令和3年度後期 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全64問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験は選択解答制です(全64問中40問を解答)。No.1〜12から8問、No.13〜31から10問、No.32〜37から3問、No.38は必須、No.39〜42は必須(五肢択一の能力問題)、No.43〜52から6問、No.53〜64から8問を選択して解答します。
この試験回をクイズ形式で解く →No.1
電気工学図のように,点Aに+Q〔C〕,点Bに−Q〔C〕の点電荷があるとき,点Rにおける電界の向きとして,適当なものはどれか。ただし,距離OR=OA=OBとする。

- 1.ア
- 2.イ
- 3.ウ
- 4.エ
正解:2
解説
考え方
図では点Aに+Q〔C〕,点Bに-Q〔C〕の点電荷があり,OA=OB=ORとなる点Rでの電界の向きを求めます。点電荷による電界は,正電荷からは放射状に外向き,負電荷へは放射状に内向きに生じます。
Aから見るとRは「右上」の方向にあるので,+QによるRでの電界はA→R方向(Aから遠ざかる向き)を向きます。Bから見るとRは「左上」の方向にあるので,-QによるRでの電界はR→B方向(Bに近づく向き)を向きます。
計算
OA=OB=ORという対称条件から,A→R方向とR→B方向はそれぞれ水平線に対して45°の傾きを持ち,かつ2つのベクトルの大きさは等しくなります。この2つのベクトルを合成すると,上下方向(Aからの上向き成分とBに向かう下向き成分)はちょうど打ち消し合い,水平方向(図のイの向き)の成分だけが足し合わされて残ります。
答え:2 イ
上下成分が打ち消し合う理由は,+Qによる電界の「上向き成分」と,-Qによる電界の「下向き成分」が対称条件(OA=OB=OR)のもとで大きさが等しくなるためです。「対称な配置では,電界の対称成分どうしが打ち消し合い,対称軸に垂直な成分だけが残る」という考え方は,この種の合成電界の向きを求める問題全般で使えます。
No.2
電気工学磁石による磁力に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.同種の磁極の間には,反発力が働く。
- 2.任意の点における磁力線の密度は,その点の磁界の大きさを表す。
- 3.磁力線は,途中で分岐したり,交わったりすることがある。
- 4.磁界の向きは,その点の磁力線の接線方向と一致する。
正解:3
解説
考え方
磁石による磁力線には,いくつかの基本的な性質があります。同種の磁極(N極どうし,S極どうし)の間には反発力,異種の磁極の間には吸引力が働きます。磁力線の密度(本数の込み具合)はその点の磁界の強さを表し,磁力線の向きはその点での磁界の向き(接線方向)と一致します。
これらに対し,磁力線は必ずN極から出てS極に入る1本の連続した曲線として描かれ,途中で分岐したり,互いに交わったりすることはありません。もし磁力線が交わるとすると,その交点で磁界の向きが2通り存在することになり,磁界の向きが一意に定まるという性質と矛盾してしまいます。
答え:3 磁力線は,途中で分岐したり,交わったりすることがある。
磁力線は「同じ点で向きが1つに決まる」ため分岐・交差しない,という性質を押さえておけば,電気力線についても同様の考え方が使える点があわせて覚えやすくなります。
No.3
電気工学図に示す三相負荷に平衡三相交流電源を接続したときに流れる電流I〔A〕の値として,適当なものはどれか。

- 1.20/√3 A
- 2.20 A
- 3.20√3 A
- 4.60 A
正解:3
解説
考え方
図は線間電圧200 Vの平衡三相交流電源に,1相あたり10 Ωの抵抗3個をΔ(デルタ)結線した負荷を接続した回路です。Δ結線では,各相(辺)にかかる電圧はそのまま線間電圧と等しくなるため,1相に流れる相電流は次式で求められます。
線電流は,Δ結線の場合,相電流の倍になります。
計算
答え:3 20√3 A
Δ結線は「相電圧=線間電圧」「線電流=相電流×√3」,Y結線は「相電圧=線間電圧/√3」「線電流=相電流」という対になった関係を混同しないことがポイントです。単純に200/10=20 Aとして√3を掛け忘れると選択肢2の誤答になります。
No.4
電気工学アナログ計器と比較したデジタル計器の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.電圧の測定では内部抵抗が低い。
- 2.読み取りの個人差がない。
- 3.計器の内部ではA−D変換が行われている。
- 4.コンピュータに接続してデータの処理ができる。
正解:1
解説
考え方
デジタル計器は,読み取りの個人差がない,内部でA-D変換(アナログ信号をデジタル信号に変換する処理)を行っている,コンピュータに接続してデータ処理ができるといった特徴を持ちます。
一方,電圧測定用のデジタル計器(デジタル電圧計)は,測定対象の回路にできるだけ影響を与えないよう,内部抵抗を非常に高く設計するのが一般的です。内部抵抗が低いと,計器自体に電流が多く流れ込み,測定対象の電圧を変化させてしまう(測定誤差の原因になる)ためです。したがって「電圧の測定では内部抵抗が低い」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。
答え:1 電圧の測定では内部抵抗が低い。
アナログ計器(可動コイル形など)は内部抵抗が比較的低くなりやすいのに対し,デジタル計器は内部抵抗を高くできる点が長所の一つです。「デジタル=高精度・高入力抵抗」という対比で覚えておくと判断しやすくなります。
No.5
電気工学同期発電機の並行運転を行うための条件として,必要のないものはどれか。
- 1.定格容量が等しいこと。
- 2.起電力の位相が一致していること。
- 3.起電力の周波数が等しいこと。
- 4.起電力の大きさが等しいこと。
正解:1
解説
考え方
同期発電機の並行運転を行うには,各発電機の起電力について,大きさ・位相・周波数・波形がそれぞれ一致していることが条件になります。これらが一致していないと,発電機間に不要な循環電流(横流)が流れたり,発電機どうしが脱調したりするおそれがあります。
一方,発電機の定格容量(kV・Aの大きさ)は,並行運転の条件には含まれません。容量が異なる発電機どうしでも,起電力の大きさ・位相・周波数さえ一致していれば並行運転は可能で,各機の負荷分担は容量に応じて自動的に決まります。
答え:1 定格容量が等しいこと。
並行運転の4条件(起電力の大きさ・位相・周波数・波形が等しいこと)はセットで覚え,「容量」は分担が変わるだけで並行運転の可否そのものには関係しない点を区別しておきましょう。
No.6
電気工学定格容量が100 kV・Aと300 kV・Aの変圧器を並行運転し,240 kV・Aの負荷に供給するとき,変圧器の負荷分担の組合せとして,適当なものはどれか。ただし,2台の変圧器は並行運転の条件を満足しているものとする。
- 1.100 kV・A変圧器:24 kV・A 300 kV・A変圧器:216 kV・A
- 2.100 kV・A変圧器:30 kV・A 300 kV・A変圧器:210 kV・A
- 3.100 kV・A変圧器:60 kV・A 300 kV・A変圧器:180 kV・A
- 4.100 kV・A変圧器:100 kV・A 300 kV・A変圧器:140 kV・A
正解:3
解説
考え方
並行運転の条件(極性・電圧比・インピーダンス電圧などが一致)を満たしている変圧器どうしは,各変圧器の負荷分担が定格容量の比に応じて自動的に決まります。
計算
100 kV・A変圧器と300 kV・A変圧器の定格容量の比は
したがって,合計240 kV・Aの負荷はこの比で分担されます。
答え:3 100 kV・A変圧器:60 kV・A 300 kV・A変圧器:180 kV・A
負荷分担は「容量が大きいほど多く負担する」のが基本で,容量比(1:3)をそのまま負荷の按分比として使う点がポイントです。均等に半分ずつ分けたり,容量の差をそのまま使ったりする計算は誤りです。
No.7
電気工学空気遮断器と比較した,ガス遮断器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.消弧原理は,ほぼ同じである。
- 2.遮断時の騒音が小さい。
- 3.小電流遮断時の異常電圧が大きい。
- 4.耐震性に優れている。
正解:3
解説
考え方
ガス遮断器(GCB)は,六ふっ化硫黄(SF₆)ガスなどの優れた絶縁性・消弧性を持つガスを利用してアークを消す遮断器で,空気遮断器(ABB)と消弧の基本原理(アークにガスを吹き付けて冷却・絶縁回復させる)はほぼ同じです。遮断時にガスを大気中に噴出しないため騒音が小さく,構造上の可動部が少なく耐震性にも優れています。
一方,ガス遮断器は小電流を遮断する際に発生する異常電圧(サージ電圧)が空気遮断器に比べて小さいという特徴があります。「小電流遮断時の異常電圧が大きい」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。
答え:3 小電流遮断時の異常電圧が大きい。
ガス遮断器は「低騒音・高耐震性・異常電圧が小さい」という長所を持つため空気遮断器から主流が移った,という背景を押さえておくと,異常電圧に関する記述の正誤を判断しやすくなります。
No.8
電気工学ダム水路式発電所の水圧管における水撃作用に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.水圧管を破裂させることがある。
- 2.水圧管の長さが長いほど大きくなる。
- 3.水車入口弁の閉鎖に要する時間が長いほど大きくなる。
- 4.水車の使用水量を急激に変化させた場合に発生する。
正解:3
解説
考え方
水撃作用(ウォーターハンマ)は,水圧管内を流れる水の使用水量を急激に変化させたときに生じる圧力の急上昇・急降下現象で,ひどい場合は水圧管を破裂させることもあります。水圧管の長さが長いほど,管内の水の質量(慣性)が大きくなるため水撃作用は大きくなります。
一方,水車入口弁の閉鎖に要する時間については,閉鎖が急激(時間が短い)であるほど水の流れの変化が急激になり,水撃作用は大きくなります。逆に閉鎖時間を長く取れば,水の減速が緩やかになり水撃作用は小さく抑えられます。「水車入口弁の閉鎖に要する時間が長いほど大きくなる」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。
答え:3 水車入口弁の閉鎖に要する時間が長いほど大きくなる。
水撃作用は「急激な変化」が原因である点がポイントです。管路が長い・使用水量の変化が急激・弁の開閉が速いほど大きくなり,逆に弁をゆっくり閉じるほど水撃作用は緩和されます。
No.9
電気工学変電設備において,電圧もしくは無効電力の調整を行うための機器として,最も不適当なものはどれか。
- 1.負荷時タップ切換変圧器
- 2.放電クランプ
- 3.分路リアクトル
- 4.同期調相機
正解:2
解説
考え方
変電設備において電圧もしくは無効電力の調整を行う機器としては,負荷時タップ切換変圧器(負荷をかけたまま巻線タップを切り換えて二次電圧を調整),分路リアクトル(遅れ無効電力を吸収して軽負荷時の電圧上昇を抑制),同期調相機(界磁電流の調整により進み・遅れ両方の無効電力を制御)などがあります。
一方,「放電クランプ」は架空送電線路のがいし装置に取り付けて,雷等によるフラッシオーバ時のアークをがいしから離れた位置に誘導し,がいしの損傷を防ぐための付属品(アークホーンと同様の役割を持つ機材)であり,電圧・無効電力の調整とは目的が異なります。
答え:2 放電クランプ
負荷時タップ切換変圧器・分路リアクトル・同期調相機は「電圧・無効電力を調整する機器」というグループでまとめ,放電クランプ(アークホーン類)は「がいしをフラッシオーバから保護する付属品」という別グループに分類しておくと混同しにくくなります。
No.10
