石灰パイル工法は「土そのものを固める」地盤改良の手法、ケーソン工法は「基礎構造物を沈設して造る」基礎工事の工法、という区分の違いを押さえておきましょう。
No.32
関連分野建設作業に使用する移動式クレーンの安全装置として,最も関係のないものはどれか。
- 1.安全弁
- 2.揚貨装置
- 3.過負荷防止装置
- 4.傾斜角指示装置
正解:2
解説
考え方
移動式クレーンには、事故を防止するための安全装置がいくつも備えられています。安全弁(油圧回路の圧力が上がりすぎたときに油を逃がす)、過負荷防止装置(定格荷重を超えると警報を出し動作を制限する)、傾斜角指示装置(ジブなどの傾斜角を表示し転倒防止に役立てる)は、いずれも移動式クレームの代表的な安全装置です。
一方、揚貨装置は、主に船舶に装備されて貨物の積み下ろしに使われる荷役設備の名称であり、移動式クレームの安全装置には該当しません。
答え:2 揚貨装置
安全弁・過負荷防止装置・傾斜角指示装置は「移動式クレーンそのものに組み込まれた安全機構」というグループでまとめ、揚貨装置は「船舶の荷役設備」という別分野の用語として区別しておきましょう。
No.33
関連分野架空送電線の鉄塔の組立工法として,最も不適当なものはどれか。
- 1.台棒工法
- 2.送込み工法
- 3.移動式クレーン工法
- 4.クライミングクレーン工法
正解:2
解説
考え方
架空送電線の鉄塔の組立工法には、部材を組み上げながら台棒(デリック)で吊り上げていく台棒工法、移動式クレーンを用いて部材を組み立てる移動式クレーン工法、鉄塔本体に取り付けたクレーンを鉄塔の伸びに合わせて上昇させながら組み立てるクライミングクレーン工法などがあります。
一方、送込み工法は、主に電線やケーブルを延線する(線を送り込む)作業で用いられる用語であり、鉄塔本体を組み立てる工法としては一般的に用いられません。
答え:2 送込み工法
台棒工法・移動式クレーン工法・クライミングクレーン工法は「鉄塔の部材を組み立てる」ための工法という共通点でまとめ、送込み工法は「電線を延線する」作業に関わる用語として区別しておきましょう。
No.34
関連分野鉄道線路の軌道に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ガードレールは,脱線事故の防止のために用いられる。
- 2.トングレールは,分岐器のポイント部に用いられる。
- 3.サードレールは,車両からの帰線として用いられる。
- 4.リードレールは,分岐器のポイントとクロッシングとを連絡するために用いられる。
正解:3
解説
考え方
鉄道の軌道には、目的に応じたさまざまな特殊レールが用いられます。ガードレールは、脱線した車輪を本線レールから大きく逸脱させないようにするための脱線防止用のレールです。トングレールは、分岐器のポイント部で列車の進路を切り替えるために可動する部分のレールです。リードレールは、分岐器のポイント部とクロッシング部とを連絡する区間のレールです。
一方、サードレールは、地下鉄などの第三軌条方式において、架線の代わりに車両へ電力を供給するための集電用レールであり、「車両からの帰線」として使われるものではありません。帰線(電流が車両からき電回路に戻る経路)には、走行レール自体やそれに準じる別の帰線設備が用いられます。
答え:3 サードレールは,車両からの帰線として用いられる。
サードレールは第三軌条方式における「給電用」のレールであり、「帰線用」ではない点が誤りのポイントです。ガードレール・トングレール・リードレールはいずれも軌道の構造・分岐に関わる部材として区別して覚えておきましょう。
No.35
関連分野熱間圧延形鋼の種類と断面形状略図の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

- 1.等辺山形鋼
- 2.不等辺山形鋼
- 3.リップ溝形鋼
- 4.H形鋼
正解:3
解説
考え方
図には、熱間圧延形鋼の断面形状略図と名称の組合せが4つ示されています。選択肢1は、直角に曲がった等しい長さの2辺からなるL字形の断面で、これは等辺山形鋼の断面形状と一致します。選択肢2は、直角に曲がった長さの異なる2辺(縦が長く横が短い)からなるL字形の断面で、これは不等辺山形鋼の断面形状と一致します。選択肢4は、上下のフランジと中央のウェブからなる「I」字形の断面で、これはH形鋼の断面形状と一致します。
これに対し、選択肢3の図は、コの字形(チャンネル状)に開いた断面ですが、上下のフランジ端部に、リップ溝形鋼の特徴である内側への小さな折り返し(リップ)は描かれていません。単純にコの字形に開いただけの断面は、リップのない「溝形鋼」の断面形状であり、フランジ先端を内側に折り返して補強したリップ溝形鋼の断面形状とは異なります。したがって、この断面形状略図に「リップ溝形鋼」という名称を組み合わせるのは誤りです。
答え:3 リップ溝形鋼(断面形状略図が実際のリップ溝形鋼と一致しない)
溝形鋼とリップ溝形鋼は、いずれもコの字形の基本形状を持ちますが、リップ溝形鋼はフランジの先端がさらに内側に折り返された断面をしている点が特徴です。図中の折り返しの有無を見落とさないようにしましょう。
No.36
共通工学電話・情報設備の配線用図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

- 1.情報用アウトレット
- 2.通信用アウトレット(電話用アウトレット)
- 3.ルータ
- 4.交換機
正解:4
解説
考え方
図には、電話・情報設備の配線用図記号と名称の組合せが4つ示されています。選択肢1の黒く塗られた縦長のカプセル状の記号は情報用アウトレットの図記号、選択肢2の丸の中に黒丸を配した記号は通信用アウトレット(電話用アウトレット)の図記号、選択肢3の四角形の中に「RT」の文字を記した記号はルータの図記号として、それぞれ「日本産業規格(JIS)」上正しい組合せです。
これに対し、選択肢4の四角形の中に「MDF」の文字を記した図記号は、主配線盤(Main Distribution Frame)を表す記号です。主配線盤は、建物の外から引き込まれる電話回線などを建物内の配線に振り分けて接続するための配線盤であり、電話の交換動作そのものを行う「交換機」とは機能が異なります。したがって、「MDF」の図記号に「交換機」という名称を組み合わせるのは誤りです。
答え:4 交換機(図記号は主配線盤(MDF)を表しており、交換機の図記号ではない)
