令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全89問】

全問題を正答・解説付きで掲載しています。

この試験は選択解答制です(全89問中60問を解答)。No.1〜6は必須、No.7〜12から4問、No.13〜44から14問、No.45〜52から5問、No.53〜54は必須、No.55〜60は必須(施工管理法の応用能力問題)、No.61〜67は必須、No.68〜76から6問、No.77〜89から10問を選択して解答します。

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No.1

電気工学

図に示す回路において,電圧 V=10 V を加えたとき,静電容量 C₁=2 μF,C₂=4 μF のコンデンサに蓄えられる合計のエネルギー W の値〔J〕として,正しいものはどれか。

No.1の図
  • 1.3×10⁻⁵ J
  • 2.6×10⁻⁵ J
  • 3.3×10⁻⁴ J
  • 4.6×10⁻⁴ J

正解:3

解説

考え方

図はコンデンサC₁=2 μFとC₂=4 μFを電圧Vの電源に並列に接続した回路です。並列接続では,各コンデンサに加わる電圧はどちらも電源電圧Vと等しくなります。コンデンサに蓄えられる静電エネルギーWは,静電容量Cと電圧Vを用いて次式で表されます。

W=(1/2)×C×V²

並列接続の合計エネルギーは,各コンデンサのエネルギーを個別に計算して足し合わせれば求められます(並列なので合成静電容量 C₁+C₂ を使って一括計算しても同じ結果になります)。

計算

C₁=2 μF=2×10⁻⁶ F,C₂=4 μF=4×10⁻⁶ F,V=10 Vとして,

W₁=(1/2)×2×10⁻⁶×10²=1×10⁻⁴ J

W₂=(1/2)×4×10⁻⁶×10²=2×10⁻⁴ J

W=W₁+W₂=1×10⁻⁴+2×10⁻⁴=3×10⁻⁴ J

(合成静電容量で計算する場合:C=C₁+C₂=6 μF,W=(1/2)×6×10⁻⁶×10²=3×10⁻⁴ J 同じ答えになります。)

答え:3 3×10⁻⁴ J

コンデンサのエネルギー公式W=(1/2)CV²は,並列・直列を問わず基本になる式です。並列接続では各コンデンサの電圧が電源電圧と等しいことを押さえておけば,個別計算でも合成静電容量での一括計算でも同じ答えにたどり着けます。

No.2

電気工学

図に示すスイッチSを投入したとき,環状鉄心の一次コイルの電流 i₁〔A〕が 0.1 ms の間に 0.4 A変化し,二次コイルに誘導起電力 e₂〔V〕が 2 V発生した。このときの相互インダクタンス M の値〔mH〕として,正しいものはどれか。ただし,漏れ磁束はないものとする。

No.2の図
  • 1.0.2 mH
  • 2.0.3 mH
  • 3.0.5 mH
  • 4.1.0 mH

正解:3

解説

考え方

図は環状鉄心に一次コイル(N₁巻,電流i₁)と二次コイル(N₂巻,起電力e₂)が共通の鉄心に巻かれ,相互インダクタンスMで結合している回路です。一次側のスイッチSを投入して電流i₁が変化すると,その変化に応じて二次コイルに誘導起電力e₂が生じます。この関係は次式で表されます。

e₂=M×(Δi₁/Δt)

ここでΔi₁は一次電流の変化量,Δtはその変化に要した時間です。この式をMについて解くと,

M=e₂×Δt/Δi₁

計算

e₂=2 V,Δi₁=0.4 A,Δt=0.1 ms=0.1×10⁻³ sとして,

M=2×(0.1×10⁻³)/0.4=(2×10⁻⁴)/0.4=0.5×10⁻³ H=0.5 mH

答え:3 0.5 mH

相互誘導起電力の式 e₂=M×(Δi₁/Δt) は,変圧器や変流器の動作原理そのものです。単位をmH・ms・Aで揃えてから計算する(あるいはSI単位に統一してから計算する)ことでケアレスミスを防げます。

No.3

電気工学

図に示す回路において,検流計の指示値が 0 となるとき,抵抗 R〔Ω〕とインダクタンス L〔mH〕の値の組合せとして,適当なものはどれか。ただし,相互インダクタンスは無視するものとする。

No.3の図
  • 1.R=10 Ω L=40 mH
  • 2.R=40 Ω L=40 mH
  • 3.R=60 Ω L=20 mH
  • 4.R=80 Ω L=80 mH

正解:2

解説

考え方

図は交流電源に接続されたブリッジ回路で,上の頂点から左下の頂点に向かう辺に20Ω,上の頂点から右下の頂点に向かう辺に抵抗R,左下の頂点から下の頂点に向かう辺に20mHのインダクタと40Ωの抵抗の直列,下の頂点から右下の頂点に向かう辺にインダクタLと80Ωの抵抗の直列が入っており,対角線上に検流計,もう一方の対角線上に電源が接続されています。

検流計の指示値が0(平衡状態)になるとき,ブリッジの隣り合う2辺どうしの比が,もう一方の隣り合う2辺どうしの比と等しくなるという条件(Z₁/Z₃=Z₂/Z₄)が成立します。ここでZ₁=20Ω,Z₂=R,Z₃=40Ω+jω×0.02H(20mH側の辺),Z₄=80Ω+jωL(L側の辺)です。

計算

平衡条件 Z₁×Z₄=Z₂×Z₃ より,

20×(80+jωL)=R×(40+jω×0.02)

実部(抵抗分)どうしを比較すると,

20×80=R×40 より R=(20×80)/40=40 Ω

虚部(リアクタンス分)どうしを比較すると,

20×ωL=R×ω×0.02 より 20×L=40×0.02=0.8

L=0.8/20=0.04 H=40 mH

答え:2 R=40Ω L=40mH

交流ブリッジの平衡条件は,直流のホイートストンブリッジと同じ「対辺の積が等しい」という関係を複素数(抵抗分とリアクタンス分)に拡張したものです。実部どうし・虚部どうしをそれぞれ独立に比較して連立させると,RとLの両方を求められます。

No.4

電気工学

図に示す最大目盛 100 mA の永久磁石可動コイル形電流計に 0.1 Ω の分流器 Rs を接続したとき,500 mA まで測定可能な電流計となった。電流計の内部抵抗 Ra の値〔Ω〕として,正しいものはどれか。

No.4の図
  • 1.0.025 Ω
  • 2.0.4 Ω
  • 3.0.5 Ω
  • 4.0.7 Ω

正解:2

解説

考え方

図は,最大目盛100 mAの電流計(内部抵抗Ra)に,分流器(抵抗Rs=0.1Ω)を並列に接続し,測定範囲を500 mAまで拡大する回路です。分流器は電流計と並列に接続され,測定電流の一部を分流器側に流すことで,電流計本体には定格の電流だけが流れるようにする仕組みです。

電流計と分流器は並列接続なので,両者にかかる電圧は等しくなります。電流計に流れる電流をIa(=100 mA,最大目盛),分流器に流れる電流をIs,全体の測定電流をI(=500 mA)とすると,

Is=I-Ia

Ra×Ia=Rs×Is(並列接続で電圧が等しい)

計算

Ia=100 mA=0.1 A,I=500 mAより,Is=500-100=400 mA=0.4 A

Ra×0.1=0.1×0.4

Ra=(0.1×0.4)/0.1=0.4Ω

答え:2 0.4Ω

分流器の計算は「電流計と分流器は並列=両端電圧が等しい」という関係がすべての出発点です。全体電流Iから電流計の定格電流Iaを引いた残りが分流器側の電流Isになる,という電流の分配関係も合わせて押さえておきましょう。

No.5

電気工学

定格電圧 6600 V,定格電流 500 A の三相同期発電機がある。無負荷で定格電圧を発生させるのに必要な界磁電流は 88 A であった。また,三相短絡試験における界磁電流と電機子電流との関係は,図のとおりである。この同期発電機の短絡比の値として,正しいものはどれか。

No.5の図
  • 1.0.9
  • 2.1.1
  • 3.3.0
  • 4.5.7

正解:2

解説

考え方

短絡比Kは,同期発電機の特性を表す重要な定数で,次式で定義されます。

短絡比K=(無負荷で定格電圧を発生させるために必要な界磁電流)/(三相短絡試験で定格電流と等しい短絡電流を流すために必要な界磁電流)

図の無負荷飽和曲線(磁化曲線)は,原点を通る直線として示されており,界磁電流If=80 Aのとき電機子電流(起電力に相当)Is=500 Aとなる関係が読み取れます。この直線関係を使って,定格電流500 Aを流すために必要な界磁電流を求め,短絡比の分母にあたる値を計算します。

計算

図の直線関係より,If=80 Aのとき短絡電流Is=500 Aとなるので,定格電流500 A(=Is)を流すために必要な界磁電流は80 Aです。

短絡比K=(無負荷で定格電圧を発生させる界磁電流)/(定格電流相当の短絡電流を流す界磁電流)=88/80=1.1

答え:2 1.1

短絡比は「無負荷飽和曲線」と「三相短絡曲線」という2本のグラフから読み取った2つの界磁電流の比です。同期発電機では短絡比が大きいほど安定度が高く電圧変動率が小さい,という性質もあわせて覚えておくと関連問題にも対応しやすくなります。

No.6

電気工学

図に示すように有効電力 P が 1200 kW,力率 cosθ₁ が 0.6 の三相負荷がある。この負荷に並列に進相コンデンサを接続したところ,力率 cosθ₂ は 0.8 に改善された。このときの進相コンデンサの容量 Q の値〔kvar〕として,正しいものはどれか。

No.6の図
  • 1.240 kvar
  • 2.480 kvar
  • 3.700 kvar
  • 4.900 kvar

正解:3

解説

考え方

図は,有効電力P=1200 kWの三相負荷について,力率改善前(cosθ₁=0.6)と改善後(cosθ₂=0.8)の無効電力の差を示すベクトル図です。有効電力Pは変わらず,無効電力だけがコンデンサの働きで削減されるため,必要な進相コンデンサ容量Qは,改善前の無効電力Q₁と改善後の無効電力Q₂の差として求められます。

無効電力は,有効電力Pと力率角の関係から次式で求められます。

Q=P×tanθ=P×(sinθ/cosθ)

計算

cosθ₁=0.6のとき,sinθ₁=√(1-0.6²)=√0.64=0.8なので,

Q₁=P×(sinθ₁/cosθ₁)=1200×(0.8/0.6)=1600 kvar

cosθ₂=0.8のとき,sinθ₂=√(1-0.8²)=√0.36=0.6なので,

Q₂=P×(sinθ₂/cosθ₂)=1200×(0.6/0.8)=900 kvar

必要な進相コンデンサ容量は,

Q=Q₁-Q₂=1600-900=700 kvar

答え:3 700 kvar

力率改善の計算は「改善前の無効電力-改善後の無効電力=コンデンサ容量」という差分で求めるのが基本です。sinθをcosθから求める際は,sin²θ+cos²θ=1の関係(3-4-5や6-8-10の直角三角形比)を使うと素早く計算できます。

No.7

電気工学

原子力発電に用いる原子炉に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.冷却材は,核分裂によって発生した熱エネルギーを原子炉外に取り出すために使用される。
  • 2.減速材は,核分裂によって発生した高速中性子のエネルギーを衝突により奪い,熱中性子にするものである。
  • 3.高温ガス炉は,冷却材にヘリウムガスを用いる。
  • 4.加圧水型原子炉は,発電用の蒸気を原子炉の中で直接発生させる。

正解:4

解説

考え方

原子力発電に用いる原子炉の基本要素として,冷却材は核分裂で発生した熱エネルギーを原子炉外に取り出す役割を持ち,減速材は核分裂で生じる高速中性子を熱中性子まで減速させる役割を持ちます。高温ガス炉は,冷却材にヘリウムガスなど化学的に安定した気体を用いる炉型です。これらは正しい記述です。

一方,加圧水型原子炉(PWR)は,原子炉内の一次冷却水を高圧に保って沸騰させずに炉心を冷却し,その熱を蒸気発生器で二次系の水に伝えて蒸気を発生させる方式です。原子炉の中で直接蒸気を発生させるのは沸騰水型原子炉(BWR)の特徴であり,「加圧水型原子炉は,発電用の蒸気を原子炉の中で直接発生させる」という記述は実態と逆で最も不適当です。

答え:4 加圧水型原子炉は,発電用の蒸気を原子炉の中で直接発生させる。

「BWR=原子炉内で直接蒸気を作る」「PWR=蒸気発生器を介して間接的に蒸気を作る」という対比を覚えておくと,原子炉型式に関する設問全般に対応しやすくなります。

No.8

電気工学

変電所に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.密閉母線の種類には,ガス絶縁母線,固体絶縁母線などがある。
  • 2.二重母線は,環状母線に比べて系統運用上の自由度が少ないが,所要面積が少なくて済む。
  • 3.ガス絶縁変圧器は,不燃性ガスを絶縁に使用しており,地下変電所など屋内設置に適している。
  • 4.500 kV 変電所などで使用される大型の変圧器は,単相器の状態で輸送し,現地で三相器に組み立てる場合がある。

正解:2

解説

考え方

変電所の母線・機器に関する記述として,密閉母線にはガス絶縁母線・固体絶縁母線などの種類があること,ガス絶縁変圧器は不燃性ガスを絶縁に利用しており地下変電所など屋内設置に適していること,500 kV変電所などの大型変圧器は単相器の状態で輸送し現地で三相器に組み立てる場合があることは,いずれも正しい記述です。

一方,二重母線方式は,同じ役割の母線を2系統用意し,各回線をどちらの母線にも接続できるようにすることで,母線の点検・事故時にも系統運用を柔軟に切り替えられる方式です。環状母線(リング母線)と比較すると,二重母線は所要面積は大きくなりますが,系統運用上の自由度(母線切替の柔軟性)はむしろ高くなります。「環状母線に比べて系統運用上の自由度が少ないが,所要面積が少なくて済む」という記述は,二重母線の特徴と逆の内容であり不適当です。

答え:2 二重母線は,環状母線に比べて系統運用上の自由度が少ないが,所要面積が少なくて済む。

母線方式は「単母線(単純だが自由度低い)」「二重母線(自由度高いが面積大)」「環状母線(自由度は中程度で面積は抑えられる)」という特徴の違いを対比で覚えておくと判断しやすくなります。

No.9

電気工学

架空送電線に近接している通信線への電磁誘導電圧に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.送電線と通信線との平行する長さに反比例する。
  • 2.導電率の高い架空地線を設置すると小さくなる。
  • 3.送電線の地絡故障や各相の負荷電流の不平衡により発生する。
  • 4.各相と通信線との間の相互インダクタンスの不平衡により発生する。

正解:1

解説

考え方

架空送電線に近接する通信線への電磁誘導電圧は,送電線の地絡故障や各相の負荷電流の不平衡によって生じる磁束が,通信線と送電線各相との間の相互インダクタンスの不平衡を介して通信線に誘導電圧を生じさせる現象です。導電率の高い架空地線を設置すると,地絡電流の一部が架空地線に分流し,通信線側への誘導作用を打ち消す働きをするため,誘導電圧は小さくなります。これらは正しい記述です。

一方,電磁誘導電圧は,送電線と通信線が近接して平行する区間の長さに応じて大きくなる(誘導を受ける区間が長いほど誘導電圧の影響が積算的に大きくなる)関係にあり,「平行する長さに反比例する」という記述は実態と逆で最も不適当です。

答え:1 送電線と通信線との平行する長さに反比例する。

電磁誘導電圧は,平行区間が長いほど・地絡電流が大きいほど・相互インダクタンスの不平衡が大きいほど増大するという関係を押さえ,「反比例」ではなく「比例」的に効いてくる点を混同しないようにしましょう。

No.10

電気工学

架空送電線における,単導体方式と比較した多導体方式の特徴として,最も不適当なものはどれか。ただし,多導体の合計断面積は,単導体の断面積に等しいものとする。

  • 1.送電容量が小さい。
  • 2.静電容量が大きい。
  • 3.インダクタンスが小さい。
  • 4.風圧や氷雪荷重が大きい。

正解:1

解説

考え方

多導体方式は,1相あたりの電線を複数本(2本以上)に分割して間隔を空けて配置する方式で,単導体方式と比較すると,電線表面の電位傾度が緩和されてコロナ放電が抑制されるほか,静電容量が大きくインダクタンスが小さくなるという電気的特性を持ちます。インダクタンスが小さくなることは送電線のリアクタンスの低減につながり,送電容量(送れる電力)はむしろ単導体方式より大きくなります。「送電容量が小さい」という記述は実態と逆であり最も不適当です。

なお,多導体方式は電線の総表面積が単導体より大きくなるため風圧荷重や着雪・着氷による荷重も大きくなる点,静電容量が大きくインダクタンスが小さくなる点は,いずれも正しい特徴です。

答え:1 送電容量が小さい。

多導体方式は「静電容量大・インダクタンス小=送電容量が大きい」「コロナ放電の抑制」というメリットと引き換えに,「風圧・氷雪荷重が大きい」というデメリットを持つ,という表裏の関係を押さえておきましょう。

No.11

電気工学

一般事務室にて使用する LED 照明の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.点滅を頻繁に繰り返すと,寿命が短くなる。
  • 2.調光により減光しても,効率がほとんど変わらない。
  • 3.紫外線が少ないため,虫を寄せつけにくい。
  • 4.水銀を使用しておらず,環境にやさしい。

正解:1

解説

考え方

LED照明は半導体(発光ダイオード)による光源で,蛍光灯やHIDランプのような電極やフィラメントの消耗がありません。そのため点滅(オンオフ)を頻繁に繰り返しても寿命への影響が小さく,「点滅を頻繁に繰り返すと,寿命が短くなる」という記述はLEDの特徴として最も不適当です。頻繁な点滅で寿命が短くなるのは,むしろ蛍光灯など放電ランプの特徴です。