電気工学配電系統に生じる電力損失の軽減対策として,最も不適当なものはどれか。
- 1.給電点をできるだけ負荷の中心に移す。
- 2.電力用コンデンサを設置して力率を改善する。
- 3.単相3線式の配電方式を採用する。
- 4.柱上変圧器の低圧側の中性点を接地する。
正解:4
解説
考え方
配電系統に生じる電力損失は電流の2乗に比例するため,電流を減らす,あるいは電流の偏りを小さくする対策が有効です。給電点を負荷の中心に移せば電流が流れる距離や偏りが小さくなり損失が減ります。電力用コンデンサで力率を改善すれば無効電流が減り損失が減ります。単相3線式を採用すれば中性線の活用により電流を効率よく分散でき損失軽減に寄与します。
一方,「柱上変圧器の低圧側の中性点を接地する」のはB種接地工事にあたり,高圧側との混触時に低圧側の電位上昇を抑えて感電・火災を防止するための保安上の措置です。電力損失そのものを軽減する対策ではありません。
答え:4 柱上変圧器の低圧側の中性点を接地する。
「電圧を上げる」「給電点を負荷中心に」「力率改善」「単相3線式化」は損失軽減の代表的な対策として覚え,中性点接地は感電・混触事故防止のための保安対策と区別しておきましょう。
No.11
電気工学照明に関する用語と単位の組合せとして,不適当なものはどれか。
- 1.用語:光束 単位:lm
- 2.用語:光度 単位:lm/m²
- 3.用語:輝度 単位:cd/m²
- 4.用語:色温度 単位:K
正解:2
解説
考え方
照明に関する用語と単位は次のとおりです。
- 光束:光源から放出される光のエネルギー量を表す量で,単位はlm(ルーメン)です。
- 光度:光源からある方向への光の強さを表す量で,単位はcd(カンデラ)です。
- 輝度:光源や反射面をある方向から見たときのまぶしさ(単位面積・単位立体角あたりの光度)を表す量で,単位はcd/m²です。
- 色温度:光源の色みを表す量で,単位はK(ケルビン)です。
このうち「光度:lm/m²」という組合せは誤りです。lm/m²は光束を面積で割った量で,これは照度(lx,ルクス)の単位にあたり,光度(cd)とは別の量です。
答え:2 用語:光度 単位:lm/m²
光束(lm)・光度(cd)・照度(lx=lm/m²)・輝度(cd/m²)・色温度(K)は,それぞれの定義(何を,どの単位で測るか)とセットで覚えておくと,単位の組合せ問題に強くなります。
No.12
電気工学三相誘導電動機の特性に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.回転速度は,同期速度より遅くなる。
- 2.回転速度は,電源周波数が低くなるほど遅くなる。
- 3.回転速度は,滑りが減少するほど速くなる。
- 4.回転速度は,固定子巻線の極数が多くなるほど速くなる。
正解:4
解説
考え方
三相誘導電動機の同期速度は次式で表されます。
ここでは電源周波数,は極数です。実際の回転速度は,滑りを用いてと表され,同期速度よりわずかに遅くなります。
選択肢の検討
- 選択肢1:回転速度が同期速度より遅くなるのは滑りが生じるためで,正しい記述です。
- 選択肢2:同期速度は周波数に比例するため,周波数が低くなるほど回転速度も遅くなります。正しい記述です。
- 選択肢3:滑りが減少するほどは同期速度に近づき,回転速度は速くなります。正しい記述です。
- 選択肢4:同期速度の式より,極数が多くなるほどは小さくなり,回転速度は遅くなります。「極数が多くなるほど速くなる」は実態と逆であり,最も不適当です。
答え:4 回転速度は,固定子巻線の極数が多くなるほど速くなる。
同期速度の式は,分母の極数が大きいほど値が小さくなる(速度が遅くなる)反比例の関係である点を確実に押さえておきましょう。
No.13
電気設備火力発電に用いられるタービン発電機に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.水車発電機に比べて,回転速度が速い。
- 2.大容量機では,水素冷却方式が採用される。
- 3.回転子は,突極形が採用される。
- 4.軸形式は,横軸形が採用される。
正解:3
解説
考え方
火力発電に用いられるタービン発電機は,蒸気タービンで駆動されるため回転速度が非常に速く(水車発電機に比べて回転速度が速い),高速回転に耐えられるよう回転子には円筒形(円筒界磁形)が採用されます。大容量機では発熱対策として水素冷却方式が広く採用され,軸形式は横軸形が一般的です。
一方,「回転子は突極形が採用される」という記述は誤りです。突極形の回転子は,低速で大トルクを扱う水車発電機に適した構造であり,高速回転のタービン発電機では遠心力に対する強度の面から円筒形が採用されます。
答え:3 回転子は,突極形が採用される。
「高速回転=円筒形(タービン発電機)」「低速回転=突極形(水車発電機)」という対応関係を逆にしないよう注意しましょう。
No.14
電気設備変電所の変圧器の騒音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.変圧器の騒音には,巻線間に働く電磁力で生じる振動による通電騒音がある。
- 2.変圧器の騒音には,磁気ひずみなどで鉄心に生じる振動による励磁騒音がある。
- 3.鉄心に高配向性けい素鋼板を使用することは,騒音対策に有効である。
- 4.鉄心の磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である。
正解:4
解説
考え方
変圧器の騒音には,巻線間に働く電磁力(負荷電流によるもの)で生じる振動による通電騒音と,鉄心の磁気ひずみなどで生じる振動による励磁騒音があります。鉄心に高配向性けい素鋼板(磁気特性に優れた方向性けい素鋼板)を使用することは,磁気ひずみを抑えられるため騒音対策として有効です。
一方,鉄心の磁束密度を高くすると,磁気ひずみによる振動(励磁騒音)はむしろ増大します。したがって騒音対策としては,磁束密度をできるだけ低く設計する方が有効であり,「磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である」という記述は実態と逆で最も不適当です。
答え:4 鉄心の磁束密度を高くすることは,騒音対策に有効である。
変圧器の騒音対策は「磁束密度は低め」「鉄心材料は高配向性けい素鋼板」という2点をセットで覚えておくと,逆の記述を見抜きやすくなります。
No.15
電気設備計器用変成器の取り扱いに関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。「計器用変圧器は,一次側に電圧をかけた状態で二次側を[ア]してはならず,変流器は,一次側に電流が流れている状態で二次側を[イ]してはならない。」
- 1.ア:開放 イ:開放
- 2.ア:開放 イ:短絡
- 3.ア:短絡 イ:開放
- 4.ア:短絡 イ:短絡
正解:3
解説
考え方
計器用変圧器(VT)と変流器(CT)は,どちらも一次側の高い電圧・電流を,計器で扱いやすい値に変成する機器ですが,取り扱い上の禁止事項が正反対になっている点が重要です。
計器用変圧器は,一次側に電圧をかけたまま二次側を短絡すると,変圧器と同様に二次側に非常に大きな電流が流れ込み,巻線が焼損する危険があります。そのため二次側を短絡してはいけません。
変流器は,一次側に電流が流れている状態で二次側を開放すると,二次巻線に非常に高い電圧が発生し,絶縁破壊や感電の危険が生じます。そのため二次側を開放してはいけません。
空欄の埋め方
「計器用変圧器は,一次側に電圧をかけた状態で二次側を[短絡]してはならず,変流器は,一次側に電流が流れている状態で二次側を[開放]してはならない。」
答え:3 ア:短絡 イ:開放
「VT(変圧器)は短絡禁止,CT(変流器)は開放禁止」と対で覚えておくと,どちらがどちらか迷わなくなります。
No.16
電気設備架空送電線路に関する次の記述に該当する機材の名称として,適当なものはどれか。「電線の周りに数本巻き付けて,電線が風の流れと定常的な共振状態になることを防止し,電線特有の風音の発生を抑制する。」
- 1.スパイラルロッド
- 2.アーマロッド
- 3.クランプ
- 4.ダンパ
正解:1
解説
考え方
架空送電線路の電線には,風によって生じる振動や騒音を抑えるための付属品がいくつか取り付けられます。設問の「電線の周りに数本巻き付けて,電線が風の流れと定常的な共振状態になることを防止し,電線特有の風音の発生を抑制する」という記述は,電線に螺旋状(スパイラル状)に巻き付けるスパイラルロッドの説明です。電線表面の空気の流れを乱すことで,一定の風速で発生しやすい共振(エオリアン振動など)や,電線特有の風切り音を抑制します。
他の選択肢との違いは次のとおりです。
- アーマロッド:電線の支持点(クランプ取付け部)付近を補強し,素線の損傷や振動疲労を防ぐための巻き付け金具です。
- クランプ:電線をがいし装置に固定するための金具です。
- ダンパ:おもりのような構造物を電線に取り付け,振動エネルギーを吸収して微風振動を防止する装置です。
答え:1 スパイラルロッド
「電線に螺旋状に巻き付けて風音・共振を抑える=スパイラルロッド」「おもりで振動エネルギーを吸収=ダンパ」という違いで区別しておくと判断しやすくなります。
No.17
電気設備図は3心電力ケーブルの無負荷時の充電電流を求める等価回路図である。充電電流Ic〔A〕を求める式として,適当なものはどれか。ただし,各記号は次のとおりとする。V:線間電圧〔V〕,C:ケーブルの1線あたりの静電容量〔F〕,f:周波数〔Hz〕

- 1.Ic=2πfCV〔A〕
- 2.Ic=2πfCV²〔A〕
- 3.Ic=2πfCV/√3〔A〕
- 4.Ic=2πfCV²/√3〔A〕
正解:3
解説
考え方
図は3心電力ケーブルの無負荷時の充電電流を求めるための等価回路図です。各心線の対地静電容量は,接地されたY結線のコンデンサとして描かれており,線間電圧の三相電源に接続されています。
対地静電容量に流れる充電電流は,各線にかかる電圧(相電圧)を基準に計算します。線間電圧の三相回路における相電圧はなので,充電電流は次式で求められます。
答え:3 Ic=2πfCV/√3〔A〕
線間電圧をそのまま使ってしまう選択肢1・2は,相電圧に換算するを掛け忘れた誤答です。対地静電容量に流れる電流は,あくまで対地電圧(相電圧)を基準に計算する点を押さえておきましょう。
No.18
電気設備架空送電線により通信線に発生する電磁誘導障害の軽減対策として,最も不適当なものはどれか。
- 1.送電線と通信線の離隔距離を大きくする。
- 2.通信線に遮へい層付ケーブルを使用する。
- 3.架空地線に導電率のよい材料を使用する。
- 4.直接接地方式を採用する。
正解:4
解説
考え方
架空送電線路の近くに通信線がある場合,送電線の電流(特に地絡電流)によって通信線に電磁誘導障害が発生することがあります。この軽減対策としては,送電線と通信線の離隔距離を大きくする,通信線に遮へい層付ケーブルを使用する,架空地線に導電率のよい材料を使用して誘導電流を吸収しやすくするなどの方法があります。
一方,中性点の接地方式のうち,直接接地方式は地絡電流が非常に大きくなる方式であり,通信線への電磁誘導障害はむしろ大きくなります。電磁誘導障害の軽減という観点では,地絡電流を抑制できる抵抗接地方式などの採用が望ましく,「直接接地方式を採用する」ことは対策として最も不適当です。
答え:4 直接接地方式を採用する。
直接接地方式は地絡電流が大きく,保護継電器の動作は確実になりますが,その分だけ通信線への電磁誘導障害は増大しやすいという副作用がある点を押さえておきましょう。
No.19
電気設備架空送電線路の塩害対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.がいし連にアークホーンを取り付ける。
- 2.懸垂がいしの連結個数を増加する。
- 3.がいしの表面にシリコンコンパウンドを塗布する。
- 4.長幹がいしやスモッグがいしを採用する。
正解:1
解説
考え方
