令和5年度前期 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全64問】

全問題を正答・解説付きで掲載しています。

この試験は選択解答制です(全64問中40問を解答)。No.1〜12から8問、No.13〜31から10問、No.32〜37から3問、No.38は必須、No.39〜42は必須(五肢択一の能力問題)、No.43〜52から6問、No.53〜64から8問を選択して解答します。

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No.1

電気工学

図に示す,金属導体Bの抵抗値は,金属導体Aの抵抗値の何倍になるか。ただし,金属導体の材質及び温度条件は同一とする。

No.1の図
  • 1.1倍
  • 2.2倍
  • 3.4倍
  • 4.8倍

正解:2

解説

考え方

金属導体の抵抗値RRは、抵抗率ρ\rho、長さll、断面積SSを使って次の式で表されます。

R=ρlSR = \rho\dfrac{l}{S}

断面積SSは半径rrの円の面積なので S=πr2S=\pi r^2 です。図の金属導体Aは半径2r2r・長さ2l2l、金属導体Bは半径rr・長さllで、材質・温度条件は同一(ρ\rhoが共通)です。

計算

RA=ρ2lπ(2r)2=ρ2l4πr2=ρl2πr2R_A = \rho\dfrac{2l}{\pi(2r)^2} = \rho\dfrac{2l}{4\pi r^2} = \dfrac{\rho l}{2\pi r^2}

RB=ρlπr2R_B = \rho\dfrac{l}{\pi r^2}

RBRA=ρlπr2ρl2πr2=2\dfrac{R_B}{R_A} = \dfrac{\dfrac{\rho l}{\pi r^2}}{\dfrac{\rho l}{2\pi r^2}} = 2

答え:2 2倍

導体Bは導体Aに比べて長さが半分(l/2ll/2l)ですが、断面積は半径が半分になった分だけ1/41/4倍(πr2/π(2r)2\pi r^2/\pi(2r)^2)になります。長さが半分・断面積が4分の1という2つの効果が重なるため、抵抗は単純な「半分」ではなく「2倍」になる点が計算のポイントです。長さだけ、または断面積だけに注目すると選択肢1や3のような誤答になりやすいので注意してください。

No.2

電気工学

無限に長い直線状導体に図に示す方向に電流I〔A〕が流れているとき,点Pにおける磁界の向きと磁界の大きさ〔A/m〕の組合せとして,適当なものはどれか。ただし,直線状導体の中心から点Pまでの距離はr〔m〕とする。

No.2の図
  • 1.向き:ア 大きさ:I/(2πr)
  • 2.向き:ア 大きさ:I/(2πr²)
  • 3.向き:イ 大きさ:I/(2πr)
  • 4.向き:イ 大きさ:I/(2πr²)

正解:3

解説

考え方

無限に長い直線状導体に電流II〔A〕が流れているとき、導体からの距離rr〔m〕の点Pにできる磁界は、導体を中心とした同心円状になり、その向きは電流の向きに対して右ねじの法則に従います。図では電流IIが上向きに流れているため、右ねじの法則により、点Pにおける磁界の向きは、導体を中心としてPを含む円の接線方向(図中の矢印アの向き)になります。

磁界の大きさHH〔A/m〕は、アンペアの周回積分の法則から次の式で求められます。

H=I2πr [A/m]H = \dfrac{I}{2\pi r}\ [\text{A/m}]

答え:3 向き:ア 大きさ:I/(2πr)

右ねじの法則を導体の電流の向き(上向き)に当てはめると、点Pでの磁界はイの向き(导体に巻き付くのと逆回り)ではなく、ア(右ねじを電流の向きに回したときの回転方向)になります。また大きさは距離rrに反比例するI/(2πr)I/(2\pi r)であり、r2r^2に反比例する形(選択肢ろ・に)は誤りです。

No.3

電気工学

図に示す回路において,A−B間の電位差V_ABの値〔V〕として,正しいものはどれか。

No.3の図
  • 1.12 V
  • 2.25 V
  • 3.28 V
  • 4.50 V

正解:3

解説

考え方

図はA-B間に、上側の枝(起電力20V・抵抗4Ω)と下側の枝(起電力30V・抵抗1Ω)が並列に接続された回路です。それぞれの電池はA側が正極となるように接続されているため、A-B間の電位差VABV_{AB}は、各枝を電流源とみなすミルマンの定理を使って求めることができます。

VAB=E1R1+E2R21R1+1R2V_{AB} = \dfrac{\dfrac{E_1}{R_1}+\dfrac{E_2}{R_2}}{\dfrac{1}{R_1}+\dfrac{1}{R_2}}

計算

E1=20 VE_1=20\ \text{V}R1=4 ΩR_1=4\ \OmegaE2=30 VE_2=30\ \text{V}R2=1 ΩR_2=1\ \Omegaとして、

VAB=204+30114+11=5+301.25=351.25=28 VV_{AB} = \dfrac{\dfrac{20}{4}+\dfrac{30}{1}}{\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{1}} = \dfrac{5+30}{1.25} = \dfrac{35}{1.25} = 28\ \text{V}

答え:3 28 V

2つの電源が並列に接続された回路では、単純に電圧を平均したり足したりするのではなく、各枝の内部抵抗を重みとしたミルマンの定理で合成の電位差を求める必要があります。抵抗の小さい枝(下側の30V・1Ω)の起電力の影響が大きく効いてくるため、28Vという単純な平均(25V)より高めの値になる点も計算結果と整合しています。

No.4

電気工学

動作原理により分類した指示電気計器の記号と名称の組合せとして,不適当なものはどれか。

No.4の図
  • 1.図記号(横長の長方形2枚の間を縦長の長方形が十字に貫く形):電流力計形計器
  • 2.図記号(縦の太線にコイル状の線が重なり,上下に小さい丸が付く形):可動鉄片形計器
  • 3.図記号(上端に小さい丸の付いた縦線が2本の横線と交わり,下端が下向きの黒い矢印になっている形):整流形計器
  • 4.図記号(中心に小さい丸のある円に,縦線が重なる形):誘導形計器

正解:3

解説

考え方

指示電気計器は、内部の可動部分を動かす原理によっていくつかの種類に分類され、それぞれ専用の図記号がJISで定められています。図に示された4つの記号のうち、上から電流力計形計器(固定コイルと可動コイルの組合せを表す十字状の記号)、可動鉄片形計器(コイルと鉄片を表す記号)、整流形計器、誘導形計器の順に並んでいます。

これらのうち、整流形計器はダイオードなどの整流素子を使って交流を直流に変換してから可動コイル形の機構で指示する計器で、その図記号は整流素子(ダイオード)の記号を模した「先端に矢印の付いた」形が使われます。図の3番目の記号(上端に丸、下向きの黒い矢印)は、実際には整流形計器ではなく、熱電対の起電力を利用して指示する熱電形計器の図記号(熱電対を表す丸印と矢印状の記号)に近い形状です。

答え:3 整流形計器(実際は熱電形計器に近い図記号)

電流力計形・可動鉄片形・誘導形の3つは記号と名称が対応していますが、3番目の記号は整流形計器の図記号としては不適当という出題です。整流形計器とその他の熱電形計器などは図記号が似ていて紛らわしいため、細部の違い(コイル・鉄片・ダイオード・熱電対のどれを模しているか)に着目して区別する必要があります。

No.5

電気工学

図に示す発電機の原理図において,磁界中でコイルを一定の速度で回転させたとき,抵抗Rに流れる電流iの波形として,適当なものはどれか。ただし,S₁とS₂は整流子,B₁とB₂はブラシを示し,これらにより整流をするものである。

No.5の図
  • 1.波形図(正負に振れる正弦波)
  • 2.波形図(正側のみに山が連続する全波整流波形)
  • 3.波形図(山と山の間に休止区間がある半波整流波形)
  • 4.波形図(一定値の直流)

正解:2

解説

考え方

図はN極・S極の磁界中でコイルを一定速度で回転させ、整流子(S1S_1S2S_2)とブラシ(B1B_1B2B_2)を介して抵抗Rに電流を取り出す発電機の原理図です。コイルが磁界中を回転すると、コイルに誘導される起電力の向きは半回転ごとに反転しますが、整流子とブラシの組合せによって、外部回路(抵抗R)には常に同じ向きの電流が流れるように整流されます。

コイルの起電力の大きさそのものは正弦波状に変化するため、整流された後の電流iiは、正弦波の負の部分を折り返して常に正側にした「山型の波形が連続する」形になります。整流子は半回転ごとに接点を切り替えるため、山と山の間に電流が0になる瞬間はあっても、電流の向きは常に一定(正側のみ)を保ちます。

答え:2 波形図(正側のみに山が連続する全波整流波形)

選択肢1のような正負に振れる正弦波は整流子がない交流発電機の波形であり、この図のように整流子・ブラシで整流している場合は当てはまりません。また、選択肢3のように山と山の間に長い休止区間がある半波整流の波形でもなく、整流子の切替えにより山がすき間なく連続する全波整流に近い波形になります。

No.6

電気工学

図に示す,巻数比aが20の理想変圧器の一次側に,交流電圧V=2 000 Vを加えたとき,一次電流I₁の値〔A〕として,正しいものはどれか。ただし,R=5 Ωとする。

No.6の図
  • 1.1 A
  • 2.3 A
  • 3.5 A
  • 4.10 A

正解:1

解説

考え方

図は巻数比a=20a=20の理想変圧器で、一次側に交流電圧V=2000 VV=2\,000\ \text{V}を加え、二次側に抵抗R=5 ΩR=5\ \Omegaを接続した回路です。理想変圧器では、一次電圧V1V_1と二次電圧V2V_2の関係、一次電流I1I_1と二次電流I2I_2の関係は、巻数比aaを用いてそれぞれ次のように表されます。

V2=V1a,I1=I2aV_2 = \dfrac{V_1}{a}, \qquad I_1 = \dfrac{I_2}{a}

計算

V2=200020=100 VV_2 = \dfrac{2\,000}{20} = 100\ \text{V}

I2=V2R=1005=20 AI_2 = \dfrac{V_2}{R} = \dfrac{100}{5} = 20\ \text{A}

I1=I2a=2020=1 AI_1 = \dfrac{I_2}{a} = \dfrac{20}{20} = 1\ \text{A}

答え:1 1 A

変圧器では電圧は一次側の方が高く二次側は巻数比分の1に下がりますが、電流は逆に二次側の方が大きく一次側は巻数比分の1に下がるという「電圧と電流で巻数比の効き方が逆」になる関係を取り違えないことがポイントです。

No.7

電気工学

直列リアクトルと組み合わせて用いる三相高圧進相コンデンサの定格電圧〔V〕として,「日本産業規格(JIS)」上,定められているものはどれか。ただし,回路電圧は6 600 V,直列リアクトルの容量はコンデンサ容量の6 %とする。

  • 1.6 600 V
  • 2.7 020 V
  • 3.7 200 V
  • 4.7 590 V

正解:2

解説

考え方

高圧進相コンデンサに直列リアクトルを組み合わせる場合、コンデンサの端子には回路電圧よりも高い電圧がかかります。これは、直列リアクトルの両端に生じる電圧上昇分だけ、コンデンサ側の端子電圧が回路電圧より高くなるためです。直列リアクトルの容量を回路電圧・コンデンサ容量に対する割合kk(設問では6 %)とすると、コンデンサの定格電圧VCV_Cは次の式で求められます。

