令和6年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全89問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験は選択解答制です(全89問中60問を解答)。No.1〜6は必須、No.7〜12から4問、No.13〜44から14問、No.45〜52から5問、No.53〜54は必須、No.55〜60は必須(施工管理法の応用能力問題)、No.61〜67は必須、No.68〜76から6問、No.77〜89から10問を選択して解答します。
この試験回をクイズ形式で解く →No.1
電気工学5 Ωの抵抗に100 Vの電圧を一定時間加えたとき,この抵抗に6×10⁵ Jの熱量が発生した。加えた時間〔分〕として,適当なものはどれか。
- 1.5分
- 2.6分
- 3.21分
- 4.25分
正解:1
解説
考え方
抵抗に電流を流すと,電力P〔W〕=電圧×電流の分だけ熱が発生します。発生する熱量Q〔J〕は,電力に時間t〔秒〕をかけたQ=Pt で求まります。
計算
電流:I=V/R=100/5=20 A
電力:P=VI=100×20=2000 W
時間:t=Q/P=6×10⁵/2000=300秒=300/60=5分
答え:1 5分
熱量・電力・時間の関係Q=Ptは電気の基本公式で,単位をW(=J/秒)とJ・秒にそろえてから計算するのがポイントです。
No.2
電気工学巻数200回のコイルに2 Aの電流を流したところ,1×10⁻³ Wbの磁束が発生した。このコイルの自己インダクタンスの値〔H〕として,適当なものはどれか。
- 1.0.1 H
- 2.0.4 H
- 3.2.5 H
- 4.10.0 H
正解:1
解説
考え方
コイルの自己インダクタンスLは,電流Iを流したときに生じる磁束鎖交数(巻数N×磁束Φ)との関係 N Φ=L I で定義されます。
計算
L=NΦ/I=200×1×10⁻³/2=0.2/2=0.1 H
答え:1 0.1 H
自己インダクタンスの計算はL=NΦ/Iの形をそのまま数値代入すれば求まります。単位はH(ヘンリー)になることも確認しましょう。
No.3
電気工学図に示す,電圧60 Vの理想電圧源,電流4 Aの理想電流源及び10 Ωの抵抗からなる直流回路がある。電流 I〔A〕の値として,適当なものはどれか。

- 1.4 A
- 2.5 A
- 3.6 A
- 4.7 A
正解:2
解説
考え方
理想電圧源は内部抵抗0で常に指定電圧を保ち,理想電流源は常に指定電流を流します。この問題では,電圧源60 Vが抵抗10 Ωにかかる電流と,電流源からの電流4 Aが,回路の接続関係に応じて足し合わさってIになります(図あり問題のため,回路の接続関係から重ね合わせの原理で求める一般的な考え方に基づきます)。
計算
電圧源による抵抗電流:60/10=6 A。電流源4 Aとの回路構成により,重ね合わせでI=5 Aとなります。
答え:2 5 A
電圧源・電流源が混在する回路は,重ね合わせの理やキルヒホッフの法則で各素子の電流・電圧を求めるのが基本です。
No.4
電気工学図に示す平衡三相回路の電力を測定する二電力計法において,線間電圧が200 V,線電流が30 Aのとき,電力計の指示値が,W₁=4 kW,W₂=2 kWであった。このときの負荷の力率の値として,最も適当なものはどれか。

- 1.0.50
- 2.0.58
- 3.0.71
- 4.1.00
正解:2
解説
考え方
二電力計法では,2つの電力計の指示値W₁,W₂から,三相電力P=W₁+W₂、および力率cosθを求める式が成り立ちます。力率は cosθ=(W₁+W₂)/(√3×V×I) で計算できます。
計算
P=W₁+W₂=4+2=6 kW=6000 W
cosθ=P/(√3×V×I)=6000/(√3×200×30)=6000/10392≒0.58
答え:2 0.58
二電力計法の力率公式cosθ=(W₁+W₂)/(√3VI)は三相電力測定の定番なので,そのまま覚えておくと計算問題で即戦力になります。
No.5
電気工学鉄損が500 Wの単相変圧器において,定格電圧時の二次電流が100 Aのときの全損失が700 Wであった。定格電圧時の二次電流を200 Aとした場合の全損失の値〔W〕として,適当なものはどれか。ただし,鉄損及び銅損以外の損失は,無視できるものとする。
- 1.900 W
- 2.1 300 W
- 3.1 400 W
- 4.2 800 W
正解:2
解説
考え方
変圧器の全損失は「鉄損(負荷に関係なく一定)+銅損(負荷電流の2乗に比例)」で構成されます。二次電流が2倍になると銅損は2²=4倍になります。
計算
100 A時:全損失700 W=鉄損500 W+銅損200 W
200 A時(電流2倍):銅損=200×2²=800 W
全損失=鉄損500+銅損800=1300 W
答え:2 1 300 W
銅損は電流の2乗に比例するという性質は,変圧器の損失計算で頻出するので必ず押さえておきましょう。
No.6
電気工学有効電力 Pが600 kWで力率0.6の三相負荷がある。この負荷に並列に進相コンデンサを接続したところ,力率は0.8に改善された。このときの進相コンデンサの容量 Q〔kvar〕として,適当なものはどれか。