架空送電線路の塩害対策としては,懸垂がいしの連結個数を増やして絶縁距離を稼ぐ,がいし表面にシリコンコンパウンドを塗布して塩分の付着・トラッキングを防ぐ,表面漏れ距離の長い長幹がいしやスモッグがいしを採用するといった方法があります。
一方,「アークホーン」は,雷等によるフラッシオーバが発生した際にアークをがいしから離れた位置に誘導し,がいし本体の損傷を防ぐための金具であり,塩分の付着による絶縁低下(塩害)そのものを防ぐ対策ではありません。
答え:1 がいし連にアークホーンを取り付ける。
アークホーンは「雷サージ・フラッシオーバ対策」,懸垂がいしの増連・シリコンコンパウンド塗布・長幹がいしやスモッグがいしの採用は「塩害対策」というグループの違いを区別しておきましょう。
No.20
電気設備一般送配電事業者が供給する電気の電圧に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる数値として,「電気事業法」上,適当なものはどれか。「標準電圧200 Vの電気を供給する場所において,供給する電気の電圧の値は,202 Vの上下[ ]Vを超えない値に維持するように努めなければならない。」
- 1.6
- 2.10
- 3.12
- 4.20
正解:4
解説
考え方
電気事業法では,一般送配電事業者が供給する電気の電圧について,標準電圧ごとに維持すべき範囲が定められています。標準電圧100 Vの場合は101 Vの上下6 V,標準電圧200 Vの場合は202 Vの上下20 Vを超えない値に維持するよう努めることとされています。
答え:4 20
100 Vは「101±6 V」,200 Vは「202±20 V」という2つの数値をセットで覚えておくと,どちらの電圧を問われても対応できます。
No.21
電気設備単相200 V回路に使用する定格電流20 Aの接地極付コンセントの極配置として,「日本産業規格(JIS)」上,適当なものはどれか。

- 1.図1の極配置
- 2.図2の極配置
- 3.図3の極配置
- 4.図4の極配置
正解:2
解説
考え方
日本産業規格(JIS)では,コンセントの定格電圧・定格電流ごとに刃受けの形状・配置が定められており,異なる電圧・電流の器具に誤って差し込めないよう配慮されています。単相200 V・定格電流20 Aの接地極付コンセントは,横向きの刃受け2個(左右で向きが異なる)と接地極1個という組合せが規定の極配置です。
図の4種類を見比べると,図2は左右の刃受けがどちらも横向き(縦・横の向きが左右で異なる)で接地極が下にある配置になっており,これが単相200 V・20 Aの規定形状に該当します。図1は片方が縦刃・片方が横向きのL字状で異なる規格(引掛形など),図3は縦刃2個で単相100 V・15/20 A用の配置,図4は横刃2個でも図2とは刃の間隔・形状が異なる別規格に相当し,いずれも単相200 V・20 A用の規定配置とは異なります。
答え:2 図2の極配置
コンセントの極配置は,電圧・電流ごとに刃の向き・本数・間隔が細かく規定されています。「縦刃2本=100 V系」「横刃を含む配置=200 V系」という大まかな傾向を覚えつつ,実際の現場では規格表と照らし合わせて確認する習慣をつけましょう。
No.22
電気設備低圧三相誘導電動機の保護に用いられる3Eリレーの保護目的の組合せとして,適当なものはどれか。
- 1.短絡保護,欠相保護,過負荷保護
- 2.反相保護,欠相保護,過負荷保護
- 3.短絡保護,漏電保護,過負荷保護
- 4.反相保護,漏電保護,過負荷保護
正解:2
解説
考え方
3Eリレー(三相電動機保護継電器)は,三相誘導電動機を異常運転から保護するための保護継電器で,名称の「3E」は保護目的が3つあることに由来します。具体的には,過負荷保護(電動機に定格を超える電流が流れ続けることによる焼損を防ぐ),欠相保護(三相のうち1相が断線・接触不良で欠けた状態で運転を続けることによる異常過熱を防ぐ),反相保護(電源の相順が逆になり,電動機が逆回転することを防ぐ)の3つです。
短絡保護や漏電保護は,3Eリレーではなく,配線用遮断器や漏電遮断器といった別の保護機器の役割です。
答え:2 反相保護,欠相保護,過負荷保護
3Eリレーの「3E」は「Excess current(過負荷)」「Electric current unbalance=Phase failure(欠相)」「Reverse phase(反相)」の3つの頭文字に由来するとされ,短絡・漏電はこのリレーの保護対象ではない点に注意しましょう。
No.23
電気設備低圧屋内配線の施工場所と工事の種類の組合せとして,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。ただし,事務所ビルの乾燥した場所に施設するものとする。
- 1.施工場所:点検できる隠ぺい場所 工事の種類:合成樹脂管工事
- 2.施工場所:点検できる隠ぺい場所 工事の種類:ケーブル工事
- 3.施工場所:点検できない隠ぺい場所 工事の種類:バスダクト工事
- 4.施工場所:点検できない隠ぺい場所 工事の種類:金属可とう電線管工事
正解:3
解説
考え方
低圧屋内配線の工事の種類は,施工場所(点検できる/できない隠ぺい場所,乾燥した/湿気の多い場所など)によって使用できるものが「電気設備の技術基準とその解釈」で定められています。合成樹脂管工事,ケーブル工事,金属可とう電線管工事は,いずれも点検できない隠ぺい場所を含め広く施設できる工事方法です。
一方,バスダクト工事は,導体がむき出しに近い状態でダクトに納められる工事方法であり,点検できない隠ぺい場所には施設できません(点検できる場所に限られます)。したがって「施工場所:点検できない隠ぺい場所 工事の種類:バスダクト工事」という組合せは不適当です。
答え:3 施工場所:点検できない隠ぺい場所 工事の種類:バスダクト工事
バスダクト工事・金属線ぴ工事・ライティングダクト工事などは,点検できる場所に限られる工事方法として区別して覚えておきましょう。ケーブル工事・合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事は,隠ぺい場所(点検できない場所を含む)でも広く使える工事方法です。
No.24
電気設備次の図に示す高圧受電設備の受電設備容量として,「高圧受電設備規程」上,適当なものはどれか。

- 1.450 kV・A
- 2.600 kV・A
- 3.800 kV・A
- 4.950 kV・A
正解:2
解説
考え方
「高圧受電設備規程」上,受電設備容量は,受電設備に接続される変圧器の容量の合計で計算し,力率改善用の進相コンデンサや非常用の自家発電設備の容量は,受電設備容量には含めません。
図の設備を見ると,3φ Tr(三相変圧器)300 kV・Aが1台,1φ Tr(単相変圧器)100 kV・Aが3台接続されています。これらとは別に,50 kVar×3台の進相コンデンサ設備,および3φ200 kV・Aの自家発電機(G)が設けられていますが,いずれも変圧器ではないため受電設備容量の計算には含めません。
計算
答え:2 600 kV・A
「受電設備容量=変圧器容量の合計」という原則を押さえ,コンデンサ設備(kVar)や自家発電設備(非常用予備電源)は変圧器ではないため合計に含めない,という点を確実に区別しましょう。
No.25
電気設備D種接地工事を施す箇所として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。
- 1.高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点
- 2.使用電圧が200 Vの電路に接続されている,人が触れるおそれがある場所に施設する電動機の金属製外箱
- 3.高圧キュービクル内にある高圧計器用変成器の二次側電路
- 4.屋内の金属管工事において,使用電圧100 Vの長さ10 mの金属管
正解:1
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では,接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)ごとに,接地を施すべき箇所と接地抵抗値の基準が定められています。
- 使用電圧200 Vの電路に接続され,人が触れるおそれがある場所に施設する電動機の金属製外箱:D種接地工事の対象です。
- 高圧キュービクル内の高圧計器用変成器の二次側電路:計器用変成器の二次側にはD種接地工事を施すこととされています。
- 屋内の金属管工事において,使用電圧100 Vで,管の長さが8 mを超え,簡易接触防護措置を施していない場合はD種接地工事が必要ですが,長さが8 m以下(乾燥した場所等の条件を満たす場合は15 m以下・簡易接触防護措置がある場合は8 m超でも省略可)の場合には省略が認められる場合があり,設問の「長さ10 m」はD種接地工事を要する条件に該当し得ます。
これらに対し,「高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点」に施す接地工事は,混触時の低圧側電位上昇を抑えるためのものでB種接地工事に該当し,D種接地工事ではありません。
答え:1 高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点
高低圧混触防止のための変圧器低圧側中性点(または低圧側の1端子)の接地は「B種」,電動機の金属製外箱や計器用変成器の二次側,金属管などの機器接地は「D種」(300 Vを超える低圧機器はC種)という区分をセットで覚えておきましょう。
No.26
電気設備需要場所に施設する地中電線路に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。ただし,地中電線路の長さは15 mを超えるものとする。
- 1.地中箱は,車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること。
- 2.高圧地中電線と地中弱電流電線との離隔距離は,30 cm以上確保すること。
- 3.暗きょ内のケーブルを支持する金物類には,D種接地工事を省略できる。
- 4.管路式で施設した高圧の地中電線路には,電圧の表示を省略できる。
正解:4
解説
考え方
需要場所に施設する地中電線路(長さ15 mを超えるもの)について,「電気設備の技術基準とその解釈」の規定を1つずつ確認します。
- 地中箱は,車両その他の重量物の圧力に耐える構造とすることが定められています(選択肢1は正しい記述です)。
- 高圧地中電線と地中弱電流電線とが接近・交差する場合の離隔距離は,30 cm以上確保することとされています(選択肢2は正しい記述です)。
- 地中電線を収める防護装置の金属製部分などにはD種接地工事を施すのが原則ですが,条文では「ケーブルを支持する金物類を除く」と明記されており,暗きょ内のケーブル支持金物類は接地の対象から除外されています。したがってD種接地工事を省略できるという記述は正しいものです(選択肢3は正しい記述です)。
これに対し,管路式又は暗きょ式で施設する高圧・特別高圧の地中電線路には,おおむね2 mの間隔で物件の名称・管理者名・電圧を表示することが定められています。需要場所に施設する場合は物件の名称と管理者名の表示は省略できますが,電圧の表示は省略できません。「電圧の表示を省略できる」という記述は不適当です。
答え:4 管路式で施設した高圧の地中電線路には,電圧の表示を省略できる。
需要場所の地中電線路では「名称・管理者名は省略できるが,電圧は省略できない」という表示の使い分けと,「ケーブルを支持する金物類は接地対象から除かれている」という例外規定の2点が,この問題のポイントです。
No.27
電気設備自動火災報知設備のP型2級受信機(複数回線)に関する記述として,「消防法」上,不適当なものはどれか。
- 1.導通試験装置による試験機能を有しなければならない。
- 2.接続することができる回線の数は,5以下であること。
- 3.予備電源は,密閉型蓄電池であること。
- 4.発信機との間で電話連絡ができる装置を設けないことができる。