VC=V1kV_C = \dfrac{V}{1-k}

計算

回路電圧V=6600 VV=6\,600\ \text{V}k=0.06k=0.06として、

VC=660010.06=66000.947021 VV_C = \dfrac{6\,600}{1-0.06} = \dfrac{6\,600}{0.94} ≒ 7\,021\ \text{V}

この値に対応する日本産業規格(JIS)上の定格電圧として定められているのは7 020 Vです。

答え:2 7 020 V

直列リアクトルを付けると回路電圧よりコンデンサの端子電圧が「下がる」と誤解しやすいですが、実際にはリアクトルの電圧降下分だけコンデンサ側の電圧は回路電圧より高くなる点に注意してください。

No.8

電気工学

水力発電所の発電機出力P〔kW〕を求める式として,正しいものはどれか。ただし,各記号は次のとおりとする。Q:水車に流入する水量〔m³/s〕 H:有効落差〔m〕 η_g:発電機の効率 η_t:水車の効率

  • 1.P=9.8QHη_gη_t〔kW〕
  • 2.P=9.8Q²Hη_gη_t〔kW〕
  • 3.P=9.8QH/(η_gη_t)〔kW〕
  • 4.P=9.8Q²H/(η_gη_t)〔kW〕

正解:1

解説

考え方

水力発電所の発電機出力PP〔kW〕は、水車に流入する水量QQ〔m³/s〕、有効落差HH〔m〕、水車の効率ηt\eta_t、発電機の効率ηg\eta_gを用いて次の式で表されます。

P=9.8QHηgηt [kW]P = 9.8\,QH\eta_g\eta_t\ [\text{kW}]

これは、水がもつ位置エネルギーから得られる理論出力9.8QH9.8QH〔kW〕に、水車と発電機それぞれの効率(1未満の値)を掛け合わせたもので、水車と発電機でエネルギー変換の際に生じる損失分を差し引く形になっています。

答え:1 P=9.8QHη_gη_t〔kW〕

効率ηg\eta_gηt\eta_tは1未満の値なので、実際の出力は理論出力9.8QH9.8QHより小さくなるはずです。効率で割る形(選択肢ハ・二)では効率を掛けるほど出力が理論値より大きくなってしまい、物理的に不合理なので誤りと判断できます。またQ2Q^2とする形(選択肢ろ・に)も、出力が流量に比例するという基本関係と合わないため誤りです。

No.9

電気工学

電力系統における変電所の役割に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.送配電電圧の昇圧又は降圧を行う。
  • 2.電力を有効に利用できるよう電力の流れを調整する。
  • 3.事故点を検出し,系統から切り離して事故の波及を防ぐ。
  • 4.需要変動に応じ系統周波数を一定に保つため,出力調整を行う。

正解:4

解説

考え方

変電所は、送配電電圧の昇圧・降圧、電力の流れの調整、事故点の検出と系統からの切り離しといった役割を担う重要な設備です。選択肢1・2・3は、いずれも変電所が実際に担う代表的な役割です。

一方、「需要変動に応じ系統周波数を一定に保つため、出力調整を行う」役割は、発電所側で行われるガバナフリー運転や需給バランス調整(発電機の出力制御)によって実現されるものであり、変電所自体が主体となって周波数を制御する役割ではありません。

答え:4 需要変動に応じ系統周波数を一定に保つため,出力調整を行う。

「電圧」に関することは変電所、「周波数」に関することは発電所(発電機側の出力調整)という役割分担で整理しておくと、この種の設問で迷わなくなります。

No.10

電気工学

配電系統の需要諸係数に関する用語として,次の計算式により求められるものはどれか。「各需要家の最大需要電力の総和〔kW〕/その系統の合成最大需要電力〔kW〕」

  • 1.需要率
  • 2.不等率
  • 3.負荷率
  • 4.利用率

正解:2

解説

考え方

設問の計算式

不等率=各需要家の最大需要電力の総和〔kW〕その系統の合成最大需要電力〔kW〕\text{不等率} = \dfrac{\text{各需要家の最大需要電力の総和〔kW〕}}{\text{その系統の合成最大需要電力〔kW〕}}

は「不等率」の定義そのものです。各需要家の最大需要電力が発生するタイミングはそれぞれ異なるため、個々の最大需要電力を単純に足し合わせた値は、系統全体で実際に発生する合成最大需要電力より大きくなります。不等率はこの「同時に最大需要が発生しない度合い」を表す指標で、通常1以上の値になります。

他の紛らわしい用語との違いは次のとおりです。

  • 需要率:設備容量に対する最大需要電力の割合
  • 負荷率:ある期間の平均電力を最大電力で割った値
  • 利用率:設備がどれだけ有効に使われているかを示す指標

答え:2 不等率

分子・分母の組合せで需要率・不等率・負荷率・利用率を区別する問題は頻出なので、それぞれの定義式をセットで覚えておくと得点しやすくなります。

No.11

電気工学

照明に関する用語と単位の組合せとして,不適当なものはどれか。

  • 1.光度:cd
  • 2.輝度:cd/m²
  • 3.光束発散度:lm/W
  • 4.色温度:K

正解:3

解説

考え方

照明に関する用語とその単位は、それぞれ次のように定義されています。

  • 光度:光源からある方向への光の強さを表す量で、単位はcd(カンデラ)です。
  • 輝度:光源やその反射面をある方向から見たときのまぶしさ(見かけの明るさ)を表す量で、単位はcd/m²です。
  • 色温度:光の色みを表す量で、単位はK(ケルビン)です。

これに対し、光束発散度は、面から発散される光束の面積あたりの量を表す量で、正しい単位はlm/m²です。「lm/W」は、消費電力あたりにどれだけの光束を得られるかを示す「発光効率(ランプ効率)」の単位であり、光束発散度の単位ではありません。

答え:3 光束発散度:lm/W

lm/Wという単位を見ると発光効率と混同しやすいですが、光束発散度は面積あたりの光束(lm/m²)で表される点を区別して覚えておきましょう。

No.12

電気工学

三相誘導電動機の特性に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.負荷が増加すると,回転速度は遅くなる。
  • 2.滑りが減少すると,回転速度は速くなる。
  • 3.極数を少なくすると,回転速度は速くなる。
  • 4.電源周波数を低くすると,回転速度は速くなる。

正解:4

解説

考え方

三相誘導電動機の同期速度NsN_s〔min⁻¹〕は、電源周波数ff〔Hz〕と極数ppを用いて次の式で表されます。

Ns=120fpN_s = \dfrac{120f}{p}

実際の回転速度NNは、この同期速度に対して滑りssの分だけ遅れた値になり、N=(1s)NsN=(1-s)N_sで表されます。負荷が増加すると滑りが大きくなるため回転速度は遅くなり、逆に滑りが減少すれば回転速度は速くなります。また極数ppを少なくすれば同期速度が上がるため回転速度は速くなります。

一方、電源周波数ffを低くすると、上の式から同期速度NsN_sは下がるため、回転速度はむしろ遅くなります。「電源周波数を低くすると、回転速度は速くなる」という記述は、周波数と回転速度の比例関係が逆になっており誤りです。

答え:4 電源周波数を低くすると,回転速度は速くなる。

同期速度は周波数に比例し極数に反比例するという関係(Ns=120f/pN_s=120f/p)を正しく押さえていれば、周波数を下げたときに回転速度が「速くなる」という記述は明らかに逆だと判断できます。

No.13

電気設備

火力発電所の燃焼ガスによる大気汚染を軽減するために用いられる装置として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.脱硫装置
  • 2.脱硝装置
  • 3.電気集じん器
  • 4.微粉炭機

正解:4

解説

考え方

火力発電所の燃焼ガスによる大気汚染を軽減するための代表的な装置には、硫黄酸化物を除去する脱硫装置、窒素酸化物を除去する脱硝装置、ばいじんを除去する電気集じん器があります。

一方、「微粉炭機」は石炭を細かく粉砕して燃焼させやすくするための燃料処理設備であり、燃焼ガス中の汚染物質を除去する装置ではありません。

答え:4 微粉炭機

脱硫装置・脱硝装置・電気集じん器は「排ガス中の汚染物質を除去する」装置というグループでまとめて覚え、微粉炭機は「燃料を燃えやすく加工する」設備として区別しておくと混同しにくくなります。

No.14

電気設備

変電所に設置される機器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.断路器は,送配電線や変圧器などの機器が短絡・地絡など故障した際に,回路を遮断するために用いられる。
  • 2.計器用変圧器には,巻線形とコンデンサ形が用いられる。
  • 3.分路リアクトルは,系統の電圧・無効電力を制御するために用いられる。
  • 4.避雷器は,非直線抵抗特性に優れた酸化亜鉛形のものが多く使用されている。

正解:1

解説

考え方

変電所に設置される断路器は、点検や系統切替えの際に無負荷状態の電路を開閉するための機器であり、負荷電流やアーク(弧光)を開閉する能力を持ちません。短絡・地絡などの事故が発生した際に、その大きな事故電流を安全に遮断する役割を担うのは遮断器です。断路器で無理に事故電流を遮断しようとすると、アークが持続して重大な事故につながるおそれがあります。

選択肢の検討

  • 選択肢2:計器用変圧器に巻線形とコンデンサ形が用いられるのは正しい記述です。
  • 選択肢3:分路リアクトルが系統の電圧・無効電力を制御するために用いられるのは正しい記述です。
  • 選択肢4:避雷器に非直線抵抗特性に優れた酸化亜鉛形が多く使用されているのは正しい記述です。

これに対し、選択肢1「断路器は、送配電線や変圧器などの機器が短絡・地絡など故障した際に、回路を遮断するために用いられる」は、断路器と遮断器の役割を取り違えており誤りです。

答え:1 断路器は,送配電線や変圧器などの機器が短絡・地絡など故障した際に,回路を遮断するために用いられる。

「断路器=無負荷時の開閉専用(事故電流は遮断できない)」「遮断器=事故電流を含め負荷電流を遮断できる」という役割の違いを区別しておくことが重要です。

No.15

電気設備

変電所に用いられる高圧計器用変成器の取扱いに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.計器用変圧器(VT)は,二次側の1線を接地する。
  • 2.計器用変流器(CT)は,二次側を開放する。
  • 3.零相変流器(ZCT)は,三相分の電線を一括して変流器に貫通させる。
  • 4.計器用変流器(CT)の二次端子の接続を誤ると,発生する異常電流により保護継電器の誤動作に至る場合がある。

正解:2

解説

考え方

計器用変流器(CT)は、一次側に流れる大きな電流を、計測や保護継電器での利用がしやすい小さな電流に変成する機器です。CTの二次側を開放すると、一次電流がそのまま励磁電流として鉄心に加わり、二次側に非常に高い電圧が発生して絶縁破壊や作業者の感電などの重大な事故につながるおそれがあります。そのため、CTの二次側は運転中に開放してはならず、必ず負荷(計器や継電器)を接続するか短絡した状態で扱う必要があります。