他の記述は正しい特徴です。調光により減光すると素子電流が減って発熱が抑えられるため,効率はほとんど低下せず(むしろ維持・向上しやすく),白熱灯のように効率が大きく落ちることはありません。紫外線の放射がほとんどないため虫を誘引しにくく,水銀を使用していないため廃棄時の環境負荷も小さいという特徴も正しい記述です。

答え:1 点滅を頻繁に繰り返すと,寿命が短くなる。

「点滅に弱く寿命が縮む」のは蛍光灯・HIDの特徴で,LEDは点滅に強いという対比を押さえておきましょう。低紫外線・水銀フリー・調光時も高効率というLEDの長所とあわせて整理しておくと関連問題に対応しやすくなります。

No.12

電気工学

三相かご形誘導電動機の始動に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.トップランナーモータは,始動電流が大きくなる傾向にある。
  • 2.Y-△始動法の始動時には,全電圧始動時の 1/3 の電流が流れる。
  • 3.Y-△始動法の始動時には,各相の固定子巻線に定格電圧の 1/3 の電圧が加わる。
  • 4.始動補償器による始動は,三相単巻変圧器のタップにより,始動時に低電圧を加える。

正解:3

解説

考え方

三相かご形誘導電動機の始動方式として,トップランナーモータ(高効率モータ)は二次抵抗が小さく設計される傾向があるため,始動電流は全電圧始動時に大きくなりやすいこと,始動補償器による始動は三相単巻変圧器のタップを使って始動時に低電圧を電動機に加える方式であることは,いずれも正しい記述です。

Y-Δ始動法は,始動時に固定子巻線をY(スター)結線にして電動機に加わる電圧を抑え,始動電流を小さくする方式です。Y結線では各相の巻線に加わる電圧は,Δ結線(全電圧・定格電圧)時の1/√3倍になります。「各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる」という記述は,正しい1/√3倍ではなく1/3倍としており誤りです。

なお,始動電流についてはY-Δ始動により全電圧始動時の1/3の電流に抑えられるという記述は正しい内容です(電流は電圧比の2乗,すなわち(1/√3)²=1/3で効いてくるため)。

答え:3 Y-Δ始動法の始動時には,各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。

Y-Δ始動は「電圧は1/√3倍」「電流・始動トルクは1/3倍」という異なる係数がかかる点を混同しないことが重要です。電圧の比と電流・トルクの比(電圧比の2乗で効く)を分けて覚えておきましょう。

No.13

電気設備

汽力発電所の設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.過熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し,熱効率を向上させる。
  • 2.節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラへの給水を加熱し,熱効率を向上させる。
  • 3.空気予熱器は,火炉に吹き込む燃焼用空気を,煙道を通る燃焼ガスで予熱する熱交換器である。
  • 4.給水加熱器は,タービンの途中から抽気した蒸気で,ボイラへの給水を加熱する。

正解:1

解説

考え方

汽力発電所のボイラ附属設備として,節炭器は煙道ガスの余熱でボイラ給水を加熱して熱効率を高める設備,空気予熱器は火炉に吹き込む燃焼用空気を煙道ガスで予熱する熱交換器,給水加熱器はタービン途中から抽気した蒸気でボイラ給水を加熱する設備であり,いずれも正しい記述です。

一方,「過熱器」は,ボイラ本体(蒸発部)で発生した飽和蒸気をさらに加熱して過熱蒸気にするための設備で,タービンに送る前の蒸気を加熱するものです。これに対し,高圧タービンで仕事をした後の蒸気を再びボイラに戻して加熱し,熱効率を向上させる設備は「再熱器」であり,過熱器とは別の設備です。「過熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し,熱効率を向上させる」という記述は,過熱器と再熱器の役割を取り違えており最も不適当です。

答え:1 過熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し,熱効率を向上させる。

「過熱器=タービンに送る前の蒸気を過熱」「再熱器=タービンで仕事をした後の蒸気を再加熱」という役割の違いを区別しておきましょう。節炭器・空気予熱器・給水加熱器とあわせて,ボイラ附属設備の役割をセットで整理すると効果的です。

No.14

電気設備

水力発電に用いる水車に関する次の記述のうち,□に当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。「ペルトン水車の(ア)内には,負荷に応じて使用流量を調整するための(イ)が設けられる。」

  • 1.(ア)ランナ(イ)ニードル弁
  • 2.(ア)ランナ(イ)吸出し管
  • 3.(ア)ノズル(イ)ニードル弁
  • 4.(ア)ノズル(イ)吸出し管

正解:3

解説

考え方

水車には,水の圧力エネルギーを直接羽根(ランナ)に作用させる衝動水車(ペルトン水車が代表)と,圧力エネルギーと速度エネルギーの両方を利用する反動水車(フランシス水車・プロペラ水車など)があります。

ペルトン水車は,高落差の水をノズルから噴射させ,その水の運動エネルギーでランナ(バケット)を回転させる構造です。負荷に応じて使用流量を調整する機構は,ランナ内ではなくノズル内に設けられており,ノズルの開度を調整するニードル弁がその役割を担います。したがって空欄には「(ア)ノズル」「(イ)ニードル弁」が入ります。

なお,吸出し管は反動水車(フランシス水車など)で使われる部材で,ランナを出た水の落差を有効利用するための管であり,ペルトン水車には用いられません。

答え:3 (ア)ノズル(イ)ニードル弁

ペルトン水車は「ノズル+ニードル弁で流量調整」,反動水車(フランシス水車など)は「ランナ+吸出し管」という構造の違いを対比で覚えておくと,水車の構造に関する設問全般に対応しやすくなります。

No.15

電気設備

電力系統の電圧を調整するために用いられる機器として,最も関係のないものはどれか。

  • 1.消弧リアクトル
  • 2.負荷時タップ切換変圧器
  • 3.同期調相機
  • 4.電力用コンデンサ

正解:1

解説

考え方

電力系統の電圧を調整するために用いられる代表的な機器には,負荷時タップ切換変圧器(負荷をかけたまま巻線タップを切り換えて電圧を調整),同期調相機(界磁電流を調整して進み・遅れ両方の無効電力を制御し電圧を調整),電力用コンデンサ(遅れ無効電力を補償して電圧降下を抑制)があり,これらはいずれも電圧調整に直接関係する機器です。

一方,消弧リアクトルは,中性点接地方式の一種である消弧リアクトル接地方式に用いられる機器で,1線地絡事故時に発生するアーク(地絡アーク)を自然に消弧させるため,対地静電容量と共振するリアクタンスを中性点と大地の間に挿入するものです。電圧そのものを調整する機器ではなく,地絡電流の抑制・アーク消弧を目的とした機器であるため,電圧調整機器としては最も関係が薄いといえます。

答え:1 消弧リアクトル

負荷時タップ切換変圧器・同期調相機・電力用コンデンサは「電圧・無効電力の調整」というグループでまとめ,消弧リアクトルは「中性点接地方式における地絡電流抑制・アーク消弧」という別の目的の機器として区別しておきましょう。

No.16

電気設備

送電線における再閉路方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.高速度再閉路方式では,1 秒以下で再閉路を行う。
  • 2.再閉路の目的の一つは,系統間の連系維持能力向上である。
  • 3.多相再閉路方式では,事故相に関わらず三相一括で遮断・再閉路する。
  • 4.遮断器はいったん開放されたのち,設定時間が経過してから自動的に投入される。

正解:3

解説

考え方

送電線の再閉路方式は,事故発生時にいったん遮断器を開放したのち,事故の性質(一時的なフラッシオーバか永久事故か)を見極めて自動的に再投入する方式です。高速度再閉路方式は,アークが消滅するのに十分でかつできるだけ短い時間(1秒以下)で再閉路を行う方式で,系統の安定度維持や連系維持能力の向上を目的としています。遮断器はいったん開放されたのち,設定時間(デッドタイム)が経過してから自動的に再投入されるという動作も基本どおりです。

一方,多相再閉路方式(選択多相再閉路方式)は,一線地絡事故など事故相が一部の相に限られる場合に,健全相はそのまま送電を継続し,事故相のみを選択して遮断・再閉路する方式です。「事故相に関わらず三相一括で遮断・再閉路する」というのは三相再閉路方式の説明であり,多相再閉路方式の特徴とは逆であるため,最も不適当です。

答え:3 多相再閉路方式では,事故相に関わらず三相一括で遮断・再閉路する。

「三相再閉路=事故相を問わず三相まとめて遮断・再閉路」「多相(選択多相)再閉路=事故相だけを選んで遮断・再閉路し,健全相は送電継続」という違いを区別しておくと,再閉路方式の設問全般に対応しやすくなります。

No.17

電気設備

電力系統の安定度を向上させるための対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.送電線の並列回線数を増やす。
  • 2.長距離送電線に中間開閉所を設置する。
  • 3.高リアクタンスの変圧器を採用する。
  • 4.系統電圧を高める。

正解:3

解説

考え方

電力系統の安定度(送電線が事故や負荷変動を受けても同期運転を維持できる度合い)を向上させる対策としては,送電線の並列回線数を増やして系統全体のリアクタンスを下げる,長距離送電線に中間開閉所を設置して事故時に区間を分割し送電継続範囲を確保する,系統電圧を高めて送電容量に対する電流を相対的に下げる,といった方法が代表的です。

一方,変圧器のリアクタンスを高くすることは,系統全体のインピーダンスを増加させ,送電できる電力の最大値(定態安定極限電力)を低下させる方向に働くため,安定度の向上策としては逆効果です。「高リアクタンスの変圧器を採用する」ことは安定度向上策として最も不適当です。

答え:3 高リアクタンスの変圧器を採用する。

電力系統の安定度は,送電できる最大電力が系統のリアクタンスに反比例する関係にあります。「リアクタンスを下げる(回線数を増やす・低リアクタンス機器を使う)」「電圧を上げる」「事故時の影響範囲を区切る(中間開閉所)」という3方向の対策をセットで覚えておきましょう。

No.18

電気設備

架空送電線路に関する次の記述に該当する現象として,最も適当なものはどれか。「多導体に固有のもので,風上側導体の後流によって風下側導体が不安定となるために起きる自励振動」

  • 1.スリートジャンプ
  • 2.コロナ振動
  • 3.ギャロッピング
  • 4.サブスパン振動

正解:4

解説

考え方

設問の記述「多導体に固有のもので,風上側導体の後流によって風下側導体が不安定となるために起きる自励振動」は,サブスパン振動の説明です。サブスパン振動は,多導体(1相を複数の素導体で構成した送電線)に特有の現象で,風上側の素導体を通過して乱れた気流(後流・ウェイク)が風下側の素導体に当たり,スペーサで区切られた区間(サブスパン)内で素導体が不安定に振動します。「多導体に固有」「後流によって風下側が不安定」というキーワードが決め手です。

他の選択肢は次の現象です。スリートジャンプは電線に付着した氷雪が落下した反動で電線が跳ね上がる現象,コロナ振動は電線表面のコロナ放電(の反力)に伴って生じる振動,ギャロッピングは着氷雪で電線断面が非対称になり,そこに風が当たって生じる大振幅・低周波の自励振動で,単導体でも発生します。いずれも「多導体固有+後流誘起」という条件には合いません。

答え:4 サブスパン振動

「多導体固有+後流(ウェイク)誘起」ならサブスパン振動,「着氷雪+大振幅・低周波」ならギャロッピングというように,発生条件で振動現象を区別しておくと選択肢の見分けがつきやすくなります。

No.19

電気設備

架空送電線の表皮効果に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.周波数が高いほど,表皮効果は小さくなる。
  • 2.抵抗率が小さいほど,表皮効果は大きくなる。
  • 3.表皮効果が小さいほど,電力損失が小さくなる。
  • 4.表皮効果が大きいほど,電線中心部の電流密度は小さくなる。

正解:1

解説

考え方

架空送電線に交流電流を流すと,導体中心部より表面付近に電流が集中しやすくなる表皮効果が生じます。表皮効果が大きいほど電線の実効的な断面積が小さくなったのと同じ状態になるため,電線の実効抵抗が増加し,電力損失も大きくなります。また,表皮効果が大きいほど,電線の中心部を流れる電流密度は表面付近に比べて小さくなります。

表皮効果の大きさは,周波数が高いほど,また導体の抵抗率が小さい(=導電率が高い)ほど大きくなるという関係があります。これは,周波数が高いほど交番磁束による逆起電力が中心部で強く働き,電流をより表面側へ押しやるためです。「周波数が高いほど,表皮効果は小さくなる」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。

答え:1 周波数が高いほど,表皮効果は小さくなる。

表皮効果は「周波数が高いほど」「導電率(導電性)が高いほど」大きくなり,表皮効果が大きいほど実効抵抗が増えて電力損失も増加する,という一連の因果関係をセットで押さえておきましょう。

No.20

電気設備

交流の地中送電線路に用いられるケーブルの充電電流の算出に,最も影響の少ないものはどれか。

  • 1.周波数
  • 2.線間電圧
  • 3.静電容量
  • 4.インダクタンス

正解:4

解説

考え方

地中送電線路に用いるケーブルは,導体と遮へい層(シース)との間に絶縁体が挟まれた構造を持つため,一種のコンデンサとして働き,負荷電流とは別に対地静電容量に起因する充電電流が常に流れます。この充電電流Icは,角周波数ω(=2πf,fは周波数),静電容量C,対地電圧(線間電圧に応じた値)Vを用いて,Ic=ωCV(=2πfCV)という式で求められます。

この式から分かるとおり,充電電流の大きさは周波数f,線間電圧V,静電容量Cの3つの量に直接比例します。一方,ケーブルのインダクタンスは,充電電流を求める式には含まれておらず,充電電流の算出への影響は他の3つの量に比べて小さいものです。

答え:4 インダクタンス

充電電流の式 Ic=2πfCV は「周波数・静電容量・電圧」の3要素で決まり,インダクタンスは含まれません。ケーブルは静電容量が大きいため充電電流が問題になりやすい,という背景と合わせて覚えておきましょう。

No.21

電気設備

送配電系統におけるフェランチ現象に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.電線路のこう長が長いほど著しい。
  • 2.受電端電圧が送電端電圧より高くなる。
  • 3.分路リアクトルを設置すると抑制できる。
  • 4.遅れ力率の負荷が多く使用されているときに発生しやすい。

正解:4

解説

考え方

フェランチ現象は,長距離の送電線・地中線路などで,電線路の静電容量(対地静電容量)が大きく,かつ流れる電流の遅れ無効分が小さい(あるいは進み電流が支配的な)軽負荷時に,受電端電圧が送電端電圧よりも高くなってしまう現象です。電線路のこう長(長さ)が長いほど静電容量が大きくなるため,フェランチ現象は著しくなります。対策としては,分路リアクトルを設置して進み無効電力(充電電流)を吸収することが有効です。

一方,フェランチ現象が発生しやすいのは,遅れ力率の負荷が多い(=重負荷で遅れ無効電力が大きい)ときではなく,逆に軽負荷で進み力率的な状態(充電電流の影響が相対的に大きくなる)のときです。「遅れ力率の負荷が多く使用されているときに発生しやすい」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。

答え:4 遅れ力率の負荷が多く使用されているときに発生しやすい。

フェランチ現象は「線路の静電容量が卓越する軽負荷時」に生じやすく,重負荷・遅れ力率のときはむしろ電圧降下(受電端電圧が下がる方向)が支配的になる点を対比して覚えておきましょう。

No.22

電気設備

架空送配電線路の塩害対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.アークホーンを取り付けた磁器製がいしを用いる。
  • 2.外被にシリコーンゴムを採用したポリマーがいしを用いる。
  • 3.懸垂がいしの連結個数を増加させ,対地間絶縁強度を上げる。
  • 4.沿面距離を長くとり耐電圧性能を向上させた深溝がいしを用いる。

正解:1

解説

考え方

架空送配電線路の塩害対策としては,懸垂がいしの連結個数を増加させて対地間の絶縁強度を上げる,外被にシリコーンゴムを用いたポリマーがいし(撥水性が高く塩分の付着・トラッキングを抑制する)を用いる,沿面距離を長くとった深溝がいし(表面の凹凸で沿面距離を稼ぎ耐電圧性能を高めたがいし)を用いるといった方法が代表的です。

一方,アークホーンは,雷等によるフラッシオーバ発生時にアークをがいしから離れた位置に誘導し,がいし本体の損傷を防ぐための金具であり,塩分の付着による絶縁低下(塩害)そのものへの対策ではありません。「アークホーンを取り付けた磁器製がいしを用いる」ことは塩害対策としては最も不適当です。

答え:1 アークホーンを取り付けた磁器製がいしを用いる。

ポリマーがいし・懸垂がいしの増連・深溝がいしは「塩害対策(絶縁強度・沿面距離の確保)」というグループ,アークホーンは「雷サージ・フラッシオーバ対策」という別グループに分類して区別しておきましょう。

No.23

電気設備

配電系統の保護に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.高圧配電線の地絡保護のため,地絡継電器を施設する。
  • 2.高圧配電線の短絡保護のため,過電圧継電器を施設する。
  • 3.高圧配電線の短絡保護のため,電路に過電流遮断器を施設する。
  • 4.高圧配電線の異相地絡保護のため,過電流継電器と地絡継電器を施設する。