「MDF」はあくまで配線を集約・分配する配線盤であり、発着信の制御などを行う交換機(PBXなど)とは別の設備です。図記号のアルファベットの略称(RT=ルータ、MDF=主配線盤)の意味を正確に押さえておくことが、この種の問題を解くポイントです。
No.37
施工管理法(応用能力)大型機器の屋上への搬入計画を立案する場合の確認事項として,最も関係のないものはどれか。
- 1.搬入順序及び搬入経路
- 2.搬入車両の待機場所
- 3.搬入揚重機の作業に必要な資格
- 4.搬入機器の試験成績書
- 5.搬入揚重機の選定
正解:4
解説
考え方
大型機器を屋上へ搬入する計画を立案する際には、実際の搬入作業を安全かつ円滑に行うための事前確認事項を検討します。搬入順序及び搬入経路、搬入車両の待機場所、搬入揚重機の作業に必要な資格、搬入揚重機(クレーン等)の選定は、いずれも搬入作業の計画・実施に直接関わる確認事項です。
一方、搬入機器の試験成績書は、機器そのものの性能や品質を証明する書類であり、搬入の手順・経路・車両・揚重機の計画とは性質が異なります。搬入計画の立案段階で確認すべき事項としては、最も関係のないものにあたります。
答え:4 搬入機器の試験成績書
搬入計画は「どう運ぶか(順序・経路・車両・揚重機・資格)」を検討するものであり、「機器の性能証明(試験成績書)」は搬入計画そのものの検討事項ではない、という区別がポイントです。
No.38
施工管理法(応用能力)建設工事において工程管理を行う場合,ネットワーク工程表と比較したタクト工程表の特徴に基づく工程表の選定に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.工程表の作成及び管理が容易なタクト工程表を採用した。
- 2.工事全体の稼働人員を把握する場合は,タクト工程表は採用しにくい。
- 3.全工程のクリティカルパスを把握する場合は,タクト工程表は採用しにくい。
- 4.階層別に現状の各作業工程を把握しやすくするため,タクト工程表を採用した。
- 5.基準階などの繰り返し作業の多い高層ビルにおいて,その工程管理に適しているタクト工程表を採用した。
正解:2
解説
考え方
タクト工程表は、基準階の繰り返し作業が多い高層ビルなどの工事において、各作業を一定の時間間隔(タクト)で進めていく工程管理の考え方をバーチャートに取り入れたもので、作成・管理が比較的容易であり、階層別に現状の作業工程を把握しやすいという特徴があります。一方で、全工程のクリティカルパスを把握するには、作業の相互関係を明示するネットワーク工程表の方が適しており、タクト工程表は採用しにくい面があります。
これに対し、「工事全体の稼働人員を把握する場合は,タクト工程表は採用しにくい」という記述は、タクト工程表の実際の特徴とは異なります。タクト工程表は各工区・各作業の進捗を階層別・時系列で整理しやすい形式であるため、各時点でどの作業にどれだけの人員が必要かという稼働人員の把握にも活用しやすく、この点をもって「採用しにくい」とするのは不適当です。
答え:2 工事全体の稼働人員を把握する場合は,タクト工程表は採用しにくい。
タクト工程表が苦手とするのは「全工程のクリティカルパスの把握」であり、「稼働人員の把握」ではありません。タクト工程表の得意分野(階層別の進捗把握・繰り返し作業の管理)と不得意分野(クリティカルパスの把握)を混同しないようにしましょう。
No.39
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程表において,クリティカルパスの日数(所要工期)に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,○内の数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数を示す。

- 1.工程全体の所要工期は,15日である。
- 2.作業Gの作業を1日短縮すると,所要工期を短縮することができる。
- 3.作業Hの作業を2日短縮しても,所要工期を短縮することができない。
- 4.作業Bの作業が1日遅れても,所要工期には影響を与えない。
- 5.作業Hの作業が3日遅れると,所要工期に影響を与える。
正解:5
解説
考え方
図のネットワーク工程表について、①から各イベントまでの最早開始時刻を計算すると、②=2日(作業A)、③=2日(作業C)、④=5日(③+作業F 3日。作業B 3日経由の4日より遅い方が優先)、⑤=7日(④+作業E 2日。作業D経由の4日より遅い方が優先)、⑥=10日(⑤+作業G 3日)、⑦=4日(③+作業I 2日)、⑧=12日(⑥+作業J 2日。作業H経由の8日、ダミー経由の4日より遅い方が優先)、⑨=15日(⑧+作業K 3日。作業L経由の6日より遅い方が優先)となります。
したがって、工程全体の所要工期は15日であり、そのクリティカルパスは①→③→④→⑤→⑥→⑧→⑨(作業C→F→E→G→J→K)です。作業Gはこのクリティカルパス上にあるため、Gを1日短縮すれば所要工期も1日短縮できます。作業Hを通る場合の⑧への到達は5+3=8日で、クリティカルパス経由の⑧の最早時刻12日より4日早く、この4日が作業Hの余裕(フロート)です。作業Hはクリティカルパス上にないため、Hを2日短縮しても全体の所要工期は短縮できません。同様に作業Bは①→④の経路(3日)にあり、クリティカルパス上の①→③→④の経路(5日)より2日の余裕があるため、Bが1日遅れても所要工期には影響しません。
一方、作業Hが3日遅れる場合を計算すると、作業H経由の⑧への到達は5+3+3=11日となりますが、それでもクリティカルパス経由の⑧の最早時刻12日より早いため、⑧の最早時刻は変わらず、所要工期にも影響を与えません。「作業Hの作業が3日遅れると,所要工期に影響を与える」という記述は、Hの余裕日数(フロート)を上回るかどうかの検討が誤っており、実際には影響を与えません。
答え:5 作業Hの作業が3日遅れると,所要工期に影響を与える。
作業Hは④→⑧のルートにあり、クリティカルパス上の④→⑤→⑥→⑧のルートより4日の余裕(フロート)を持っています。3日の遅れはこの余裕の範囲内に収まるため、所要工期には影響しません。フロートの大きさを具体的に計算し、遅れがその範囲内かどうかを確認することがこの種の設問を解くポイントです。
No.40