選択肢の検討

  • 選択肢1:計器用変圧器(VT)の二次側の1線を接地するのは、感電防止のための正しい取扱いです。
  • 選択肢3:零相変流器(ZCT)が三相分の電線を一括して貫通させる構造であるのは正しい記述です。
  • 選択肢4:CTの二次端子の接続を誤ると異常電流により保護継電器が誤動作するおそれがあるのは正しい記述です。

これに対し、選択肢2「計器用変流器(CT)は、二次側を開放する」は、CTの取扱いとして最も不適当な記述です。

答え:2 計器用変流器(CT)は,二次側を開放する。

CTの二次側開放は高電圧発生という重大事故につながるため、「CTの二次側は絶対に開放しない」という原則は、実務でも試験でも繰り返し問われる重要ポイントです。

No.16

電気設備

架空送電線路に取り付けるダンパの目的として,適当なものはどれか。

  • 1.電線を支持点付近で補強する。
  • 2.電線相互の接近・接触を防止する。
  • 3.電線の振動を防止する。
  • 4.電線の風による騒音を軽減する。

正解:3

解説

考え方

架空送電線路では、風によって電線が振動する現象(微風振動など)が生じ、これが長期間続くと電線や支持点付近の素線が疲労し断線につながるおそれがあります。ダンパはおもりのような構造物を電線に取り付けることで振動エネルギーを吸収し、この電線の振動を防止するために設置されます。

他の選択肢に挙げられている「支持点付近の補強」「電線相互の接近・接触防止」「風による騒音の軽減」は、それぞれアーマロッドやスペーサなど別の付属品の役割や副次的な効果であり、ダンパの主目的ではありません。

答え:3 電線の振動を防止する。

架空送電線の付属品は「ダンパ=振動防止」「スペーサ=電線相互の接近防止」のように役割ごとにセットで覚えると整理しやすくなります。

No.17

電気設備

架空送配電線路に使用されるがいしに関する記述として,不適当なものはどれか。

  • 1.懸垂がいしは,使用電圧に応じ必要な個数を連結して使用する。
  • 2.長幹がいしは,塩害に弱い。
  • 3.耐霧がいしは,汚損に強い。
  • 4.ラインポストがいしは,鉄構などに直立固定させて使用する。

正解:2

解説

考え方

架空送配電線路に使用されるがいしは、それぞれ形状・特性が異なります。懸垂がいしは使用電圧に応じて必要な個数を連結して使用し、ラインポストがいしは鉄構などに直立固定させて使用するのが一般的です。耐霧がいしはひだ(スカート)の形状によって沿面距離を確保し、霧や汚損に強い構造となっています。

長幹がいしは、棒状の磁器で沿面距離が長く確保されており、一般的には塩害・汚損に対して強い(有利な)特性を持つがいしとされています。「長幹がいしは、塩害に弱い」という記述は、この特性と逆であり誤りです。

答え:2 長幹がいしは,塩害に弱い。

長幹がいしは沿面距離を長く取れる構造上、塩害・汚損に強いという特徴を持つ点を、耐霧がいしと合わせて覚えておくと区別しやすくなります。

No.18

電気設備

架空送電線路におけるコロナ放電の抑制対策として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.電線のねん架を行う。
  • 2.架線時に電線を傷つけないようにする。
  • 3.がいし装置に遮へい環(シールドリング)を設ける。
  • 4.がいし装置の金具はできるだけ突起物をなくし,丸みをもたせる。

正解:1

解説

考え方

架空送電線路のコロナ放電は、電線表面の電界強度が一定値を超えたときに空気の絶縁が部分的に破壊されて生じる現象で、電力損失や電波障害・可聴雑音の原因になります。コロナ放電を抑制するには、架線時に電線を傷つけないようにする、がいし装置に遮へい環(シールドリング)を設ける、がいし装置の金具はできるだけ突起物をなくし丸みをもたせるなど、電線・金具表面の電界を滑らかにする対策が有効です。

一方、「電線のねん架」は、三相の各線の作用インダクタンス・静電容量を平衡させて電圧・電流の不平衡を防ぐための対策であり、コロナ放電の抑制対策ではありません。

答え:1 電線のねん架を行う。

ねん架は「相間の不平衡対策」、コロナ対策は「電線・金具表面の電界を滑らかにする対策」という目的の違いを区別しておくと判断しやすくなります。

No.19

電気設備

高圧配電系統の機器等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.高圧配電線路の短絡保護のため,変電所に過電圧継電器を施設した。
  • 2.高圧配電線路の地絡保護のため,変電所に地絡方向継電器を施設した。
  • 3.高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時タップ切換変圧器を施設した。
  • 4.高圧配電線路の事故区間の切り離しのため,区分開閉器を施設した。

正解:1

解説

考え方

高圧配電系統では、事故の種類に応じて異なる保護継電器・機器が使い分けられます。地絡事故の保護には地絡方向継電器、電圧調整には負荷時タップ切換変圧器、事故区間の切り離しには区分開閉器がそれぞれ用いられ、選択肢2〜4はいずれも適切な組合せです。

一方、短絡事故の保護に用いられるのは過電流継電器(OCR)であり、「過電圧継電器」は系統の異常な電圧上昇を検出するための継電器で、短絡事故の検出・保護を目的とするものではありません。

答え:1 高圧配電線路の短絡保護のため,変電所に過電圧継電器を施設した。

「短絡・過負荷の検出=過電流継電器」「異常電圧の検出=過電圧継電器」「地絡の検出=地絡(方向)継電器」という対応関係を混同しないよう整理しておきましょう。

No.20

電気設備

一般送配電事業者が供給する電気の電圧に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる数値の組合せとして,「電気事業法」上,正しいものはどれか。「標準電圧100 Vの電気を供給する場所において,供給する電気の電圧の値は,[ア]Vの上下[イ]Vを超えない値に維持するように努めなければならない。」

  • 1.ア:103 イ:3
  • 2.ア:103 イ:6
  • 3.ア:101 イ:3
  • 4.ア:101 イ:6

正解:4

解説

考え方

電気事業法では、一般送配電事業者が供給する電気の電圧について、標準電圧ごとに維持すべき値の範囲が定められています。標準電圧100Vの電気を供給する場所では、供給電圧の値を101Vの上下6Vを超えない値(すなわち95V以上107V以下)に維持するように努めなければならないとされています。

空欄の埋め方

「標準電圧100 Vの電気を供給する場所において,供給する電気の電圧の値は,101 Vの上下6 Vを超えない値に維持するように努めなければならない。」

答え:4 ア:101 イ:6

標準電圧100Vのときは「101Vの上下6V」、標準電圧200Vのときは「202Vの上下20V」という数値の組合せをセットで覚えておくと、この種の穴埋め問題で迷いません。

No.21

電気設備

全般照明において,室の平均照度E〔lx〕を得るのに必要な照明器具台数N〔台〕を,光束法により求める式として,適当なものはどれか。ただし,各記号は次のとおりとする。F:照明器具1台あたりの光束〔lm〕 A:室の面積〔m²〕 U:照明率 M:保守率

  • 1.N=FUM/(EA)〔台〕
  • 2.N=EA/(FUM)〔台〕
  • 3.N=EUM/(FA)〔台〕
  • 4.N=FA/(EUM)〔台〕

正解:2

解説

考え方

全般照明において、室の平均照度EE〔lx〕を得るために必要な照明器具の台数NN〔台〕は、光束法により次の式で求められます。

N=EAFUM []N = \dfrac{EA}{FUM}\ [\text{台}]

ここでFFは照明器具1台あたりの光束〔lm〕、AAは室の面積〔m²〕、UUは照明率、MMは保守率です。この式は、必要な総光束(照度×面積)を、器具1台が実際に室内に供給できる有効な光束(F×U×MF\times U\times M)で割ることで、必要な台数を求める考え方に基づいています。

答え:2 N=EA/(FUM)〔台〕

分子に「必要な照度と面積の積(=必要な総光束)」、分母に「器具の光束と照明率・保守率の積(=実際に有効な光束)」を置く形を覚えておけば、分子・分母を入れ替えた選択肢1や4のような誤答を避けられます。

No.22

電気設備

低圧三相誘導電動機の保護に用いられる2Eリレーの保護目的の組合せとして,適当なものはどれか。

  • 1.過負荷保護,欠相保護
  • 2.過負荷保護,短絡保護
  • 3.欠相保護,反相保護
  • 4.短絡保護,反相保護

正解:1

解説

考え方

低圧三相誘導電動機の保護に用いられる2Eリレーは、名称のとおり2つの保護機能(2E)を組み合わせた継電器で、過負荷保護と欠相保護の2つを目的としています。過負荷保護は、電動機に定格を超える電流が流れ続けたときに検出して電動機の焼損を防ぐ機能、欠相保護は、三相のうち1相が断線するなどして欠相状態になったときに検出して電動機の焼損を防ぐ機能です。

答え:1 過負荷保護,欠相保護

短絡保護や反相(逆相)保護は、2Eリレーとは別の保護継電器・保護方式(配線用遮断器や反相継電器など)で対応するのが一般的です。2Eリレーは「過負荷+欠相」の組合せである点を覚えておきましょう。

No.23

電気設備

電気事業者から低圧で電気の供給を受けている場合(電気使用場所内の変圧器より供給されていない場合)の幹線の電圧降下として,「内線規程」上,定められているものはどれか。ただし,引込線取付点から最遠端の負荷に至る間の電線のこう長は60 m以下とする。

  • 1.2 %以下
  • 2.3 %以下
  • 3.4 %以下
  • 4.5 %以下

正解:1

解説

考え方

内線規程では、電気事業者から低圧で電気の供給を受けている場合(電気使用場所内の変圧器から供給されていない場合)、引込線取付点から最遠端の負荷に至る間の電線のこう長が60 m以下であれば、幹線の電圧降下は標準的に2 %以下とすることが定められています。こう長が長くなる区分(120 m以下・200 m以下・200 mを超える場合など)では、それぞれより緩和された電圧降下の基準値が別途定められています。

答え:1 2 %以下

こう長の区分ごとに定められた電圧降下の基準値(60 m以下は2 %、こう長が長くなるほど基準は緩和される)は頻出のため、こう長と許容電圧降下の対応をセットで押さえておきましょう。

No.24

電気設備

高圧受電設備に用いられる高圧限流ヒューズの種類として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

  • 1.T(変圧器用)
  • 2.G(電動機用)
  • 3.C(リアクトルなしコンデンサ用)
  • 4.LC(リアクトル付きコンデンサ用)

正解:2

解説

考え方

高圧受電設備に用いられる高圧限流ヒューズは、保護対象の用途に応じて記号が定められており、日本産業規格(JIS)では、T(変圧器用)、C(リアクトルなしコンデンサ用)、LC(リアクトル付きコンデンサ用)などの記号が用いられます。電動機用の限流ヒューズには、Gではなく「M」の記号が用いられており、「G」は一般用(変圧器・電動機以外の一般的な回路用)のヒューズを表す記号です。

答え:2 G(電動機用)

限流ヒューズの記号は「T:変圧器用」「M:電動機用」「C:リアクトルなしコンデンサ用」「LC:リアクトル付きコンデンサ用」「G:一般用」という対応で覚えておくと、GとMの取り違えを防げます。