正解:1
解説
考え方
自動火災報知設備のP型受信機は,級ごとに備えるべき機能が「消防法」関連規定で定められています。P型2級受信機(複数回線)は,接続できる回線数が5以下であること,予備電源として密閉型蓄電池を用いること,発信機との間で電話連絡ができる装置を設けないことができることが認められています。
一方,「導通試験装置による試験機能」は,P型1級受信機に備えるべき機能であり,P型2級受信機には導通試験装置を備える義務がありません。したがって「導通試験装置による試験機能を有しなければならない」という記述はP型2級受信機に関しては不適当です。
答え:1 導通試験装置による試験機能を有しなければならない。
P型1級受信機は導通試験装置・火災表示の保持・電話連絡装置など機能が充実している一方,P型2級受信機はこれらの一部(特に導通試験装置)を省略できる簡易版という位置づけで覚えておくと区別しやすくなります。
No.28
電気設備非常用の照明装置に関する記述として,「建築基準法」上,不適当なものはどれか。ただし,地下街の各構えの接する地下道に設けるものを除く。
- 1.照明器具(照明カバーその他照明器具に付属するものを含む。)のうち主要な部分は,難燃材料で造り,又は覆わなければならない。
- 2.LEDランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度1 lxを確保することができるものとする。
- 3.予備電源は,充電を行うことなく30分間継続して点灯させることができるものとする。
- 4.非常用の照明装置の電源は,常用の電源が断たれた場合に自動的に予備電源に切り替えられて接続され,かつ,常用の電源が復旧した場合に自動的に切り替えられて復帰するものとする。
正解:2
解説
考え方
非常用の照明装置は,「建築基準法」に基づき,停電時に避難経路を確保するための照明で,主要な部分を難燃材料で造ること,予備電源は充電を行うことなく30分間継続して点灯できること,常用電源が断たれた場合に自動的に予備電源へ切り替わり,復旧時には自動的に常用電源へ復帰することなどが定められています。
床面の水平面照度の基準は,光源の種類によって異なります。常温下で床面において水平面照度1 lx以上でよいのは白熱灯を用いる場合であり,蛍光灯又はLEDランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度で2 lx以上を確保することが告示で定められています。したがって「LEDランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度1 lxを確保することができるものとする」という記述は,基準となる照度が誤っており不適当です。
答え:2 LEDランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度1 lxを確保することができるものとする。
非常用照明の床面水平面照度は「白熱灯なら1 lx以上,蛍光灯・LEDなら2 lx以上」と光源別に覚えるのがポイントです。難燃材料・予備電源30分間・自動切替復帰の3点は他の選択肢どおり正しい記述として押さえておきましょう。
No.29
電気設備構内情報通信網(LAN)に関する次の記述に該当する機器として,最も適当なものはどれか。「UTPケーブルと光ファイバケーブル間での信号の変換を主たる機能とする装置」
- 1.ルータ
- 2.リピータハブ
- 3.スイッチングハブ
- 4.メディアコンバータ
正解:4
解説
考え方
構内情報通信網(LAN)で使われる機器には,それぞれ役割の違いがあります。ルータは異なるネットワーク間でデータの経路(ルート)を選択して中継する機器,リピータハブは受信した信号を増幅して全ポートに送り出すだけの機器,スイッチングハブは宛先MACアドレスを見て必要なポートにのみデータを送る機器です。
これらに対し,「UTPケーブルと光ファイバケーブル間での信号の変換を主たる機能とする装置」は,電気信号(UTP)と光信号(光ファイバ)を相互に変換するメディアコンバータの説明です。
答え:4 メディアコンバータ
メディアコンバータは「電気信号⇔光信号の変換」という単純な役割に特化した機器で,ルータやスイッチングハブのような経路選択・振り分け機能は持たない点で区別できます。
No.30
電気設備電車線路におけるトロリ線の偏いに関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.偏いとは,レール中心に対するトロリ線の左右の偏りのことをいう。
- 2.レールの曲線区間では,トロリ線には必然的に偏いが発生する。
- 3.レールの直線区間では,パンタグラフの摩耗を平均的にするため,トロリ線にはジグザグに偏いをつけている。
- 4.風圧が一定の場合,トロリ線の張力を大きくすると,偏いは大きくなる。
正解:4
解説
考え方
トロリ線の偏いとは,レール中心に対するトロリ線の左右方向のずれ(偏り)のことをいいます。パンタグラフが常に同じ位置だけを摺動するとすり板の摩耗が偏るため,直線区間ではあえてジグザグに偏いをつけてパンタグラフの摺動位置を分散させ,摩耗を平均化しています。曲線区間では,線形(カーブ)そのものによってトロリ線に必然的な偏いが生じます。
一方,トロリ線の張力とたわみ(風による振れ)の関係を考えると,張力を大きくするほどトロリ線は風による横振れが小さくなり,偏いは小さくなります。「風圧が一定の場合,張力を大きくすると偏いは大きくなる」という記述は実態と逆であり,不適当です。
答え:4 風圧が一定の場合,トロリ線の張力を大きくすると,偏いは大きくなる。
トロリ線の張力を上げることはたるみ・振れを抑える方向に働くため,偏いを抑制する効果がある,という関係を押さえておきましょう。
No.31
電気設備トンネル内の照明方式のうち,プロビーム照明方式を示す図として,適当なものはどれか。

- 1.図1の照明方式
- 2.図2の照明方式
- 3.図3の照明方式
- 4.図4の照明方式
正解:4
解説
考え方
トンネル照明の配光方式には,主に対称配光方式(灯具の光を左右対称に配光する方式)と非対称配光(プロビーム/カウンタビーム)方式があります。プロビーム照明方式は,灯具からの光を車両の進行方向へ向けて配光する方式で,運転者が走行しながら見る路面の輝度を高めやすく,トンネル内の主たる照明として広く使われます。カウンタビーム方式は逆に対向方向へ配光する方式です。
図を見比べると,図1・図2は灯具から左右対称(山型)に光が広がっており対称配光方式,図3・図4は灯具から斜め方向に非対称に光が広がる配光になっています。このうち,光の向きが車両の進行方向(矢印の向き)と同じ斜め方向に伸びているものがプロビーム方式で,図4がこれに該当します。図3は灯具からの光が進行方向と逆側(後方)に伸びる配光になっており,カウンタビーム方式に相当します。
答え:4 図4の照明方式
プロビーム(pro-beam)の「pro」は「前方へ」を意味し,カウンタビーム(counter-beam)は「対向・逆方向へ」を意味すると考えると,光の向きと車両進行方向の関係を覚えやすくなります。
No.32
関連分野建物の給水設備における受水槽を設置したポンプ直送方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する。
- 2.建物内の必要な箇所へ,給水ポンプで送る方式である。
- 3.水道本管断水時は,受水槽貯水分のみ給水が可能である。
- 4.停電により給水ポンプが停止すると,給水が不可能となる。
正解:1
解説
考え方
建物の給水設備における受水槽を設置したポンプ直送方式は,水道本管の水をいったん受水槽に貯留し,そこから給水ポンプで建物内の必要な箇所へ送る方式です。受水槽で水道本管と建物内の給水系統がいったん縁切りされるため,水道本管の圧力変化(断水や圧力低下)の影響を直接受けにくいことが,この方式の大きな利点です。
また,水道本管が断水した場合でも,受水槽に貯留されている水量の範囲内では給水を継続できます。一方,給水はポンプの動力に依存しているため,停電により給水ポンプが停止すると,受水槽に水が残っていても給水はできなくなります。
「水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する」という記述は,受水槽で縁切りされているポンプ直送方式の特徴とは逆で,むしろ水道直結増圧方式など,本管と直結した方式に当てはまる内容であり,最も不適当です。
答え:1 水道本管の圧力変化に応じて給水圧力が変化する。
受水槽方式は「本管の圧力変動から建物内の給水を切り離せる」点が最大のメリットで,その代わりに受水槽の設置スペースや停電時の対応(非常用電源の要否)が課題になる,という対比で理解しておきましょう。
No.33
関連分野図に示す土留め工法のうち,アとイの名称の組合せとして,適当なものはどれか。

- 1.ア:腹起し イ:火打ち梁
- 2.ア:腹起し イ:切梁
- 3.ア:中間杭 イ:切梁
- 4.ア:中間杭 イ:火打ち梁
正解:2
解説
考え方
図は,掘削した溝や基礎の周囲を土留め矢板で囲み,内部を水平材で支える土留め工法の斜視図です。土留め壁面(矢板)に沿って水平に取り付けられ,土圧を壁面全体で受け止めて切梁に伝える部材が腹起しで,図のアはこの壁面沿いに水平に配置された部材にあたります。
一方,土留め壁の対向する面どうしを水平につなぎ,腹起しが受けた土圧を支える部材が切梁で,図のイは中央部を横断するように配置された長い水平材にあたります。中間杭は,切梁が長くなる場合にそのたわみ・座屈を防ぐために切梁を鉛直に支える杭であり,火打ち梁は隅角部を斜めに補強する部材で,図のア・イとは配置(壁面沿い/隅角部の斜め材)が異なります。
答え:2 ア:腹起し イ:切梁
「壁面に沿って水平に回るのが腹起し」「壁の対向面をまっすぐ突っ張るのが切梁」という配置の違いで区別すると覚えやすくなります。隅角部にだけ斜めに入るのが火打ち梁,切梁を鉛直に支えるのが中間杭です。
No.34
関連分野建設作業とその作業に使用する建設機械の組合せとして,不適当なものはどれか。
- 1.建設作業:整地 建設機械:ブルドーザ
- 2.建設作業:運搬 建設機械:ベルトコンベヤ
- 3.建設作業:削岩 建設機械:ブレーカ
- 4.建設作業:締固め 建設機械:モータグレーダ
正解:4
解説
考え方
建設作業と、それに使用する代表的な建設機械の組合せは次のとおりです。整地作業にはブルドーザ(土砂を押し広げ地ならしする機械),運搬作業にはベルトコンベヤ(連続的に資材を運ぶ設備),削岩作業にはブレーカ(油圧などで岩やコンクリートを破砕する機械)が使われ,これらは適切な組合せです。
一方,モータグレーダは,路面や地面を精密に整形する(平滑にする)ための整地・敷ならし用の機械であり,締固め(地盤や路盤を圧密して密度を高める作業)には,タイヤローラ・ロードローラ・振動コンパクタ・ランマなどの締固め専用機械が使われます。「締固め:モータグレーダ」という組合せは適切ではありません。
答え:4 建設作業:締固め 建設機械:モータグレーダ
モータグレーダは「地ならし・整形」の機械であり,「締固め(転圧)」の機械ではない点を区別しておきましょう。締固めにはローラ系・コンパクタ系の機械を対応させます。
No.35
関連分野地中送電線路における管路の埋設工法として,不適当なものはどれか。
- 1.小口径推進工法
- 2.刃口推進工法
- 3.アースドリル工法
- 4.セミシールド工法
正解:3
解説
考え方
地中送電線路の管路を埋設する工法には,地表を掘り返さずに管を地中に押し込んで敷設する非開削工法がいくつかあります。小口径推進工法は,比較的小さな口径の管を油圧ジャッキ等で地中に押し込みながら敷設する工法,刃口推進工法は,先端に刃口を取り付けた大口径の管を掘削しながら推進させる工法,セミシールド工法は,シールドマシンに準じた掘進機で管路を構築する工法で,いずれも地中送電線路の管路敷設に用いられる推進・シールド系の工法です。