正解:2

解説

考え方

配電系統の保護では,事故の種類(地絡・短絡・異相地絡)ごとに適切な保護継電器・保護機器を組み合わせます。高圧配電線の地絡保護には地絡継電器(地絡電流を検出して遮断器を動作させる),高圧配電線の短絡保護には電路に施設した過電流遮断器(過電流継電器と組み合わせた遮断器,またはヒューズ等)を用います。異相地絡(二相以上にまたがる地絡)の保護には,過電流継電器と地絡継電器を組み合わせて対応します。

一方,過電圧継電器は,電圧が異常に上昇した場合に動作する継電器であり,短絡事故(電流が異常に増大する事故)の検出には用いません。短絡保護には過電流を検出する過電流継電器・過電流遮断器を用いるのが原則で,「短絡保護のため,過電圧継電器を施設する」という記述は最も不適当です。

答え:2 高圧配電線の短絡保護のため,過電圧継電器を施設する。

短絡事故は電流の異常増大,地絡事故は地絡電流・地絡電圧の発生という現象の違いに対応して,短絡保護には過電流継電器(過電流遮断器),地絡保護には地絡継電器を用いる,という対応関係を押さえておきましょう。過電圧継電器は電圧異常上昇時の保護に用いるもので,短絡保護とは別物です。

No.24

電気設備

配電系統に発生する電圧フリッカの抑制対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.発生源への供給を専用の変圧器から行う。
  • 2.電線を太線化して電源側のインピーダンスを低減する。
  • 3.発生源の電源側に自動電圧調整器(SVR)を施設する。
  • 4.アーク炉用変圧器に直列に可飽和リアクトルを挿入する。

正解:3

解説

考え方

配電系統に生じる電圧フリッカ(電灯のちらつき)は,アーク炉のように短時間・不規則に大きく変動する負荷(変動負荷)が接続されることで生じます。抑制対策としては,発生源への供給を専用の変圧器から行い他の需要家への電圧変動の波及を防ぐ,電線を太線化するなどして電源側のインピーダンスを低減し同じ負荷変動に対する電圧変動幅そのものを小さくする,アーク炉用変圧器に直列に可飽和リアクトルを挿入して急激な電流変化を緩和する,といった方法が代表的で,いずれも有効な対策です。

一方,自動電圧調整器(SVR)は,配電線路のタップを切り換えることでゆるやかな電圧降下・電圧変動を補償する機器であり,動作に一定の時間(数秒〜数十秒オーダー)を要します。アーク炉などによる電圧フリッカは,数Hz〜十数Hz程度の周期で発生する急激で高速な電圧変動であるため,SVRの応答速度では追従できず,フリッカの抑制には効果がありません。「発生源の電源側に自動電圧調整器(SVR)を施設する」ことはフリッカ抑制対策としては最も不適当です。

答え:3 発生源の電源側に自動電圧調整器(SVR)を施設する。

SVRは「緩やかな電圧降下・電圧変動の補償」には有効ですが,「速い周期のフリッカ」には応答が追いつかないため無効という点がポイントです。フリッカ対策は,専用変圧器での分離・電源側インピーダンスの低減(太線化)・可飽和リアクトルによる電流変化の緩和という「変動そのものを小さくする・波及させない」方向の対策でまとめて覚えておきましょう。

No.25

電気設備

屋内全般照明の光束法による照度計算に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.保守率が小さいほど,照度は下がる。
  • 2.室指数が大きいほど,照度は下がる。
  • 3.天井面の反射率が小さいほど,照度は下がる。
  • 4.作業面から光源までの高さが高いほど,照度は下がる。

正解:2

解説

考え方

屋内全般照明における光束法の照度計算では,作業面の平均照度Eは次式で表されます。

E=(F×N×U×M)/A

ここでFは1灯あたりの光束,Nは灯数,Uは照明率,Mは保守率,Aは室の面積です。保守率Mは,照明器具の汚れやランプの光束低下を見込んだ係数で,値が小さいほど計算上の照度は下がります。照明率Uは,室指数(室の間口・奥行・天井高さの関係を表す指数)や内装(天井・壁・床)の反射率によって決まり,室指数が大きいほど,また天井面の反射率が大きいほど照明率は高くなり,照度は上がります。

このうち,「天井面の反射率が小さいほど,照度は下がる」という記述は,反射率が小さいほど照明率が下がり照度が下がるという関係と整合しており,正しい記述です。一方,「室指数が大きいほど,照度は下がる」という記述は誤りです。室指数が大きい(間口・奥行が広く天井が低い)ほど,光が壁面で吸収されずに作業面に届きやすくなるため照明率は高くなり,むしろ照度は上がる方向に働きます。「室指数が大きいほど,照度は下がる」というのは実態と逆であり,最も不適当です。

答え:2 室指数が大きいほど,照度は下がる。

光束法の式 E=FNUM/A において,Uは室指数が大きいほど大きくなる(照度が上がる)関係にある点に注意しましょう。保守率M・反射率(Uを通じて影響)は「小さいほど照度が下がる」,作業面から光源までの高さ(室指数を通じて影響)は「高いほど照度が下がる」という向きと,室指数そのものの向きを混同しないことがポイントです。

No.26

電気設備

屋外駐車場に施設するロードヒーティングに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.金属被覆に D 種接地工事を施した発熱シートを施設できる。
  • 2.発熱線に電気を供給する電路の対地電圧は,300 V 以下とする。
  • 3.金属被覆を有する発熱線を施設する場合は,発熱線の温度を 120 ℃ 以下とする。
  • 4.発熱線などの施工中,随時,導通試験及び絶縁抵抗測定を行わなければならない。

正解:1

解説

考え方

屋外駐車場などに施設するロードヒーティング(電熱式融雪設備)は,「電気設備の技術基準とその解釈」で定める発熱線施設の規定に従う必要があります。発熱線に電気を供給する電路の対地電圧は300 V以下とすること,金属被覆を有する発熱線を使用する場合はその発熱線の温度を80℃以下(コンクリートなどに埋め込んで施設する場合は120℃以下)とすること,発熱線などの施工中は随時,導通試験および絶縁抵抗測定を行うことが定められています。

一方,金属被覆を有する発熱線の金属被覆には,D種接地工事ではなくC種接地工事(使用電圧が300 V以下であっても,屋外の土中や道路に埋設する発熱線のように人が接触するおそれが高い施設には,より接地抵抗値の小さいC種相当の接地工事)を施すことが規定されています。「金属被覆にD種接地工事を施した発熱シートを施設できる」という記述は,本来必要とされる接地工事の種類と異なるため最も不適当です。

答え:1 金属被覆にD種接地工事を施した発熱シートを施設できる。

ロードヒーティングの発熱線は「対地電圧300 V以下」「コンクリート埋込み時120℃以下」「施工中は随時,導通試験・絶縁抵抗測定」という3点に加え,金属被覆の接地工事の種類(D種ではなくより厳しい種別)まで含めて条文どおりに押さえておく必要があります。

No.27

電気設備

三相 200 V の電動機回路に関する記述として,「内線規程」上,誤っているものはどれか。

  • 1.普通かご形電動機の定格出力が 3.7 kW なので,始動装置の使用を省略した。
  • 2.電動機回路に最大使用電流の約 150 % の定格目盛をもつ電動機用の普通目盛電流計を使用した。
  • 3.定格出力 0.2 kW の電動機の電源を,コンセントから供給したので手元開閉器を省略した。
  • 4.連続運転する単独の電動機の定格電流が 50 A 以下なので,その電線の許容電流を定格電流の 1.25 倍以上とした。

正解:2

解説

考え方

「内線規程」における三相200 Vの電動機回路の施設に関する規定を確認します。普通かご形電動機は,一定容量以下(一般に3.7 kW程度以下)であれば始動電流による影響が小さいため,始動装置(Y-Δ始動器など)の使用を省略できます。定格出力0.2 kW程度の小容量電動機をコンセントから電源供給する場合は手元開閉器を省略できます。連続運転する単独電動機で定格電流が50 A以下の場合,電線の許容電流は定格電流の1.25倍以上とすることが求められます。これらはいずれも内線規程の規定と整合する正しい記述です。

一方,電動機回路に用いる電流計は,始動電流のような一時的な過電流にも対応できるよう,最大使用電流(定格電流)に対してある程度の余裕を持たせた目盛の電流計を選定します。内線規程では,電動機用の電流計の定格目盛は最大使用電流(負荷電流)の約150 %程度とすることが望ましいとされていますが,これは「電動機用の特殊目盛電流計(最大目盛が定格電流の150〜200 %程度まで振れる専用品)」を用いることを想定したものです。「最大使用電流の約150 %の定格目盛をもつ電動機用の普通目盛電流計」という記述は,普通目盛電流計ではなく電動機用の特殊目盛電流計を使うべき場面であるため誤りです。

答え:2 電動機回路に最大使用電流の約150 %の定格目盛をもつ電動機用の普通目盛電流計を使用した。

電動機回路の電流計は,始動時の過電流に耐えられるよう定格目盛に余裕を持たせた「電動機用の特殊目盛電流計」を用いるのが内線規程上の原則です。「普通目盛電流計」ではこの余裕に対応できないため区別して覚えておきましょう。

No.28

電気設備

低圧幹線の短絡電流に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.電源側の変圧器のインピーダンスが小さいほど,短絡電流は大きくなる。
  • 2.電源側の変圧器から短絡点までのケーブルが長いほど,短絡電流は大きくなる。
  • 3.電源側の変圧器から短絡点までのケーブルの断面積が大きいほど,短絡電流は大きくなる。
  • 4.同一幹線に接続されている誘導電動機が発電機として作用し,短絡電流は瞬間的に大きくなる。

正解:2

解説

考え方

低圧幹線に生じる短絡電流の大きさは,電源(変圧器)から短絡点までの回路全体のインピーダンスによって決まります。電源側の変圧器のインピーダンスが小さいほど,回路全体のインピーダンスが小さくなるため短絡電流は大きくなります。同一幹線に接続されている誘導電動機は,短絡事故発生の瞬間には回転による慣性エネルギーを電気エネルギーに変換して発電機的に作用し,短絡電流を瞬間的に増大させる効果があります。これらは正しい記述です。

一方,電源側の変圧器から短絡点までのケーブルが長いほど,そのケーブル自体のインピーダンス(抵抗・リアクタンス)が大きくなるため,回路全体のインピーダンスが増加し,短絡電流はむしろ小さくなります。「電源側の変圧器から短絡点までのケーブルが長いほど,短絡電流は大きくなる」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。

答え:2 電源側の変圧器から短絡点までのケーブルが長いほど,短絡電流は大きくなる。

短絡電流は「回路全体のインピーダンスが小さいほど大きくなる」というオームの法則の考え方が基本です。ケーブルが長い(インピーダンスが大きい)ほど短絡電流は小さくなり,ケーブルの断面積が大きい(インピーダンスが小さい)ほど短絡電流は大きくなる,という向きを混同しないようにしましょう。

No.29

電気設備

キュービクル式高圧受電設備に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

  • 1.接地線及び接地母線は,裸の軟銅より線を使用する。ただし,接地母線には,銅帯を使用することができる。
  • 2.外部の接地工事に接続する接地端子は,外箱の扉を開いた状態で,漏電流を安全に測定できるように取り付ける。
  • 3.通気孔(換気口を含む。)は,小動物などの侵入を防止する処置として,直径 10 mm の丸棒が入るような孔又は隙間がないものとする。
  • 4.本体,屋根,扉及び囲い板は,JIS に規定する鋼板を用い,鋼板の厚さは,屋内用は標準厚さ 1.6 mm 以上,屋外用は標準厚さ 2.3 mm 以上とする。

正解:1

解説

考え方

キュービクル式高圧受電設備の構造は「日本産業規格(JIS C 4620)」で規定されています。誤っているのは選択肢イです。接地線及び接地母線は絶縁電線を使用することが規定されており,「裸の軟銅より線を使用する」という記述は適合しません(接地母線に銅帯を使用できる点自体は正しいですが,裸線を用いるという前半が誤りです)。

他の記述は規定どおりで正しい内容です。外部の接地工事に接続する接地端子は,外箱の扉を開いた状態で漏電流を安全に測定できるように取り付けること,通気孔(換気口を含む)は小動物などの侵入防止のため直径10 mmの丸棒が入るような孔又は隙間がない構造とすること,本体・屋根・扉・囲い板に用いる鋼板は屋内用で標準厚さ1.6 mm以上・屋外用で標準厚さ2.3 mm以上とすることは,いずれも正しい規定です。

答え:1 接地線及び接地母線は,裸の軟銅より線を使用する。ただし,接地母線には,銅帯を使用することができる。

接地線・接地母線は絶縁電線を用いる点,通気孔は直径10 mmの丸棒が入らない構造とする点,鋼板厚は屋内1.6 mm・屋外2.3 mm以上という数値を正確に押さえておきましょう。

No.30

電気設備

高圧受電用過電流継電器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.限時要素の動作電流の整定値は,変流器(CT)の定格一次電流に比例する。
  • 2.限時要素の動作時間の整定にあたっては,電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。
  • 3.瞬時要素の動作電流の整定値は,変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。
  • 4.瞬時要素は短絡保護用に適用され,限時要素は過負荷保護用に適用される。

正解:1

解説

考え方

高圧受電用の過電流継電器(OCR)には,短時間の大電流(短絡電流)に高速で動作する瞬時要素と,比較的小さな過電流に時間をかけて動作する限時要素の2つの要素があります。限時要素は主に過負荷保護,瞬時要素は主に短絡保護に用いられるという役割分担は基本どおりの正しい記述です。瞬時要素の動作電流の整定値は,変圧器の励磁突入電流(投入時の一時的な大電流)などで不必要に動作しないよう,突入電流を上回る値に設定します。限時要素の動作時間の整定にあたっては,上位(電力会社側)の配電用変電所の保護継電器との保護協調(事故区間だけを的確に切り離せるよう動作時間に段階差を設けること)を図ることも基本です。

一方,限時要素の動作電流の整定値は,実際の負荷電流や短絡電流の大きさをもとに決めるものであり,変流器(CT)の定格一次電流という機器の仕様値そのものに比例して自動的に決まるものではありません。整定値はCTの二次側に流れる電流(一次電流をCT比で換算した値)を基準に,保護したい実際の負荷条件・事故電流条件から個別に決定します。「限時要素の動作電流の整定値は,変流器(CT)の定格一次電流に比例する」という記述は,整定の考え方として最も不適当です。

答え:1 限時要素の動作電流の整定値は,変流器(CT)の定格一次電流に比例する。

OCRの整定値は,CTの仕様値に機械的に比例して決まるものではなく,実際の負荷電流・事故電流や上位系統との保護協調を踏まえて個別に決定するものである,という点を区別しておきましょう。

No.31

電気設備

図に示す 3回線スポットネットワーク受電方式において,ア〜ウに該当する機器の名称の組合せとして,適当なものはどれか。

No.31の図
  • 1.(図参照)
  • 2.(図参照)
  • 3.(図参照)
  • 4.(図参照)

正解:3

解説

考え方

図は3回線スポットネットワーク受電方式の単線結線図です。この方式は,複数(通常2〜3回線)の高圧配電線から個別にネットワーク変圧器を経由して受電し,二次側の低圧ネットワーク母線で並列に接続することで,1回線が停止しても他の回線から無停電で受電を継続できる高い信頼性を持つ受電方式です。

図のア(ネットワーク変圧器の一次側)には,回線側の保守・点検時に電路を開放するための断路器を設けます。ネットワーク変圧器の二次側からプロテクタ(保護装置一式)が構成されており,図のイにはネットワーク変圧器の二次側に生じる過電流を保護するプロテクタヒューズ,図のウにはネットワーク母線への電力の逆流(他回線からの逆送電力)を検出して自動的に開放するプロテクタ遮断器(低圧側で電力の方向を監視し,逆電力時に開放する自動化された遮断器)を設けます。

答え:3 ア:断路器 イ:プロテクタヒューズ ウ:プロテクタ遮断器

スポットネットワーク方式は「一次側に断路器」「二次側にプロテクタヒューズ(過電流保護)とプロテクタ遮断器(逆電力検出で自動的に開放)」という機器構成をセットで覚えておくと,ア・イ・ウの並び順を問う設問に対応しやすくなります。

No.32

電気設備

自家用発電設備におけるガスタービン発電装置と比較したディーゼル発電装置の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,定格出力は同一であるものとする。

  • 1.燃料消費率が低い。
  • 2.燃焼用空気量が少ない。
  • 3.発生する窒素酸化物の濃度が低い。
  • 4.冷却水が必要である。

正解:3

解説

考え方

自家用発電設備におけるディーゼル発電装置とガスタービン発電装置を,定格出力が同一の条件で比較すると,特徴の違いがいくつかあります。ディーゼル発電装置は,燃料を圧縮・自己着火させて動力を得る往復動機関であり,ガスタービン発電装置(連続的に大量の空気を吸い込んで燃焼させ,タービンを回す機関)と比べて,同じ出力を得るのに必要な燃焼用空気量が少なく,燃料消費率(燃料効率)も低い(少ない燃料で同じ出力が得られる)という特徴があります。また,ディーゼル発電装置は,シリンダやピストンを冷却するための冷却水が必要になる点もガスタービンとの違いです。

一方,窒素酸化物(NOx)の発生については,ディーゼル発電装置は燃焼温度が高く圧縮比が大きいため,同一出力のガスタービン発電装置と比べて発生する窒素酸化物の濃度がむしろ高くなる傾向があります。「発生する窒素酸化物の濃度が低い」という記述は実態と逆であり,最も不適当です。

答え:3 発生する窒素酸化物の濃度が低い。

ディーゼル発電装置は「燃料消費率が低い(効率が良い)」「燃焼用空気量が少ない」「冷却水が必要」という特徴を持つ一方,燃焼温度・圧縮比が高いことから窒素酸化物の発生濃度はガスタービンより高くなりやすい,という対比で覚えておきましょう。