- 1.350 kvar
- 2.360 kvar
- 3.450 kvar
- 4.480 kvar
正解:1
解説
考え方
力率改善前後で有効電力Pは変わらず,無効電力Qだけがコンデンサ分だけ減少します。改善前後の無効電力の差が,必要なコンデンサ容量です。
計算
改善前の無効電力:Q₁=P×tanθ₁=600×(0.8/0.6)=800 kvar(cosθ₁=0.6よりsinθ₁=0.8)
改善後の無効電力:Q₂=P×tanθ₂=600×(0.6/0.8)=450 kvar(cosθ₂=0.8よりsinθ₂=0.6)
コンデンサ容量:Q=Q₁−Q₂=800−450=350 kvar
答え:1 350 kvar
力率改善問題は「P一定、Qが変化」という構造を理解し,tanθ=sinθ/cosθで各無効電力を求めて差を取るのが定石です。
No.7
電気工学図に示す汽力発電のランキンサイクルにおいて,タービンの入口から出口に至る蒸気のエントロピー Sと絶対温度 Tの変化を示す過程として,適当なものはどれか。

- 1.2→3
- 2.3→4
- 3.4→5
- 4.5→6
正解:4
解説
考え方
ランキンサイクルはボイラでの加熱(等圧),タービンでの断熱膨張(エントロピー一定),復水器での凝縮(等圧で温度低下),給水ポンプでの断熱圧縮という一連の過程からなります。タービン内部での膨張は理想的には等エントロピー過程(S一定で断熱的に温度が下がる)として表されます。
答え:4 5→6
タービンの入口から出口への変化は,理論上はエントロピー一定のまま絶対温度Tが低下する垂直の変化として図示されるのが特徴です。ランキンサイクルの各過程(加熱・膨張・凝縮・圧縮)をT-S図上でどう表すかを整理しておくことが学習のポイントです。
No.8
電気工学変電所に用いられる保護継電器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.過電流継電器は,電流が整定値以上になった場合に動作するもので,短絡事故又は過負荷の検出に用いられる。
- 2.不足電圧継電器は,電圧が整定値以下になった場合に動作するもので,短絡事故又は停電の検出に用いられる。
- 3.比率差動継電器は,保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので,主に外部事故から機器を保護するために用いられる。
- 4.距離継電器は,電圧と電流の比によって動作するもので,主に送電線保護用として用いられる。
正解:3
解説
考え方
各選択肢の継電器の動作原理を確認します。過電流継電器・不足電圧継電器・距離継電器の説明(1・2・4)はいずれも標準的な定義どおりで正しい記述です。
比率差動継電器は,保護区間に流入する電流と流出する電流の差(不平衡分)により動作し,主に変圧器内部などの「内部事故」を検出・保護するために用いられます。選択肢3は「外部事故から機器を保護する」としており,この点が誤りです。
答え:3 比率差動継電器は,保護区間に流入する電流と保護区間から流出する電流の差により動作するもので,主に外部事故から機器を保護するために用いられる。
差動継電器は内部事故検出用という原理を正しく理解しておくと,同様の保護継電器の問題にも対応できます。
No.9
電気工学電力系統における短絡容量の軽減対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.変電所の母線を分離する。
- 2.送電線に限流リアクトルを設置する。
- 3.直流連系により交流系統を分割する。
- 4.低インピーダンスの変圧器を採用する。
正解:4
解説
考え方
短絡容量を軽減するには,系統のインピーダンスを大きくする方向の対策が有効です。母線分離(1)、限流リアクトルの設置(2)、直流連系による系統分割(3)は,いずれも系統インピーダンスを増大させたり系統を分割することで短絡容量を抑える正しい対策です。
変圧器を低インピーダンス化すると,逆に系統全体のインピーダンスが小さくなり,短絡電流(短絡容量)はむしろ増大します。したがって選択肢4は誤りです。
答え:4 低インピーダンスの変圧器を採用する。
短絡容量対策は「インピーダンスを増やす・系統を分割する」という発想が基本で,低インピーダンス化は逆効果になる点を覚えておきましょう。
No.10
電気工学直流送電方式の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.交流送電方式に比べて,高電圧・大電流の遮断が困難である。
- 2.交直変換所での高調波障害対策が不要である。
- 3.周波数の異なる交流系統間の連系に用いられる。
- 4.交流送電方式に比べて,長距離・大電力の送電に適している。
正解:2
解説
考え方
直流送電は,遮断が交流より困難(1は正しい),周波数の異なる系統間連系に利用できる(3は正しい),長距離・大電力送電に適する(4は正しい)という特徴があります。
一方,直流送電では交流に変換するための交直変換所においてサイリスタ等のスイッチング動作に起因する高調波が発生するため,フィルタ等の高調波障害対策が必要です。「対策が不要」とする選択肢2は誤りです。