一方,アースドリル工法は,回転バケットで地盤を掘削しながら杭穴を掘る,場所打ちコンクリート杭(基礎杭)の施工に用いられる工法であり,管路の埋設工法ではありません。
答え:3 アースドリル工法
小口径推進・刃口推進・セミシールドは「管路を敷設する非開削工法」というグループでまとめ,アースドリル工法は「基礎杭を掘る工法」という全く別の分野の工法である点を区別しておきましょう。
No.36
関連分野国内の鉄道において,新幹線鉄道の軌間として,適当なものはどれか。
- 1.762 mm
- 2.1067 mm
- 3.1372 mm
- 4.1435 mm
正解:4
解説
考え方
国内の鉄道では,軌間(左右のレールの間隔)にいくつかの規格があります。762 mmは主に軽便鉄道など特殊狭軌路線,1067 mmはJR在来線や多くの私鉄で採用されている狭軌,1372 mmは都電など一部の路線で採用されている特殊な軌間,1435 mmは新幹線や一部の私鉄で採用されている標準軌です。
新幹線鉄道は,高速走行時の安定性を確保するため,国際的にも広く採用されている標準軌である1435 mmを採用しています。
答え:4 1435 mm
「新幹線=標準軌1435 mm」「JR在来線の多く=狭軌1067 mm」という対比で覚えておくと,軌間の数値を問う設問に対応しやすくなります。
No.37
関連分野鉄筋コンクリート構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さとは,鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離をいう。
- 2.鉄筋とコンクリートの付着強度は,丸鋼より異形鉄筋のほうが大きい。
- 3.コンクリートの中性化が鉄筋の位置まで達すると,鉄筋はさびやすくなる。
- 4.圧縮力に強い鉄筋と引張力に強いコンクリートの特性を,組み合わせたものである。
正解:4
解説
考え方
鉄筋コンクリート構造に関する基本事項として,鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは,鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離をいい,かぶり厚さを確保することで鉄筋の発錆やコンクリートの中性化による劣化を防ぎます。鉄筋とコンクリートの付着強度は,表面に凹凸のある異形鉄筋のほうが丸鋼より大きく,コンクリートの中性化が鉄筋位置まで進行すると鉄筋の不動態被膜が失われ,さびやすくなります。
一方,鉄筋コンクリート構造は,引張力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートの特性を組み合わせた構造です。設問の「圧縮力に強い鉄筋と引張力に強いコンクリート」という記述は,鉄筋とコンクリートの得意な力の向きが逆になっており,最も不適当です。
答え:4 圧縮力に強い鉄筋と引張力に強いコンクリートの特性を,組み合わせたものである。
「鉄筋=引張に強い」「コンクリート=圧縮に強い」という組合せは鉄筋コンクリート構造の最も基本的な原理なので,ここを逆に覚えないよう注意しましょう。
No.38
共通工学電灯設備の配線用図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。

- 1.図記号1の名称:誘導灯(蛍光灯形)
- 2.図記号2の名称:二重床用コンセント
- 3.図記号3の名称:リモコンスイッチ
- 4.図記号4の名称:電力量計
正解:1
解説
考え方
電灯設備の配線用図記号は,日本産業規格(JIS C 0303等)で図形と名称の対応が定められています。図の図記号2(長方形の枠内に円が2つ並ぶような記号)は二重床用コンセント,図記号3(黒丸に「R」を添えた記号)はリモコンスイッチ,図記号4(丸の中に「Wh」)は電力量計を表しており,これらの名称の組合せは適当です。
一方,図記号1(長方形の中央に黒丸を配した記号)は,蛍光灯を表す記号を基本形とした灯具の図記号であり,「誘導灯(蛍光灯形)」を表す図記号は,これとは別に非常用照明・誘導灯であることを示す専用の表示(枠の形状や文字記号を追加するなど)が必要です。単なる長方形と黒丸の組合せだけでは,通常の蛍光灯(または蛍光灯形の器具)を表す記号であり,「誘導灯(蛍光灯形)」の名称とは対応しません。
答え:1 図記号1の名称:誘導灯(蛍光灯形)
配線用図記号は,基本図形(照明・コンセント・スイッチなど)に用途を示す添字や枠を組み合わせて細かく使い分けられています。似た形の記号でも,添字の有無で意味が変わる点に注意しましょう。
No.39
施工管理法(応用能力)施工要領書に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.内容を作業員に周知徹底しなければならない。
- 2.部分詳細や図表などを用いて分かりやすいものとする。
- 3.施工図を補完する資料なので,設計者,工事監督員の承諾を必要としない。
- 4.一工程の施工の着手前に,総合施工計画書に基づいて作成する。
- 5.初心者の技術・技能の習得に利用できる。
正解:3
解説
考え方
施工要領書は,総合施工計画書に基づき,一工程の施工に着手する前に,具体的な作業手順・施工方法を部分詳細図や図表を用いて分かりやすくまとめた資料です。作業員に内容を周知徹底することで施工品質を確保し,経験の浅い作業員の技術・技能の習得にも活用できます。
施工要領書は,施工図の内容を補完し,現場で実際にどう施工するかを具体的に示す重要な資料であるため,作成した施工要領書は設計者や工事監督員の確認・承諾を受けたうえで用いるのが通常の手続きです。「施工図を補完する資料なので,設計者,工事監督員の承諾を必要としない」という記述は,承諾手続きを省略できるという点で不適当です。
答え:3 施工図を補完する資料なので,設計者,工事監督員の承諾を必要としない。
施工要領書は現場の実務資料ですが,あくまで工事監督員等の管理下にある文書という位置づけを崩さない点が重要です。「現場の裁量で自由に作ってよい」という誤解をしないようにしましょう。
No.40
施工管理法(応用能力)建設工事において工程管理を行う場合,バーチャート工程表と比較した,ネットワーク工程表の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.各作業の関連性を明確にするため,ネットワーク工程表を用いた。
- 2.計画出来高と実績出来高の比較を容易にするため,ネットワーク工程表を用いた。
- 3.各作業の余裕日数が容易に分かる,ネットワーク工程表を用いた。
- 4.重点的工程管理をすべき作業が容易に分かる,ネットワーク工程表を用いた。
- 5.どの時点からもその後の工程が計算しやすい,ネットワーク工程表を用いた。
正解:2
解説
考え方
ネットワーク工程表は,各作業を矢線(アロー)で表し,作業間の前後関係・関連性を明確にできる工程表です。この特徴により,各作業の余裕日数(フロート)が計算でき,どの作業が全体工期に直接影響するクリティカルパス上の作業か(重点的に管理すべき作業か)が分かりやすく,どの時点からもその後の工程を計算し直しやすいという利点があります。
一方,計画出来高と実績出来高を視覚的に比較するグラフ(進捗を曲線や横棒で表す比較)は,バーチャート工程表や出来高累計曲線(Sカーブ)を用いた工程表のほうが得意とする表現方法です。ネットワーク工程表は作業間の関連性や日程計算には優れていますが,出来高の比較のしやすさという点ではバーチャート工程表に劣ります。
答え:2 計画出来高と実績出来高の比較を容易にするため,ネットワーク工程表を用いた。
ネットワーク工程表は「作業間の関連性・余裕日数・クリティカルパスの把握」に強く,バーチャート工程表は「出来高の視覚的な比較のしやすさ」に強いという,それぞれの得意分野を対比させて覚えておきましょう。
No.41
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程の各作業に関する記述として,不適当なものはどれか。

- 1.作業Bが終了していなくても,作業Aが終了すると,作業Fが開始できる。
- 2.作業Cと作業Eが終了すると,作業Hが開始できる。
- 3.作業Gが終了すると,作業Jが開始できる。
- 4.作業Gが終了していなくても,作業Hが終了すると,作業Kが開始できる。
- 5.作業Iと作業Jと作業Kが終了すると,作業Lが開始できる。
正解:4
解説
考え方
図のネットワーク工程は,作業A〜Lの12個の矢線と,⑥→⑦を結ぶ破線のダミー矢線で構成されています。ダミー矢線は,実際の作業ではなく,作業どうしの前後関係だけを示すための架空の矢線で,所要日数はゼロとして扱います。
図の結合点(イベント)を順に確認すると,①からA(→②)・B(→③)・C(→④)が分岐し,②からD(→③)とF(→⑤)が,③からG(→⑥)とE(→④)が,④からH(→⑦)が出ています。⑤からI(→⑧),⑥からJ(→⑧),⑥→⑦はダミー,⑦からK(→⑧)が続き,⑧からL(→⑨)で完了します。
選択肢の検討
- 選択肢1:作業Fは②から始まるため,②の完了(=作業Aの終了)だけで開始でき,作業Bの完了は不要です。正しい記述です。
- 選択肢2:作業Hは④から始まり,④は作業C・Eの両方が終了して初めて到達する結合点なので,作業Cと作業Eの終了が必要という記述は正しい内容です。
- 選択肢3:作業Jは⑥から始まり,⑥は作業Gの終了で到達する結合点なので,作業Gの終了で作業Jが開始できるという記述は正しい内容です。
- 選択肢4:作業Kは⑦から始まりますが,⑦へはダミー矢線(⑥→⑦)を通じて⑥(=作業Gの終了)からも到達する経路があるため,⑦の完了には作業Hの終了だけでなく,作業G(ダミーを介して)の終了も必要です。「作業Gが終了していなくても,作業Hが終了すると,作業Kが開始できる」は,ダミー矢線による制約を無視しており,不適当です。
- 選択肢5:作業Lは⑧から始まり,⑧へは作業I(⑤から),作業J(⑥から),作業K(⑦から)がそれぞれ到達するため,I・J・Kすべての終了が必要という記述は正しい内容です。
答え:4 作業Gが終了していなくても,作業Hが終了すると,作業Kが開始できる。
ダミー矢線は「所要日数ゼロだが,前後関係の制約は生きている」という点が読み取りのポイントです。⑥→⑦のダミーがある以上,⑦から始まる作業Kは,Hだけでなく,⑥に至るG(およびその手前のB)の終了も条件になります。
No.42
施工管理法(応用能力)図に示す電気工事の特性要因図において,ア,イ,ウに記載されるべき主な要因の組合せとして,適当なものはどれか。

- 1.ア:工程 イ:施工 ウ:作業者
- 2.ア:工程 イ:搬入 ウ:検査
- 3.ア:設計 イ:施工 ウ:検査
- 4.ア:設計 イ:搬入 ウ:作業者
- 5.ア:設計 イ:施工 ウ:作業者
正解:1
解説
考え方
特性要因図は,ある結果(特性)に対して,それに影響を与える原因(要因)を魚の骨のような形に整理した図で,一般に「材料(Material)」「設備・機械・道具(Machine)」「作業者(Man)」「方法・作業(Method)」の4つの観点(4M)を大骨として要因を洗い出します。
図では,特性(魚の頭)が「床埋設配管立ち上げ精度悪化」となっており,大骨として「その他」「道具」「材料」に加え,ア・イ・ウの3つが並んでいます。アの枝には「納期」「段取り」「材料の確認」など工程進行に関する小骨が並んでおり,これは施工の手順・段取りに関する「工程」の観点にあたります。イの枝には「基準墨がない」「墨出しの時期が悪い」「曲げ加工が悪い」など,実際の作業のやり方に関する小骨が並んでおり,これは「施工」の観点にあたります。ウの枝には「指示をきかない」「経験」「能力」「教育」など,人に関する小骨が並んでおり,これは「作業者」の観点にあたります。
答え:1 ア:工程 イ:施工 ウ:作業者
特性要因図は,大骨に並ぶ小骨の内容(納期・段取りなら工程,墨出し・加工なら施工,経験・教育なら作業者)を丁寧に読み取ることで,ア・イ・ウがどの観点の大骨かを判断できます。