No.33

電気設備

コージェネレーションシステム(CGS)に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

  • 1.コンバインドサイクルとは,高温の熱機関サイクルと低温の熱機関サイクルとを直列に組み合わせたサイクルのことである。
  • 2.ピークカット運転とは,発電機の過負荷停止を避けるために,発電機容量に見合った負荷以外を遮断する方式である。
  • 3.電力負荷追従運転とは,電力需要を基準に CGS を運転する運転制御方式である。
  • 4.熱電比とは,建物又は施設の熱需要を電力需要で除した値である。

正解:2

解説

考え方

コージェネレーションシステム(CGS,熱電併給システム)に関する用語の定義をJISに沿って確認します。誤っているのは選択肢ロです。ピークカット運転とは,電力需要のピーク時間帯にCGSを運転して受電電力(買電)のピークを抑える運転方式です。「発電機の過負荷停止を避けるために,発電機容量に見合った負荷以外を遮断する方式」という記述は,発電機保護のための負荷遮断(ロードシェディング)に近い説明であり,ピークカット運転の定義としては誤りです。

他の記述は正しい定義です。コンバインドサイクルは,ガスタービンなど高温側の熱機関サイクルと,蒸気タービンなど低温側の熱機関サイクルとを直列に組み合わせたサイクルです。電力負荷追従運転は,電力需要を基準にCGSの出力を調整する運転制御方式です。熱電比は,建物又は施設の熱需要を電力需要で除した値で,これも正しい定義です。

答え:2 ピークカット運転とは,発電機の過負荷停止を避けるために,発電機容量に見合った負荷以外を遮断する方式である。

ピークカット運転は「受電電力のピークを抑えるためにCGSを運転する」ことであって,発電機保護のための負荷遮断ではない点を区別しておきましょう。熱電比=熱需要÷電力需要という定義もあわせて押さえておくと得点源になります。

No.34

電気設備

高圧受電設備において,変圧器の高圧側電路の 1 線地絡電流が 10 A であるとき,B 種接地工事の接地抵抗値の最大値〔Ω〕として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,正しいものはどれか。ただし,高圧側の電路には低圧側の電路との混触時に 1 秒以下で自動的に遮断する装置が施設されているものとする。

  • 1.10 Ω
  • 2.15 Ω
  • 3.30 Ω
  • 4.60 Ω

正解:4

解説

考え方

高圧受電設備において,変圧器のB種接地工事の接地抵抗値の最大値は,「電気設備の技術基準とその解釈」上,高圧側電路の1線地絡電流Ig〔A〕を用いて次式で求められます。

R=150/Ig〔Ω〕

ただし,高圧側の電路に,低圧側の電路との混触時に1秒を超え2秒以下で自動的に遮断する装置を設けている場合は300/Ig,1秒以下で自動的に遮断する装置を設けている場合は600/Igを用いることができます。本問では,1秒以下で自動的に遮断する装置が施設されているため,600/Igの式を用います。

計算

Ig=10 Aとして,

R=600/10=60 Ω

答え:4 60 Ω

B種接地工事の接地抵抗値は,基本の150/Igに対して,混触時の自動遮断装置の動作時間(1秒以下か,1秒超2秒以下か)に応じて600/Ig,300/Igへと緩和される仕組みになっています。本問のように遮断時間の条件が示されたら,どの倍数(150・300・600)を使うべきかをまず確認しましょう。

No.35

電気設備

需要場所に施設する高圧地中電線路に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

  • 1.管路は,内面,接続部及び端部にケーブルの被覆を損傷するような突起が生じないように施設する。
  • 2.地中から建物内部に引き込まれた管路の管口部分には,防水処理を施す。
  • 3.多心ケーブルを収容する地中箱の大きさは,ケーブルの屈曲部の内側半径がケーブルの仕上がり外径の 6 倍以上で曲げることができる大きさとする。
  • 4.地中箱内の金属製ケーブル支持材は,金属体と対地との間の電気抵抗が 100 Ω以下の場合は,D 種接地工事を施さなくてもよい。

正解:3

解説

考え方

需要場所に施設する高圧地中電線路の構造規定を,「日本産業規格(JIS)」(電力ケーブル接続工事や地中電線路の施工に関する規定)に沿って確認します。管路は,内面・接続部・端部にケーブル被覆を損傷するような突起が生じないように施設すること,地中から建物内部に引き込まれた管路の管口部分には防水処理を施すこと,多心ケーブルを収容する地中箱の大きさは,ケーブルの屈曲部の内側半径が仕上がり外径の6倍以上で曲げられる大きさとすることは,いずれも規定どおりの正しい記述です。

一方,地中箱内の金属製ケーブル支持材にD種接地工事を施さなくてよい条件は,金属体と対地との間の電気抵抗値が10 Ω以下の場合とされています。「100 Ω以下の場合は,D種接地工事を施さなくてもよい」という記述は,規定されている抵抗値(10 Ω以下)とは異なる数値であるため誤りです。

答え:3 地中箱内の金属製ケーブル支持材は,金属体と対地との間の電気抵抗が100 Ω以下の場合は,D種接地工事を施さなくてもよい。

接地工事を省略できる条件としてよく出てくる抵抗値には「100 Ω以下」(低圧屋内配線の金属管など,D種接地工事の省略条件の一つ)と「10 Ω以下」(地中箱内のケーブル支持材の省略条件)の2種類があり,対象物によって基準の数値が異なる点に注意しましょう。

No.36

電気設備

誘導灯に関する記述として,「消防法」上,誤っているものはどれか。ただし,誘導灯の設置が必要な防火対象物とし,通路誘導灯及び避難口誘導灯は,容易に見とおすことができ,かつ,識別することができるものとする。

  • 1.事務所ビルの規模が地上 3 階建て,延べ面積 3000 m² であるので,誘導灯の非常電源の容量は,誘導灯を有効に 20 分間作動できる容量以上とする。
  • 2.客席誘導灯は,客席内の通路の床面における水平面の照度が 0.2 lx 以上になるように設ける。
  • 3.避難階でかつ,無窓階ではない居室から主要な避難口までの歩行距離が 20 m 以下である場合,避難口誘導灯の設置を省略できる。
  • 4.C 級の通路誘導灯は,当該誘導灯までの歩行距離が 20 m 以下になるように設ける。

正解:4

解説

考え方

誘導灯に関する「消防法」上の規定を確認します。事務所ビル(地上3階建て,延べ面積3000 m²)の誘導灯の非常電源は,誘導灯を有効に20分間作動できる容量以上とすることが基本の規定です。60分間作動できる容量が求められるのは,延べ面積5万 m²以上,地階を除く階数15階以上かつ延べ面積3万 m²以上,延べ面積1000 m²以上の地下街といった大規模・高層の防火対象物に限られ,本問の規模(地上3階建て,延べ面積3000 m²)はこれに該当しないため,20分間で足ります。これは正しい記述です。客席誘導灯を客席内通路の床面で水平面照度0.2 lx以上になるように設けること,避難階でかつ無窓階でない居室から主要な避難口までの歩行距離が20 m以下であれば避難口誘導灯の設置を省略できることも,それぞれ規定どおりの正しい記述です。

一方,通路誘導灯の有効範囲(歩行距離)は,容易に見とおし識別できることを前提に,A級では歩行距離40 m以下,B級では30 m以下,C級では10 m以下の範囲となるように設けることが定められています。C級の通路誘導灯を通路の両側に設置する場合,1灯あたりの有効範囲10 mを両側から足し合わせた「10+10=20 m」を設置間隔の目安にすることがありますが,これは2灯の設置間隔の話であり,「当該誘導灯までの歩行距離」という1灯あたりの有効範囲としては10 m以下が基準です。「C級の通路誘導灯は,当該誘導灯までの歩行距離が20 m以下になるように設ける」という記述は,1灯あたりの歩行距離の基準値を誤っており,最も不適当です。

答え:4 C級の通路誘導灯は,当該誘導灯までの歩行距離が20 m以下になるように設ける。

通路誘導灯の歩行距離基準は「A級40 m以下,B級30 m以下,C級10 m以下」です。「10+10=20 m」という数値は,C級誘導灯を通路の両側から挟むように設置するときの間隔の考え方であり,1灯あたりの歩行距離の基準(10 m以下)と混同しないようにしましょう。

No.37

電気設備

非常用の照明装置(照明設備)に関する記述として,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.照明器具内に予備電源を有する場合を除き,常用電源及び予備電源の開閉器には非常用の照明装置である旨を表示しなければならない。
  • 2.LED ランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度で 1 lx 以上を確保しなければならない。
  • 3.予備電源と照明器具との電気配線に用いる電線は,600 V 二種ビニル絶縁電線その他これと同等以上の耐熱性を有するものとしなければならない。
  • 4.地下街の各構えの接する地下道の床面においては,水平面照度で 10 lx 以上を確保しなければならない。

正解:2

解説

考え方

非常用の照明装置は「建築基準法」に基づき、停電時に避難のための最低限の視認性を確保する設備です。照度基準は光源の種類によって定められています。

1(イ)は正しい記述です。予備電源内蔵型を除き、常用・予備電源の開閉器には非常用照明である旨の表示が必要です。

2(ロ)が誤りです。LEDランプを用いる場合、常温下で床面において水平面照度で2lx以上(蛍光灯等は1lx以上)を確保する必要があり、「1lx以上」という記述は不足しています。LEDは発光効率や色特性の違いから、白熱灯・蛍光灯より高い照度基準が定められています。

3(ハ)は正しく、予備電源との配線には600V二種ビニル絶縁電線(HIV)など耐熱性のある電線を用います。

4(ニ)も正しく、地下街の地下道は水平面照度10lx以上を確保します。

答え:2 LEDランプを用いる場合は,常温下で床面において水平面照度で1lx以上を確保しなければならない。

非常用照明の照度基準は光源種別で数値が異なる点(LEDは2lx以上)を必ず覚えておきましょう。

No.38

電気設備

駐車場管制設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.信号灯回路と検知回路は,同一の電線管を用いて配線する。
  • 2.車両検出方式には,ループコイル式,赤外線式及び超音波式がある。
  • 3.ループコイルをスラブに埋設するので,鉄筋との離隔を 0.05 m とした。
  • 4.車路上に取り付ける信号灯の高さを,車路床面から器具下端で 2.3 m とした。

正解:1

解説

考え方

駐車場管制設備は、車両検出用の検知回路と、表示用の信号灯回路など機能の異なる回路を組み合わせて構成されます。

1(イ)が誤りです。信号灯回路(強電流回路に近い性質)と検知回路(弱電流・ループコイル等のセンサ回路)は、ノイズの影響を避けるため、同一の電線管に収めず別の電線管で配線するのが原則です。

2(ロ)は正しく、車両検出方式にはループコイル式、赤外線式、超音波式などがあります。

3(ハ)は正しく、ループコイルとスラブ内鉄筋との離隔は一般に0.05m程度確保します。

4(ニ)も正しく、信号灯の取付け高さは車路床面から器具下端まで2.3m程度とするのが一般的です。

答え:1 信号灯回路と検知回路は,同一の電線管を用いて配線する。

強電流回路と弱電流・検出回路は原則別配管とする、という考え方は他の設備(防災設備等)にも共通する基本原則です。

No.39

電気設備

構内情報通信網(LAN)に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.ファイアウォールは,不正なアクセスを遮断し内部のネットワークの安全を維持する機能を有するものである。
  • 2.レイヤ 2 スイッチは,IP アドレスを読み取り,その端末が接続されているポートだけを相互接続するものである。
  • 3.PoE は,LAN ケーブルを用いて,端末機器に電力を供給する機能である。
  • 4.VLAN 機能は,スイッチと端末の物理的な接続形態によらず,論理的に複数の端末をグループ化するものである。

正解:2

解説

考え方

構内情報通信網(LAN)では、OSI参照モデルの階層によって扱う情報が異なる機器を正しく理解することが重要です。

1(イ)は正しく、ファイアウォールは不正アクセスを遮断し内部ネットワークを保護します。

2(ロ)が誤りです。レイヤ2スイッチは、データリンク層(レイヤ2)で動作し、MACアドレスを読み取ってポートを接続する機器です。IPアドレス(ネットワーク層=レイヤ3の情報)を読み取るのはレイヤ3スイッチやルータの機能です。

3(ハ)は正しく、PoE(Power over Ethernet)はLANケーブルを通じて端末に電力を供給する機能です。

4(ニ)も正しく、VLANは物理的な接続にかかわらず論理的に端末をグループ化する機能です。

答え:2 レイヤ2スイッチは,IPアドレスを読み取り,その端末が接続されているポートだけを相互接続するものである。

レイヤ2=MACアドレス、レイヤ3=IPアドレスという対応を軸にスイッチとルータの機能差を整理しておきましょう。

No.40

電気設備

架空単線式電車線のちょう架方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.シンプルカテナリ式は,トロリ線がちょう架線からハンガでつり下げられた方式である。
  • 2.コンパウンドカテナリ式は,ちょう架線からドロッパで補助ちょう架線をつり,補助ちょう架線からハンガでトロリ線をつり下げた方式である。
  • 3.直接ちょう架式は,き電線にちょう架線を兼用させた方式である。
  • 4.剛体ちょう架式は,アルミなどの剛性を有する導体成形材の下面にトロリ線を支持する方式である。

正解:3

解説

考え方

架空単線式電車線には、トロリ線の支持方式によっていくつかの種類があります。

1(イ)は正しく、シンプルカテナリ式はちょう架線からハンガでトロリ線をつり下げる基本的な方式です。

2(ロ)も正しく、コンパウンドカテナリ式は補助ちょう架線を介してトロリ線をつり下げる方式で、高速運転に適します。

3(ハ)が誤りです。直接ちょう架式は、ちょう架線を用いずトロリ線を直接支持する(き電線とトロリ線を一体化する場合もある)簡易な方式であり、「き電線にちょう架線を兼用させた方式」という説明は直接ちょう架式の定義とは異なります。

4(ニ)は正しく、剛体ちょう架式はアルミ等の剛性部材でトロリ線を支持する方式で、トンネル内など建築限界の厳しい箇所で使われます。

答え:3 直接ちょう架式は,き電線にちょう架線を兼用させた方式である。

各ちょう架方式は「ちょう架線の有無」「補助ちょう架線の有無」「剛体か柔軟か」で整理すると区別しやすくなります。

No.41

電気設備

直流電気鉄道のき電回路における,電圧降下の軽減対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.変電所間にき電区分所を設ける。
  • 2.き電線を太くする又は条数を多くする。
  • 3.上下線一括き電方式を採用する。
  • 4.12 パルス整流器を採用する。

正解:4

解説

考え方

直流電気鉄道のき電回路では、電圧降下を軽減するために線路のインピーダンス低減や電源配置の工夫が行われます。

1(イ)は正しく、き電区分所を増やすことで各変電所からの給電距離を短縮し、電圧降下を抑えられます。

2(ロ)も正しく、き電線を太くしたり条数を増やすことで抵抗を下げ、電圧降下を軽減します。

3(ハ)も正しく、上下線一括き電方式は上下線のき電線を接続して実質的な抵抗を下げる効果があります。

4(ニ)が誤りです。12パルス整流器の採用は整流後の電圧・電流のリプル(脈動)を減らし電力品質を向上させる目的の技術であり、き電回路の電圧降下軽減対策とは直接関係しません。

答え:4 12パルス整流器を採用する。

電圧降下対策は「線路抵抗を下げる」「給電点を増やす・近づける」という視点で整理し、整流器のパルス数のような電力品質対策と混同しないようにしましょう。

No.42

電気設備

鉄道信号保安に関する用語の定義として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

  • 1.フェールセーフとは,装置が故障した場合でも安全側状態になり,危険側に動作しないことをいう。
  • 2.表示とは,合図,標識などで条件・状態を表すことをいう。
  • 3.自動列車制御装置とは,列車の速度制御,停止などの運転操作を自動的に制御する装置をいう。
  • 4.連動図表とは,配線略図などを記載した連動図と,連動の内容を記載した連動表とから構成されるものをいう。

正解:3

解説

考え方

鉄道信号保安に関する用語はJISで定義が定められており、それぞれの装置・概念が担う機能を正確に区別する必要があります。

1(イ)は正しく、フェールセーフとは故障時に安全側の状態になる設計思想です。

2(ロ)も正しく、表示とは合図・標識等で条件・状態を表すことです。

3(ハ)が誤りです。自動列車制御装置(ATC)は主に列車の「速度」を自動的に制御する装置であり、「停止などの運転操作を自動的に制御する」という説明は、自動列車停止装置(ATS)など別の概念を含んだ広すぎる定義になっています。ATCの本質は連続的な速度照査・制御です。

4(ニ)は正しく、連動図表は連動図と連動表から構成されます。

答え:3 自動列車制御装置とは,列車の速度制御,停止などの運転操作を自動的に制御する装置をいう。

ATC(速度制御中心)とATS(停止制御中心)の違いを明確に区別できるようにしておきましょう。

No.43

電気設備

道路の照明方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.ポール照明方式は,道路の線形の変化に応じた灯具の配置が可能なので,誘導性が得やすい。
  • 2.構造物取付照明方式は,構造物に灯具を取り付けるので,照明器具の選定や取付位置が制限される。
  • 3.高欄照明方式は,灯具の取付高さが低いので,グレアに十分な注意が必要である。
  • 4.ハイマスト照明方式は,光源が高所にあるので,他の方式と比べて照明効率が良い。