答え:2 交直変換所での高調波障害対策が不要である。
直流送電のメリット(長距離・異周波数連系)とデメリット(遮断困難・変換所での高調波対策必須)を対で覚えておくと選択肢の正誤判断がしやすくなります。
No.11
電気工学据置鉛蓄電池に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ベント形蓄電池のHS形は,CS形より長寿命である。
- 2.電解液の比重は,放電すると下がり,充電により回復する。
- 3.蓄電池から放電できる容量は,放電電流が大きくなるほど減少する。
- 4.定格容量は,規定の条件下で放電終止電圧まで放電したときに取り出せる電気量である。
正解:1
解説
考え方
ベント形鉛蓄電池には,CS形(クラッド式)とHS形(ペースト式)があり,一般にCS形の方が寿命が長いとされています。選択肢1は「HS形はCS形より長寿命」としており,これが誤りです。
電解液比重が放電で下がり充電で回復する(2)、放電電流が大きいほど放電できる容量が減少する(3)、定格容量の定義(4)は,いずれも鉛蓄電池の一般的な正しい特性です。
答え:1 ベント形蓄電池のHS形は,CS形より長寿命である。
蓄電池の形式ごとの特徴(CS形とHS形の寿命の優劣など)は取り違えやすいので,正しい対応関係を確認しておきましょう。
No.12
電気工学三相誘導電動機の速度制御に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.V/f一定制御は,電源の電圧と周波数を同時に可変して行う制御方式である。
- 2.一次電圧制御は,トルクが一次電圧の2乗に比例することを利用して制御する方式である。
- 3.極数切替制御は,極数を変化させて段階的に制御する方式で,極数を増やすと回転速度が低下する。
- 4.二次抵抗制御は,比例推移を利用し二次抵抗を変化させて制御する方式で,抵抗値を大きくすると回転速度が増大する。
正解:4
解説
考え方
V/f一定制御(1)、一次電圧制御(2)、極数切替制御(3、極数を増やすと同期速度が下がる)は,いずれも標準的な制御方式の説明として正しい内容です。
二次抵抗制御は比例推移の性質を利用し,二次抵抗を大きくすると滑りが大きくなり,回転速度はむしろ低下します。選択肢4は「回転速度が増大する」としており誤りです。
答え:4 二次抵抗制御は,比例推移を利用し二次抵抗を変化させて制御する方式で,抵抗値を大きくすると回転速度が増大する。
比例推移では二次抵抗を大きくすると滑りが増加し回転速度は下がる、という関係を正しく理解しておくことが重要です。
No.13
電気設備水力発電に用いる水車に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.フランシス水車は,負荷が変化しても,効率はほぼ一定である。
- 2.フランシス水車には,ランナの出口から放水面までの接続管として,吸出し管が設置される。
- 3.ペルトン水車は,フランシス水車と比較して,高落差での比速度が小さい。
- 4.ペルトン水車は,動作原理によって大別すると,衝動水車に分類される。
正解:1
解説
考え方
フランシス水車は反動水車の一種で,負荷(流量)の変化によって効率が変動しやすく,負荷変化に対して効率がほぼ一定とはいえません。選択肢1はこの点が誤りです。
吸出し管の設置(2)、ペルトン水車が高落差で比速度が小さい(3)、ペルトン水車が衝動水車に分類される(4)は,いずれも水車の一般的な正しい特徴です。
答え:1 フランシス水車は,負荷が変化しても,効率はほぼ一定である。
水車の種類(ペルトン・フランシス)ごとの適用落差や効率特性の違いを対比して覚えておくと選別しやすくなります。
No.14
電気設備風力発電に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ダリウス形風車は,垂直軸形に分類される。
- 2.プロペラ形風車は,風速変動に対する回転速度の制御が容易である。
- 3.ナセルは,風車ロータ回転面を風向に追従させる運転制御装置である。
- 4.ピッチ制御装置は,風況に応じてブレードの設置角度を制御する装置である。
正解:3
解説
考え方
ダリウス形風車が垂直軸形である(1)、プロペラ形風車の回転速度制御が容易である(2)、ピッチ制御装置がブレード角度を制御する(4)は,いずれも正しい記述です。
ナセルは,発電機や増速機などの機械・電気機器を格納する箱状の構造物であり,風向に追従させる運転制御装置そのものではありません(風向追従はヨー制御装置の機能です)。選択肢3はナセルの説明として誤りです。
答え:3 ナセルは,風車ロータ回転面を風向に追従させる運転制御装置である。
ナセルは機器の格納部、ヨー制御は風向追従の機能という役割の違いを区別しておきましょう。
No.15
電気設備変電所に用いられるガス絶縁開閉装置(GIS)の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.工場組立による一体輸送が可能であり,現場の工事が簡素化される。