No.25

電気設備

D種接地工事を施す箇所として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。

  • 1.高圧キュービクル内にある高圧計器用変成器の二次側電路
  • 2.屋内の金属ダクト工事において,使用電圧200 Vの金属ダクト
  • 3.屋内の金属管工事において,使用電圧100 Vの長さ10 mの金属管
  • 4.高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点

正解:4

解説

考え方

電気設備の技術基準とその解釈では、接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)は、対象となる機器・電路の電圧区分によって細かく使い分けられます。使用電圧300 V以下の低圧の金属製外箱・金属管・金属ダクトなどにはD種接地工事が適用され、選択肢2・3はこの条件に合致する適切な記述です。また、高圧・特別高圧の計器用変成器(変流器・計器用変圧器)の二次側電路は、機器本体の鉄台・金属製外箱(これはA種の対象)とは別に規定されており、D種接地工事を施すこととされています。選択肢1はこの規定に沿った適切な記述です。

一方、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点には、高低圧混触時に低圧側の電位が異常に上昇するのを抑えるため、B種接地工事を施すことが定められています(中性点が取れない場合は低圧側の1端子)。「高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点」にD種接地工事を施すという選択肢4の内容は、本来B種を施すべき箇所にD種を当てはめており、D種接地工事を施す箇所としては不適当です。

答え:4 高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点

高圧計器用変成器の二次側電路はD種接地工事の対象という点(機械器具の鉄台・外箱はA種という原則の例外)と、変圧器の低圧側中性点はB種接地工事の対象という点を、それぞれ区別して覚えておく必要があります。

No.26

電気設備

図に示す回路において,電気機器に完全地絡が生じたとき,その金属製外箱に生じる対地電圧〔V〕として,適当なものはどれか。ただし,電線の抵抗など,表示なき抵抗は無視するものとする。

No.26の図
  • 1.25 V
  • 2.50 V
  • 3.75 V
  • 4.100 V

正解:3

解説

考え方

図は、変圧器の低圧側の接地抵抗値20Ω(B種接地工事に相当)と、電気機器の金属製外箱の接地抵抗値60Ω(D種接地工事に相当)が示された回路で、電気機器に完全地絡が生じた場合の金属製外箱の対地電圧を求める問題です。地絡が発生すると、変圧器の接地(20Ω)と機器の接地(60Ω)が直列につながった閉回路に地絡電流IgI_gが流れます。

計算

電源電圧100V、直列合成抵抗20+60=80 Ω20+60=80\ \Omegaとして、

Ig=10020+60=10080=1.25 AI_g = \dfrac{100}{20+60} = \dfrac{100}{80} = 1.25\ \text{A}

金属製外箱に生じる対地電圧VVは、この地絡電流が機器側の接地抵抗60Ωを流れることで生じる電圧降下に相当します。

V=Ig×60=1.25×60=75 VV = I_g\times 60 = 1.25\times 60 = 75\ \text{V}

答え:3 75 V

対地電圧は、地絡電流が変圧器側と機器側の接地抵抗の直列回路に流れると考え、機器側の接地抵抗にかかる電圧降下として求める点がポイントです。単純に電圧を接地抵抗の比だけで分配しない(20Ωと60Ωの合計80Ωに対する電流をまず求めてから、60Ω側の電圧降下を計算する)手順を踏むことが重要です。

No.27

電気設備

常時開放式防火戸(竪穴区画用)へ連動させる感知器として,適当なものはどれか。

  • 1.差動式スポット型感知器
  • 2.定温式スポット型感知器
  • 3.光電式スポット型感知器
  • 4.補償式スポット型感知器

正解:3

解説

考え方

常時開放式の防火戸(竪穴区画用)は、平常時は開放されていて、火災時に感知器の作動信号を受けて自動的に閉鎖する仕組みになっています。竪穴区画は煙の伝播による被害が大きいため、この防火戸に連動させる感知器には、煙を検出する光電式スポット型感知器(煙感知器)が用いられます。

差動式スポット型感知器や補償式スポット型感知器は主に熱(温度上昇率)を検出するもの、定温式スポット型感知器は一定温度以上を検出するものであり、竪穴区画のように煙の伝播を早期に検知したい箇所の防火戸連動用としては、煙感知器である光電式スポット型が適しています。

答え:3 光電式スポット型感知器

「竪穴区画・煙の伝播対策=煙感知器(光電式)」という対応を覚えておくと、熱感知器の選択肢と区別しやすくなります。

No.28

電気設備

自動火災報知設備の非常電源(蓄電池設備)の容量に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる数値として,「消防法」上,定められているものはどれか。「自動火災報知設備を有効に[ ]分間作動することができる容量以上であること。」

  • 1.10
  • 2.20
  • 3.30
  • 4.60

正解:1

解説

考え方

消防法令上、自動火災報知設備の非常電源(蓄電池設備)は、停電時にも火災の発見・警報が確実に行えるよう、一定時間以上作動できる容量を確保することが定められています。具体的には、自動火災報知設備を有効に10分間作動することができる容量以上であることが求められています。

空欄の埋め方

「自動火災報知設備を有効に10分間作動することができる容量以上であること。」

答え:1 10

非常電源の作動時間は設備の種類によって異なり、自動火災報知設備は「10分間」が基準です。他の消防用設備(スプリンクラー設備や排煙設備など)の非常電源の作動時間と混同しないよう、それぞれの数値をセットで覚えておくとよいでしょう。

No.29

電気設備

インターホンに関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。

  • 1.同時通話式とは,通話者間で同時に通話ができるものをいう。
  • 2.相互式とは,親機と子機の間に通話網が構成されているものをいう。
  • 3.選局数とは,個々の親機,子機の呼出しが選択できる相手数をいう。
  • 4.通話路数とは,同一の通話網で同時に別々の通話ができる数をいう。

正解:2

解説

考え方

インターホンに関する用語は、日本産業規格(JIS)で次のように定義されています。同時通話式は通話者間で同時に通話できるもの、選局数は個々の親機・子機の呼出しが選択できる相手数、通話路数は同一の通話網で同時に別々の通話ができる数を指し、選択肢1・3・4はこれらの定義に沿った正しい記述です。

一方、「相互式」は、親機と子機という上下関係のある構成ではなく、複数の機器の間で対等に呼出し・通話ができる方式を指す用語であり、「親機と子機の間に通話網が構成されているもの」という説明は、親子式(親機と子機で構成される方式)の説明に近く、相互式の説明としては不適当です。

答え:2 相互式とは,親機と子機の間に通話網が構成されているものをいう。

「親子式=親機と子機の上下関係がある方式」「相互式=対等な機器間で構成される方式」という違いを区別して覚えておきましょう。

No.30

電気設備

電車線路のトロリ線に要求される性能に関する記述として,不適当なものはどれか。

  • 1.引張り強度が大きい。
  • 2.耐摩耗性が優れている。
  • 3.電気抵抗が大きい。
  • 4.耐食性が優れている。

正解:3

解説

考え方

電車線路のトロリ線は、パンタグラフと接触しながら大きな電流を流し続けるための電線で、走行時の張力や摩耗にも耐える必要があります。そのため、引張り強度が大きいこと、耐摩耗性・耐食性に優れていることが求められます。

一方、トロリ線は電力を効率よく供給するための導体であるため、電気抵抗はできるだけ小さいことが求められます。「電気抵抗が大きい」という記述は、トロリ線に求められる性能として逆であり不適当です。

答え:3 電気抵抗が大きい。

トロリ線は「機械的に強く(引張り強度・耐摩耗性・耐食性)」「電気的には抵抗が小さい(電力損失を抑える)」という2つの性質が求められる点を押さえておきましょう。

No.31

電気設備

道路トンネル照明に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.カウンタービーム照明方式は,非対称照明方式の1つである。
  • 2.カウンタービーム照明方式は,灯具からの光を交通方向と対向(車両の進行方向と逆方向)に照射する方式である。
  • 3.カウンタービーム照明方式は,トンネル内の路上の障害物と路面との間に輝度の差が出にくいため,路上の障害物が認識しにくい。
  • 4.カウンタービーム照明方式は,トンネルの入口部照明に採用される。

正解:3

解説

考え方

道路トンネル照明のカウンタービーム照明方式は、灯具からの光を交通の進行方向とは逆向き(対向方向)に照射する非対称照明方式の一種で、主にトンネルの入口部照明に採用されます。この方式では、路面上の障害物を光が正面から照らすのではなく、障害物の陰影が濃く現れるように光を当てることで、路上の障害物と路面との間に輝度の差(コントラスト)を意図的に強く出し、ドライバーが障害物を早期に発見しやすくする効果を狙っています。

「路上の障害物と路面との間に輝度の差が出にくいため、路上の障害物が認識しにくい」という記述は、この方式が本来ねらいとする効果(輝度差を強調して認識しやすくする)と逆であり不適当です。

答え:3 カウンタービーム照明方式は,トンネル内の路上の障害物と路面との間に輝度の差が出にくいため,路上の障害物が認識しにくい。

カウンタービーム照明方式は「対向照射により影を強調し、輝度差を大きくすることで障害物を発見しやすくする」方式である点を正しく理解しておくことがポイントです。

No.32

関連分野

換気設備に関する対象室と換気方式の組合せとして,最も不適当なものはどれか。

  • 1.便所:第3種換気方式
  • 2.厨房:第2種換気方式
  • 3.電気室:第1種換気方式
  • 4.ボイラ室:第1種換気方式

正解:2

解説

考え方

室の用途に応じて、給気・排気を機械で行うか自然で行うか、また室内を正圧にするか負圧にするかが使い分けられます。便所は臭気が他室に漏れないよう自然給気・機械排気の第3種換気方式が基本、電気室・ボイラ室は発熱機器の冷却や燃焼用空気の確保のため給気・排気とも機械で行う第1種換気方式が使われるのが一般的で、選択肢1・3・4はこれらの組合せとして適切です。

一方、厨房は、燃焼用空気を確保しつつも、調理で発生する油煙・臭気・熱を他室に漏らさないようにする必要があるため、給気・排気とも機械で行う第1種換気方式か、排気を機械・給気を自然で行い室内をやや負圧にする方式が一般的に用いられます。「厨房:第2種換気方式(機械給気・自然排気で室内を正圧にする方式)」は、油煙・臭気を他室に漏らさないという厨房の要求と合わず、不適当です。

答え:2 厨房:第2種換気方式

第2種換気方式は室内を正圧に保ちたい清浄な室(手術室や電算機室など)に向いた方式であり、油煙・臭気源となる厨房には不向きという点を区別して覚えておきましょう。

No.33

関連分野

切梁式土留め工法に使用する部材に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.中間杭は,腹起しを支えるため,垂直に設ける。
  • 2.切梁は,腹起しを支えるため,水平に設ける。
  • 3.腹起しは,山留め壁を支持するため,水平に設ける。
  • 4.親杭は,横矢板に作用する土圧を直接支持するため,垂直に設ける。