No.43
施工管理法市街地における新築工事現場の仮設計画立案のための現地調査の確認事項として,最も重要度が低いものはどれか。
- 1.近隣の道路と交通状況及び隣地の状況
- 2.仮囲い,現場事務所,守衛所等の予定位置
- 3.所轄の警察署,消防署及び労災指定病院の位置
- 4.配電線,通信線,給排水管等の状況及び計画引込予定位置
正解:3
解説
考え方
市街地における新築工事現場の仮設計画を立てる際の現地調査では,近隣の道路状況・交通状況・隣地の状況(工事車両の出入り経路や近隣への影響を検討するため),仮囲い・現場事務所・守衛所等の予定位置(敷地内のレイアウトを検討するため),配電線・通信線・給排水管等の状況及び計画引込予定位置(仮設電源や仮設水道の引込計画を立てるため)は,いずれも仮設計画の立案に直結する重要な確認事項です。
一方,所轄の警察署・消防署及び労災指定病院の位置は,工事中の事故・災害発生時の対応(緊急連絡や搬送先の把握)のために確認しておくべき情報ではありますが,仮設計画(仮囲いや仮設事務所の配置,仮設引込みなど)そのものを立案するための現地調査事項としては,他の3つに比べて重要度が低い(直接の設計要素ではない)と位置づけられます。
答え:3 所轄の警察署,消防署及び労災指定病院の位置
仮設計画の現地調査は「仮設物や引込みをどう配置するか」に直結する情報(道路状況・隣地状況・予定位置・埋設インフラ)が中心で,警察署・消防署・病院の位置は防災体制構築のための確認事項という,やや性質の異なる情報である点を区別しておきましょう。
No.44
施工管理法新築事務所ビルの電気工事における総合工程表の作成に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.諸官庁への書類の作成を計画的に進めるため,提出予定時期を記入する。
- 2.工程的に動かせない作業がある場合は,それを中心に他の作業との関連性をふまえ計画する。
- 3.関連する建築工程を記入して,電気工事との関連性がわかるようにする。
- 4.仕上げ工事など各種の工事が集中する時期は,各作業を詳細に記入する。
正解:4
解説
考え方
新築事務所ビルの電気工事における総合工程表の作成にあたっては,諸官庁への届出書類の提出予定時期を記入して計画的に進められるようにすること,工程的に動かせない作業(キーとなる工程)を中心に他の作業との関連性を踏まえて計画すること,関連する建築工程を記入して電気工事との関連性が分かるようにすることが基本です。
一方,仕上げ工事など各種の工事が集中する時期(工程の後半で複数職種が輻輳する時期)については,総合工程表はあくまで工事全体を俯瞰する工程表であるため,詳細な作業内容まで書き込みすぎるとかえって見づらくなります。この時期の詳細な調整は,総合工程表とは別に作成する詳細工程表(部分工程表)で行うのが一般的で,「各作業を詳細に記入する」という記述は総合工程表の役割・性質にそぐわず不適当です。
答え:4 仕上げ工事など各種の工事が集中する時期は,各作業を詳細に記入する。
総合工程表は「工事全体の大きな流れと関連性を俯瞰する」ための工程表であり,工事が輻輳する時期の詳細な調整は別途の詳細工程表に委ねる,という役割分担を意識しておきましょう。
No.45
施工管理法高圧電路の絶縁性能の試験(絶縁耐力試験)に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる語句として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,適当なものはどれか。「最大使用電圧の[ ]の交流試験電圧を,電路と大地との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有すること。」
- 1.1.1 倍
- 2.1.25 倍
- 3.1.5 倍
- 4.2.0 倍
正解:3
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」第15条等では,電路の絶縁性能を確認するための絶縁耐力試験について,電路の区分(電圧の区分や中性点接地方式など)ごとに試験電圧の倍率と印加時間が定められています。高圧電路(最大使用電圧7000 V以下の電路)については,最大使用電圧の1.5倍の交流試験電圧を,電路と大地との間に連続して10分間加えたとき,これに耐える性能を有することとされています。
答え:3 1.5 倍
高圧電路の絶縁耐力試験は「最大使用電圧の1.5倍を10分間」という数値をセットで覚えておきましょう。電路の区分によって倍率が異なる(最大使用電圧7000 Vを超え60000 V以下の電路などでは異なる倍率が用いられる)ため,問題文の電圧区分を必ず確認することが大切です。
No.46
施工管理法明り掘削の作業における,労働者の危険を防止するための措置に関する記述として,「労働安全衛生法」上,不適当なものはどれか。
- 1.地中電線路を損壊するおそれがあったので,掘削機械を使用せず手掘りで掘削した。
- 2.要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用について,地山の掘削作業主任者が監視した。
- 3.土止め支保工を設けたので,設置後7日ごとに点検した。
- 4.掘削面の高さが5 m以上の砂からなる地山を手掘りで掘削するので,掘削面のこう配を60度とした。
正解:4
解説
考え方
明り掘削の作業における労働者の危険防止措置は,「労働安全衛生法」(労働安全衛生規則)で細かく定められています。地中電線路など埋設物を損壊するおそれがある場合に掘削機械の使用を避けて手掘りとすること,要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を地山の掘削作業主任者が監視すること,土止め支保工を設けた場合は設置後7日を超えない期間ごとに点検することは,いずれも規定に沿った適切な措置です。
一方,手掘りで掘削する場合の地山の掘削面のこう配の基準は,地山の種類・掘削面の高さによって細かく定められており,砂からなる地山では,掘削面のこう配は35度以下(または掘削面の高さ5 m未満)とすることとされています。設問の「掘削面の高さが5 m以上の砂からなる地山」で「こう配を60度とした」という記述は,基準(35度以下)を大きく超えており,労働者の危険を防止する措置として不適当です。
答え:4 掘削面の高さが5 m以上の砂からなる地山を手掘りで掘削するので,掘削面のこう配を60度とした。
地山の掘削面のこう配基準は,地山の種類(岩盤・堅い粘土/その他の地山/砂/発破等で崩壕しやすい状態の地山)ごとに数値が異なるため,「砂は35度以下」という基準を押さえておきましょう。
No.47
施工管理法ガス溶接等の業務に使用する溶解アセチレンの容器の取扱いに関する記述として,「労働安全衛生法」上,不適当なものはどれか。
- 1.気密性のある場所に貯蔵すること。
- 2.使用前又は使用中の容器とこれら以外の容器との区別を明らかにしておくこと。
- 3.容器の温度を40 ℃以下に保つこと。
- 4.運搬するときは,キャップを施すこと。
正解:1
解説
考え方
ガス溶接等の業務に使用する溶解アセチレンの容器の取扱いについて,「労働安全衛生法」(労働安全衛生規則)では,使用前・使用中の容器とそれ以外の容器との区別を明らかにしておくこと,容器の温度を40 ℃以下に保つこと,運搬時にはキャップを施すことなどが定められています。
一方,可燃性ガスであるアセチレンを貯蔵する場所は,ガスが漏えいした場合に滞留して爆発・火災の危険が高まることを避けるため,通気・換気のよい場所とすることが求められています。「気密性のある場所に貯蔵すること」という記述は,換気の悪い密閉空間にガスを貯蔵することになり,労働者の危険を防止する措置として不適当です。
答え:1 気密性のある場所に貯蔵すること。
可燃性ガスの容器は「気密な場所」ではなく「通気・換気のよい場所」に置くのが原則です。密閉すると漏えい時にガスが滞留し,爆発・中毒の危険が高まる点を押さえておきましょう。
No.48
施工管理法ディーゼル発電設備の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.燃料小出槽の通気管の先端は,地上 4 m以上の高さとし,窓の開口部から 1 m以上離隔した。
- 2.主燃料タンクが燃料小出槽より高い場所にあったので,燃料給油管の主燃料タンクの直近に緊急遮断弁を設けた。
- 3.共通台板が振動するため,耐震ストッパを省略し,防振装置を用いて基礎に取り付けた。
- 4.発電機と接続するケーブルには,十分に余長をもたせて,ケーブルに張力がかからないようにした。
正解:3
解説
考え方
ディーゼル発電設備の施工に関する留意事項として,燃料小出槽の通気管の先端は,屋外の安全な位置(地上4 m以上の高さ,窓等の開口部から1 m以上離すなど)に設けること,発電機と接続するケーブルには十分な余長を持たせて張力がかからないようにすることは,いずれも適切な施工内容です。
一方,主燃料タンクが燃料小出槽より高い場所にある場合,主燃料タンク側の圧力(水頭圧)によって燃料が意図せず流れ込み続けるおそれがあるため,燃料給油管の主燃料タンク直近に緊急遮断弁を設けることは適切な措置です。これに対し,発電機と共通台板が振動する場合の対策としては,防振装置を設けて振動を吸収するとともに,過大な変位を防ぐための耐震ストッパを併用するのが基本であり,「耐震ストッパを省略」することは地震時の機器の移動・転倒を防止する観点から不適当です。
答え:3 共通台板が振動するため,耐震ストッパを省略し,防振装置を用いて基礎に取り付けた。
防振装置は平常時の振動を吸収する役割,耐震ストッパは地震時の過大な変位・転倒を防ぐ役割と,目的が異なります。防振装置を設けたからといって耐震ストッパを省略してよいわけではない点に注意しましょう。
No.49
施工管理法架空配電線路の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.配電用避雷器を区分開閉器の近くに取り付けた。
- 2.高圧配電線の短絡保護のため,過電圧継電器を施設した。
- 3.高圧架空電線路の電線と支持物を絶縁するため,中実がいしを使用した。
- 4.単相3線式の低圧配電線路の不平衡を防ぐため,線路の末端にバランサを取り付けた。
正解:2
解説
考え方
架空配電線路の施工に関する事項として,配電用避雷器を区分開閉器の近くに取り付けること(避雷器の効果を発揮させるため保護対象の近くに設置する),高圧架空電線路の電線と支持物を絶縁するために中実がいしを使用すること,単相3線式の低圧配電線路の不平衡を防ぐために線路末端にバランサを取り付けることは,いずれも適切な施工内容です。
一方,高圧配電線の短絡事故を検出して保護する継電器は,電流の異常な増加を検出する過電流継電器(OCR)です。過電圧継電器(OVR)は,電圧の異常な上昇を検出して動作する継電器であり,短絡保護には適していません。「短絡保護のため,過電圧継電器を施設した」という記述は,保護目的と継電器の種類が対応しておらず不適当です。
答え:2 高圧配電線の短絡保護のため,過電圧継電器を施設した。
短絡事故は電流が急増する現象なので保護には過電流継電器,地絡事故は電圧・電流のアンバランスや零相電圧・電流を検出する継電器(地絡過電圧継電器・地絡方向継電器など)を用いる,という対応関係を押さえておきましょう。
No.50
施工管理法合成樹脂管配線(PF管,CD管)に関する記述として,「内線規程」上,最も不適当なものはどれか。
- 1.点検できない隠ぺい場所に,PF管を使用した。
- 2.建物の強度を減少させないように,コンクリート内の集中配管をさけた。
- 3.乾燥した場所に,CD管を露出配管した。
- 4.管相互の接続は,カップリングを使用した。
正解:3
解説
考え方
合成樹脂管配線(PF管・CD管)に関する「内線規程」上の留意事項として,点検できない隠ぺい場所へのPF管の使用,コンクリート内での集中配管を避けて建物の強度低下を防ぐこと,管相互の接続にカップリングを使用することは,いずれも適切な施工内容です。