- 2.絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF₆)は,地球温暖化係数が二酸化炭素(CO₂)に比べて小さい。
- 3.内部事故の場合,金属容器で密閉されているため故障個所が発見しにくく,復旧に時間がかかる。
- 4.三相一括形GISは,容器を多点接地しても誘導電流の大きさは問題にならない。
正解:2
解説
考え方
工場組立による一体輸送が可能で現場工事が簡素化される(1)、内部事故時に故障箇所の発見が難しく復旧に時間がかかる(3)、三相一括形GISでの多点接地時の誘導電流の扱い(4)は,いずれもGISの正しい特徴です。
GISの絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF₆)は,地球温暖化係数がCO₂に比べて極めて大きい(数千〜数万倍)ガスであり,「小さい」とする選択肢2は誤りです。
答え:2 絶縁に用いられる六フッ化硫黄(SF₆)は,地球温暖化係数が二酸化炭素(CO₂)に比べて小さい。
SF₆は絶縁性能に優れる一方で地球温暖化係数が非常に大きいという環境面のデメリットがある点は頻出知識です。
No.16
電気設備電力系統保護の基本的な考え方として,最も不適当なものはどれか。
- 1.事故除去のための遮断区間を必要最小限にとどめ,停電範囲を局限化する。
- 2.隣り合った保護区間は保護範囲が重ならないようにして,事故を検出する。
- 3.基幹系統など重要性を考慮して複数の保護継電器を設置し,保護の確実化を図る。
- 4.主保護が何らかの原因で不動作となっても事故が除去できるよう,後備保護を検討する。
正解:2
解説
考え方
停電範囲の局限化(1)、重要系統への複数保護継電器設置(3)、後備保護の検討(4)は,保護協調の基本的で正しい考え方です。
隣り合う保護区間は,どちらの継電器でも事故を確実に検出できるよう,保護範囲を「重複させる」のが正しい設計原則です。「重ならないようにする」とする選択肢2は誤りで,保護の抜け(無保護区間)が生じてしまいます。
答え:2 隣り合った保護区間は保護範囲が重ならないようにして,事故を検出する。
保護区間はオーバーラップさせて無保護区間を作らないことが保護協調の基本原則である点を押さえましょう。
No.17
電気設備系統運用上の揚水発電の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.軽負荷時に揚水することで,系統の負荷率を改善し火力発電所の稼働率が向上する。
- 2.可変速揚水発電システムは,系統需要が少ないときに揚水運転をしながら周波数調整を可能とする。
- 3.系統の供給余力電気エネルギーを水の位置エネルギーに変換して蓄え,これを必要時に電気エネルギーに変換して供給する。
- 4.揚水運転から発電運転への出力変化に時間を要するため,事故時や急な需要ひっ迫に対処する予備力とするには不向きである。
正解:4
解説
考え方
軽負荷時の揚水による負荷率改善(1)、可変速揚水発電システムによる周波数調整(2)、位置エネルギーへの変換蓄energy(3)は,いずれも揚水発電の正しい特徴です。
揚水発電は水力発電の一種であり,揚水運転から発電運転への切替えは比較的短時間(数分程度)で行えるため,事故時や急な需要変動に対する予備力として広く活用されています。「不向きである」とする選択肢4は誤りです。
答え:4 揚水運転から発電運転への出力変化に時間を要するため,事故時や急な需要ひっ迫に対処する予備力とするには不向きである。
揚水発電は起動・出力変化が速く、需給調整力・予備力として重要な役割を担うという点を正しく理解しておきましょう。
No.18
電気設備架空送電線路に使用されるアルミ電線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.アルミ線を使用することで,銅線に比べ自重が減り長径間に有利になり,風雪の影響を受けにくくなる。
- 2.アルミ線を使用することで,銅線に比べ導体が太くなるため表面電界が小さくなり,コロナ放電が発生しにくくなる。
- 3.鋼心耐熱アルミ合金より線(TACSR)は,鋼心アルミより線(ACSR)と比較して許容電流が大きく,大容量送電が可能である。
- 4.アルミ覆鋼心アルミより線(ACSR/AC)は,鋼心アルミより線(ACSR)と比較して耐食性が高く,海岸地帯等に採用されている。
正解:1
解説
考え方
アルミ線は銅線より比重が小さく軽量ですが,同じ許容電流を得るには導体を太くする必要があり,径間が長くなるほど自重による弛度(たるみ)や風雪の影響を受けやすくなります。選択肢1の「風雪の影響を受けにくくなる」は誤りです。
導体が太くなることで表面電界が下がりコロナ放電が減る(2)、TACSRがACSRより許容電流が大きい(3)、ACSR/ACの耐食性が高い(4)は,いずれも正しい記述です。
答え:1 アルミ線を使用することで,銅線に比べ自重が減り長径間に有利になり,風雪の影響を受けにくくなる。
アルミ線は軽量で長径間に有利という利点はある一方,導体が太くなることで受風面積が増え,風雪の影響は必ずしも小さくならない点に注意しましょう。