施工管理法(応用能力)品質管理に用いるPDCA(Plan,Do,Check,Action)サイクルの手順として,最も適当なものはどれか。ただし,(ア)〜(エ)は次の品質管理活動を示す。(ア)標準どおりに作業を実施する。(イ)不具合が出たら,原因を調べて処置する。(ウ)品質を測定・試験し,結果を基準と比較し,確認する。(エ)品質に関する方針に基づき,品質の仕様を決定する。
- 1.(エ)→(ウ)→(イ)→(ア)
- 2.(エ)→(イ)→(ア)→(ウ)
- 3.(エ)→(ア)→(イ)→(ウ)
- 4.(エ)→(ア)→(ウ)→(イ)
- 5.(エ)→(イ)→(ウ)→(ア)
正解:4
解説
考え方
品質管理のPDCAサイクルは、Plan(計画)→Do(実施)→Check(確認)→Action(処置・改善)の順に活動を繰り返すことで品質を継続的に向上させる考え方です。設問の(ア)〜(エ)をこの4段階に当てはめると、(エ)「品質に関する方針に基づき,品質の仕様を決定する」がPlan(計画)、(ア)「標準どおりに作業を実施する」がDo(実施)、(ウ)「品質を測定・試験し,結果を基準と比較し,確認する」がCheck(確認)、(イ)「不具合が出たら,原因を調べて処置する」がAction(処置)にそれぞれ対応します。
答え:4 (エ)→(ア)→(ウ)→(イ)
PDCAは「計画を立てる→その通りに実施する→結果を確認する→問題があれば処置して次の計画に反映する」という一連の流れです。(ウ)の確認と(イ)の処置の順序を逆にしたり、(ア)の実施を後回しにしたりする並べ方は、PDCAの基本サイクルと矛盾するため誤りになります。
No.41
施工管理法建設工事における施工計画書に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.総合施工計画書は,工種別施工計画書(施工要領書)に基づき作成する。
- 2.総合施工計画書は,工事の着手に先立ち,総合仮設を含めた工事全般的な計画書を作成する。
- 3.工種別施工計画書(施工要領書)は,一工程の施工の確認内容及びその確認を行う段階を含めて作成する。
- 4.工種別施工計画書(施工要領書)は,一工程の施工の基本的ルール,ディテールなどを作成する。
正解:1
解説
考え方
施工計画書には、工事全体を対象とした総合施工計画書と、工種ごとに詳細を定めた工種別施工計画書(施工要領書)があります。総合施工計画書は、工事の着手に先立ち、総合仮設計画を含めた工事全般にわたる基本方針・体制・工程などを定める計画書です。工種別施工計画書(施工要領書)は、その工種における一工程の施工の基本的なルールやディテール、確認内容・確認を行う段階などを具体的に定める計画書です。
これに対し、「総合施工計画書は,工種別施工計画書(施工要領書)に基づき作成する」という記述は、両者の作成順序・関係が逆になっています。実際には、まず工事全体の方針を示す総合施工計画書を先に作成し、それに基づいて各工種の詳細を定める工種別施工計画書(施工要領書)を作成するという流れになります。
答え:1 総合施工計画書は,工種別施工計画書(施工要領書)に基づき作成する。
「全体(総合施工計画書)が先、各論(工種別施工計画書)が後」という作成順序を取り違えないことがポイントです。工種別施工計画書は、総合施工計画書で示された全体方針を踏まえて、各工種の具体的な手順に落とし込むものです。
No.42
施工管理法建設工事の工程管理に用いる工程表に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.タクト工程表は,バーチャートにネットワーク工程表の表現を取り入れたものである。
- 2.バーチャート工程表は,横線式工程表で,計画と実績の比較が容易である。
- 3.ガントチャート工程表は,計画日程と現在の進行状態とを折れ線グラフで示した図表である。
- 4.ネットワーク工程表は,各作業の工期や作業の相互関係がわかりやすく,工期の見直しや工程調整に用いられる。
正解:3
解説
考え方
工程管理に用いる工程表には、それぞれ異なる表現方法・特徴があります。タクト工程表は、バーチャートにネットワーク工程表的な作業の連続性の考え方を取り入れたもので、繰り返し作業の管理に適しています。バーチャート工程表は、横軸に時間、縦軸に作業名をとった横線式の工程表で、各作業の開始・終了時期や計画と実績の比較が容易です。ネットワーク工程表は、作業の前後関係を矢線や結合点で表現し、各作業の工期や相互関係が把握しやすく、工期の見直しや工程調整に活用しやすいという特徴があります。
一方、ガントチャート工程表は、縦軸に作業名、横軸に達成度(%)をとり、各作業の進捗状況を横棒グラフで示す工程表です。「計画日程と現在の進行状態とを折れ線グラフで示した図表である」という記述は、ガントチャートの実際の表現形式(棒グラフによる達成度表示)とは異なっており不適当です。また、ガントチャートは達成度は分かっても、各作業の日程や全体の工期との関係、他作業との関連は把握しにくいという弱点があります。
答え:3 ガントチャート工程表は,計画日程と現在の進行状態とを折れ線グラフで示した図表である。
ガントチャートは「各作業の達成度(%)を棒グラフで示す」表であり、「折れ線グラフ」ではありません。日程(時間軸)を表現しないため、工期全体との対応関係が分かりにくいという弱点とあわせて覚えておきましょう。
No.43
施工管理法接地抵抗計による接地極の接地抵抗の測定に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,接地抵抗計は,電位差計式のものとする。
- 1.測定前に,地電圧が小さいことを確認した。
- 2.測定前に,接地抵抗計の電池の電圧を確認した。
- 3.検流計が零を示したときのダイヤル指示値を読んだ。
- 4.接地端子盤内で機器側と接地極側の端子が接続されていることを確認した上で測定した。
正解:4
解説
考え方
電位差計式の接地抵抗計を用いて接地極の接地抵抗を測定する際には、正確な測定値を得るためにいくつかの手順を踏みます。測定前に地電圧(迷走電流などによる誤差要因)が十分小さいことを確認すること、接地抵抗計の電池電圧が測定に十分な状態であることを確認すること、検流計の指針が零を示したときのダイヤルの指示値を読み取ることは、いずれも電位差計式接地抵抗計による測定の正しい手順です。
一方、接地抵抗の測定は、接地端子盤内で機器側の配線と接地極側の配線とを切り離した状態で、接地極本来の対地抵抗のみを測定する必要があります。「接地端子盤内で機器側と接地極側の端子が接続されていることを確認した上で測定した」という記述は、機器側の回路が接地極側の測定値に影響を与えてしまうため、実際の正しい測定手順とは異なり不適当です。