一方,CD管(コンクリート埋込専用の合成樹脂製可とう電線管)は,直接コンクリートに埋め込んで使用することを前提とした管で,強度や耐候性の面から露出配管や地中埋設(直接埋設)には使用できないとされています。「乾燥した場所に,CD管を露出配管した」という記述は,CD管の使用条件(コンクリート埋込み専用)に反しており不適当です。
答え:3 乾燥した場所に,CD管を露出配管した。
CD管は表面に「CD」の表示があり,コンクリート埋込み専用として扱われる点がPF管との大きな違いです。露出配管や隠ぺい配管(コンクリート埋込み以外)にはPF管を用いる,という区別を押さえておきましょう。
No.51
施工管理法次の図に示す,交流電化区間の電車線路標準構造において,部材アとイの名称の組合せとして,適当なものはどれか。

- 1.ア:腕金 イ:アームタイ
- 2.ア:腕金 イ:ハンガ
- 3.ア:可動ブラケット イ:ハンガ
- 4.ア:可動ブラケット イ:アームタイ
正解:3
解説
考え方
図は交流電化区間における電車線路の標準的な構造を示した斜視図です。コンクリート柱から水平に張り出し,ちょう架線・トロリ線を所定の位置に支持するための構造体がアの部分にあたり,トロリ線の位置(偏いや高さ)を調整できるよう可動式になっていることから可動ブラケットと呼ばれます。
一方,ちょう架線からトロリ線を一定の間隔で吊り下げて支持する短い金具がイの部分にあたり,これをハンガといいます。ちょう架線の高さとトロリ線の高さの差をハンガが埋めることで,トロリ線をほぼ一定の高さに保つ構造になっています。
腕金は電線を横に張り出して支持する腕状の金具,アームタイは腕金やブラケットを補強する斜め材のことをいい,いずれも図のア・イが示す部材とは役割が異なります。
答え:3 ア:可動ブラケット イ:ハンガ
「コンクリート柱から張り出してトロリ線の位置を支える構造体=可動ブラケット」「ちょう架線からトロリ線を吊り下げる金具=ハンガ」という役割の違いで区別しておきましょう。
No.52
施工管理法情報通信設備の屋内配線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.構内情報通信網設備の配線に,耐燃性ポリオレフィンシース カテゴリ6 UTPケーブル(ECO−UTP−CAT6/F)を使用した。
- 2.電話設備の幹線に,EM−構内ケーブル(ECO−TKEE/F)を使用した。
- 3.保守用インターホン設備の配線に,着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)を使用した。
- 4.非常放送設備のスピーカ配線に,警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AE)を使用した。
正解:4
解説
考え方
情報通信設備の屋内配線に使用するケーブルは,用途ごとに適したものが選定されます。構内情報通信網(LAN)設備の配線に耐燃性ポリオレフィンシースのカテゴリ6 UTPケーブルを使用すること,電話設備の幹線にEM-構内ケーブルを使用すること,保守用インターホン設備の配線に着色識別ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(FCPEV)を使用することは,いずれも各設備に適したケーブルの選定であり適切です。
一方,警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AEケーブル)は,主に自動火災報知設備など,微弱な信号を扱う警報回路の配線に用いられるケーブルです。非常放送設備のスピーカ配線は,音声信号を確実に伝送する必要があり,AEケーブルではなく,耐熱性を備えた専用の音響用ケーブル(EM-耐熱電線など,消防法令や関連規格に適合したもの)を使用するのが適切とされ,「非常放送設備のスピーカ配線にAEケーブルを使用した」という記述は不適当です。
答え:4 非常放送設備のスピーカ配線に,警報用ポリエチレン絶縁ケーブル(AE)を使用した。
AEケーブルは「自動火災報知設備の警報回路向け」のケーブルという位置づけで覚え,非常放送設備のスピーカ配線には別途,耐熱性を備えた専用ケーブルを用いる点を区別しておきましょう。
No.53
法規建設業の許可に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.建設業の許可は,一般建設業と特定建設業の別に区分して与えられる。
- 2.電気工事業と建築工事業の許可を受けた建設業者は,一の営業所において両方の営業を行うことができる。
- 3.建設業を営もうとする者は,一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- 4.建設業を営もうとする者は,政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う者を除き,建設業法に基づく許可を受けなければならない。
正解:3
解説
考え方
「建設業法」上,建設業の許可は,一般建設業と特定建設業の区分で与えられ,電気工事業と建築工事業のように複数の建設業許可を受けた建設業者は,一の営業所において両方の営業を行うことができます。また,建設業を営もうとする者は,政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き,建設業法に基づく許可を受けなければなりません。これらは正しい記述です。
一方,建設業の許可は,営業所の設置状況によって知事許可・大臣許可のいずれが必要かが決まります。1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業する場合は,その営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可(知事許可)で足り,国土交通大臣の許可が必要になるのは,2つ以上の都道府県に営業所を設けて営業する場合です。「一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない」という記述は,知事許可で足りる場合を大臣許可が必要と誤って説明しており,誤りです。
答え:3 建設業を営もうとする者は,一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合は,国土交通大臣の許可を受けなければならない。
「1つの都道府県内だけに営業所=知事許可」「2つ以上の都道府県に営業所=大臣許可」という区分をセットで覚えておきましょう。
No.54
法規建設工事の請負契約に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.建設業者は,下請負人の承諾を得た場合は,その請け負った建設工事を一括して下請負人に請け負わせることができる。
- 2.建設工事の請負契約の当事者は,契約の締結に際して,工事内容等の事項を書面に記載し,相互に交付しなければならない。
- 3.建設業者は,建設工事の注文者から請求があったときは,請負契約が成立するまでの間に,建設工事の見積書を交付しなければならない。
- 4.建設工事の請負契約の当事者は,各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し,これを履行しなければならない。
正解:1
解説
考え方
「建設業法」上,建設工事の請負契約の当事者は,契約の締結に際して,工事内容等の必要事項を書面に記載し,相互に交付しなければなりません。建設業者は,注文者から請求があったときは,請負契約が成立するまでの間に見積書を交付しなければならず,請負契約の当事者は,対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し,これを履行しなければなりません。これらは正しい記述です。
一方,建設業者が請け負った建設工事を一括して他の者に請け負わせること(一括下請負)は,「建設業法」上,原則として禁止されています。この禁止は,たとえ下請負人の承諾を得たとしても解除されるものではなく,多くの場合,発注者(注文者)があらかじめ書面で承諾した場合に限り例外的に認められる仕組みになっています。「下請負人の承諾を得た場合は,一括して下請負人に請け負わせることができる」という記述は,承諾を得るべき相手(発注者)を取り違えており,誤りです。
答え:1 建設業者は,下請負人の承諾を得た場合は,その請け負った建設工事を一括して下請負人に請け負わせることができる。
一括下請負(丸投げ)は原則禁止で,例外的に認められるのは「下請負人」の承諾ではなく「発注者」があらかじめ書面で承諾した場合である,という点を混同しないようにしましょう。
No.55
法規一般用電気工作物に関する次の記述のうち,[ ]に当てはまる数値として,「電気事業法」上,正しいものはどれか。「小出力発電設備の電圧は,経済産業省令で定められており,[ ]V以下である。」
- 1.200
- 2.300
- 3.600
- 4.750
正解:3
解説
考え方
「電気事業法」上,一般用電気工作物として扱われるための要件の一つに,小出力発電設備の電圧に関する定めがあります。小出力発電設備の電圧は,経済産業省令で定められており,600 V以下であることとされています。
答え:3 600
一般用電気工作物の要件(600 V以下で受電する電気工作物であることや,小出力発電設備であることなど)は,電気事業法・電気関係報告規則等で細かく数値が定められているため,「600 V以下」という数値をそのまま覚えておくと,同種の空欄補充問題に対応しやすくなります。
No.56
法規電気工事に使用する機械,器具又は材料のうち,「電気用品安全法」上,電気用品として定められていないものはどれか。ただし,電気用品は防爆型のもの及び油入型のものを除くものとする。
- 1.600 V ビニル絶縁電線(5.5 mm²)
- 2.300 mm ×300 mm ×200 mm の金属製プルボックス
- 3.ねじなし電線管(E 31)
- 4.定格電圧 AC 125 V 15 A の配線器具
正解:2
解説
考え方
「電気用品安全法」では,電気工事に使用する機械・器具・材料のうち,一定の品目が「電気用品」として指定され,構造・使用方法等について技術基準への適合が求められます。600 Vビニル絶縁電線(5.5 mm²)は電線類として,ねじなし電線管(E31)は電線管類として,定格電圧AC 125 V・15 Aの配線器具はコンセントやスイッチ等の配線器具類として,いずれも電気用品に指定されています。
一方,金属製のプルボックス(配線を分岐・中継するための箱)は,電気用品安全法で定める電気用品の品目リストには含まれていません。プルボックスは配線の収納・保護のための金属製の箱にすぎず,電線・電線管・配線器具のように通電経路そのものを構成する部材ではないため,電気用品としての規制対象にはなっていません。
答え:2 300 mm ×300 mm ×200 mm の金属製プルボックス
電気用品安全法の対象品目は,電線・電線管・配線器具・小形単相変圧器など,あらかじめリストで定められた品目に限られます。プルボックスのような収納用の箱は,このリストに含まれていない点を覚えておきましょう。
No.57
法規一般用電気工作物に係る作業のうち,「電気工事士法」上,電気工事士でなくても従事できる作業はどれか。
- 1.電線管を曲げる作業
- 2.埋込型コンセントを取り換える作業
- 3.接地極を地面に埋設する作業
- 4.電力量計を取り付ける作業
正解:4
解説
考え方
「電気工事士法」上,一般用電気工作物に係る電気工事は,原則として電気工事士でなければ従事できませんが,政令(電気工事士法施行令)で定める軽微な工事については,電気工事士でなくても作業を行うことができます。軽微な工事には,電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付け,または取り外す作業が明確に列挙されています。