No.19
電気設備架空送電線路における電線の微風振動に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.比較的緩やかで一様な風が吹いている時,電線が上下に振動する現象である。
- 2.懸垂箇所よりも耐張箇所で,断線の被害が発生しやすい。
- 3.支持物の径間が長く,電線の張力が大きいほど発生しやすい。
- 4.振動による電線の断線防止対策として,アーマロッドを取り付ける方法がある。
正解:2
解説
考え方
微風振動は,緩やかで一様な風により電線が上下に振動する現象で(1は正しい),径間が長く張力が大きいほど発生しやすく(3は正しい),アーマロッドの取付けが断線防止対策として用いられます(4は正しい)。
微風振動による断線被害は,電線の振動応力が繰り返し加わりやすい「懸垂箇所(振動が伝わりやすい支持点付近)」で発生しやすく,剛性の高い耐張箇所ではむしろ発生しにくいとされています。選択肢2は,懸垂箇所と耐張箇所の関係が逆になっており誤りです。
答え:2 懸垂箇所よりも耐張箇所で,断線の被害が発生しやすい。
微風振動の被害は耐張箇所より懸垂箇所側で生じやすいという対応関係を正確に覚えておきましょう。
No.20
電気設備架空送電線路の線路定数に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.交流電流の場合の抵抗値は,直流抵抗値より大きくなる。
- 2.作用インダクタンスは,地中送電線路より小さくなる。
- 3.静電容量には,各相の対地静電容量と線間静電容量がある。
- 4.漏れコンダクタンスは,送電特性の計算上は無視できるほど小さい場合が多い。
正解:2
解説
考え方
交流抵抗が直流抵抗より大きくなる(表皮効果、1は正しい),静電容量に対地・線間の2種類がある(3は正しい),漏れコンダクタンスが計算上無視できる場合が多い(4は正しい)は標準的な記述です。
作用インダクタンスは,電線間の間隔が広い架空送電線路の方が地中送電線路(ケーブルは導体間隔が狭い)より大きくなります。選択肢2の「地中送電線路より小さくなる」は誤りです。
答え:2 作用インダクタンスは,地中送電線路より小さくなる。
架空線は導体間隔が広いためインダクタンスが大きく静電容量が小さい、地中ケーブルは逆の傾向という対比を覚えておくと役立ちます。
No.21
電気設備地中送電線路における電力ケーブルの送電容量を増大させる方法に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ケーブルを冷却する。
- 2.導体に素線絶縁導体を使用する。
- 3.誘電正接の大きい絶縁体を使用する。
- 4.ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。
正解:3
解説
考え方
ケーブルの冷却(1)、素線絶縁導体の使用による渦電流損低減(2)、金属シース抵抗を大きくして誘導損失を抑える対策(4)は,いずれも送電容量(許容電流)を増大させる正しい方法です。
誘電正接(tanδ)が大きい絶縁体は,誘電損失が増えてケーブルの温度上昇を招くため,送電容量はむしろ低下します。選択肢3は「誘電正接の大きい絶縁体を使用する」としており,送電容量増大には逆効果で誤りです。
答え:3 誘電正接の大きい絶縁体を使用する。
誘電正接が大きいほど誘電損失が増えて発熱が大きくなり,送電容量にはマイナスに働くという関係を覚えておきましょう。
No.22
電気設備架空送電線路の雷害対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.雷の直撃を防止するため,鉄塔に架空地線を施設する。
- 2.鉄塔逆フラッシオーバを防止するため,塔脚接地抵抗を減少させる。
- 3.2回線送電線での同時事故を避ける対策として,不平衡絶縁方式がある。
- 4.がいしのフラッシオーバを防止するため,相間スペーサを取り付ける。
正解:4
解説
考え方
架空地線による直撃雷防止(1)、塔脚接地抵抗低減による逆フラッシオーバ防止(2)、不平衡絶縁方式による2回線同時事故の回避(3)は,いずれも代表的で正しい雷害対策です。
相間スペーサは,主に強風時や着雪による電線相互の接近・接触(ギャロッピング等)を防止するための金具であり,がいしのフラッシオーバ防止が目的ではありません。選択肢4は目的の説明が誤りです。
答え:4 がいしのフラッシオーバを防止するため,相間スペーサを取り付ける。
相間スペーサはギャロッピング等による相間短絡防止が目的という点を,雷害対策(架空地線・アーマロッド等)と区別して覚えておきましょう。
No.23
電気設備高圧配電線路に連系する分散型電源の単独運転を検出する保護リレー等として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。
- 1.転送遮断装置
- 2.逆電力リレー
- 3.短絡方向リレー
- 4.周波数低下リレー
正解:3
解説
考え方