答え:4 接地端子盤内で機器側と接地極側の端子が接続されていることを確認した上で測定した。
接地抵抗の測定は「接地極そのものの対地抵抗」を求めるためのものなので、機器側の回路とは切り離した状態で測定するのが原則です。接続された状態のまま測定すると、機器側の回路を含めた値になってしまい正しい接地抵抗が求まりません。
No.44
施工管理法要求性能墜落制止用器具等の取付設備等に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる語句として,「労働安全衛生法」上,正しいものはどれか。「事業者は,高さが[ ]以上の箇所で作業を行う場合において,労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させるときは,要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならない。」
- 1.1.5 m
- 2.1.8 m
- 3.2.0 m
- 4.2.5 m
正解:3
解説
考え方
労働安全衛生法関係法令(労働安全衛生規則)では、高所作業における墜落による労働災害を防止するため、一定の高さ以上の箇所で作業を行う場合に、要求性能墜落制止用器具等を安全に取り付けるための設備等を設けなければならないと定めています。この基準となる高さは「2 m以上」ではなく、条文上は「高さが2.0 m以上の箇所」と定められています。
答え:3 2.0 m
高さ2.0 m以上の箇所での作業においては、要求性能墜落制止用器具(安全帯)を安全に取り付けるための設備(親綱など)を設けることが事業者に義務付けられています。1.5 mや1.8 m、2.5 mといった紛らわしい数値と混同しないよう、条文の数値をそのまま正確に覚えておく必要があります。
No.45
施工管理法クレーンを使用して機材を揚重する場合の玉掛け作業に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.クレーンの玉掛用具のワイヤーロープは,安全係数6以上のものを使用した。
- 2.フック等の金具で,変形や亀裂のあるものを玉掛用具として使用しなかった。
- 3.クレーンのつり上げ荷重が1 t以上であったので,特別教育を修了した者を玉掛けの業務に就かせた。
- 4.玉掛用具のワイヤーロープを用いて作業を行うときは,異常の有無についての点検を,その日の作業開始前に行った。
正解:3
解説
考え方
労働安全衛生法関係法令では、クレーンを用いた玉掛け作業について、使用する用具・点検・資格に関する基準を定めています。玉掛用具のワイヤーロープは安全係数6以上のものを使用すること、変形や亀裂のある金具を玉掛用具として使用しないこと、ワイヤーロープの異常の有無についてその日の作業開始前に点検を行うことは、いずれも法令上正しい内容です。
一方、玉掛けの業務に労働者を就かせる場合、つり上げ荷重が1 t以上のクレーン等の玉掛け業務には「技能講習」を修了した者を、つり上げ荷重が1 t未満の玉掛け業務には「特別教育」を修了した者を従事させる必要があります。「つり上げ荷重が1 t以上であったので,特別教育を修了した者を玉掛けの業務に就かせた」という記述は、1 t以上の場合に必要な資格が特別教育ではなく技能講習である点を誤っており、法令上の要件を満たしていません。
答え:3 クレーンのつり上げ荷重が1 t以上であったので,特別教育を修了した者を玉掛けの業務に就かせた。
「1 t以上=玉掛け技能講習修了者」「1 t未満=玉掛け特別教育修了者」という資格要件の境界を正確に押さえておくことが、この設問を解くポイントです。
No.46
施工管理法太陽光発電設備の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ストリングへの逆電流の流入を防止するため,接続箱内に逆流防止素子を設けた。
- 2.雷が多く発生する地域であるため,耐雷トランスをパワーコンディショナの直流側に設置した。
- 3.太陽電池モジュールの支持物は,自重,地震,風圧,積雪その他の想定される各種荷重に対して安定なものとした。
- 4.南向きに設置した太陽電池アレイについて,各ストリングの開放電圧の測定を,晴天時の南中前後の時間に行った。
正解:2
解説
考え方
太陽光発電設備の施工では、安全性・信頼性を確保するためのさまざまな対策が講じられます。ストリングへの逆電流の流入を防止するための逆流防止素子(ダイオード)の設置、雷サージ対策としてのパワーコンディショナ直流側への耐雷トランスの設置、自重・地震・風圧・積雪などの荷重に対する支持物の安定性確保は、いずれも適切な施工内容です。
一方、耐雷トランスは、雷サージが主に交流の系統側から侵入するのを抑制するために設ける機器であり、パワーコンディショナの交流側に設置するのが一般的な施工方法です。「雷が多く発生する地域であるため,耐雷トランスをパワーコンディショナの直流側に設置した」という記述は、耐雷トランスの設置箇所を交流側ではなく直流側としている点で、実際の施工方法とは異なり不適当です。
答え:2 雷が多く発生する地域であるため,耐雷トランスをパワーコンディショナの直流側に設置した。
耐雷トランスは「交流側」に設置して系統側から侵入する雷サージを抑制する機器です。「直流側」に設置するという記述を見たら、設置箇所の取り違えに気づけるかがポイントです。なお、南中前後は日射が安定して得やすい時間帯であり、開放電圧の測定タイミングとしては妥当な内容です。
No.47
施工管理法高圧架空配電線路において,電線の延線に使用する機材・車両として,最も関係のないものはどれか。
- 1.建柱車
- 2.架線車
- 3.延線車
- 4.金車
正解:1
解説
考え方
高圧架空配電線路の電線を延線する作業では、架線車(電線を繰り出しながら架線する)、延線車(電線を引っ張って延線する)、金車(電線を通す滑車で、電線の損傷を防ぎながら延線を補助する)など、延線作業に直接関わる専用の機材・車両が用いられます。
一方、建柱車は、電柱そのものを建てる(打ち込む・据え付ける)作業に用いる車両であり、電線の延線作業そのものに直接使用する機材ではありません。
答え:1 建柱車
建柱車は「電柱を建てる」ための車両、架線車・延線車・金車は「電線を延線する」ための機材・車両という役割の違いで区別しておきましょう。