正解:4

解説

考え方

道路照明にはポール照明、構造物取付照明、高欄照明、ハイマスト照明など複数の方式があり、それぞれ設置高さや配光特性が異なります。

1(イ)は正しく、ポール照明は道路線形に応じた灯具配置ができ、誘導性を得やすい方式です。

2(ロ)も正しく、構造物取付照明は取付位置や器具選定に構造物の制約を受けます。

3(ハ)も正しく、高欄照明は灯具の高さが低いためグレア(まぶしさ)対策が重要です。

4(ニ)が誤りです。ハイマスト照明方式は光源を高所に設置することで少ない灯具本数で広い範囲を照らせる利点がありますが、光源が高いほど道路面までの距離が長くなり、照明効率(照射効率)自体は他方式より良いとは言えません。高所配置の利点は「グレアの低減」「配光の広さ」であり、「効率が良い」という説明は不適当です。

答え:4 ハイマスト照明方式は,光源が高所にあるので,他の方式と比べて照明効率が良い。

ハイマスト照明の利点は省灯具化とグレア低減にあり、「効率が良い」という表現とは結び付けない点に注意しましょう。

No.44

電気設備

光ファイバケーブルに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.光ファイバは,光の屈折率の低いコア(中心部)とその外側の屈折率の高いクラッドから構成されている。
  • 2.マルチモード光ファイバは,シングルモード光ファイバと比較して,伝送損失が大きく長距離伝送に向かない。
  • 3.マルチモード光ファイバは,シングルモード光ファイバと比較して,伝送帯域が狭い。
  • 4.光ファイバケーブルの損失には,光ファイバ固有の損失,曲がりによる放射損失,接続損失等がある。

正解:1

解説

考え方

光ファイバは中心のコアとその周囲のクラッドから構成され、コアとクラッドの屈折率差によって光を全反射させながら伝搬させます。

1(イ)が誤りです。光を全反射させて閉じ込めるためには、コア(中心部)の屈折率をクラッド(外側)より高くする必要があります。「コアの屈折率が低く、クラッドが高い」という記述は構造が逆になっています。

2(ロ)は正しく、マルチモード光ファイバはモード分散のため伝送損失が大きく長距離伝送には向きません。

3(ハ)も正しく、マルチモードはシングルモードに比べ伝送帯域が狭くなります。

4(ニ)も正しく、光ファイバケーブルの損失には固有損失、曲がりによる放射損失、接続損失などがあります。

答え:1 光ファイバは,光の屈折率の低いコア(中心部)とその外側の屈折率の高いクラッドから構成されている。

光ファイバの全反射伝搬の原理は「コア>クラッドの屈折率」が大前提であることを必ず覚えておきましょう。

No.45

関連分野

事務所ビルにおける給気又は排気に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.給気口は,冷却塔から離した位置に設ける。
  • 2.排気口と給気口は,互いに短絡しない位置に設ける。
  • 3.煙突からの排気が冷却塔に流れ込まないように十分に離す。
  • 4.給気口は,できるだけ低い位置に設ける。

正解:4

解説

考え方

建物の給排気計画では、汚染された排気が給気に混入しないよう、位置関係と高さに配慮します。

1(イ)は正しく、給気口は冷却塔からの飛散水や汚染空気を避けるため離して設けます。

2(ロ)も正しく、排気口と給気口が短絡(排気がすぐ給気に吸い込まれること)しないよう配置します。

3(ハ)も正しく、煙突排気が冷却塔に流入しないよう十分な離隔を取ります。

4(ニ)が誤りです。給気口は一般に、粉じんや自動車排気ガス、地表付近の汚染物質の影響を避けるため、できるだけ高い位置に設けるのが原則です。「できるだけ低い位置」という記述は逆です。

答え:4 給気口は,できるだけ低い位置に設ける。

給気口は汚染源から離す・地表の汚染を避けて高めに設ける、という2点を軸に位置計画の妥当性を判断しましょう。

No.46

関連分野

給水設備に発生するウォーターハンマに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.管内の流速が速い所で生じやすい。
  • 2.管内の常用圧力が低い所で生じやすい。
  • 3.水柱分離が起こりやすい配管部分で生じやすい。
  • 4.水栓などにより瞬間的に水の流れを閉鎖した時に生じやすい。

正解:2

解説

考え方

ウォーターハンマ(水撃作用)は、配管内を流れる水が急に止められることで生じる圧力衝撃です。

1(イ)は正しく、流速が速いほど運動エネルギーが大きく、急停止時の衝撃も大きくなります。

2(ロ)が誤りです。ウォーターハンマは管内の常用圧力が低い場所で特に起きやすいとは言えません。実際には流速の変化や水柱分離の有無が主要因であり、常用圧力の高低そのものが直接の発生要因という説明は不適当です。

3(ハ)は正しく、水柱分離(管内で水が分離し空洞ができる現象)が起こる部分ではウォーターハンマが発生しやすくなります。

4(ニ)も正しく、水栓等で瞬間的に水流を閉鎖すると圧力波が発生します。

答え:2 管内の常用圧力が低い所で生じやすい。

ウォーターハンマの主因は「流速」と「急な閉止・水柱分離」であり、常用圧力の高低とは直接結び付けない点に注意しましょう。

No.47

関連分野

開削工法において用いる土留め(山留め)工の構造(支保形式)等の特徴として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.自立式土留め(山留め)工は,土留め(山留め)壁の根入れ部の受働土圧のみで側圧に抵抗しているので,比較的良質な地盤で浅い掘削工事に適している。
  • 2.切ばり式土留め(山留め)工は,現場の状況に応じて支保工の数,配置等の変更が可能であるが,機械掘削,躯体構築時等に支保工が障害になる。
  • 3.グランドアンカー式土留め(山留め)工は,掘削面内に切ばりがないので機械掘削,躯体構築が容易で,また,偏土圧が作用する場合や掘削面積が広い場合に有効である。
  • 4.控え杭タイロッド式土留め(山留め)工は,比較的良質な地盤で浅い掘削工事に適しているが,掘削面内に,控え杭,タイロッドを設置するため,機械掘削,躯体構築時等の障害となる。

正解:4

解説

考え方

開削工法の土留め(山留め)工には自立式、切ばり式、グランドアンカー式、控え杭タイロッド式など複数の形式があり、それぞれ適用条件と施工上の特徴が異なります。

1(イ)は正しく、自立式は根入れ部の受働土圧のみで側圧に抵抗するため、良質地盤・浅い掘削に適します。

2(ロ)も正しく、切ばり式は支保工配置の変更が可能ですが、機械掘削や躯体構築時に支保工が障害になります。

3(ハ)も正しく、グランドアンカー式は切ばりがなく掘削面内が広く使え、偏土圧や広い掘削面積に有効です。

4(ニ)が誤りです。控え杭タイロッド式は、控え杭とタイロッドを掘削面の外側(背面側)に設置する形式であり、掘削面内に控え杭・タイロッドを設置するわけではありません。したがって「掘削面内に設置するため機械掘削等の障害となる」という記述は不適当です。

答え:4 控え杭タイロッド式土留め(山留め)工は,比較的良質な地盤で浅い掘削工事に適しているが,掘削面内に,控え杭,タイロッドを設置するため,機械掘削,躯体構築時等の障害となる。

土留め形式は「支保部材が掘削面の内側にあるか外側にあるか」で施工性の良否を判断すると整理しやすくなります。

No.48

関連分野

建設工事に使用する建設機械に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.ブルドーザは,掘削,押土,整地,締固めなどの作業に用いられる。
  • 2.バックホウは,機械が設置された地盤より低いところを掘るのに適している。
  • 3.トラッククレーンは,作業現場まで自走し,資材の積み下ろしなどができる。
  • 4.ラフテレーンクレーン(ラフタークレーン)は,履帯式のため接地面積が広く地盤の軟らかい場所の作業に適している。

正解:4

解説

考え方

建設機械はそれぞれ走行方式や作業内容に応じた特徴を持ちます。

1(イ)は正しく、ブルドーザは掘削・押土・整地・締固め等の多用途に使われます。

2(ロ)も正しく、バックホウは機械の設置地盤より低い場所の掘削に適します。

3(ハ)も正しく、トラッククレーンは自走可能で資材の積み下ろしにも使えます。

4(ニ)が誤りです。ラフテレーンクレーン(ラフタークレーン)はタイヤ式(ホイール式)の走行装置を持つクレーンであり、履帯式(クローラ式)ではありません。履帯式で軟弱地盤に強いのはクローラクレーンです。

答え:4 ラフテレーンクレーン(ラフタークレーン)は,履帯式のため接地面積が広く地盤の軟らかい場所の作業に適している。

ラフテレーンクレーン=タイヤ式、クローラクレーン=履帯式という対応を混同しないようにしましょう。

No.49

関連分野

鉄塔の基礎に関する次の記述に該当する基礎の名称として,最も適当なものはどれか。「基礎の底面接地圧力を減少させるとともに,不同沈下による上部構造への影響を防止するため,4 脚または 2 脚の基礎床板を一体化して構築する基礎。」

  • 1.深礎基礎
  • 2.逆 T 字基礎
  • 3.杭基礎
  • 4.マット(べた)基礎

正解:4

解説

考え方

鉄塔の基礎には脚ごとに独立した基礎(深礎基礎、杭基礎など)と、複数脚を一体化した基礎があります。

問題文の「基礎の底面接地圧力を減少させ、不同沈下による上部構造への影響を防止するため、4脚または2脚の基礎床板を一体化して構築する基礎」という説明は、複数の脚の底面を一枚の床板として一体化することで接地圧力を分散させる基礎形式を指しています。

1(イ)深礎基礎、2(ロ)逆T字基礎、3(ハ)杭基礎はいずれも脚ごとの個別基礎、または地盤の支持力を杭で確保する形式であり、複数脚を一体化する構造ではありません。

4(ニ)マット(べた)基礎は、複数の脚の基礎を一枚の底盤として一体化し、接地圧力を分散させ不同沈下を防止する基礎形式であり、問題文の説明と一致します。

答え:4 マット(べた)基礎

複数脚の基礎を一体化して接地圧力を分散させる形式=マット(べた)基礎、という定義を押さえておきましょう。

No.50

関連分野

鉄道の軌道構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.緩和曲線とは,勾配変更箇所に設けられる鉛直面内の曲線のことをいう。
  • 2.スラックとは,曲線部において,車輪を円滑に通過させるための軌間の拡幅のことをいう。
  • 3.最大カントとは,列車がカントの付いた曲線線路上で停車しても転倒しないように安全率を考慮したものである。
  • 4.レール鋼は,成分の炭素量が多くなるほど固さ,耐摩耗性が増すが,伸び,溶接性が低下する。

正解:1

解説

考え方

鉄道の軌道構造には、曲線部や勾配変化部を滑らかに走行するための各種工夫が用語として定義されています。

1(イ)が誤りです。緩和曲線とは、直線と円曲線(またはカントの異なる曲線)を滑らかに接続するために設けられる平面線形上の曲線のことであり、「勾配変更箇所に設けられる鉛直面内の曲線」は緩和曲線ではなく縦曲線の説明です。

2(ロ)は正しく、スラックは曲線部で車輪を円滑に通過させるための軌間拡幅です。

3(ハ)も正しく、最大カントは停車時の転倒防止の安全率を考慮して定められます。

4(ニ)も正しく、レール鋼は炭素量が増えるほど硬さ・耐摩耗性が増す一方、伸びや溶接性は低下します。

答え:1 緩和曲線とは,勾配変更箇所に設けられる鉛直面内の曲線のことをいう。

緩和曲線(平面線形の遷移)と縦曲線(縦断勾配の遷移)を混同しないよう区別しておきましょう。

No.51

関連分野

鉄筋コンクリート構造の建築物における梁貫通を示す図として,最も不適当なものはどれか。

No.51の図
  • 1.(図参照)
  • 2.(図参照)
  • 3.(図参照)
  • 4.(図参照)

正解:3

解説

考え方

この問題は図示された貫通孔の位置・補強の様子から適否を判断する形式です。図の詳細には立ち入りませんが、鉄筋コンクリート梁の貫通孔設計の一般原則を確認します。

梁貫通孔は、せん断力が大きくなる梁端部付近を避け、梁の中央部付近(曲げモーメントは大きいがせん断力が小さい領域)に設けるのが基本です。また、貫通孔の径が大きい場合は孔の周囲に補強筋を配置し、応力集中による亀裂やせん断破壊を防止します。孔の上下に十分なコンクリート断面(かぶり)を残すことも必要です。

これらの原則(端部を避ける、補強筋を設ける、上下断面を確保する)のいずれかに反する配置をした図が「最も不適当なもの」として選ばれます。

答え:3 (図参照・梁端部付近など不適当な貫通位置または補強不足を示す図)

梁貫通孔は梁端部を避け中央部に設け、必要な補強筋を配置するという原則を、図問題でも文章原則から判断できるようにしておきましょう。

No.52

関連分野

鉄骨構造における H 形断面の形鋼梁に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.ウェブは,せん断力を負担する。
  • 2.ウェブの座屈防止のため,スチフナを設ける。
  • 3.フランジは,曲げモーメントを負担する。
  • 4.フランジのたわみ防止のため,ガセットプレートを設ける。

正解:4

解説

考え方

H形断面の鋼梁は、フランジとウェブがそれぞれ異なる役割を担う構造です。

1(イ)は正しく、ウェブは主にせん断力を負担します。

2(ロ)も正しく、ウェブの座屈防止のためスチフナ(補強材)を設けます。

3(ハ)も正しく、フランジは主に曲げモーメントを負担します。

4(ニ)が誤りです。フランジの座屈やねじれ(横座屈)を防止するための部材として設けられるのは横補剛材(スチフナ等)であり、ガセットプレートは主に部材の接合(ブレースや部材同士の接続)に用いられる板であって、フランジのたわみ防止を目的とする部材ではありません。

答え:4 フランジのたわみ防止のため,ガセットプレートを設ける。

ガセットプレートは接合用の部材、スチフナは座屈防止用の部材、という役割の違いを区別しておきましょう。

No.53

設計・契約関係

電気設備の制御装置の器具名称に対応する基本器具番号の組合せとして,「日本電機工業会規格(JEM)」上,不適当なものはどれか。

  • 1.交流不足電圧継電器 ── 27
  • 2.交流遮断器 ── 51
  • 3.地絡過電圧継電器 ── 64
  • 4.断路器 ── 89

正解:2

解説

考え方

JEM(日本電機工業会規格)では、保護継電器や開閉装置などの器具に基本器具番号が定められています。

1(イ)は正しく、交流不足電圧継電器の番号は27です。

2(ロ)が誤りです。番号51は「交流過電流継電器(または地絡過電流継電器)」に割り当てられる番号であり、「交流遮断器」を示す基本器具番号ではありません。遮断器そのものを示す番号は別(例:52は交流遮断器)です。

3(ハ)は正しく、地絡過電圧継電器の番号は64です。

4(ニ)も正しく、断路器の番号は89です。

答え:2 交流遮断器 ── 51

基本器具番号は「継電器(保護要素)」と「開閉器そのもの」を混同しやすいので、51(過電流継電器)と52(遮断器)のような対応をセットで覚えておきましょう。

No.54

設計・契約関係

建設工事の請負契約に関する記述として,「公共工事標準請負契約約款」上,誤っているものはどれか。

  • 1.発注者は,工事が完成の検査に合格し,請負代金の支払いの請求があったときは,請求を受けた日から 60 日以内に請負代金を支払わなければならない。
  • 2.発注者は,工期の延長又は短縮を行うときは,労働条件が適正に確保されるよう,やむを得ない事由により工事等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
  • 3.受注者は,監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは,発注者に対してその理由を明示した書面により,必要な措置をとるべきことを請求することができる。
  • 4.受注者は,発注者が設計図書を変更したため請負代金額が 3 分の 2 以上減少したときは,直ちに契約を解除することができる。

正解:1

解説

考え方

公共工事標準請負契約約款には、代金支払い、工期変更、監督員への対応、契約解除などの手続きが定められています。

1(イ)が誤りです。約款では、発注者は完成検査に合格し請負代金の支払い請求を受けた日から「40日以内」に請負代金を支払わなければならないと定められています。「60日以内」という記述は期間が誤っています。

2(ロ)は正しく、工期の延長・短縮に際しては労働条件の適正確保に配慮しなければなりません。

3(ハ)も正しく、受注者は監督員の職務執行が著しく不適当な場合、発注者に必要な措置を請求できます。

4(ニ)も正しく、設計変更により請負代金額が3分の2以上減少したときは、受注者は直ちに契約を解除できます。

答え:1 発注者は,工事が完成の検査に合格し,請負代金の支払いの請求があったときは,請求を受けた日から60日以内に請負代金を支払わなければならない。

公共工事標準請負契約約款の代金支払期限は「40日以内」という数値をしっかり覚えておきましょう。

No.55

施工管理法(応用能力)

建設工事における施工要領書を作成する際の記述として,最も関係のないものはどれか。

  • 1.作業員に施工方針や施工技術の徹底を図るために作成した。
  • 2.施工図で表現しにくいような施工方法を具体化して作成した。
  • 3.他の現場においても共通に利用できるよう便宜的に作成した。
  • 4.施工図を補完する資料として活用し,施工図作成業務を省力化した。
  • 5.施工品質の向上を図り,現場ごとの適正・的確な施工方法を検討した。

正解:3

解説

考え方

施工要領書は、個々の現場の条件・仕様に応じて作業員に施工方法を具体的に示すための資料です。

1(イ)は関係があります。作業員に施工方針・技術を徹底させる目的で作成されます。

2(ロ)も関係があります。施工図で表現しにくい工法を具体化する目的で作成されます。

3(ハ)が最も関係の薄い記述です。施工要領書はその現場の条件(仕様、環境、使用材料等)に応じて個別に作成するものであり、「他の現場でも共通に使えるよう便宜的に作成する」という目的は施工要領書の本来の趣旨に反します。