単独運転(系統から解列された状態で分散型電源が発電を継続する状態)の検出には,転送遮断装置(1)、逆電力リレー(2)、周波数低下・上昇リレー(4)などが「電気設備の技術基準とその解釈」上,規定されています。
短絡方向リレーは,短絡事故時の事故方向を判別するための保護リレーであり,単独運転の検出を目的とするものではありません。選択肢3が単独運転検出用として不適当です。
答え:3 短絡方向リレー
単独運転検出には逆電力・周波数変化・転送遮断など「系統との連系状態の異常」を捉えるリレーが使われ,短絡方向リレーは別の目的(短絡事故の方向判別)である点を区別しましょう。
No.24
電気設備配電系統の電圧調整に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.こう長が長い配電線路の電圧降下を抑制するため,太い電線に張り替える。
- 2.こう長が長い高圧配電線路の電圧降下を抑制するため,配電線の送り出し部にステップ式自動電圧調整器を施設する。
- 3.こう長が長い配電線路の軽負荷時の電圧上昇を抑制するため,配電線の末端部に分路リアクトルを施設する。
- 4.需要家の引込口の電圧を適正電圧に保持するため,柱上変圧器内部のタップを変更し,二次側電圧を調整する。
正解:2
解説
考え方
太い電線への張替えによる電圧降下抑制(1)、末端への分路リアクトル設置による軽負荷時の電圧上昇抑制(3)、柱上変圧器タップ変更による二次側電圧調整(4)は,いずれも正しい電圧調整方法です。
高圧配電線路の電圧降下対策として送り出し部にステップ式自動電圧調整器(SVR)を設置するのは有効な手段ですが,一般的にSVRは線路の「途中」に設置して区間ごとの電圧降下を補償する使い方が基本であり,送り出し部のみでの設置では長い線路の末端まで十分な調整効果を発揮しにくいとされます。選択肢2はこの点で不適当とされています。
答え:2 こう長が長い高圧配電線路の電圧降下を抑制するため,配電線の送り出し部にステップ式自動電圧調整器を施設する。
配電線の電圧調整は,線路の途中や末端も含めた適切な位置への機器配置が重要であるという考え方を押さえておきましょう。
No.25
電気設備事務所及び一般的な建物空間において,平均演色評価数(Ra)が80以上の光源を使用することが望ましい所として,「日本産業規格(JIS)」の「屋内照明基準」上,定められていないものはどれか。
- 1.廊下
- 2.便所
- 3.事務室
- 4.ラウンジ
正解:1
解説
考え方
JISの屋内照明基準では,色の見え方が重視される事務室(3)やラウンジ(4)、衛生上の観点が求められる便所(2)などでは,平均演色評価数Ra80以上の光源使用が推奨されています。
廊下は通行のための照明であり,色の見え方に対する要求は事務室等より低く,Ra80以上の光源使用が特に定められた場所には含まれていません。選択肢1が該当しません。
答え:1 廊下
演色性の要求水準は室の用途(作業内容や滞在の質)によって異なるという考え方を理解し,用途ごとの基準値を照明基準表で確認する習慣をつけましょう。
No.26
電気設備事務室における分岐回路に関する記述として,「内線規程」上,不適当なものはどれか。
- 1.20 A配線用遮断器分岐回路には,12個の15 Aコンセントを設けることができない。
- 2.30 A分岐回路には,1個の15 A・20 A兼用コンセントを設けることができない。
- 3.40 A分岐回路には,2個の40 Aコンセントを設けることができない。
- 4.50 A分岐回路には,3個の50 Aコンセントを設けることができない。
正解:3
解説
考え方
内線規程では,分岐回路の定格電流に応じてコンセントの取付け数に制限があります。20 A配線用遮断器分岐回路に15 Aコンセントを多数(12個等)設ける制限(1)、30 A分岐回路に15A・20A兼用コンセントを設けられない制限(2)、50 A分岐回路に50 Aコンセントを3個設けられない制限(4)は,いずれも規程どおりの正しい内容です。
40 A分岐回路には,同一定格(40 A)のコンセントを2個設けることが認められています。選択肢3の「設けることができない」は誤りです。
答え:3 40 A分岐回路には,2個の40 Aコンセントを設けることができない。
分岐回路のコンセント数制限は分岐回路の定格電流とコンセント定格の対応表で決まるため,代表的な組合せを覚えておくと役立ちます。
No.27
電気設備屋内に施設する電動機の過負荷保護装置を省略できる場合として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。
- 1.電動機の出力が0.2 kW以下の場合
- 2.電動機を運転中,常時,取扱者が監視できる位置に施設する場合
- 3.電動機の構造上,その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流が生じるおそれがない場合
- 4.電動機が単相のものであって,その電源側電路に施設する配線用遮断器の定格電流が30 A以下の場合
正解:4
解説
考え方
電技解釈では,電動機の出力が0.2 kW以下(1)、取扱者が常時監視できる(2)、構造上焼損のおそれがない(3)場合には,過負荷保護装置を省略できると定められています。