No.48
施工管理法アクセスフロア内のケーブル配線に関する記述として,「内線規程」上,最も不適当なものはどれか。ただし,使用電圧は300 V以下とする。
- 1.ケーブルをアクセスフロア内の床にころがし配線とした。
- 2.アクセスフロア内のケーブルの接続部付近に張力止めを施した。
- 3.アクセスフロア内に設置するジョイントボックスは,固定せずに床に置いた。
- 4.アクセスフロア内からアクセスフロア上に引き出される配線に,用途に適したキャブタイヤケーブルを使用した。
正解:3
解説
考え方
アクセスフロア(二重床)内のケーブル配線は、「内線規程」上、使用電圧300 V以下であれば、ころがし配線(ケーブルを床に転がすように敷設する方法)が認められています。また、ケーブルの接続部付近には張力止めを施すこと、アクセスフロア内からフロア上に引き出す配線には可とう性のあるキャブタイヤケーブルを使用することも、適切な施工内容です。
一方、アクセスフロア内に設置するジョイントボックス(接続箱)は、床の開閉や機器の移動・振動などによって位置がずれたり、ケーブルに無理な力がかかったりしないよう、床面などに固定して設置する必要があります。「アクセスフロア内に設置するジョイントボックスは,固定せずに床に置いた」という記述は、ジョイントボックスを固定しないままにしている点で、実際の施工基準とは異なり不適当です。
答え:3 アクセスフロア内に設置するジョイントボックスは,固定せずに床に置いた。
アクセスフロア内は人が歩いたり機器を移動させたりする振動・接触の可能性がある空間なので、ジョイントボックスは床や支持材にしっかり固定するのが原則です。
No.49
施工管理法電気鉄道における架空式の電車線路の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ちょう架線のハンガ取付箇所には,アーク溶損を防止するために,保護カバーを取り付けた。
- 2.電車線を支持する可動ブラケットは,懸垂がいしを用いて電柱に取り付けた。
- 3.パンタグラフがしゅう動通過できるように,トロリ線相互の接続にダブルイヤーを使用した。
- 4.パンタグラフの溝摩耗を防止するために,直線区間ではトロリ線にジグザグ偏位を設けた。
正解:2
解説
考え方
架空式電車線路の施工では、ちょう架線のハンガ取付箇所へのアーク溶損防止用保護カバーの取り付け、パンタグラフがしゅう動通過できるようにするトロリ線相互接続へのダブルイヤーの使用、直線区間においてパンタグラフの溝摩耗を防ぐためにトロリ線に設けるジグザグ偏位は、いずれも適切な施工内容です。
一方、電車線を支持する可動ブラケットは、電柱に取り付けるがいしとして、懸垂がいしではなく、可動ブラケット専用の支持がいし(ちょう架がいし等)を用いるのが一般的です。懸垂がいしは主に架空送電線の電線を懸垂支持するために使われるがいしであり、可動ブラケットの取り付けに用いるがいしとしては適当ではありません。
答え:2 電車線を支持する可動ブラケットは,懸垂がいしを用いて電柱に取り付けた。
懸垂がいしは「送電線を吊り下げる」ためのがいし、可動ブラケットの電柱への取り付けには専用の支持がいしを用いる、という用途の違いを区別しておきましょう。
No.50
施工管理法情報通信設備における屋内配線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.IP電話機の配線に,UTPケーブルを使用した。
- 2.非常放送設備の遠隔操作器の配線に,耐熱ケーブル(HP)を使用した。
- 3.保守用インターホン設備の配線に,警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AE)を使用した。
- 4.構内情報通信網設備(LAN)の配線に,着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)を使用した。
正解:4
解説
考え方
情報通信設備の屋内配線では、用途に応じたケーブルを選定します。IP電話機の配線にはUTPケーブル(LAN配線用の非シールドより対線)、非常放送設備の遠隔操作器の配線には耐熱性の高い耐熱ケーブル(HP)、構内情報通信網設備(LAN)の配線には着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)またはUTPケーブルなどが、それぞれ適切に用いられます。
保守用インターホン設備の配線に警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AE)を使用したことも、構内の通信回線として用いられる実務上の使用例として適切な内容です。
一方、構内情報通信網設備(LAN)の配線には、高速なデータ伝送に対応した伝送特性を持つUTPケーブルなどを用いるのが一般的です。着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)は、主に構内の電話線・信号線など、比較的低速な通信回線に広く使われる多心ケーブルであり、LAN配線に求められる高速データ通信への対応という点では適していません。「構内情報通信網設備(LAN)の配線に,着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)を使用した」という記述は、LAN配線に用いるケーブルとしては最も不適当です。
答え:4 構内情報通信網設備(LAN)の配線に,着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)を使用した。
FCPEVは構内の電話線・信号線などに広く使われるケーブルですが、LAN配線に求められる高速データ伝送には対応していません。LAN配線にはUTPケーブルなど、LAN規格に対応した通信ケーブルを使用する必要があるという点がこの設問のポイントです。
No.51
法規建設業に関する記述として,「建設業法」上,定められていないものはどれか。ただし,政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を除く。
- 1.建設業とは,元請,下請その他いかなる名義をもってするかを問わず,建設工事の完成を請け負う営業をいう。
- 2.建設業者とは,建設業の許可を受けて建設業を営む者をいう。