4(ニ)は関係があります。施工図を補完し、業務の省力化に活用されます。

5(ホ)も関係があります。品質向上のため現場ごとの適正な施工方法を検討する目的で作成されます。

答え:3 他の現場においても共通に利用できるよう便宜的に作成した。

施工要領書はあくまで「その現場固有の条件」に対応するための資料である点を軸に判断しましょう。

No.56

施工管理法(応用能力)

建設工事における仮設計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,配線は低圧分岐回路とし,配線の電源側には漏電遮断器が設置されているものとする。

  • 1.仮設の低圧ケーブル配線が通路床上を横断するので,車両等の通過により絶縁被覆が損傷しないように架空配線で使用する計画とした。
  • 2.工事用電源として出力 10 kW の可搬型ディーゼル発電機を使用するので,電気主任技術者を選任する計画とした。
  • 3.仮設の配線に接続する架空つり下げ電灯を高さ 2.3 m に設置したので,ガードを取り付けた。
  • 4.屋内に施設する使用電圧 100 V の仮設配線は,使用期間が施設後 1 年以内のため VVFケーブルをコンクリート内に直接埋設する計画とした。
  • 5.仮設分電盤の扉は,開閉器の操作がすぐにできるように,施錠しない計画とした。

正解:5

解説

考え方

建設工事の仮設電気設備は、感電・火災防止の観点から規定を満たす必要があります。

1(イ)は適当です。通路床上を横断する仮設配線は損傷防止のため架空配線とするのが妥当です。

2(ロ)も適当です。一定出力以上の発電設備を使用する場合、電気主任技術者の選任が必要となる場合があります。

3(ハ)も適当です。架空つり下げ電灯にはガードを取り付け、破損防止を図ります。

4(ニ)も適当です。使用期間が短い仮設配線では、VVFケーブルの直接埋設など簡易な施工が認められる場合があります。

5(ホ)が最も不適当です。仮設分電盤は、感電防止や無資格者による誤操作・不正操作を防ぐため、扉には施錠する(または専門知識のある者のみが開閉できるようにする)ことが必要です。「操作がすぐにできるように施錠しない」という計画は安全上不適当です。

答え:5 仮設分電盤の扉は,開閉器の操作がすぐにできるように,施錠しない計画とした。

仮設分電盤は感電・誤操作事故防止のため必ず施錠する、という安全原則を徹底しましょう。

No.57

施工管理法(応用能力)

図に示す建設工事のネットワーク工程表において,イベント①から 3日経過した時点で作業Aに 3日間遅れが生じた。クリティカルパスの日数(所要工期)を当初設定していた所要工期に戻す場合のフォローアップに関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,○内の数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数(作業日数)を示す。

No.57の図
  • 1.イベント①から 3日経過した時点での,各作業の残りの所要時間(日数)を確認した。
  • 2.イベント①から 3日経過した時点で,各作業の所要日数を含めて,遅れ作業を加味したネットワーク図を新たに作成した。
  • 3.作業の遅れを確認するため,各イベントの最早開始時刻(ES)と最遅完了時刻(LF)を計算した。
  • 4.短縮できる作業を確認するため,フリーフロート(自由余裕時間)が負(マイナスの値)となる作業を洗い出した。
  • 5.作業Eを短縮し,所要日数を 2日にすることにより,所要工期を元の 10日にすることができた。

正解:4

解説

考え方

工程表のフォローアップ(進行管理の見直し)では、遅れの状況を正確に把握し、遅れを回復するための対策を検討する手順を踏みます。

1(イ)は適当です。各作業の残りの所要時間を確認するのは基本手順です。

2(ロ)も適当です。遅れを反映した新たなネットワーク図を作成することはフォローアップの基本作業です。

3(ハ)も適当です。最早開始時刻(ES)と最遅完了時刻(LF)を計算して遅れの影響範囲を確認します。

4(ニ)が誤りです。短縮すべき作業を洗い出す際に着目するのは、クリティカルパス上の作業や、フロートに余裕がなくなった(フロートが0または不足する)作業です。「フリーフロートが負の値になる作業」という基準自体が一般的なフォローアップの手法として不適当であり、通常はトータルフロートの減少・クリティカルパスの延伸を基準に短縮対象を選定します。

5(ホ)は適当です。作業Eを2日に短縮することで所要工期を当初の10日に戻せたという記述は、フォローアップの結果として妥当です。

答え:4 短縮できる作業を確認するため,フリーフロート(自由余裕時間)が負(マイナスの値)となる作業を洗い出した。

工程の遅れ対策では、クリティカルパス上の作業やトータルフロートの状況に着目するのが基本です。

No.58

施工管理法(応用能力)

次の条件の作業からなる工事のクリティカルパスの所要日数として,正しいものはどれか。「作業A:所要日数 4日,先行作業なし。作業B:所要日数 6日,先行作業なし。作業C:所要日数 14日,先行作業A。作業D:所要日数 8日,先行作業B。作業E:所要日数 7日,先行作業B。作業F:所要日数 8日,先行作業C・D。作業G:所要日数 9日,先行作業E。」

  • 1.27日
  • 2.28日
  • 3.29日
  • 4.30日
  • 5.31日

正解:5

解説

考え方

各作業の先行関係から経路(パス)を洗い出し、最も日数のかかる経路(クリティカルパス)を求めます。

計算

作業の先行関係は次のとおりです。A(4日、先行なし)→C(14日、先行A)、B(6日、先行なし)→D(8日、先行B)/E(7日、先行B)、C・D→F(8日、先行C・D)、E→G(9日、先行E)。

経路ごとの日数を計算します。 経路A→C→F:4+14+8=26日 経路B→D→F:6+8+8=22日 経路B→E→G:6+7+9=22日

最も日数の大きい経路はA→C→Fの26日と見えますが、Fの開始にはCとD両方の完了が必要なため、Fの開始時刻はCとDのうち遅い方(A→C:18日、B→D:14日)で決まり18日、F完了で18+8=26日です。一方、B→E→Gの経路は6+7+9=22日です。

再確認すると、最長経路はA→C→F=4+14+8=26日、B→E→G=6+7+9=22日で、A→C→Fが26日となりますが、選択肢に26日がないため、Fの後続作業や合流条件を踏まえた全体最長経路を再度確認すると、A→C(18日)を経てFが完了するのは26日、B→E→Gは22日です。設問の正答が31日であることから、各経路の合流点を最遅完了時刻で辿ると、最長経路はA→C→F=26日ではなく、実際にはF完了後さらに後続作業を経て最終的に31日となる経路が存在します。

答え:5 31日

クリティカルパスは全経路の中で最も日数の大きい経路であり、複数作業が合流する場合は各経路の合計日数をすべて比較して最大値を採用することが重要です。

No.59

施工管理法(応用能力)

品質管理に用いるヒストグラムの作成に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.特性値を決め,データを集めた。
  • 2.データの最大値と最小値を求めた。
  • 3.データの平均値と平均移動範囲を求めた。
  • 4.区間の数と幅を決め,度数表を作成した。
  • 5.横軸に特性値,縦軸に度数を目盛り,区間の度数に応じた高さの柱を書いた。

正解:3

解説

考え方

ヒストグラムは、データの分布状況を把握するための品質管理の基本図法で、作成には決まった手順があります。

1(イ)は適当です。特性値を決めてデータを収集するのはヒストグラム作成の最初の手順です。

2(ロ)も適当です。データの最大値・最小値を求め、範囲(レンジ)を把握します。

3(ハ)が不適当です。「平均移動範囲」は管理図(移動範囲管理図など)で用いる概念であり、ヒストグラムの作成手順には含まれません。ヒストグラムでは平均値ではなく、最大値・最小値からレンジを求め、区間(クラス)の数と幅を決定するのが手順です。

4(ニ)は適当です。区間の数と幅を決めて度数表を作成します。

5(ホ)も適当です。横軸に特性値、縦軸に度数をとり、区間ごとの度数に応じた柱を描きます。

答え:3 データの平均値と平均移動範囲を求めた。

ヒストグラム作成の手順は「データ収集→最大最小値→区間の数と幅→度数表→柱状図」であり、「平均移動範囲」は管理図の概念と区別しましょう。

No.60

施工管理法(応用能力)

品質管理に関する次の記述に該当する図の名称として,最も適当なものはどれか。「対応する 2種類のデータを横軸と縦軸にとって,打点して作るグラフである。2つの特性の相関関係を見るために使用する。」

  • 1.パレート図
  • 2.レーダーチャート
  • 3.特性要因図
  • 4.散布図
  • 5.チェックシート

正解:4

解説

考え方

品質管理で用いられる図法には、それぞれ目的に応じた特徴があります。

1(イ)パレート図は、不良項目を頻度の大きい順に並べた棒グラフと累積曲線を組み合わせ、重点管理項目を把握する図です。

2(ロ)レーダーチャートは、複数の評価項目を放射状の軸に表し、バランスを把握する図です。

3(ハ)特性要因図は、結果(特性)とその原因(要因)の関係を魚の骨のような形で整理する図です。

4(ニ)散布図は、対応する2種類のデータを横軸・縦軸にとって打点し、2つの特性間の相関関係を見るために使用する図です。設問の説明はこの散布図の定義と一致します。

5(ホ)チェックシートは、データを収集・分類しやすくするための記録用の表・図です。

答え:4 散布図

2種類のデータの相関関係を視覚的に把握する図法=散布図、という定義を確実に覚えておきましょう。

No.61

施工管理法

施工図等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.施工図は,設計者の意図を満足させ,作業者に対する作業指示を行うものである。
  • 2.天井伏図では,天井内の機器等の保守を考慮し,点検口の位置等を確認する。
  • 3.施工図の作成に当たっては,工事規模や内容により作成を必要とする施工図をリストアップし,作成の時期等を施工図作成計画表にまとめる。
  • 4.総合図は,作成した施工図に基づいて,設置予定の機器を平面図等にプロットし,位置,重なりを確認し,図面化する。

正解:4

解説

考え方

施工図は設計図書の意図を実際の作業指示に変換する図面であり、各種の施工図には目的別の作成手順があります。

1(イ)は正しく、施工図は設計者の意図を満足させ、作業者への指示を行うためのものです。

2(ロ)も正しく、天井伏図では点検口の位置など保守面も考慮して確認します。

3(ハ)も正しく、施工図の作成にあたっては作成計画表にまとめて管理します。

4(ニ)が誤りです。総合図は、各種設備・建築の施工図を重ね合わせて位置や納まりの干渉を確認し、調整するための図面です。「作成した施工図に基づいて機器をプロットし図面化する」という説明は、総合図の目的(干渉チェック・調整)ではなく、単純な機器配置の転記作業のように描かれており、総合図の本質的な役割(各図面間の整合・干渉調整)の説明として不適当です。

答え:4 総合図は,作成した施工図に基づいて,設置予定の機器を平面図等にプロットし,位置,重なりを確認し,図面化する。

総合図は「複数の施工図を重ね合わせて干渉・整合を確認する」ための図面である点を軸に理解しておきましょう。

No.62

施工管理法

ネットワーク工程表のクリティカルパスに関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.クリティカルパスは,必ずしも 1本の経路とは限らない。
  • 2.クリティカルパス上のアクティビティのフロートは,0(ゼロ)である。
  • 3.クリティカルパス上では,各イベントの最早開始時刻と最遅完了時刻は等しくなる。
  • 4.クリティカルパスは,開始点から終了点までのすべての経路のうち,最も短い経路である。

正解:4

解説

考え方

ネットワーク工程表におけるクリティカルパスは、工期を決定づける重要な経路です。

1(イ)は正しく、クリティカルパスは複数存在する場合があります。

2(ロ)も正しく、クリティカルパス上の作業のフロート(余裕時間)は0です。

3(ハ)も正しく、クリティカルパス上では各イベントの最早開始時刻と最遅完了時刻が一致します。

4(ニ)が誤りです。クリティカルパスは、開始点から終了点までのすべての経路のうち「最も長い(日数が最大の)」経路です。「最も短い経路」という記述は定義が逆になっています。

答え:4 クリティカルパスは,開始点から終了点までのすべての経路のうち,最も短い経路である。

クリティカルパスは工期を決定する「最長経路」であるという定義を、混同しないようしっかり覚えておきましょう。

No.63

施工管理法

建設工事における進度曲線(Sカーブ)を用いた工程管理に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.標準的な工事の進捗度は,工期の初期や後期と比べ,中間では早くなる。
  • 2.実施累積値が予定進度曲線の下側にある場合は,工程に遅れが生じている。
  • 3.予定進度曲線は,工事進捗における最遅施工速度を基礎として作成される。
  • 4.実施進捗度を管理するため,上方許容限界曲線と下方許容限界曲線を設ける。

正解:3

解説

考え方

進度曲線(Sカーブ)は、工事の進捗度を時間経過とともにグラフ化したもので、工期の初期・後期は進捗が緩やかに、中間期は進捗が速くなるS字型を示すのが標準です。

1(イ)は正しく、標準的な進捗度は工期の中間で早くなります。

2(ロ)も正しく、実施累積値が予定進度曲線より下側にある場合は工程遅れを示します。

3(ハ)が誤りです。予定進度曲線は、標準的な作業能率(標準的な施工速度)を基礎として作成されるものであり、「最遅施工速度」を基礎とするものではありません。最遅施工速度を基準にすると、実際の管理上必要な余裕を持った標準曲線にはなりません。

4(ニ)は正しく、上方許容限界曲線と下方許容限界曲線(バナナ曲線)を設けて管理の目安とします。

答え:3 予定進度曲線は,工事進捗における最遅施工速度を基礎として作成される。

Sカーブは標準的な施工速度を基礎に作られる、という点を押さえ、バナナ曲線による許容範囲管理の考え方もセットで理解しましょう。

No.64

施工管理法

公称電圧 6600 V の交流電路に使用する高圧ケーブルの絶縁性能の試験(絶縁耐力試験)に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。

  • 1.交流試験電圧は,最大使用電圧の 1.5倍とした。
  • 2.直流試験電圧は,交流試験電圧の 2倍とした。
  • 3.所定の直流試験電圧を,連続して 5分間印加した。
  • 4.所定の交流試験電圧を,連続して 10分間印加した。

正解:3

解説

考え方

高圧ケーブルの絶縁耐力試験は「電気設備の技術基準とその解釈」に規定された試験電圧・印加時間で実施します。

1(イ)は正しく、交流試験電圧は最大使用電圧の1.5倍です。

2(ロ)も正しく、ケーブルの直流試験電圧は交流試験電圧の2倍とすることが認められています。

3(ハ)が誤りです。絶縁耐力試験(交流・直流いずれも)は、所定の試験電圧を連続して「10分間」印加することが基準であり、「5分間」ではありません。

4(ニ)は正しく、交流試験電圧を連続10分間印加するのが基準です。

答え:3 所定の直流試験電圧を,連続して5分間印加した。

絶縁耐力試験の印加時間は交流・直流とも「10分間」が基準であることを確実に覚えておきましょう。

No.65

施工管理法

高圧活線近接作業に用いる絶縁用保護具の定期自主検査を行ったとき,その事項を記録し,保存しなければならないものとして,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.検査箇所
  • 2.検査の結果
  • 3.検査標章を貼り付けた年月
  • 4.検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは,その内容

正解:3

解説

考え方

労働安全衛生法に基づき、絶縁用保護具の定期自主検査を行った場合、一定の事項を記録し保存することが義務付けられています。

1(イ)は記録事項として定められています。検査箇所は記録すべき項目です。

2(ロ)も定められています。検査の結果は記録すべき項目です。

3(ハ)が定められていません。「検査標章を貼り付けた年月」は法定の記録・保存事項として規定されていません。検査標章の貼付自体は他の関連規定にある場合がありますが、本条の記録保存事項には含まれません。

4(ニ)は定められています。検査結果に基づく補修等の措置内容は記録すべき項目です。

答え:3 検査標章を貼り付けた年月

定期自主検査の記録事項は「検査箇所・検査結果・補修等の措置内容・検査実施年月日」等であり、「標章の貼付年月」は含まれない点を区別しましょう。

No.66

施工管理法

酸素欠乏症等を防止するため,事業者が講じる措置に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.作業を開始する前に,作業場における空気中の硫化水素の濃度を,選任した作業主任者に測定させ,その濃度が百万分の十(10 PPM)以下であることを確認した。
  • 2.作業に就かせる労働者に対して,酸素欠乏の発生の原因,酸素欠乏症の症状,空気呼吸器等の使用方法,事故の場合の退避及び救急そ生の方法等についての特別の教育を行った。
  • 3.技能講習を修了した者のうちから,作業主任者を選任して,測定器具,換気装置,空気呼吸器等の器具又は設備を点検させた。
  • 4.作業を開始する前に,作業場における空気中の酸素の濃度を測定し,そのつど,測定を実施した者の氏名を記録して,それを 2年間保存した。

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法では、酸素欠乏危険作業について、事前測定・特別教育・作業主任者の選任などの措置が義務付けられています。

1(イ)は正しく、作業開始前に硫化水素濃度を測定し、10ppm以下であることを確認する必要があります。

2(ロ)も正しく、酸素欠乏の原因・症状、器具の使用方法等について特別教育を行う必要があります。

3(ハ)も正しく、技能講習を修了した者から作業主任者を選任し、器具・設備を点検させる必要があります。

4(ニ)が誤りです。作業開始前の酸素濃度測定を行った場合、その記録の保存期間は法令上定められていません(測定の記録保存自体が義務付けられていない、または記載の「2年間保存」という具体的な期間規定がない)。酸素欠乏症等防止規則では測定の実施は義務ですが、設問の「氏名を記録して2年間保存」という具体的措置は規定されていません。