正解:1

解説

考え方

切梁式土留め工法では、山留め壁(親杭・横矢板など)が受けた土圧を、腹起し・切梁・中間杭といった各部材が役割分担して支持します。親杭は横矢板に作用する土圧を直接受けて垂直に設置される部材、腹起しは山留め壁を面的に支持するために水平に設ける部材、切梁は腹起しを支えるために水平に架け渡す部材です。選択肢2・3・4はこれらの役割に沿った適切な記述です。

一方、中間杭は、切梁の座屈防止や自重・積載荷重による撓みを抑えるために切梁を下から支持する垂直材であり、「腹起しを支えるため」に垂直に設ける部材ではありません。腹起しを支えるのは切梁であり、中間杭はその切梁を支持する部材という点で役割が異なります。

答え:1 中間杭は,腹起しを支えるため,垂直に設ける。

「腹起し→切梁が支える」「切梁→中間杭が支える」という支持の連鎖を正しく理解しておくと、中間杭の役割を腹起しの支持と混同しません。

No.34

関連分野

建設作業とその作業に使用する建設機械の組合せとして,最も不適当なものはどれか。

  • 1.掘削:バックホウ
  • 2.運搬:ブルドーザ
  • 3.削岩:ブレーカ
  • 4.締固め:モータグレーダ

正解:4

解説

考え方

建設作業には、その作業内容に適した建設機械が使用されます。掘削作業にはバックホウ、削岩作業にはブレーカが用いられ、選択肢1・3はこの組合せとして適切です。また、ブルドーザは土砂の押土・整地を主目的とする機械ですが、短距離の運搬(押土運搬)にも用いられるため、「運搬:ブルドーザ」という組合せも建設現場での実態として適切とされています。

一方、モータグレーダは路盤・路面をブレード(排土板)で削り、平坦に敷き均す整形(グレーディング)作業に用いられる機械であり、土を締め固めて密実にする「締固め」作業を主目的とする機械ではありません。締固め作業には、ロードローラやタイヤローラ、振動ローラなどの転圧機械が用いられます。「締固め:モータグレーダ」という組合せは、機械の主目的と作業内容が一致しておらず不適当です。

答え:4 締固め:モータグレーダ

モータグレーダは「敷均し・整形」、ロードローラ等の転圧機械は「締固め」というように、見た目や役割が似ている土工機械でも主目的が異なる点を区別しておくことが重要です。

No.35

関連分野

図に示す送電用鉄塔基礎のうち,逆T字型基礎として,適当なものはどれか。

No.35の図
  • 1.基礎の断面図(柱体の下部に水平に広がる床板を持つ直掘り形)
  • 2.基礎の断面図(床板の下に複数の杭を支持層まで打ち込んだ形)
  • 3.基礎の断面図(脚部から地中に多数のアンカーを放射状に打ち込んだ形)
  • 4.基礎の断面図(太い柱状の躯体を深く埋め込んだ形)

正解:1

解説

考え方

送電用鉄塔の基礎には、地盤条件や鉄塔の規模に応じていくつかの型式があります。図に示された4つの断面図のうち、選択肢1は柱体の下部に水平に広がる床板(フーチング)を持つ、逆T字型(直接基礎の一種)の形状をしています。これは、比較的良好な地盤で用いられる、基礎の底面積を広げて接地圧を減らす形式の基礎で、逆T字型基礎と呼ばれます。

選択肢2は床板の下に複数の杭を支持層まで打ち込んだ形をしており杭基礎、選択肢3は脚部から地中に多数のアンカーを放射状に打ち込んだ形をしておりロックアンカー(アンカー)基礎、選択肢4は太い柱状の躯体を深く埋め込んだ形をしており深礎基礎(または井筒基礎)に相当する形状で、いずれも逆T字型とは異なる基礎形式です。

答え:1 基礎の断面図(柱体の下部に水平に広がる床板を持つ直掘り形)

逆T字型基礎は、その名のとおり断面がアルファベットの「T」を逆さにした形(下に広い床板、上に細い柱体)をしている点が最大の特徴です。他の選択肢(杭基礎・アンカー基礎・深礎基礎)と混同しないよう、断面の形状イメージで区別しましょう。

No.36

関連分野

鉄道線路のカントに関する記述として,不適当なものはどれか。

  • 1.カントは,左右レールの高低差で表される。
  • 2.曲線半径が同じであれば,運行速度が速いほどカントは大きい。
  • 3.運行速度が同じであれば,曲線半径が大きいほどカントは大きい。
  • 4.カントは,曲線を通過する車両の外方向への転倒(転覆)を防止するものである。

正解:3

解説

考え方

鉄道の曲線区間では、車両が遠心力によって外方向に転倒(転覆)するのを防ぐため、外側のレールを内側のレールより高くする「カント」が設けられます。カントは左右レールの高低差で表され、運行速度が速いほど遠心力が大きくなるため必要なカントは大きくなり、曲線半径が大きいほど(緩やかな曲線ほど)遠心力は小さくなるため必要なカントは小さくなります。選択肢1・2・4はこれらの関係に沿った適切な記述です。

一方、「運行速度が同じであれば、曲線半径が大きいほどカントは大きい」という記述は、実際の関係と逆になっています。曲線半径が大きいほど遠心力は小さくなるため、必要なカントはむしろ小さくなります。

答え:3 運行速度が同じであれば,曲線半径が大きいほどカントは大きい。

カントは「速度が速いほど大きく」「曲線半径が大きい(緩い)ほど小さく」なるという関係を、遠心力の大きさと結び付けて理解しておくと迷いません。

No.37

関連分野

コンクリートに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.生コンクリートのスランプが小さいほど,流動性が大きい。
  • 2.コンクリートは,セメントと水の化学反応により凝結・硬化する。
  • 3.コンクリートは,腐食しないので,土や水に接する場所に使用できる。
  • 4.空気中の二酸化炭素により,コンクリートのアルカリ性は表面から失われて中性化していく。

正解:1

解説

考え方

コンクリートは、セメントと水の化学反応(水和反応)によって時間とともに凝結・硬化する材料です。また空気中の二酸化炭素と反応して、表面から徐々にアルカリ性を失っていく中性化という現象が生じ、中性化が鉄筋位置まで進行すると鉄筋の発錆・膨張によるひび割れの原因になります。選択肢2・3(コンクリートは腐食しないので土や水に接する場所に使用できる)・4はこれらの性質に沿った適切な記述です。

一方、生コンクリートのスランプは、スランプコーンを引き抜いたときにコンクリートが自重で沈み込む量(cm)を表す指標で、この値が大きいほど流動性(軟らかさ)が大きいことを意味します。「スランプが小さいほど、流動性が大きい」という記述は、スランプ値と流動性の関係が逆であり誤りです。

答え:1 生コンクリートのスランプが小さいほど,流動性が大きい。

スランプ値は「大きいほど軟らかく流動性が大きい」「小さいほど硬く流動性が小さい」という関係で、値の大小と流動性の大小が同じ向きに対応する点を正しく押さえておきましょう。

No.38

共通工学

抜け止め形のコンセントを表す図記号として,「日本産業規格(JIS)」上,正しいものはどれか。

No.38の図
  • 1.図記号(コンセントを表す丸に横2線の記号に傍記LK)
  • 2.図記号(コンセントを表す丸に横2線の記号に傍記T)
  • 3.図記号(コンセントを表す丸に横2線の記号に傍記ET)
  • 4.図記号(コンセントを表す丸に横2線の記号に傍記EL)

正解:1

解説

考え方

コンセントのJIS図記号は、基本形(丸に横2線)に用途を示す傍記文字を付け加えることで、抜け止め形・防雨形・接地極付き・接地端子付きといった種類を区別します。代表的な傍記文字には、抜け止め形を表す「LK(Lock の意)」、防雨形を表す「WP」、接地極付きを表す「ET」、接地端子付きを表す「EL」などがあります。

図の4つの記号は、いずれもコンセントの基本図記号(丸に横2線)に、それぞれLK・T・ET・ELという傍記文字を付けたものです。このうち、抜け止め形を表す正しい傍記文字は「LK」であり、「T」「ET」「EL」はそれぞれ別の意味(ETは接地極付き、ELは接地端子付きなど)を表す傍記であり、抜け止め形を表す記号ではありません。

答え:1 図記号(コンセントを表す丸に横2線の記号に傍記LK)

コンセントの傍記文字は種類が多いため、「LK=抜け止め形(Lock)」という対応を他の傍記文字(ET・EL・WPなど)と混同しないようセットで覚えておくとよいでしょう。

No.39

施工管理法(応用能力)

建設工事における施工要領書に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.図面には,寸法,材料名称などを記載する。
  • 2.原則として,工事の種別ごとに作成する。
  • 3.施工品質の均一化及び向上を図ることができる。
  • 4.施工図を補完する資料なので,設計者,工事監督員の承諾を省略できる。
  • 5.一工程の施工の着手前に,総合施工計画書に基づいて作成する。

正解:4

解説

考え方

施工要領書は、工事の種別ごとに、施工手順・使用材料・品質管理のポイントなどをまとめた資料で、一工程の施工に着手する前に、あらかじめ作成された総合施工計画書に基づいて作成されます。図面に寸法や材料名称などを具体的に記載することで、現場の作業員が誰でも同じ品質で施工できるようにし、施工品質の均一化・向上を図る目的があります。選択肢い・ろ・は・ほはこれらの内容に沿った適切な記述です。

一方、施工要領書は施工図を補完する重要な技術資料であり、実際の施工に用いる前には、設計図書との整合性などについて設計者や工事監督員の承諾(確認)を受ける必要があります。「設計者、工事監督員の承諾を省略できる」という記述は、施工管理上必要な確認手続きを省略できるとしている点で不適当です。

答え:4 施工図を補完する資料なので,設計者,工事監督員の承諾を省略できる。

施工要領書は現場だけで完結させる書類ではなく、施工図と同様に設計者・工事監督員の承諾を経て初めて正式に使用できる資料である、という位置づけを押さえておくことが重要です。

No.40

施工管理法(応用能力)

建設工事のネットワーク工程表において,クリティカルパスの日数(所要工期)を短縮する場合の記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.各作業時間(日数)の見積りが適切であるか確認した。
  • 2.各作業の順序の入れ替えによる効果について確認した。
  • 3.人員,機械などの投入資源の増加限度を検討した。
  • 4.並列になっている作業を直列作業に変更することを検討した。
  • 5.品質,安全性が低下しないように短縮を検討した。

正解:4

解説

考え方

ネットワーク工程表においてクリティカルパスの日数(所要工期)を短縮するには、まず各作業時間(日数)の見積りが適切かどうかを確認し、次に作業順序の入れ替えによる短縮効果、人員・機械などの資源投入を増やすことによる作業時間の短縮余地を検討します。これらはいずれも工期短縮のための有効なアプローチであり、選択肢い・ろ・は・ほはこれに沿った適切な検討内容です。

一方、並列に行われている作業を直列作業に変更すると、それぞれの作業が順番に実施されることになり、全体の所要日数はむしろ増加します。工期短縮を図る際は、逆に直列作業を並列作業に変更できないかを検討するのが一般的であり、「並列作業を直列作業に変更する」という記述は工期短縮の方向性と逆であり不適当です。