- 3.建設業を営もうとする者が,一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- 4.一般建設業の許可を受けた者が,当該許可に係る建設業について,特定建設業の許可を受けたときは,当該建設業に係る一般建設業の許可は,その効力を失う。
正解:3
解説
考え方
「建設業法」上、建設業とは元請・下請その他いかなる名義をもってするかを問わず建設工事の完成を請け負う営業をいい、建設業者とは建設業の許可を受けて建設業を営む者をいいます。また、一般建設業の許可を受けた者が同じ建設業について特定建設業の許可を受けたときは、その建設業に係る一般建設業の許可はその効力を失う、という規定もいずれも建設業法に定められている正しい内容です。
一方、建設業の許可は、営業所の設置状況によって国土交通大臣許可と都道府県知事許可に区分されます。二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は国土交通大臣の許可が必要ですが、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合は、その都道府県知事の許可を受けなければなりません。「一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない」という記述は、この区分を取り違えており、建設業法上定められていない内容です。
答え:3 建設業を営もうとする者が,一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない。
「営業所が2以上の都道府県にまたがる=大臣許可」「営業所が1つの都道府県内に収まる=知事許可」という営業所の設置範囲による区分を正確に押さえておきましょう。
No.52
法規建設工事の現場に掲げる施工体系図を作成する場合において,下請負人に関して表示しなければならない事項として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。ただし,下請負人は建設業者であるものとする。
- 1.下請負人が請け負った建設工事の内容
- 2.下請負人の主任技術者の氏名
- 3.下請負人が請け負った建設工事の工期
- 4.下請負人の健康保険等の加入状況
正解:4
解説
考え方
「建設業法」上、施工体系図には、下請負人(建設業者であるもの)に関して、請け負った建設工事の内容、請け負った建設工事の工期、主任技術者の氏名などを表示しなければならないと定められています。下請負人が請け負った建設工事の内容、下請負人の主任技術者の氏名、下請負人が請け負った建設工事の工期は、いずれも施工体系図に表示すべき事項として建設業法上定められています。
一方、下請負人の健康保険等の加入状況は、施工体系図に表示すべき事項としては建設業法上定められていません。健康保険等の加入状況は、別途、下請負人選定時の確認や作業員名簿などで管理される事項であり、施工体系図への記載義務の対象ではありません。
答え:4 下請負人の健康保険等の加入状況
施工体系図は「どの下請負人が、どの工事を、どの主任技術者の下で、いつまで施工するか」という施工の体制を示すための図であり、健康保険等の加入状況のような労務管理上の情報までは表示事項に含まれていません。
No.53
法規小規模事業用電気工作物を除く事業用電気工作物の保安規程に関する記述として,「電気事業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.保安規程は,事業用電気工作物の保安を監督する主任技術者が定めた。
- 2.保安規程は,保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに定めた。
- 3.保安規程には,事業用電気工作物の保安のための巡視,点検及び検査に関することを定めた。
- 4.保安規程には,事業用電気工作物の工事,維持又は運用を行う者に対する保安教育に関することを定めた。
正解:1
解説
考え方
「電気事業法」上、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)を設置する者は、保安を一体的に確保することが必要な組織ごとに保安規程を定め、これを主務大臣に届け出なければなりません。保安規程には、事業用電気工作物の保安のための巡視・点検・検査に関すること、工事・維持・運用を行う者に対する保安教育に関することなどを定めます。
一方、保安規程を定める主体は、事業用電気工作物を「設置する者」(電気事業者や需要設備の所有者など)であり、保安を監督する主任技術者ではありません。主任技術者は、保安規程に基づいて実際の保安業務の監督を行う立場であって、保安規程そのものを定める(作成・届出する)責任は電気工作物の設置者にあります。「保安規程は,事業用電気工作物の保安を監督する主任技術者が定めた」という記述は、保安規程を定める主体を取り違えており誤りです。
答え:1 保安規程は,事業用電気工作物の保安を監督する主任技術者が定めた。
保安規程を「定める(作成・届出する)」のは電気工作物の設置者、保安規程に基づいて実際に「保安を監督する」のが主任技術者、という役割の違いを区別しておきましょう。
No.54
法規電気工事に使用する機材のうち,電気用品に該当するものとして,「電気用品安全法」上,定められていないものはどれか。ただし,機材は,防爆型のもの及び油入型のものを除く。
- 1.600 Vビニル絶縁電線(5.5 mm²)
- 2.ねじなし電線管(E 75)
- 3.ライティングダクト(定格AC 125 V 15 A)
- 4.合成樹脂製プルボックス(300 mm×300 mm×200 mm)
正解:4
解説
考え方
「電気用品安全法」では、政令で定める電線・配管材料・スイッチ・コンセントなどの機械器具等を「電気用品」として指定し、一定の基準への適合や表示を義務付けています。600 Vビニル絶縁電線(5.5 mm²)、ねじなし電線管(E 75)、ライティングダクト(定格AC 125 V 15 A)は、いずれも政令で定められた電気用品に該当します。
一方、合成樹脂製プルボックスは、電線の引き入れ・分岐などのために設ける配線器具ですが、電気用品安全法上の電気用品としては指定されていません。プルボックスは電線を接続・保護するための附属品であり、電線や電線管、コンセント・ダクト類のように政令で個別に指定された電気用品の品目には含まれていません。
答え:4 合成樹脂製プルボックス(300 mm×300 mm×200 mm)