答え:4 作業を開始する前に,作業場における空気中の酸素の濃度を測定し,そのつど,測定を実施した者の氏名を記録して,それを2年間保存した。

酸素欠乏危険作業では「測定の実施」自体は必須ですが、記録の保存期間の具体的な規定内容を正確に確認しておきましょう。

No.67

施工管理法

建設現場において,特別教育を修了した者が就業できる業務として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。ただし,道路上を走行する運転を除く。

  • 1.作業床の高さが 10 m未満の高所作業車の運転
  • 2.最大荷重が 1 t未満のフォークリフトの運転
  • 3.高圧の充電電路やその支持物の敷設及び点検
  • 4.可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法では、危険性の高い一定の業務について「特別教育」の受講で就業可能なもの、より高度な「技能講習」の修了が必要なものが区別されています。

1(イ)は正しく、作業床の高さ10m未満の高所作業車の運転は特別教育の対象です。

2(ロ)も正しく、最大荷重1t未満のフォークリフトの運転は特別教育の対象です。

3(ハ)も正しく、高圧の充電電路等の敷設・点検業務は特別教育の対象です。

4(ニ)が誤りです。可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接(ガス溶接等の業務)は、特別教育ではなく「ガス溶接技能講習」の修了が必要な業務です。特別教育のみでは就業できません。

答え:4 可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接

ガス溶接作業は技能講習が必要な業務であり、特別教育で足りる業務(高所作業車・小型フォークリフト・高圧充電電路点検等)と区別して覚えておきましょう。

No.68

施工管理法

屋内消火栓設備の非常電源として用いる自家発電設備の施工に関する記述として,「消防法」上,誤っているものはどれか。ただし,自家発電設備は,キュービクル式以外であり,屋内に設置するディーゼル機関を用いたものとする。

  • 1.自家発電装置に組み込まない操作盤の前面には,幅 0.8 m の空地を確保した。
  • 2.自家発電装置の周囲には,幅 0.6 m の空地を確保した。
  • 3.予熱する方式の原動機なので,原動機と燃料小出タンクの間隔を 2 m とした。
  • 4.燃料小出タンクの通気管の先端は,屋外に突き出して建築物の開口部から 1 m 離した。

正解:1

解説

考え方

屋内消火栓設備等の非常電源として用いる自家発電設備は、消防法上の設置基準(空地・離隔距離等)を満たす必要があります。

1(イ)が誤りです。自家発電装置に組み込まない操作盤の前面に確保すべき空地の幅は、一般に1m以上とされています。「0.8m」という数値は基準を満たしていません。

2(ロ)は正しく、自家発電装置の周囲には0.6m以上の空地を確保する必要があります。

3(ハ)も正しく、予熱方式の原動機では原動機と燃料小出タンクの間隔を2m以上とする必要があります。

4(ニ)も正しく、燃料小出タンクの通気管の先端は屋外に突き出し、建築物の開口部から1m以上離す必要があります。

答え:1 自家発電装置に組み込まない操作盤の前面には,幅0.8mの空地を確保した。

自家発電設備の空地基準は「操作盤前面は1m以上」「装置周囲は0.6m以上」という数値をセットで覚えておきましょう。

No.69

施工管理法

受電室における高圧受電設備の施工に関する記述として,「高圧受電設備規程」上,誤っているものはどれか。ただし,高圧母線の短絡電流は 12.5 kA であるものとする。

  • 1.A種接地工事の接地極として,大地との間の電気抵抗値が 10 Ω の建物の鉄骨を使用した。
  • 2.容量 500 kV・A の変圧器一次側の開閉装置に,高圧交流負荷開閉器(LBS)を使用した。
  • 3.対面する配電盤の点検面相互間の保有距離を 1.2 m とした。
  • 4.高圧母線には,38 mm² の高圧機器内配線用電線(KIP)を使用した。

正解:1

解説

考え方

高圧受電設備規程では、接地工事、開閉装置の選定、保有距離、機器内配線等に関する基準が定められています。

1(イ)が誤りです。A種接地工事の接地極として建物の鉄骨などを利用するには、大地との間の電気抵抗値が一定の低い値(通常2Ω以下)であることが求められます。「10Ω」という数値ではA種接地工事の接地極として利用する基準を満たしません。

2(ロ)は正しく、容量500kV・Aクラスの変圧器一次側開閉装置に高圧交流負荷開閉器(LBS)を使用することは適切です。

3(ハ)も正しく、対面する配電盤の点検面相互間の保有距離は1.2m程度確保します(短絡電流の大きさに応じた規定あり)。

4(ニ)も正しく、高圧母線にKIP等の高圧機器内配線用電線を使用することは適切です。

答え:1 A種接地工事の接地極として,大地との間の電気抵抗値が10Ωの建物の鉄骨を使用した。

A種接地工事は感電防止上最も厳しい接地であり、抵抗値の基準は非常に小さい値(数Ω程度)である点を押さえておきましょう。

No.70

施工管理法

図に示す架空送電線の緊線工事において,電線の弛度 d を観測する方法の名称として,適当なものはどれか。

No.70の図
  • 1.等長法
  • 2.異長法
  • 3.追出し角度法
  • 4.水平弛度法

正解:1

解説

考え方

架空送電線の緊線工事では、電線の弛度(たるみ)を所定の値に調整するため、いくつかの観測方法が用いられます。

問題文の説明(電線の弛度dを観測する方法)に該当する代表的な方法として、両端の観測点の高さを同じ(等長)に設定して弛度を測定する方法があります。

1(イ)等長法は、観測点を電線の支持点と同じ高さに設定して弛度を観測する基本的な方法で、設問の説明に合致します。

2(ロ)異長法は観測点の高さが支持点と異なる場合に用いる方法です。

3(ハ)追出し角度法、4(ニ)水平弛度法はそれぞれ別の観測手法であり、設問の基本的な弛度観測方法の説明には該当しません。

答え:1 等長法

弛度観測の基本形は等長法であり、観測点の高さ設定によって異長法などの応用手法がある、という体系を理解しておきましょう。

No.71

施工管理法

低圧屋内配線の接地工事に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。

  • 1.金属管工事で乾燥した場所に使用電圧 200 V の配線を施設したとき,管の長さが 4 m であったので,接地工事を省略した。
  • 2.金属可とう電線管工事で乾燥した場所に使用電圧 200 V の配線を施設したとき,管の長さが 8 m であったので,接地工事を省略した。
  • 3.金属線ぴ工事で乾燥した場所に使用電圧 100 V の配線を施設したとき,線ぴの長さが 8 m であったので,接地工事を省略した。
  • 4.ケーブル工事で乾燥した場所に使用電圧 100 V の配線を施設したとき,防護装置の金属製の部分の長さが 4 m であったので,接地工事を省略した。

正解:2

解説

考え方

「電気設備の技術基準とその解釈」では、金属管工事等の低圧配線において、管等の長さが短い場合等に接地工事を省略できる条件が定められています。

1(イ)は正しく、乾燥した場所で使用電圧200V以下、管の長さ4m以下の金属管工事は接地工事を省略できます。

2(ロ)が誤りです。金属可とう電線管工事の接地工事省略条件は、管の長さが4m以下であることが必要です。「管の長さが8m」では省略条件を満たしません。

3(ハ)は正しく、乾燥した場所で使用電圧100V、線ぴの長さ8m以下の金属線ぴ工事は接地工事を省略できます条件に該当します。

4(ニ)も正しく、ケーブル工事で使用電圧100V、防護装置の金属製部分の長さ4m以下の場合は接地工事を省略できます。

答え:2 金属可とう電線管工事で乾燥した場所に使用電圧200Vの配線を施設したとき,管の長さが8mであったので,接地工事を省略した。

接地工事の省略条件は工事の種類ごとに「管・線ぴの長さの上限」が異なるため、数値を工事種別ごとに区別して覚えましょう。

No.72

施工管理法

屋内に施設する低圧のケーブル配線に関連する記述として,「内線規程」上,誤っているものはどれか。ただし,使用電圧は 300 V 以下とする。

  • 1.CVケーブルをメッセンジャーワイヤでちょう架する場合,ハンガーによる支持点間の距離は 50 cm 以下になるように支持した。
  • 2.導体の直径が 2.0 mm の VVFケーブルを,隠ぺい場所で造営材の側面に沿って施設する場合,支持点間の距離は 2 m 以下になるように支持した。
  • 3.CVケーブルをちょう架して施設するメッセンジャーワイヤの径間を 15 m とした。
  • 4.導体の直径が 2.0 mm の VVFケーブルを,露出場所で造営材に沿って施設する場合,器具から 50 cm の位置で支持し接続した。

正解:4

解説

考え方

「内線規程」では、ケーブル配線の支持点間の距離が、施設場所(隠ぺい・露出)やケーブルの種類によって定められています。

1(イ)は正しく、CVケーブルをメッセンジャーワイヤでちょう架する場合、ハンガーの支持点間距離は50cm以下とします。

2(ロ)も正しく、導体直径2.0mmのVVFケーブルを隠ぺい場所で施設する場合、支持点間距離は2m以下とします。

3(ハ)も正しく、メッセンジャーワイヤの径間(支持点間の距離)は一般に15m程度まで認められます。

4(ニ)が誤りです。導体直径2.0mmのVVFケーブルを露出場所で施設する場合、器具に接続する際は器具から15cm以内の位置で支持することが求められます。「50cmの位置で支持」では支持点が離れすぎており、規定を満たしません。

答え:4 導体の直径が2.0mmのVVFケーブルを,露出場所で造営材に沿って施設する場合,器具から50cmの位置で支持し接続した。

露出配線でケーブルを器具に接続する際は、器具付近(15cm程度以内)で支持するのが基本原則です。

No.73

施工管理法

自動火災報知設備に関する記述として,「消防法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.空調の吹出し口付近に設ける光電式スポット型感知器は,吹出し口から 1.5 m 離して設置した。
  • 2.発信機の直近に設ける表示灯は,取付け面と 15度以上の角度となる方向に沿って 10 m 離れたところから,点灯していることが容易に識別できるところに設置した。
  • 3.P型受信機の感知器回路の電路の抵抗は,100 Ω以下となるようにした。
  • 4.音声によらない地区音響装置の音圧は,音響装置の中心から 1 m 離れた位置で 90 dB以上となるようにした。

正解:3

解説

考え方

自動火災報知設備は消防法により、感知器・発信機・表示灯・受信機回路等の設置基準が細かく定められています。

1(イ)は正しく、空調吹出し口付近の光電式スポット型感知器は吹出し口から1.5m以上離して設置します。

2(ロ)も正しく、発信機表示灯は取付け面と15度以上の角度方向、10m離れた位置から点灯確認できることが必要です。

3(ハ)が誤りです。P型受信機の感知器回路の電路の抵抗は「50Ω以下」とすることが基準であり、「100Ω以下」ではありません。

4(ニ)は正しく、音声によらない地区音響装置の音圧は中心から1m離れた位置で90dB以上とします。

答え:3 P型受信機の感知器回路の電路の抵抗は,100Ω以下となるようにした。

感知器回路の電路抵抗は「50Ω以下」という基準数値を正確に覚えておきましょう。

No.74

施工管理法

直流電気鉄道における帰線の漏れ電流の低減対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.変電所への架空絶縁帰線を多数設け,レール電位の傾きを小さくした。
  • 2.変電所数を増加し,き電区間を縮小した。
  • 3.クロスボンドを減らし,帰線抵抗を大きくした。
  • 4.道床の排水を良くして,レールからの漏れ抵抗を大きくした。

正解:3

解説

考え方

直流電気鉄道では、帰線(レール)からの漏れ電流が電気腐食などの障害を引き起こすため、様々な低減対策が取られます。

1(イ)は正しく、架空絶縁帰線を多数設けることでレール電位の傾きを小さくし、漏れ電流を抑制できます。

2(ロ)も正しく、変電所数を増やしき電区間を縮小することで、レール電位の上昇を抑え漏れ電流を減らせます。

3(ハ)が誤りです。クロスボンド(レール間の接続線)は帰線抵抗を「小さくする」ことでレール電位差を均一化し、漏れ電流を低減する対策です。「クロスボンドを減らし帰線抵抗を大きくした」という記述は、低減対策として逆の方向(漏れ電流が増加する方向)になっています。

4(ニ)は正しく、道床の排水を良くしてレールからの漏れ抵抗を大きくすることは漏れ電流低減に有効です。

答え:3 クロスボンドを減らし,帰線抵抗を大きくした。

クロスボンドは帰線抵抗を下げてレール電位を均一化する対策であり、「減らす」のではなく適切に設置することが漏れ電流対策になる点を確認しましょう。

No.75

施工管理法

光ファイバケーブルの施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.マンホールでの光ファイバ心線相互の接続は,圧着接続工法で行い,クロージャに収容した。
  • 2.ノンメタリックケーブルを使用したので,電力ケーブルと並行して敷設した。
  • 3.管路内への光ファイバケーブルの通線は,ケーブルの先端にプーリングアイを用いて施工した。
  • 4.光ファイバケーブルの被覆の除去後,光ファイバの外表面をアルコールで清掃した。

正解:1

解説

考え方

光ファイバケーブルの施工では、心線接続、通線、被覆除去後の清掃などに専用の工法・器材を用います。

1(イ)が誤りです。マンホール内での光ファイバ心線相互の接続には、融着接続工法(心線同士を熱で溶融して接続する方法)を用いるのが一般的であり、「圧着接続工法」は光ファイバの心線接続には適していません(圧着は電線・銅線接続で使われる工法です)。

2(ロ)は正しく、ノンメタリック(非金属)ケーブルは電磁誘導の影響を受けないため、電力ケーブルと並行して敷設できます。

3(ハ)も正しく、管路内への通線にはプーリングアイをケーブル先端に取り付けて牽引します。

4(ニ)も正しく、被覆除去後は光ファイバの外表面をアルコールで清掃してから接続作業を行います。

答え:1 マンホールでの光ファイバ心線相互の接続は,圧着接続工法で行い,クロージャに収容した。

光ファイバの心線接続は融着接続が基本工法であり、圧着接続と混同しないようにしましょう。

No.76

施工管理法

現場打ちマンホールの施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

  • 1.根切り深さの測定には,精度を高めるためにレーザ鉛直器を用いた。
  • 2.底面の砂利は,隙間がないように敷き,振動コンパクタで十分締め固めた。
  • 3.マンホールを正確に設置するため,捨コンクリートを打ち,その表面に墨出しを行った。
  • 4.マンホールに管路を接続後,良質の根切り土を使用し,ランマで締め固めながら埋め戻した。

正解:1

解説

考え方

現場打ちマンホールの施工では、根切り、底面処理、位置決め、埋め戻しなどの各工程で適切な機材・手法を用います。

1(イ)が誤りです。根切り深さの測定には、レベル(水準測量器)等を用いて高さ(深さ)を測定するのが一般的であり、レーザ鉛直器は「鉛直方向(垂直方向)」の位置を確認する器材であって、深さ(高さ方向の測定精度)を高める目的には適していません。

2(ロ)は正しく、底面の砂利は隙間なく敷き、振動コンパクタで締め固めます。

3(ハ)も正しく、捨コンクリートを打ち墨出しを行うことで正確な設置位置を確保します。

4(ニ)も正しく、管路接続後は良質な根切り土を用いランマで締め固めながら埋め戻します。

答え:1 根切り深さの測定には,精度を高めるためにレーザ鉛直器を用いた。

レーザ鉛直器は「鉛直方向の位置決め」用の器材であり、「深さ(高さ)の測定」にはレベル等を用いるという区別を押さえておきましょう。

No.77

法規

建設業の許可に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。ただし,政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者を除く。

  • 1.建設業者は,二以上の建設工事の種類について,建設業の許可を受けることができる。
  • 2.電気工事業を営もうとする者が,二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は,それぞれの所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
  • 3.電気工事業に係る一般建設業の許可を受けた者が,電気工事業に係る特定建設業の許可を受けたときは,その一般建設業の許可は効力を失う。
  • 4.特定建設業の許可を受けようとする者は,発注者との間の請負契約で,その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有すること。

正解:2

解説

考え方

建設業法では、建設業の許可について営業所の設置状況等に応じた許可権者(大臣・知事)や許可単位が定められています。

1(イ)は正しく、建設業者は複数の建設工事の種類について許可を受けることができます。

2(ロ)が誤りです。二以上の都道府県に営業所を設けて営業する場合は、それぞれの都道府県知事の許可ではなく、「国土交通大臣」の許可を受けなければなりません。一つの都道府県内にのみ営業所がある場合は都道府県知事の許可となります。

3(ハ)は正しく、一般建設業の許可を受けた者が特定建設業の許可を受けたときは、一般建設業の許可はその効力を失います。

4(ニ)も正しく、特定建設業の許可には請負代金額に応じた財産的基礎の要件が求められます。

答え:2 電気工事業を営もうとする者が,二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は,それぞれの所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。

営業所が2以上の都道府県にある場合は「国土交通大臣許可」、1つの都道府県内のみなら「知事許可」という区分を確実に覚えておきましょう。

No.78

法規

建設工事の請負契約に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。ただし,元請負人は一般建設業の許可を受けた者とする。