答え:4 並列になっている作業を直列作業に変更することを検討した。

工期短縮では「直列→並列」への変更を検討するのが基本方針であり、その逆(並列→直列)はむしろ工期を延ばす操作になる点を混同しないようにしましょう。

No.41

施工管理法(応用能力)

図に示すネットワーク工程表において,クリティカルパスの日数(所要工期)として,正しいものはどれか。ただし,○内の数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数を示す。

No.41の図
  • 1.25日
  • 2.27日
  • 3.29日
  • 4.31日
  • 5.33日

正解:4

解説

考え方

ネットワーク工程表では、各イベント(結合点)の最早開始時刻を、開始点から矢線(作業)を順にたどりながら足し込んでいき(フォワードパス)、複数の経路が合流するイベントでは、それぞれの経路の中で最も時間のかかる(最大の)値を採用します。すべての経路の中で、開始から終了までの所要日数が最大となる経路がクリティカルパスであり、その日数が全体の所要工期になります。

計算

図のイベント①〜⑩について、最早開始時刻を①から順に計算します(合流点では最大値を採用、破線のダミー作業は日数0で順序制約のみ)。

  • ②=5日(作業A)
  • ③=9日(②+作業C 4日=9日。作業B経由の7日より大きい方を採用)
  • ④=11日(②+作業D 6日)
  • ⑥=12日(③+作業F 3日)
  • ⑤=20日(⑥+作業G 8日。③+作業E=12日、④からのダミー=11日より大きい方を採用)
  • ⑦=19日(④+作業H 8日)
  • ⑨=19日(⑥+作業J 7日)
  • ⑧=25日(⑤+作業I 5日=25日と⑦+作業K 6日=25日が並び、⑨からのダミー=19日より大きい25日を採用)
  • ⑩=31日(⑧+作業M 6日=31日。⑦+作業L=26日、⑨+作業N=27日より大きい方を採用)

したがって所要工期は31日です。クリティカルパスはA→C→F→G→I→M(5+4+3+8+5+6=31日)とA→D→H→K→M(5+6+8+6+6=31日)の2本が並存します。

答え:4 31日

ネットワーク工程表の計算では、合流点で単純に経路を1本だけ選ぶのではなく、合流するすべての経路の到達日数を比較して最大値を採用する点、およびダミー作業は日数がゼロでも前後関係の制約として計算に影響する点を見落とさないことが、正しくクリティカルパスを求める上でのポイントです。

No.42

施工管理法(応用能力)

図に示す電気工事におけるパレート図において,品質管理に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

No.42の図
  • 1.不良件数の多さの順位が分かりやすい。
  • 2.工事全体の不良件数は,約100件である。
  • 3.配管等支持不良の件数が,工事全体の不良件数の約半数を占めている。
  • 4.工事全体の不良件数を効果的に低減するためには,配管等支持不良の項目を改善すれば良い。
  • 5.接地不良と結線不良の項目を改善すると,工事全体の約20 %の不良件数が改善できる。

正解:2

解説

考え方

パレート図は、不良項目を件数の多い順に棒グラフで並べ、その累積比率(累計不良率)を折れ線グラフで重ねて表示した図で、不良の中で影響の大きい項目(重点項目)を把握し、効果的な改善につなげるための品質管理の手法(QC七つ道具の一つ)です。棒グラフの高さの順に項目が並んでいるため、不良件数の多さの順位は一目で分かります。

計算

図の棒グラフから各項目の不良件数を読み取ると、配管等支持不良25件、絶縁不良10件、接地不良7件、結線不良3件、器具取付不良2件、塗装不良1件、その他2件です。これらを合計すると、

25+10+7+3+2+1+2=50 件25+10+7+3+2+1+2 = 50\ \text{件}

工事全体の不良件数は約100件ではなく、約50件です。また、最多項目である配管等支持不良の25件は、全体50件のちょうど半分(50 %)に当たり、これは折れ線グラフ(累計不良率)が1項目目で50 %の高さに達していることとも一致します。折れ線グラフ(累計不良率)は1項目目で50 %、2項目目で70 %、3項目目で84 %と立ち上がっており、最多の配管等支持不良を改善すれば工事全体の不良の半分を低減できることが図から読み取れます。したがって「配管等支持不良の項目を改善すれば良い」という記述は、パレート図による重点指向の考え方として適切です。

答え:2 工事全体の不良件数は,約100件である。

図から読み取れる不良件数の合計は約50件であり、「約100件」という記述は図の実際の数値と一致しません。パレート図の問題では、棒グラフの高さを実際に読み取って合計する一手間を惜しまないことが、選択肢の正誤を正確に判断するポイントです。

No.43

施工管理法

新築工事の着手に先立ち作成する,総合施工計画書に記載するものとして,最も関係のないものはどれか。

  • 1.機器承諾図
  • 2.総合仮設計画
  • 3.現場施工体制表
  • 4.使用資材メーカー一覧表

正解:1

解説

考え方

総合施工計画書は、新築工事の着手に先立ち、工事全体の進め方の基本方針を定める書類で、総合仮設計画、現場施工体制表、使用資材メーカー一覧表などが記載されます。選択肢2・3・4は、いずれも工事全体の計画・体制・資材選定に関わる事項であり、総合施工計画書に記載する内容として適切です。

一方、機器承諾図は、個々の機器(変圧器や制御盤など)について、発注前に仕様・寸法などを設計者・監督員に確認してもらうための個別図面であり、工事全体の基本方針を定める総合施工計画書とは性格の異なる、より詳細で個別の資料です。

答え:1 機器承諾図

総合施工計画書は「工事全体をどう進めるか」という大枠の計画、機器承諾図は「個々の機器の仕様を確認する」という個別の資料という違いを区別しておくと判断しやすくなります。

No.44

施工管理法

新築事務所ビルの電気工事における総合工程表の作成に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.諸官庁への提出書類の作成を計画的に進めるため,提出予定時期を記入する。
  • 2.仕上げ工事など各種の工事が集中する時期は,各作業を詳細に記入する。
  • 3.建築工事だけでなく,他の工事の工程とも調整して計画する。
  • 4.受電日は,空調・衛生その他の試運転調整期間を考慮して作成する。

正解:2

解説

考え方

新築事務所ビルの電気工事における総合工程表は、電気工事単独ではなく建築工事・他設備工事とも調整しながら作成する必要があります。諸官庁への提出書類は手続きに時間を要するため、提出予定時期をあらかじめ工程表に記入して計画的に進める必要があり、受電日は空調・衛生などの試運転調整に必要な期間を見込んで設定する必要があります。選択肢1・3・4はこれらの留意点に沿った適切な記述です。

一方、総合工程表は工事全体の大きな流れを把握するための工程表であるため、仕上げ工事など各種の工事が集中する時期であっても、細部まで詳細に記入するのではなく、むしろ大づかみに(工種ごとの流れが分かる程度に)記載し、詳細な調整は別途の詳細工程表・週間工程表などに委ねるのが一般的です。「各作業を詳細に記入する」という記述は、総合工程表の役割・粒度として不適当です。

答え:2 仕上げ工事など各種の工事が集中する時期は,各作業を詳細に記入する。

総合工程表は全体像をつかむための大づかみな工程表であり、詳細な作業間調整は詳細工程表に任せるという役割分担を押さえておきましょう。

No.45

施工管理法

高圧引込ケーブルの絶縁性能の試験(絶縁耐力試験)における交流の試験電圧として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,適当なものはどれか。

  • 1.公称電圧の1.5倍
  • 2.公称電圧の2倍
  • 3.最大使用電圧の1.5倍
  • 4.最大使用電圧の2倍

正解:3

解説

考え方

電気設備の技術基準とその解釈では、高圧の電路や機器の絶縁性能を確認するための絶縁耐力試験について、印加する交流の試験電圧を「最大使用電圧」を基準にして定めています。高圧ケーブルを含む高圧電路の絶縁耐力試験では、最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を、連続して10分間加えて絶縁破壊が生じないことを確認します。「公称電圧」を基準にした選択肢(公称電圧の1.5倍・2倍)は、試験電圧の基準となる量そのものが誤りです。

答え:3 最大使用電圧の1.5倍

絶縁耐力試験の試験電圧は「公称電圧」ではなく「最大使用電圧」を基準に定められている点が引っかかりやすいポイントです。最大使用電圧は公称電圧よりわずかに高い値(例えば公称6 600 Vに対し最大使用電圧6 900 V程度)である点も押さえておきましょう。

No.46

施工管理法

停電作業を行う場合の措置に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.開路に用いた開閉器は,施錠し,その開閉器に通電禁止に関する表示を行ったので,監視人の配置を省略した。
  • 2.開路した高圧電路の停電を確認したので,短絡接地器具を用いて短絡接地した。
  • 3.開路した電路に電力コンデンサが接続されていたので,残留電荷を放電した。
  • 4.開路した高圧電路に再度通電する際に,感電の危険が生ずる恐れがないことを確認したので,短絡接地器具の取外しの確認を省略した。

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法関係の規則では、停電作業を行う際、開路した電路には短絡接地器具を用いて短絡接地を施し、電力コンデンサなど残留電荷を生じるおそれのある機器については放電を行うことが義務付けられています。選択肢2・3はこれらの措置として適切です。また、開路に用いた開閉器には施錠や通電禁止の表示を行うだけでなく、誤って通電されることのないよう監視人を配置するなどの措置も求められますが、施錠・表示を行った上で監視人の配置を省略できるとする明文の緩和規定はなく、より確実な措置として監視人の配置が求められます。

さらに、開路した高圧電路に再度通電する際には、感電の危険が生ずるおそれがないことを確認した上で、短絡接地器具を取り外す必要があり、この取外し確認の手順を省略することは認められていません。「短絡接地器具の取外しの確認を省略できる」という記述は、通電再開時の安全確認手順を省略できるとしている点で誤りです。

答え:4 開路した高圧電路に再度通電する際に,感電の危険が生ずる恐れがないことを確認したので,短絡接地器具の取外しの確認を省略した。

短絡接地器具は「取り付ける」だけでなく「取り外す際にも確認が必要」という、作業の入口・出口の両方で確認が求められる点を押さえておきましょう。

No.47

施工管理法

高所から物体を投下するときに投下設備を設ける等,労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない高さとして,「労働安全衛生法」上,定められているものはどれか。

  • 1.1.5 m以上
  • 2.2 m以上
  • 3.2.5 m以上
  • 4.3 m以上

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法関係の規則では、高所から物体を投下することによる労働者への危険を防止するため、一定の高さを超える場所から物体を投げ下ろすときは、適当な投下設備を設け、監視人を置くなどの措置を講じなければならないとされています。この基準となる高さは3 mを超える場合と定められています。

答え:4 3 m以上

高さの基準(3 mを超えるとき投下設備・監視人が必要)は、他の高さ基準(作業床の設置が必要な2 m以上など)と混同しやすいため、それぞれの基準値を区別して覚えておく必要があります。

No.48

施工管理法

屋外変電所の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.架空電線の引込口及び引出口に近接する箇所に,避雷器を取り付けた。
  • 2.遮断器の電源側及び負荷側の電路に,点検作業用の接地開閉器を取り付けた。
  • 3.変電機器の据付けは,架線工事などの上部作業の終了前に行った。
  • 4.大型機器を基礎に固定する際に,箱抜きアンカより強度が大きい埋込アンカを使用した。