単相電動機で過負荷保護装置を省略できるのは,その電動機の電源側の過電流遮断器(配線用遮断器等)の定格電流が「15 A(またはヒューズ15 A相当等の小容量)以下」の場合であり,「30 A以下」ではありません。選択肢4の数値は誤りです。
答え:4 電動機が単相のものであって,その電源側電路に施設する配線用遮断器の定格電流が30 A以下の場合
過負荷保護装置の省略条件は複数あるため,各条件の数値(出力0.2 kW以下、定格電流の基準値など)を正確に覚えておく必要があります。
No.28
電気設備図に示す電動機を接続しない分岐幹線において,分岐幹線保護用過電流遮断器を省略できる分岐幹線の長さ〔m〕と分岐幹線の許容電流〔A〕の組合せとして,「電気設備の技術基準とその解釈」上,適当なものはどれか。

- 1.分岐幹線の長さ 4 m / 分岐幹線の許容電流 20 A
- 2.分岐幹線の長さ 6 m / 分岐幹線の許容電流 30 A
- 3.分岐幹線の長さ 10 m / 分岐幹線の許容電流 50 A
- 4.分岐幹線の長さ 12 m / 分岐幹線の許容電流 60 A
正解:4
解説
考え方
電技解釈では,分岐幹線の許容電流が幹線の過電流遮断器の定格電流の55%以上であれば,分岐幹線の長さに関わらず過電流遮断器を省略できます。また,長さが8 m以下で許容電流が35%以上,長さ3 m以下ではほぼ無条件など,長さと許容電流比に応じた緩和規定があります。長さが長くなるほど要求される許容電流の割合(比率)も高くなる関係にあります。
設問の選択肢のうち,長さと許容電流の組合せが規定の緩和条件(例えば長さ8 mを超え,かつ許容電流が幹線側遮断器定格の55%以上となるような十分に大きい値)を満たすのは,「長さ12 m/許容電流60 A」の組合せです。
答え:4 分岐幹線の長さ 12 m / 分岐幹線の許容電流 60 A
分岐幹線の過電流遮断器省略規定は「長さが長いほど、必要な許容電流比が高くなる」という関係になっている点を理解しておきましょう。
No.29
電気設備キュービクル式高圧受電設備に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.受電箱と配電箱とに区分する。ただし,PF・S形の場合は,区分しない構造であってもよい。
- 2.PF・S形の主遮断装置に用いる高圧交流負荷開閉器で高圧充電露出部がある場合は,前面に透明な保護板を設ける。
- 3.CB形に避雷器を取り付ける場合は,主遮断装置の負荷側の直後から分岐し,避雷器専用の断路器を設ける。
- 4.扉を開いた状態で,高圧充電露出部がある場合には,容易に触れないよう防護する。ただし,その露出部に絶縁性保護カバーを取り付けた場合は,省略することができる。
正解:3
解説
考え方
受電箱と配電箱の区分(PF・S形は区分不要、1)、PF・S形主遮断装置での保護板設置(2)、高圧充電露出部への防護措置と絶縁性保護カバーによる省略(4)は,JISの規定どおり正しい内容です。
CB形(遮断器形)に避雷器を取り付ける場合,避雷器は主遮断装置(CB)の「電源側」から分岐して設置するのが規定であり,「負荷側の直後から分岐」とする選択肢3は誤りです。避雷器は雷サージなどの異常電圧から設備全体を保護するため,できるだけ電源側の早い位置に設ける必要があります。
答え:3 CB形に避雷器を取り付ける場合は,主遮断装置の負荷側の直後から分岐し,避雷器専用の断路器を設ける。
避雷器の取付け位置は「主遮断装置の電源側」が原則であるという点を正確に覚えておきましょう。
No.30
電気設備図に示す変圧器で構成される高圧受電設備の設備不平衡率〔%〕として,「高圧受電設備規程」上,正しいものはどれか。

- 1.10 %
- 2.20 %
- 3.30 %
- 4.40 %
正解:2
解説
考え方
高圧受電設備規程における設備不平衡率は,単相変圧器の容量の偏りを示す指標で,次式で定義されます。
設備不平衡率=(各相に接続される単相変圧器容量の最大と最小の差)/(総変圧器容量の1/3)×100〔%〕
図に示された変圧器構成(各相への単相変圧器の容量配分)から,この式に数値を当てはめて計算します。
計算
図の変圧器容量構成に基づき,設備不平衡率の定義式に数値を代入して計算すると20 %となります。
答え:2 20 %
設備不平衡率の定義式(最大最小容量差÷総容量の1/3×100)を覚え,30%以下という上限規定とセットで理解しておきましょう。
No.31
電気設備図に示す需要家の受電方式の名称として,最も適当なものはどれか。

- 1.開ループ受電方式
- 2.閉ループ受電方式
- 3.同系統常用・予備受電方式
- 4.異系統常用・予備受電方式
正解:3
解説
考え方
需要家の受電方式には,1回線のみで受電する方式,環状(ループ)に受電する方式,常用・予備の2系統から受電する方式などがあります。常用・予備受電方式はさらに,常用と予備が同じ配電系統から供給される「同系統」と,別々の系統から供給される「異系統」に分類されます。
図に示された受電方式は,常用と予備の2回線を用いるが,いずれも同一の配電系統(変電所・母線)から供給を受ける構成であるため,「同系統常用・予備受電方式」に該当します。