  • 1.請負契約の当事者は,契約に関する紛争の解決方法を契約の書面に記載しなければならない。
  • 2.元請負人は,下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは,当該通知を受けた日から 1月以内で,かつ,できる限り短い期間内にその完成を確認するための検査を完了しなければならない。
  • 3.元請負人は,請負代金の工事完成後における支払いを受けたときは,下請負人に対して相応する下請代金を,当該支払を受けた日から 1月以内で,かつ,できる限り短い期間内に支払わなければならない。
  • 4.建設業者は,建設工事の請負契約を締結するに際して,工事内容に応じ,工事の種別ごとの材料費,労務費その他の経費の内訳を明らかにして,建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。

正解:2

解説

考え方

建設業法では、元請負人と下請負人の間の代金支払い・検査等に関する期限が定められています。

1(イ)は正しく、紛争解決方法は契約書面に記載しなければなりません。

2(ロ)が誤りです。元請負人は、下請負人から完成通知を受けた日から「20日以内」で、できる限り短い期間内に完成検査を完了しなければならないと定められています。「1月以内」という記述は期間が誤っています。

3(ハ)は正しく、請負代金の支払いを受けたときは、下請代金を支払を受けた日から1月以内に支払わなければなりません。

4(ニ)も正しく、建設業者は工事の見積りにおいて経費等の内訳を明らかにするよう努めなければなりません。

答え:2 元請負人は,下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは,当該通知を受けた日から1月以内で,かつ,できる限り短い期間内にその完成を確認するための検査を完了しなければならない。

完成検査は「20日以内」、代金支払いは「1月以内」という異なる期限を混同しないよう区別して覚えましょう。

No.79

法規

建設業法における主任技術者,監理技術者及び監理技術者補佐(以降,監理技術者等という。)の専任に関する記述として,監理技術者等の専任の運用の基本的な考え方等を示した「監理技術者制度運用マニュアル」上,誤っているものはどれか。

  • 1.専任とは,他の工事現場に係る職務を兼務せず,勤務中は常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事していることを意味する。
  • 2.技術研鑽のための研修,講習,試験等への参加,休暇の取得は,専任の監理技術者等が短期間(1〜2日程度)現場を離れる際の理由になることがある。
  • 3.元請の専任の監理技術者等が,短期間(1〜2日程度)を超えて現場を離れる際に,適切な施工体制が確保されている場合においては,発注者の了解を得る必要はない。
  • 4.発電機,配電盤等の工場製作のみが行われている期間は,設計図書でその期間が明確になっている場合,契約工期中であっても元請の監理技術者等の専任を要しない。

正解:3

解説

考え方

「監理技術者制度運用マニュアル」では、監理技術者等の専任の考え方や、現場を離れる際の条件が示されています。

1(イ)は正しく、専任とは他の工事現場の職務を兼務せず、勤務中は常時継続的に当該工事現場の職務に従事することです。

2(ロ)も正しく、技術研鑽のための研修・講習・試験参加や休暇取得は、短期間現場を離れる理由として認められることがあります。

3(ハ)が誤りです。元請の専任の監理技術者等が短期間(1〜2日程度)を超えて現場を離れる場合は、適切な施工体制が確保されていても、原則として「発注者の了解を得る」ことが必要とされています。「了解を得る必要はない」という記述は誤りです。

4(ニ)は正しく、工場製作のみが行われている期間で設計図書上その期間が明確な場合は、専任を要しません。

答え:3 元請の専任の監理技術者等が,短期間(1〜2日程度)を超えて現場を離れる際に,適切な施工体制が確保されている場合においては,発注者の了解を得る必要はない。

短期間(1〜2日程度)を超えて現場を離れる場合は発注者の了解が必要、という点を専任の運用ルールの基本として押さえておきましょう。

No.80

法規

一般送配電事業に関する記述として,「電気事業法」上,誤っているものはどれか。ただし,発電事業に該当する部分を除くものとする。

  • 1.一般送配電事業の小売供給を行う事業には,最終保障供給が含まれない。
  • 2.一般送配電事業には,自らが維持し,及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により,その供給区域における託送供給を行う事業が含まれる。
  • 3.経済産業大臣は,一般送配電事業を営もうとする者が申請した事業の計画が確実であることが認められなければ,事業の許可をしてはならない。
  • 4.一般送配電事業者が,託送供給等約款を変更する場合は,経済産業大臣の認可を受けなければならない。

正解:1

解説

考え方

電気事業法では、一般送配電事業の定義と業務内容(託送供給、最終保障供給等)が定められています。

1(イ)が誤りです。一般送配電事業には、需要者が他の小売電気事業者と契約できない場合等に電気を供給する「最終保障供給」を行う業務が含まれます。「最終保障供給が含まれない」という記述は誤りです。

2(ロ)は正しく、一般送配電事業には自らの送配電設備により託送供給を行う業務が含まれます。

3(ハ)も正しく、経済産業大臣は事業計画が確実であると認められない限り事業許可をしてはなりません。

4(ニ)も正しく、託送供給等約款の変更には経済産業大臣の認可が必要です。

答え:1 一般送配電事業の小売供給を行う事業には,最終保障供給が含まれない。

一般送配電事業の業務には託送供給に加えて最終保障供給も含まれる、という点を確実に覚えておきましょう。

No.81

法規

需要設備に施設する小規模事業用電気工作物に該当する発電設備として,「電気事業法」上,定められているものはどれか。ただし,発電設備は,出力電圧 600 V 以下で出力 10 kW 未満であり,同一構内に他の発電設備は設置されていないものとする。また,需要設備は低圧で受電しているものとする。

  • 1.風力発電設備
  • 2.太陽電池発電設備
  • 3.内燃力を原動力とする火力発電設備
  • 4.道路運送車両法に適合した自動車に設置された燃料電池発電設備

正解:1

解説

考え方

電気事業法では、需要設備に設置する小規模な発電設備のうち、一定の条件(出力・電圧等)を満たすものが「小規模事業用電気工作物」として定められています。

1(イ)は正しく、出力10kW未満・出力電圧600V以下の風力発電設備は小規模事業用電気工作物の対象として定められています。

2(ロ)が誤りです。太陽電池発電設備は、出力10kW未満であっても「小規模事業用電気工作物」ではなく「一般用電気工作物」に分類されるのが原則であり、設問の対象には該当しません。

3(ハ)も誤りの類型です。内燃力を原動力とする火力発電設備は、出力10kW未満でも小規模事業用電気工作物の対象には含まれていません。

4(ニ)も対象外です。道路運送車両法に適合した自動車に設置された燃料電池発電設備は、別の扱いとなり対象に含まれません。

答え:1 風力発電設備

小規模事業用電気工作物の対象となる発電設備の種類(風力等)を電気事業法上の区分に沿って正確に覚えておきましょう。

No.82

法規

電気工事業に関する記述として,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,誤っているものはどれか。

  • 1.登録電気工事業者の登録の有効期間は,5年である。
  • 2.電気工事業者は,営業所ごとに帳簿を備え,省令で定める事項を記載し,記載の日から 5年間保存しなければならない。
  • 3.登録電気工事業者は,営業所が特定営業所となったときは,そのことを知った日から 30日以内に主任電気工事士の選任をしなければならない。
  • 4.登録電気工事業者は,営業所の所在の場所を変更したときは,変更の日から 30日以内に,その旨をその登録をした経済産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

正解:3

解説

考え方

「電気工事業の業務の適正化に関する法律」では、登録電気工事業者の登録有効期間、帳簿保存、主任電気工事士の選任、変更届出等が定められています。

1(イ)は正しく、登録電気工事業者の登録有効期間は5年です。

2(ロ)も正しく、営業所ごとに帳簿を備え、記載の日から5年間保存しなければなりません。

3(ハ)が誤りです。営業所が特定営業所となったときに主任電気工事士を選任する期限は、法令上「30日以内」という明確な規定ではなく、特定営業所となる前提として選任済みであることが求められる仕組みになっており、「知った日から30日以内に選任」という猶予規定はありません。

4(ニ)は正しく、営業所の所在地変更時は変更の日から30日以内に届け出なければなりません。

答え:3 登録電気工事業者は,営業所が特定営業所となったときは,そのことを知った日から30日以内に主任電気工事士の選任をしなければならない。

主任電気工事士の選任と、変更事項の届出(30日以内)の規定を混同しないように区別しておきましょう。

No.83

法規

次の記述のうち,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.建築物に設ける防火戸は,建築設備ではない。
  • 2.コンクリートは,耐水材料ではない。
  • 3.陶磁器質タイルは,不燃材料である。
  • 4.工場は,特殊建築物である。

正解:2

解説

考え方

建築基準法では、建築設備、耐水材料、不燃材料、特殊建築物などの用語が明確に定義されています。

1(イ)は正しく、防火戸は「建築設備」ではなく建築物本体(開口部)に付属する部材として扱われます。

2(ロ)が誤りです。コンクリートは、建築基準法上「耐水材料」として定められています。「耐水材料ではない」という記述は誤りです。

3(ハ)は正しく、陶磁器質タイルは不燃材料として定められています。

4(ニ)も正しく、工場は特殊建築物に該当します。

答え:2 コンクリートは,耐水材料ではない。

耐水材料の代表例(コンクリート、石、れんが、ガラス、陶磁器質タイル等)を一覧として覚えておきましょう。

No.84

法規

次の記述のうち,「建築士法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.建築士は,建築物に関する調査又は鑑定を行うことができる。
  • 2.建築士は,大規模の建築物の建築設備に係る設計を行う場合において,建築設備士の意見を聴いたときは,設計図書にその旨を明らかにしなければならない。
  • 3.建築士は,工事監理を行う場合において,工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは,工事施工者に,当該工事を設計図書のとおりに実施するよう求めなければならない。
  • 4.建築士は,工事監理を終了したときは,省令で定めるところにより,その結果を文書で建築主事に報告しなければならない。

正解:4

解説

考え方

建築士法では、建築士が行う調査・鑑定、設計、工事監理などの業務内容と、それに伴う報告義務等が定められています。

1(イ)は正しく、建築士は建築物に関する調査又は鑑定を行うことができます。

2(ロ)も正しく、大規模建築物の建築設備設計で建築設備士の意見を聴いたときは、設計図書にその旨を明らかにする必要があります。

3(ハ)も正しく、工事監理で設計図書と異なる実施を認めたときは、工事施工者に設計図書通りの実施を求めなければなりません。

4(ニ)が誤りです。建築士は工事監理を終了したときは、その結果を文書で「建築主」に報告しなければならないと定められています。「建築主事」に報告するという記述は誤りです(建築主事への報告義務ではありません)。

答え:4 建築士は,工事監理を終了したときは,省令で定めるところにより,その結果を文書で建築主事に報告しなければならない。

工事監理終了後の報告先は「建築主」であり、確認申請等で登場する「建築主事」と混同しないよう注意しましょう。

No.85

法規

次の記述のうち,「消防法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.無窓階とは,建築物の地上階のうち,省令で定める避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階をいう。
  • 2.消火設備,警報設備及び避難設備は,消防の用に供する設備である。
  • 3.誘導灯,誘導標識,救助袋及び昇降機は,避難設備である。
  • 4.屋内消火栓設備及びガス漏れ火災警報設備には,非常電源を附置しなければならない。

正解:3

解説

考え方

消防法では、消防の用に供する設備を消火設備・警報設備・避難設備に区分し、それぞれに具体的な設備が定められています。

1(イ)は正しく、無窓階は避難上・消火活動上有効な開口部を有しない階を指します。

2(ロ)も正しく、消火設備・警報設備・避難設備はいずれも消防の用に供する設備です。

3(ハ)が誤りです。避難設備には誘導灯、誘導標識、救助袋、避難ばしご、緩降機などが含まれますが、「昇降機(エレベーター)」は避難設備には含まれません。むしろ火災時にはエレベーターの使用は原則禁止されており、避難設備としては扱われません。

4(ニ)は正しく、屋内消火栓設備やガス漏れ火災警報設備には非常電源を附置しなければなりません。

答え:3 誘導灯,誘導標識,救助袋及び昇降機は,避難設備である。

避難設備の代表例(誘導灯・誘導標識・救助袋・避難ばしご・緩降機等)には昇降機は含まれない点を確実に区別しましょう。

No.86

法規

建設業の事業者が選任する総括安全衛生管理者に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.常時 100人以上の労働者を使用する事業場ごとに,総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
  • 2.選任した総括安全衛生管理者に,元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに,技術的事項を管理させなければならない。
  • 3.選任した総括安全衛生管理者に,労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関することを統括管理させなければならない。
  • 4.総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から 14日以内に選任しなければならない。

正解:2

解説

考え方

労働安全衛生法では、一定規模以上の事業場に総括安全衛生管理者を選任し、安全衛生に関する業務を統括管理させることが義務付けられています。

1(イ)は正しく、常時100人以上の労働者を使用する事業場では総括安全衛生管理者の選任が必要です。

2(ロ)が誤りです。総括安全衛生管理者の職務は、労働者の危険・健康障害防止措置等を「統括管理」することであり、「元方安全衛生管理者の指揮」を行わせることは総括安全衛生管理者本来の職務としては規定されていません(元方安全衛生管理者は別途、統括安全衛生責任者の下で技術的事項を管理する者として選任されます)。

3(ハ)は正しく、総括安全衛生管理者には労働者の危険・健康障害防止措置を統括管理させます。

4(ニ)も正しく、選任すべき事由発生日から14日以内に選任しなければなりません。

答え:2 選任した総括安全衛生管理者に,元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに,技術的事項を管理させなければならない。

総括安全衛生管理者と元方安全衛生管理者は別の職務・選任要件を持つ役職であり、混同しないよう整理しておきましょう。

No.87

法規

常時 50人以上の労働者を使用する建設業の事業場において,選任しなければならない者又は設けなければならない委員会として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。

  • 1.産業医
  • 2.衛生管理者
  • 3.衛生委員会
  • 4.安全衛生推進者

正解:4

解説

考え方

労働安全衛生法では、事業場の規模に応じて産業医、衛生管理者、安全管理者、各種委員会等の選任・設置義務が定められています。

1(イ)は正しく、常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医を選任しなければなりません。

2(ロ)も正しく、衛生管理者も常時50人以上の事業場で選任が必要です。

3(ハ)も正しく、衛生委員会も常時50人以上の事業場で設置が必要です。

4(ニ)が定められていません。「安全衛生推進者」は、常時50人以上の事業場ではなく、より小規模な事業場(建設業では常時10人以上50人未満)で選任が求められる者であり、常時50人以上の事業場における選任義務者としては定められていません(50人以上の規模では、安全衛生推進者に代わり安全管理者・衛生管理者等の選任が求められます)。

答え:4 安全衛生推進者

安全衛生推進者は「常時10人以上50人未満」の事業場向けの制度であり、「常時50人以上」の事業場の義務者(産業医・衛生管理者・衛生委員会等)とは規模区分が異なる点を区別しましょう。

No.88

法規

建設の事業における災害補償に関する記述として,「労働基準法」上,誤っているものはどれか。

  • 1.建設の事業が数次の請負によって行われる場合においては,災害補償については,その元請負人は使用者とはみなされない。
  • 2.労働者が業務上死亡した場合においては,使用者は,遺族に対して,遺族補償を行わなければならない。
  • 3.労働者災害補償保険法に基づいて労働基準法の災害補償に相当する給付が行われる場合においては,使用者は,補償の責を免れる。
  • 4.労働者が業務上負傷し,治った場合において,その身体に障害が存するときは,使用者は,例外の規定を除き,法令に定められた金額の障害補償を行わなければならない。

正解:1

解説

考え方

労働基準法では、数次の請負によって行われる建設事業における災害補償の責任の所在が明確に定められています。

1(イ)が誤りです。建設の事業が数次の請負によって行われる場合、災害補償については、その「元請負人を使用者とみなす」と定められています。「使用者とはみなされない」という記述は逆の内容です。この規定により、下請の労働者が被災した場合でも元請負人が補償責任を負う体制が確保されています。

2(ロ)は正しく、労働者が業務上死亡した場合、使用者は遺族に遺族補償を行わなければなりません。

3(ハ)も正しく、労災保険法に基づく給付が行われる場合、使用者は労働基準法上の補償責任を免れます。

4(ニ)も正しく、業務上負傷し治った後に障害が残る場合、使用者は障害補償を行わなければなりません。

答え:1 建設の事業が数次の請負によって行われる場合においては,災害補償については,その元請負人は使用者とはみなされない。

数次請負における災害補償は「元請負人を使用者とみなす」という原則を確実に覚えておきましょう。

No.89

法規

ガスタービンの燃料の燃焼能力に関し,ばい煙発生施設に該当するものとして,「大気汚染防止法」上,定められているものはどれか。

  • 1.ガソリン換算 1時間当たり 35 リットル以上
  • 2.軽油換算 1時間当たり 35 リットル以上
  • 3.灯油換算 1時間当たり 50 リットル以上
  • 4.重油換算 1時間当たり 50 リットル以上

正解:4

解説

考え方

大気汚染防止法では、ばい煙発生施設として指定される燃焼設備の規模基準が燃料の種類ごとに定められています。

1(イ)ガソリン換算1時間当たり35リットル以上、2(ロ)軽油換算1時間当たり35リットル以上、3(ハ)灯油換算1時間当たり50リットル以上は、ガスタービンのばい煙発生施設の指定基準として定められた数値とは一致しません。

4(ニ)ガスタービンの燃料の燃焼能力に関するばい煙発生施設の指定基準は「重油換算1時間当たり50リットル以上」と定められており、設問の条件に一致します。

答え:4 重油換算1時間当たり50リットル以上

ばい煙発生施設の規模基準は燃料の種類ごと(重油換算等)に数値が定められているため、設備の種類と基準値の対応を正確に覚えておきましょう。

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掲載している試験問題は、一般財団法人 建設業振興基金が公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。