正解:3

解説

考え方

屋外変電所の施工では、架空電線の引込口・引出口付近に避雷器を設置して雷サージから機器を保護し、遮断器の電源側・負荷側の電路には点検作業時の安全確保のため接地開閉器を設けます。また、大型の変電機器を基礎に固定する際には、埋込アンカより一般に強度が大きいとされる箱抜きアンカ(後施工アンカーに比べ、あと施工でなく事前に打設する形式のアンカー)を使用するなど、機器の重量・振動に耐える固定方法が採用されます。選択肢1・2・4はこれらの内容に沿った適切な記述です。

一方、変電機器の据付けは、架線工事など上部で行われるクレーン作業等の影響(落下物や工事車両の輻輳など)を受けないよう、上部作業が終了した後に行うのが原則です。「架線工事などの上部作業の終了前に行った」という記述は、施工の安全な順序として不適当です。

答え:3 変電機器の据付けは,架線工事などの上部作業の終了前に行った。

上部での架線工事などが先行し、その後に地上の機器据付けを行うという施工順序(上から下ではなく、危険を伴う上部作業を先に終わらせてから下の機器据付けに入る)の考え方を押さえておきましょう。

No.49

施工管理法

市街地に施設する,高圧架空配電線路の柱上変圧器の施工に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。

  • 1.柱上変圧器を,地表上5 mの位置に取り付けた。
  • 2.変圧器外箱のA種接地工事の接地抵抗値は,10 Ωとした。
  • 3.接地極は,地下75 cmの深さに埋設した。
  • 4.接地線は,地面から地上1.8 mまでの部分のみを,合成樹脂管で保護した。

正解:4

解説

考え方

電気設備の技術基準とその解釈では、市街地に施設する高圧架空配電線路の柱上変圧器について、地表からの取付け高さ、接地工事の種類・接地抵抗値、接地線の保護方法などが具体的に定められています。柱上変圧器は地表上4.5 m以上(市街地の場合)の高さに取り付け、変圧器外箱にはA種接地工事(接地抵抗値10 Ω以下)を施し、接地極は地下75 cm以上の深さに埋設し、接地線の地表からの立ち上がり部分(地表上2 mまで)は合成樹脂管等で保護することが求められます。選択肢1・2・3はこれらの基準に沿った適切な記述です。

一方、接地線の保護範囲は「地面から地上1.8 mまで」ではなく「地上2 mまで」を合成樹脂管等で保護することが定められています。「地上1.8 mまでの部分のみを保護した」という記述は、保護すべき範囲が不足しており誤りです。

答え:4 接地線は,地面から地上1.8 mまでの部分のみを,合成樹脂管で保護した。

接地線の地上部分の保護範囲は「地表上2 mまで」という数値を正確に覚えておくことが、この種の設問での判断ポイントになります。

No.50

施工管理法

低圧屋内配線に関する記述として,「内線規程」上,不適当なものはどれか。

  • 1.金属管配線を,点検できない水気のある場所に施設した。
  • 2.金属ダクト配線に,絶縁電線(IV)を使用した。
  • 3.ライティングダクト配線を,屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所に施設した。
  • 4.合成樹脂管配線において,合成樹脂製可とう管(PF管)相互を直接接続した。

正解:4

解説

考え方

内線規程では、配線工事の種類ごとに使用できる電線の種類、施設できる場所、電線・管相互の接続方法が定められています。金属管配線は、管や附属品に適切な防湿処理を行うことで点検できない水気のある場所にも施設でき、金属ダクト配線には600 Vビニル絶縁電線(IV)などの一般的な絶縁電線を使用でき、ライティングダクト配線は屋内の乾燥した点検できる隠ぺい場所に施設できます。選択肢1・2・3はこれらの内容に沿った適切な記述です。

一方、合成樹脂製可とう電線管(PF管)相互を接続する場合は、専用のカップリングなどの接続用附属品を用いて確実に接続することが定められており、附属品を介さずに管どうしを直接(差し込みなどで)接続することは、接続部の強度・防湿性能・電線の保護の観点から認められていません。「PF管相互を直接接続した」という記述は、この接続方法の規定に反しており不適当です。

答え:4 合成樹脂管配線において,合成樹脂製可とう管(PF管)相互を直接接続した。

PF管などの合成樹脂製可とう電線管は、管どうしを接続する際に必ず専用のカップリング等の附属品を介する必要があり、直接接続は認められていない点を押さえておきましょう。

No.51

施工管理法

電車線において,図に示す点線で囲われた架線金具の名称として,適当なものはどれか。

No.51の図
  • 1.ハンガ
  • 2.ドロッパ
  • 3.ダブルイヤー
  • 4.張力調整装置

正解:2

解説

考え方

電車線路では、パンタグラフと接触するトロリ線をちょう架線(吊り下げる線)から一定間隔でつり下げる構造になっています。図に点線で囲われた金具は、ちょう架線とトロリ線の間を短い金具でつなぎ、トロリ線をちょう架線からつり下げる役割を持つ部材で、この金具はドロッパと呼ばれます。

これに対し、ハンガはちょう架線からトロリ線をつり下げる際にドロッパと同様の位置に使われる類似部材の総称としても使われますが、設問の選択肢構成ではハンガとドロッパは区別されており、図の金具はトロリ線を細かい間隔でつり下げる「ドロッパ」の形状(短い吊り金具が連続して並ぶ形)に該当します。ダブルイヤーはちょう架線とトロリ線を接続する金具のうち、電車線の平行区間などで2本の金具を並べて用いる形式の部材、張力調整装置はトロリ線・ちょう架線の温度変化による伸縮を吸収し一定の張力を保つための装置であり、いずれも図示された「線をつり下げる小さな金具が連続する」形状とは異なります。

答え:2 ドロッパ

電車線の付属品は「ハンガ/ドロッパ=つり下げる金具」「ダブルイヤー=接続金具」「張力調整装置=張力を保つ装置」という役割で整理し、図の金具の形状(つり下げ用の小さな金具が連続する構造)から判断します。

No.52

施工管理法

事務所ビルの全館放送に用いる拡声設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.増幅器は,電力伝送損失が少ない定電圧方式とした。
  • 2.一斉放送を行うため,音量調整器には3線式で配線した。
  • 3.スピーカは,ローインピーダンス方式のものを使用した。
  • 4.非常警報設備に用いるスピーカへの配線は,耐熱配線とした。

正解:3

解説

考え方

事務所ビルの全館放送に用いる拡声設備では、長い配線での電力損失を抑えるため、増幅器(アンプ)からスピーカまでの伝送に定電圧方式(ハイインピーダンス方式)が広く用いられます。音量調整器を各室に設置して一斉放送時にも個別放送時にも対応できるようにする場合、一斉放送時に音量調整器の設定にかかわらず放送が行えるよう、一般に3線式の配線が用いられます。また、非常警報設備に用いるスピーカへの配線は、火災時にも機能を維持できるよう耐熱配線とすることが求められます。選択肢1・2・4はこれらの内容に沿った適切な記述です。

一方、定電圧方式を用いる拡声設備のスピーカは、長距離配線での電力損失を抑えるためにハイインピーダンス方式のものが使用されるのが一般的であり、「ローインピーダンス方式のものを使用した」という記述は、定電圧方式の拡声設備の構成として不適当です。

答え:3 スピーカは,ローインピーダンス方式のものを使用した。

定電圧方式(ハイインピーダンス方式)の拡声設備では、増幅器も末端のスピーカもハイインピーダンス方式で統一するのが基本という点を押さえておきましょう。

No.53

法規

「建設業法」上,指定建設業として定められていないものはどれか。

  • 1.管工事業
  • 2.鋼構造物工事業
  • 3.造園工事業
  • 4.消防施設工事業

正解:4

解説

考え方

建設業法では、専門性が高く社会的責任が大きい7業種を「指定建設業」として定め、特定建設業の許可を受けて元請けとなる場合には、より高度な技術力を持つ監理技術者資格者証を有する者を配置することなどが求められています。指定建設業として定められているのは、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種です。選択肢1・2・3(管工事業・鋼構造物工事業・造園工事業)は、いずれもこの7業種に含まれています。

一方、消防施設工事業は建設業法上の29業種の一つではありますが、指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)には含まれていません。

答え:4 消防施設工事業

指定建設業7業種(土・建・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)は語呂合わせなどでセットにして覚えておくと、この種の設問で選択肢を素早く絞り込めます。

No.54

法規

建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として,「建設業法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.施工体制
  • 2.工事内容
  • 3.契約に関する紛争の解決方法
  • 4.請負代金の額

正解:1

解説

考え方

建設業法では、建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、工事内容、請負代金の額、工事着手・完成の時期、契約に関する紛争の解決方法などを定めています。選択肢2(工事内容)・3(契約に関する紛争の解決方法)・4(請負代金の額)は、いずれもこの法定記載事項に含まれています。

一方、「施工体制」は、建設業法上、施工体制台帳の作成や施工体系図の掲示などを通じて別途管理される事項であり、請負契約書そのものに記載しなければならない法定事項としては定められていません。

答え:1 施工体制

請負契約書に記載すべき事項(工事内容・請負代金の額・工期・紛争解決方法など)と、施工体制台帳など別の書類で管理すべき事項を混同しないよう区別しておきましょう。

No.55

法規

事業用電気工作物を設置する者が保安規程に定める事項として,「電気事業法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.工事,維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
  • 2.災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。
  • 3.工事,維持又は運用に関する電気エネルギーの使用の合理化に関すること。
  • 4.工事,維持又は運用に従事する者に対する保安教育に関すること。

正解:3

解説

考え方

電気事業法では、事業用電気工作物を設置する者に対し、保安を確保するための保安規程を定めて届け出ることを義務付けています。保安規程には、工事・維持・運用に関する業務を管理する者の職務・組織、災害その他非常の場合に採るべき措置、工事・維持・運用に従事する者に対する保安教育などを定めることとされています。選択肢1・2・4はこれらの保安規程の記載事項に沿った内容です。

一方、「電気エネルギーの使用の合理化」は、省エネルギー(エネルギーの使用の合理化等に関する法律、いわゆる省エネ法)に関わる事項であり、保安(安全の確保)を目的とする保安規程に定めるべき事項ではありません。

答え:3 工事,維持又は運用に関する電気エネルギーの使用の合理化に関すること。

保安規程はあくまで「安全の確保(保安)」のための規程であり、「省エネルギー」に関する事項とは目的が異なる点を区別しておくことがポイントです。

No.56

法規

電気工事に使用する機材のうち,電気用品に該当するものとして,「電気用品安全法」上,定められていないものはどれか。ただし,防爆型のものを除く。

  • 1.600 V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル(EM-CE 38 mm²−3 C)
  • 2.内径16 mmの合成樹脂製可とう電線管(CD 16)
  • 3.幅300 mm 高さ200 mmの金属ダクト
  • 4.幅40 mm 高さ30 mmの二種金属製線ぴ