電線・電線管・コンセント・スイッチ・ダクト類の多くは電気用品に指定されていますが、プルボックスのように配線を収める附属品の一部は電気用品の指定対象外となっている点に注意しましょう。
No.55
法規一般用電気工作物等において,電気工事士でなくても従事できる作業又は工事として,「電気工事士法」上,正しいものはどれか。
- 1.電線管を曲げる作業
- 2.線ぴに電線を収める作業
- 3.電線を支持する柱を設置する工事
- 4.露出型コンセントに電線をねじ止めする工事
正解:3
解説
考え方
「電気工事士法」では、一般用電気工作物等の電気工事のうち、感電や火災の危険性が特に低い軽微な作業については、電気工事士でなくても従事できると定めています。この軽微な作業には、電線を支持する柱・腕木などの設置・変更工事や、電線管を支持する柱の設置工事などが含まれます。
一方、電線管を曲げる作業、線ぴに電線を収める作業、露出型コンセントに電線をねじ止めする工事は、いずれも電気工事士でなければ従事できない工事に該当します。これらは電線相互の接続や電線と器具との接続に関わる作業であり、感電・火災防止の観点から一定の技能を持つ電気工事士が行う必要があるとされています。
答え:3 電線を支持する柱を設置する工事
「電線・電線管そのものに手を加える作業(曲げる、電線を収める、接続する)」は電気工事士でなければできない工事、「電線を支持するための柱・腕木などの設置」は軽微な作業として電気工事士でなくても従事できる工事、という区分を押さえておきましょう。
No.56
法規登録電気工事業者が掲げなければならない標識に記載すべき事項として,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,定められていないものはどれか。
- 1.電気工事業を開始した年月日
- 2.主任電気工事士等の氏名
- 3.氏名又は名称及び法人にあっては,その代表者の氏名
- 4.営業所の名称及び当該営業所の業務に係る電気工事の種類
正解:1
解説
考え方
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上、登録電気工事業者は、営業所及び電気工事の施工場所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければなりません。この標識には、氏名又は名称及び法人にあってはその代表者の氏名、主任電気工事士等の氏名、営業所の名称及びその営業所の業務に係る電気工事の種類、登録番号や登録年月日などを記載することが定められています。
一方、「電気工事業を開始した年月日」は、標識に記載すべき事項としては定められていません。標識に記載するのは登録(または通知)に関する年月日や登録番号であって、実際に事業を開始した年月日そのものを記載する義務はありません。
答え:1 電気工事業を開始した年月日
標識には「誰が(氏名・名称・代表者名)」「どの営業所で(名称)」「どの主任電気工事士の下で(氏名)」「どんな種類の電気工事を(工事の種類)」行っているかを表示する事項が定められており、「事業を開始した年月日」という事実そのものは記載事項に含まれていません。
No.57
法規建築物に関する記述として,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。
- 1.共同住宅は,特殊建築物である。
- 2.直接地上へ通じる出入口のある階を避難階とした。
- 3.集会場の客席からの出口の戸を,内開きの扉にした。
- 4.建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕は,大規模の修繕である。
正解:3
解説
考え方
「建築基準法」上、共同住宅は特殊建築物に該当し、直接地上へ通じる出入口のある階を避難階とすること、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕を大規模の修繕とすることは、いずれも建築基準法の規定と一致する正しい内容です。
一方、劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂・集会場などの客席からの出口の戸は、避難時に多数の人が一斉に押し寄せた場合でも戸の開閉によって避難の妨げにならないよう、内開き禁止(外開き又は引き戸としなければならない)とすることが建築基準法施行令上定められています。「集会場の客席からの出口の戸を,内開きの扉にした」という記述は、この規定に反しており誤りです。
答え:3 集会場の客席からの出口の戸を,内開きの扉にした。
多数の人が集まる集会場などの客席出口の戸は、避難時に人が戸に押し付けられて開けられなくなることを防ぐため、内開きにしてはならないという規定がポイントです。
No.58
法規消防用設備等のうち,消火活動上必要な施設として,「消防法」上,定められていないものはどれか。
- 1.排煙設備
- 2.連結散水設備
- 3.無線通信補助設備
- 4.スプリンクラー設備
正解:4
解説
考え方
「消防法」上、消防用設備等は「消火設備」「警報設備」「避難設備」「消防用水」「消火活動上必要な施設」に区分されます。消火活動上必要な施設には、排煙設備、連結散水設備、無線通信補助設備のほか、連結送水管や非常コンセント設備などが含まれ、これらはいずれも消防隊が消火活動を行う際に使用する施設です。
一方、スプリンクラー設備は、火災の熱を感知して自動的に散水し初期消火を行うための設備であり、消防用設備等の区分では「消火設備」に分類されます。「消火活動上必要な施設」ではなく「消火設備」に区分される点で、設問の区分とは異なり不適当です。
答え:4 スプリンクラー設備
スプリンクラー設備・屋内消火栓設備・屋外消火栓設備などは「消火設備」、排煙設備・連結散水設備・連結送水管・無線通信補助設備・非常コンセント設備は「消火活動上必要な施設」という区分の違いを整理しておきましょう。
No.59
法規建設業の特定元方事業者が選任した統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項のうち,技術的事項を管理させる者として,「労働安全衛生法」上,定められているものはどれか。
- 1.元方安全衛生管理者
- 2.安全衛生責任者
- 3.店社安全衛生管理者
- 4.安全衛生推進者
正解:1
解説
考え方