一方,電線管を曲げる作業,埋込型コンセントを取り換える作業,接地極を地面に埋設する作業は,いずれも一般用電気工作物の配線や接地系統に直接手を加える作業であり,感電・火災等の危険を伴うことから,電気工事士でなければ従事できない作業に該当します。
答え:4 電力量計を取り付ける作業
軽微な工事(電気工事士でなくても従事できる作業)は,電力量計・電流制限器・ヒューズの取付け・取り外しなど,あらかじめ政令で列挙された限られた作業だけです。配管の加工や器具の取換え,接地工事のような作業は,原則としてすべて電気工事士でなければ行えない点を押さえておきましょう。
No.58
法規電気工事業者が,一般用電気工事のみの業務を行う営業所に備えなければならない器具として,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,定められていないものはどれか。
- 1.低圧検電器
- 2.絶縁抵抗計
- 3.接地抵抗計
- 4.抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計
正解:1
解説
考え方
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,電気工事業者は,営業所ごとに,その業務内容(一般用電気工事のみか,自家用電気工事も行うか)に応じて,備えるべき器具が定められています。一般用電気工事のみの業務を行う営業所には,絶縁抵抗計,接地抵抗計,抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計(テスタ)を備えることが義務付けられています。
一方,低圧検電器は,自家用電気工事の業務を行う営業所に備えるべき器具として定められているもので,一般用電気工事のみの業務を行う営業所には備え付けの義務がありません。
答え:1 低圧検電器
備え付けるべき器具は,一般用電気工事のみの営業所(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計)と,自家用電気工事も行う営業所(これに加えて低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置なども必要)とで範囲が異なる点を区別しておきましょう。
No.59
法規建築設備として,「建築基準法」上,定められていないものはどれか。ただし,建築物に設けるものとする。
- 1.排煙設備
- 2.汚物処理の設備
- 3.防火戸
- 4.昇降機
正解:3
解説
考え方
「建築基準法」上,建築設備とは,建築物に設ける電気,ガス,給水,排水,換気,暖房,冷房,消火,排煙もしくは汚物処理の設備,または煙突,昇降機もしくは避雷針をいうと定義されています。排煙設備,汚物処理の設備,昇降機は,いずれもこの定義に含まれる建築設備です。
一方,防火戸は,火災の拡大を防ぐために設けられる防火区画の構成要素(建築物の部分としての防火設備)であり,「建築基準法」上の建築設備の定義(電気・ガス・給排水・換気・空調・消火・排煙・汚物処理の設備や煙突・昇降機・避雷針)には含まれません。防火戸は建築物本体を構成する防火区画の一部として扱われます。
答え:3 防火戸
建築設備は「建築物に付帯する設備(電気・ガス・給排水・昇降機など)」を指す概念で,防火戸のように建築物そのものの構造・区画を構成する部分とは区別される点を押さえておきましょう。
No.60
法規消防用設備等として,「消防法」上,定められていないものはどれか。
- 1.ガス漏れ火災警報設備
- 2.非常用の照明装置
- 3.避難はしご
- 4.漏電火災警報器
正解:2
解説
考え方
「消防法」上,消防用設備等は,消防の用に供する設備(消火設備・警報設備・避難設備),消防用水,消火活動上必要な施設に大別されます。ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器は警報設備に,避難はしごは避難設備(避難器具)に,非常用の照明装置は,実は「消防法」上の消防用設備等ではなく,「建築基準法」上の建築設備として定められているものです。
つまり,ガス漏れ火災警報設備,避難はしご,漏電火災警報器は,いずれも「消防法」上の消防用設備等に含まれる一方,非常用の照明装置は「建築基準法」で規定される設備であり,「消防法」上の消防用設備等には含まれません。
答え:2 非常用の照明装置
非常用の照明装置(建築基準法)と,非常警報設備・誘導灯(消防法)は,どちらも「非常時に必要な設備」ですが,根拠法令が異なる点に注意が必要です。誘導灯・誘導標識は消防法上の避難設備に含まれますが,非常用の照明装置は建築基準法上の建築設備として区別されます。
No.61
法規事業者が,遅滞なく,報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない場合として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.事業場で火災又は爆発の事故が発生したとき
- 2.ゴンドラのワイヤロープの切断の事故が発生したとき
- 3.つり上げ荷重が5 tの移動式クレーンの倒壊の事故が発生したとき
- 4.休業の日数が4日に満たない労働災害が発生したとき
正解:4
解説
考え方
「労働安全衛生法」上,事業者は,事業場で発生した一定の重大な事故や労働災害について,遅滞なく報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。事業場での火災・爆発の事故,ゴンドラのワイヤロープの切断事故,つり上げ荷重が5 tの移動式クレーンの倒壊事故は,いずれも労働者死傷病報告とは別に,事故の発生そのものについて遅滞なく報告すべき事故として定められています。
一方,労働災害により労働者が死亡し,または休業した場合の報告(労働者死傷病報告)については,休業の日数によって報告のタイミングが分かれており,休業日数が4日以上の場合は遅滞なく提出する必要がありますが,休業日数が4日に満たない場合は,四半期ごとにまとめて報告する取り扱いとなっており,「遅滞なく」提出しなければならない対象には該当しません。
答え:4 休業の日数が4日に満たない労働災害が発生したとき
労働者死傷病報告は「休業4日以上=遅滞なく報告」「休業4日未満=一定期間分をまとめて報告」という基準で区別されている点を押さえておきましょう。
No.62
法規労働者の健康管理等に関する記述として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.事業者は,健康診断の結果に基づき,健康診断個人票を作成して,これを5年間保存しなければならない。
- 2.事業者は,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し,その者に労働者の健康管理等を行わせなければならない。
- 3.事業者は,常時使用する労働者に対し,医師による定期健康診断を行う場合は,既往歴及び業務歴の調査を行わなければならない。
- 4.事業者は,中高年齢者については,心身の条件に応じて適正な配置を行なうように努めなければならない。
正解:2
解説
考え方
「労働安全衛生法」上,事業者は,健康診断の結果に基づき健康診断個人票を作成し,これを5年間保存しなければなりません。常時使用する労働者に対して医師による定期健康診断を行う場合は,既往歴及び業務歴の調査を行わなければならず,中高年齢者については,心身の条件に応じて適正な配置を行うよう努めなければなりません。これらは正しい記述です。
一方,産業医の選任義務は,常時50人以上の労働者を使用する事業場に課されるものであり,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場については,産業医の選任義務ではなく,衛生推進者(または安全衛生推進者)を選任して労働者の衛生管理等の一部を担当させる制度が設けられています。「常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し」という記述は,衛生推進者を選任すべき事業場規模を産業医選任の対象と誤って説明しており,定められていない内容です。
答え:2 事業者は,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場には,産業医を選任し,その者に労働者の健康管理等を行わせなければならない。
「常時50人以上=産業医の選任義務」「常時10人以上50人未満=衛生推進者等の選任義務」という事業場規模の区分を混同しないようにしましょう。
No.63
法規労働契約等に関する記述として,「労働基準法」上,誤っているものはどれか。
- 1.使用者は,労働契約の不履行について違約金を定めてはならない。
- 2.労働者は,労働契約で明示された労働条件が事実と相違する場合においては,即時に労働契約を解除することができる。
- 3.使用者は,満18才に満たない者を高さが5 m以上の場所で,墜落により危害を受けるおそれのあるところにおける業務に就かせてはならない。
- 4.使用者は,労働者が業務上負傷し,療養のために休業する期間が5年を経過した場合は,無条件で解雇することができる。
正解:4
解説
考え方
「労働基準法」上,使用者は労働契約の不履行について違約金を定めてはならず,労働者は,労働契約で明示された労働条件が事実と相違する場合,即時に労働契約を解除することができます。また,使用者は,満18才に満たない者を,高さが5 m以上の場所で墜落により危害を受けるおそれのある業務に就かせてはなりません。これらは正しい記述です。
一方,労働者が業務上負傷し,または疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は,使用者は原則としてその労働者を解雇してはならないと定められています(打切補償を支払った場合等の例外はあります)。「療養のために休業する期間が5年を経過した場合は,無条件で解雇することができる」という記述は,業務上災害による療養中の労働者を保護するこの規定の趣旨に反しており,誤りです。
答え:4 使用者は,労働者が業務上負傷し,療養のために休業する期間が5年を経過した場合は,無条件で解雇することができる。
業務上の傷病による療養中とその後30日間の解雇制限は,労働者保護の重要な規定です。「無条件で解雇できる」という言い切りは,打切補償など法定の例外要件を無視した誤った記述である点に注意しましょう。
No.64
法規分別解体等及び再資源化等を促進するため,特定建設資材として,「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上,定められていないものはどれか。
- 1.電線
- 2.アスファルト・コンクリート
- 3.木材
- 4.コンクリート
正解:1
解説
考え方
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)上,分別解体等及び再資源化等を促進すべき特定建設資材として,コンクリート,コンクリート及び鉄からなる建設資材,木材,アスファルト・コンクリートの4品目が政令で定められています。設問のアスファルト・コンクリート,木材,コンクリートは,いずれもこの特定建設資材に該当します。
一方,電線は,特定建設資材として政令で定められた4品目には含まれていません。電線は主に電気設備工事で発生する廃棄物ですが,建設リサイクル法が対象とする特定建設資材(コンクリート塊・アスファルト・コンクリート塊・建設発生木材など,大量に発生し再資源化の必要性が高い資材)には位置づけられていません。
答え:1 電線
特定建設資材は「コンクリート」「コンクリート及び鉄からなる建設資材」「木材」「アスファルト・コンクリート」の4品目に限定されている点を覚えておきましょう。電線をはじめ,これら以外の資材は特定建設資材には含まれません。
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