正解:3

解説

考え方

電気用品安全法では、政令で定める電気用品について、材質・構造・サイズなどの区分ごとに「電気用品」に該当するかどうかが定められています。ケーブル類は導体断面積やしゃへいの有無などの条件により、合成樹脂製可とう電線管(CD管)は名称・内径により、金属製線ぴは幅・厚みなどの条件により、それぞれ電気用品に該当するかどうかが決まります。

このうち、幅300 mm・高さ200 mmの金属ダクトは、電気用品安全法上の「電気用品」として個別に指定された品目(電線管類やケーブル、線ぴなど)には該当せず、電気用品ではありません(なお本設問は「電気用品安全法上、定められていないもの」=電気用品に該当しないものを選ぶ設問であり、令和5年6月16日付けの訂正により、正答は当初の4から3(金属ダクト)に訂正されています)。

答え:3 幅300 mm 高さ200 mmの金属ダクト

(注記:本問は公式の正答訂正(令和5年6月16日付け、誤答4→正答3)が反映された答えを採用しています。600 Vケーブルや、規定サイズ以下のCD管・二種金属製線ぴは電気用品に該当する一方、金属ダクトはサイズや構造にかかわらず電気用品安全法上の電気用品としては個別に指定されていない点がポイントです。)

No.57

法規

一般用電気工作物において,電気工事士でなければ従事してはならない作業又は工事として,「電気工事士法」上,正しいものはどれか。

  • 1.露出型コンセントを取り換える作業
  • 2.接地極を地面に埋設する作業
  • 3.地中電線用の管を設置する工事
  • 4.電力量計を取り付ける工事

正解:2

解説

考え方

電気工事士法では、一般用電気工作物の工事のうち、危険性の低い「軽微な工事」については電気工事士でなくても従事できるとされていますが、それ以外の工事は電気工事士でなければ従事できません。接地極を地面に埋設する作業、地中電線用の管を設置する工事、電力量計を取り付ける工事は、いずれも軽微な工事として例示されており、電気工事士でなくても従事できる作業です。

一方、露出型コンセントを取り換える作業は、軽微な工事の範囲を超える電気工事に該当し、感電や誤配線による事故を防ぐため、電気工事士でなければ従事してはならない作業とされています。

答え:2 露出型コンセントを取り換える作業

「接地極の埋設」「地中電線管の設置」「電力量計の取付け」は軽微な工事として無資格でも可能な例外、それ以外のコンセント交換などの配線工事は電気工事士でなければならない、という原則と例外の関係を区別しておきましょう。

No.58

法規

電気工事業者が,一般用電気工事のみの業務を行う営業所に備えなければならない器具として,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,定められているものはどれか。

  • 1.絶縁抵抗計
  • 2.低圧検電器
  • 3.継電器試験装置
  • 4.絶縁耐力試験装置

正解:1

解説

考え方

電気工事業の業務の適正化に関する法律では、電気工事業者が営業所ごとに備え付けるべき器具を、その営業所が扱う電気工事の種類(一般用電気工事のみか、自家用電気工事も行うか)に応じて定めています。一般用電気工事のみの業務を行う営業所には、絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計(テスタ)の備え付けが義務付けられています。

一方、低圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置は、自家用電気工事の業務を行う営業所に備え付けが義務付けられる、より高度な器具であり、一般用電気工事のみを行う営業所には備え付けの義務はありません。

答え:1 絶縁抵抗計

「一般用電気工事のみの営業所=絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計」「自家用電気工事も行う営業所=上記に加え低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置なども必要」という備品の階層構造を押さえておくと判断しやすくなります。

No.59

法規

建築物に設ける建築設備として,「建築基準法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.避雷針
  • 2.防火戸
  • 3.排煙設備
  • 4.汚物処理の設備

正解:2

解説

考え方

建築基準法では、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙もしくは汚物処理の設備または煙突、昇降機もしくは避雷針を「建築設備」として定めています。避雷針、排煙設備、汚物処理の設備は、いずれもこの建築設備の定義に含まれる設備です。

一方、防火戸は、建築物の防火区画を構成する建具(防火設備)の一種であり、建築基準法上の「建築設備」の定義(電気・ガス・給排水・換気・空調・消火・排煙・汚物処理の設備や煙突・昇降機・避雷針)には含まれていません。防火戸は「建築設備」ではなく「防火設備」として区別して扱われます。

答え:2 防火戸

建築基準法上、「建築設備」と「防火設備」は別のカテゴリとして定義されている点を区別しておくと、この種の設問で混同しにくくなります。

No.60

法規

消防用設備等の設置に係る工事において,甲種消防設備士でなければ行ってはならない工事として,「消防法」上,定められていないものはどれか。ただし,電源,水源及び配管の部分を除くものとする。

  • 1.非常用の照明装置の設置に係る工事
  • 2.不活性ガス消火設備の設置に係る工事
  • 3.屋外消火栓設備の設置に係る工事
  • 4.緩降機の設置に係る工事

正解:1

解説

考え方

消防法令では、消防用設備等の設置工事について、甲種消防設備士でなければ行ってはならない工事の種類(工事整備対象設備等)を定めています。不活性ガス消火設備、屋外消火栓設備、緩降機(避難器具)の設置工事は、いずれも甲種消防設備士の独占的な工事範囲に含まれています。

一方、非常用の照明装置は、消防法令上の「消防用設備等」には該当せず、建築基準法上の建築設備(非常用の照明装置)として扱われるため、その設置工事は消防設備士でなければ行えない工事には該当しません(電気工事士等が施工します)。

答え:1 非常用の照明装置の設置に係る工事

非常用の照明装置は「建築基準法」上の設備であり「消防法」上の消防用設備等ではない、という所管法令の違いに着目すると判断しやすくなります。

No.61

法規

事業者が,事故報告書を所轄労働基準監督署長に,遅滞なく提出しなければならない場合として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.事業場で火災又は爆発の事故が発生したとき。
  • 2.ゴンドラのアームの折損事故が発生したとき。
  • 3.つり上げ荷重が0.5 tの移動式クレーンのジブの折損事故が発生したとき。
  • 4.積載荷重が0.2 tの建設用リフトのワイヤロープの切断事故が発生したとき。

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法関係の規則では、クレーン等安全規則やゴンドラ安全規則などが適用される設備について、一定の重大な事故が発生した場合、事業者は遅滞なく事故報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないとされています。事業場での火災・爆発の事故、ゴンドラのアームの折損事故は、いずれも報告対象として定められています。また、クレーン等安全規則はつり上げ荷重0.5 t以上の移動式クレーンに適用されるため、つり上げ荷重0.5 tの移動式クレーンのジブの折損事故も、この規則の適用対象内の事故として報告対象に含まれます。選択肢1・2・3はこの報告対象に該当します。

一方、建設用リフト(クレーン等安全規則が適用される建設用リフト)は、積載荷重0.25 t未満のものは規則の適用対象から除外されています。設問の建設用リフトは積載荷重0.2 tであり、この適用除外の範囲内にあるため、そのワイヤロープの切断事故は、事業者が所轄労働基準監督署長に報告しなければならない事故として定められていません。

答え:4 積載荷重が0.2 tの建設用リフトのワイヤロープの切断事故が発生したとき。

クレーン等安全規則が適用される機械には、それぞれ規模の下限(移動式クレーンはつり上げ荷重0.5 t以上、建設用リフトは積載荷重0.25 t以上など)が定められており、その下限に満たない小規模な機械は規則の適用対象外となるため事故報告の義務も生じない、という対応関係を押さえておく必要があります。

No.62

法規

漏電による感電の防止に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる語句の組合せとして,「労働安全衛生法」上,正しいものはどれか。「[ア]が[イ]をこえる可搬式の電動機械器具が接続される電路には,当該電路の定格に適合し,感度が良好であり,かつ,確実に作動する感電防止用漏電しゃ断装置を接続しなければならない。」

  • 1.ア:線間電圧 イ:150 V
  • 2.ア:線間電圧 イ:300 V
  • 3.ア:対地電圧 イ:150 V
  • 4.ア:対地電圧 イ:300 V

正解:3

解説

考え方

労働安全衛生法関係の規則では、電動機械器具による感電災害を防止するため、対地電圧が一定値を超える可搬式の電動機械器具が接続される電路に、感電防止用漏電しゃ断装置を接続することを義務付けています。この基準となる電圧は「対地電圧」が「150 V」を超える場合です。「線間電圧」ではなく「対地電圧」を基準にしている点、また基準値が「300 V」ではなく「150 V」である点の両方を正確に押さえる必要があります。

空欄の埋め方

「対地電圧が150 Vをこえる可搬式の電動機械器具が接続される電路には,当該電路の定格に適合し,感度が良好であり,かつ,確実に作動する感電防止用漏電しゃ断装置を接続しなければならない。」

答え:3 ア:対地電圧 イ:150 V

対地電圧150Vという基準値と、線間電圧ではなく対地電圧を用いる点はセットで覚えておくべき重要ポイントです。

No.63

法規

使用者が労働者名簿に記入しなければならない事項として,「労働基準法」上,定められていないものはどれか。なお,事業場は,常時30人以上の労働者を使用する事業場とする。

  • 1.労働者の履歴
  • 2.基本給,手当の額
  • 3.退職の事由
  • 4.従事する業務の種類

正解:2

解説

考え方

労働基準法では、常時30人以上の労働者を使用する事業場において、使用者が労働者名簿を調製し、氏名、性別、生年月日、住所、履歴、従事する業務の種類、雇入れの年月日、退職(死亡)の年月日およびその事由などを記入しなければならないと定めています。選択肢1(労働者の履歴)・3(退職の事由)・4(従事する業務の種類)はこれらの法定記載事項に含まれます。

一方、「基本給、手当の額」は、労働基準法上、労働者名簿ではなく賃金台帳への記載が義務付けられている事項です。労働者名簿と賃金台帳は、それぞれ記載すべき事項が異なる別の帳簿として区別されています。

答え:2 基本給,手当の額

「労働者名簿=氏名・履歴・業務の種類・退職事由など人事情報」「賃金台帳=基本給・手当・賃金計算期間など賃金情報」という帳簿ごとの記載事項の違いを区別しておきましょう。

No.64

法規

騒音の規制基準に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる指定地域内の騒音の大きさとして,「騒音規制法」上,定められているものはどれか。「特定建設作業の騒音が,特定建設作業の場所の敷地の境界線において,[ ]デシベルを超える大きさのものでないこと。」

  • 1.60
  • 2.70
  • 3.85
  • 4.95

正解:3

解説

考え方

騒音規制法では、指定地域内で行われる特定建設作業について、その作業に伴って発生する騒音の大きさの規制基準を定めています。具体的には、特定建設作業の場所の敷地境界線において、85デシベルを超える大きさの騒音を発生させてはならないと定められています。

空欄の埋め方

「特定建設作業の騒音が,特定建設作業の場所の敷地の境界線において,85デシベルを超える大きさのものでないこと。」

答え:3 85

騒音規制法の基準値「85デシベル」は、振動規制法の基準値(75デシベル、こちらは「デシベル」ではなく振動加速度レベルの単位で表現される点も含め別の法令・別の数値)と混同しやすいため、法令ごとの基準値を区別して覚えておきましょう。

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掲載している試験問題は、一般財団法人 建設業振興基金が公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。