「労働安全衛生法」上、建設業などの特定元方事業者は、その現場に統括安全衛生責任者を選任し、統括安全衛生責任者が統括管理すべき事項(労働災害防止対策の統括管理など)について、技術的事項を管理させるために「元方安全衛生管理者」を選任しなければならないと定められています。
一方、安全衛生責任者は、下請負人(関係請負人)側が選任し元方との連絡調整等を行う者、店社安全衛生管理者は、統括安全衛生責任者の選任を要しない比較的小規模な現場において店社(本支店等)が選任する者、安全衛生推進者は、一定規模未満の事業場において安全衛生業務を担当する者であり、いずれも「統括安全衛生責任者が技術的事項を管理させる者」には該当しません。
答え:1 元方安全衛生管理者
統括安全衛生責任者(元請側の現場の総括責任者)が技術的事項を管理させるために選任するのが「元方安全衛生管理者」です。下請側が選任する「安全衛生責任者」と名称が似ているため混同しないよう注意しましょう。
No.60
法規建設業の事業場において,労働者の健康管理等に関する記述として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.事業者は,健康診断の結果に基づき,健康診断個人票を作成して,これを5年間保存しなければならない。
- 2.事業者は,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し,その者に労働者の健康管理等を行わせなければならない。
- 3.事業者は,常時使用する労働者に対し,医師による定期健康診断を行う場合は,既往歴及び業務歴の調査を行わなければならない。
- 4.事業者は,常時使用する労働者を雇い入れるときは,自覚症状及び他覚症状の有無の検査を行わなければならない。
正解:2
解説
考え方
「労働安全衛生法」上、事業者は健康診断の結果に基づき健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならないこと、常時使用する労働者に対する定期健康診断では既往歴及び業務歴の調査を行わなければならないこと、常時使用する労働者を雇い入れるときは自覚症状及び他覚症状の有無の検査を行わなければならないことは、いずれも労働安全衛生法上定められている正しい内容です。
一方、産業医の選任義務が生じるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場です。常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場については、産業医の選任義務ではなく、安全衛生推進者(又は衛生推進者)を選任して労働者の安全衛生に関する業務を担当させることが定められています。「常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し…」という記述は、産業医選任義務が生じる規模の要件を誤っています。
答え:2 事業者は,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し,その者に労働者の健康管理等を行わせなければならない。
「常時50人以上=産業医の選任義務」「常時10人以上50人未満=安全衛生推進者等の選任義務」という事業場規模による選任義務の違いを正確に押さえておきましょう。
No.61
法規満18歳に満たない者を就かせてはならない業務として,「労働基準法」上,定められていないものはどれか。
- 1.クレーンの運転の業務
- 2.交流200 Vの充電電路の修理の業務
- 3.動力により駆動される土木建築用機械の運転の業務
- 4.深さが5 m以上の地穴における業務
正解:2
解説
考え方
「労働基準法」に基づく年少者労働基準規則では、満18歳に満たない者を、危険性の高い一定の業務に就かせてはならないと定めています。クレーンの運転の業務、動力により駆動される土木建築用機械の運転の業務、深さが5 m以上の地穴における業務は、いずれも満18歳に満たない者を就かせてはならない業務として定められています。
一方、年少者の就業制限業務として定められている充電電路の修理・点検業務は、高圧又は特別高圧の充電電路(あるいはこれに近接する場所)における作業を対象としています。交流200 Vは低圧に区分される電圧であり、低圧の充電電路の修理業務は、年少者の就業制限業務として明示的に定められている「高圧・特別高圧の充電電路等の業務」には該当しません。
答え:2 交流200 Vの充電電路の修理の業務
年少者の就業制限業務における「充電電路の修理・点検」は高圧・特別高圧を対象としたものです。交流200 Vは低圧に区分されるため、この規定の対象には含まれない、という電圧区分の違いがポイントです。
No.62
法規次の設備のうち,「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」上,消費されるエネルギー量を評価される建築設備として,定められていないものはどれか。
- 1.昇降機
- 2.照明設備
- 3.空気調和設備
- 4.変圧器
正解:4
解説
考え方
「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」(建築物省エネ法)上、建築物のエネルギー消費性能は、空気調和設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機といった建築設備におけるエネルギー消費量を基に評価されます。昇降機、照明設備、空気調和設備は、いずれもこの法律上、消費されるエネルギー量が評価される建築設備として定められています。
一方、変圧器は、電力を受電し必要な電圧に変換するための電気設備の一部ですが、建築物省エネ法における評価対象の建築設備(空気調和・換気・照明・給湯・昇降機)には含まれていません。変圧器自体の効率は電気設備全体の省エネルギー性に関わる要素ではあるものの、建築物省エネ法が個別に評価対象として定める建築設備の区分には該当しません。
答え:4 変圧器
建築物省エネ法の評価対象は「空気調和設備・換気設備・照明設備・給湯設備・昇降機」という建物利用者の快適性・利便性に直結する設備が中心であり、変圧器のような受変電設備そのものは評価対象の建築設備には含まれていない点を押さえておきましょう。
掲載している試験問題は、一般財団法人 建設業振興基金が公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。