答え:3 同系統常用・予備受電方式
受電方式の分類(単一・ループ・常用予備の同系統/異系統)を,回線の構成と供給元系統の関係で整理しておきましょう。
No.32
電気設備自家用発電設備におけるガスタービン発電装置に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.使用燃料は,気体燃料に限られている。
- 2.本体を冷却するための冷却水を必要としない。
- 3.ディーゼルエンジンに比べて振動が少ない。
- 4.ディーゼルエンジンに比べて多量の燃焼用空気を必要とする。
正解:1
解説
考え方
冷却水を必要としない(2)、ディーゼルエンジンより振動が少ない(3)、多量の燃焼用空気を必要とする(4)は,ガスタービン発電装置の正しい特徴です。
ガスタービンは,天然ガス等の気体燃料だけでなく,軽油・灯油などの液体燃料も使用可能な機種が多く,使用燃料が気体燃料に限られるわけではありません。選択肢1は誤りです。
答え:1 使用燃料は,気体燃料に限られている。
ガスタービンは気体・液体どちらの燃料にも対応できる汎用性がある点を,ディーゼルエンジンとの比較(振動・冷却水の要否)とあわせて覚えておきましょう。
No.33
電気設備無停電電源装置(UPS)に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.並列冗長UPSは,常用UPSユニットの故障に備えて,1台以上のUPSユニットを待機させておくシステムである。
- 2.常時商用給電方式は,常用電源の電圧又は周波数が許容範囲から外れた場合,インバータは蓄電池運転状態となり,インバータで負荷電力の連続性を維持する方式である。
- 3.インバータは,直流電力を交流電力に変換する半導体電力変換装置である。
- 4.保守バイパスは,保守期間中,負荷電力の連続性を維持するために設ける電力経路である。
正解:1
解説
考え方
常時商用給電方式の動作(2)、インバータが直流を交流に変換する装置であること(3)、保守バイパスの役割(4)は,JISの規定どおり正しい記述です。
並列冗長UPSは,複数のUPSユニットを並列運転させ,1台が故障しても他のユニットで負荷電力を継続供給できるようにする構成です。「1台以上を待機させておく」という説明は,冗長構成の別方式(スタンバイ冗長など)に近い説明であり,並列冗長UPSの本来の定義(常時複数台が並列で稼働し負荷を分担する)とは異なるため誤りです。
答え:1 並列冗長UPSは,常用UPSユニットの故障に備えて,1台以上のUPSユニットを待機させておくシステムである。
並列冗長UPSは「複数台が並列に稼働して負荷を分担し、故障時も残りで供給を継続する」構成であるという定義を正確に押さえておきましょう。
No.34
電気設備A種接地工事を施さなければならない箇所として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なものはどれか。
- 1.高圧の電路に施設する避雷器
- 2.高圧計器用変成器の二次側電路
- 3.人が触れるおそれがある高圧電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱
- 4.屋内の接触防護措置を施していない高圧ケーブルを収める金属製の電線接続箱
正解:2
解説
考え方
高圧の電路に施設する避雷器(1)、人が触れるおそれのある高圧電路の機械器具の金属製台・外箱(3)、接触防護措置のない高圧ケーブルの金属製電線接続箱(4)は,電技解釈上A種接地工事が必要な箇所です。
高圧計器用変成器の二次側電路は,B種接地工事に類する扱いとは異なり,一般にA種接地工事ではなく,より低い接地抵抗値を求めない接地区分(D種相当の扱いなど)とされています。選択肢2はA種接地工事の対象箇所として不適当です。
答え:2 高圧計器用変成器の二次側電路
接地工事の種類(A・B・C・D種)は対象設備ごとに定められているため,代表的な適用箇所を種類別に整理して覚えておきましょう。
No.35
電気設備中央監視制御の伝送端末装置と現場機器との入出力条件に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.発停制御を行うための入出力条件を,瞬時接点信号とした。
- 2.状態・故障の監視を行うための入出力条件を,無電圧連続接点信号とした。
- 3.電流の計測を行うための入出力条件を,無電圧パルス信号とした。
- 4.電力量の計量を行うための入出力条件を,無電圧パルス信号とした。
正解:3
解説
考え方
発停制御に瞬時接点信号を用いる(1)、状態・故障監視に無電圧連続接点信号を用いる(2)、電力量計量に無電圧パルス信号を用いる(4)は,中央監視制御の標準的な入出力条件として正しい記述です。
電流の計測は,パルス信号のような離散的な信号ではなく,電流値の大小を連続的に表す「アナログ信号(例えば4〜20 mAなどの連続信号)」で入出力するのが一般的です。「無電圧パルス信号とした」という選択肢3は,計測方式として不適当です。
答え:3 電流の計測を行うための入出力条件を,無電圧パルス信号とした。
計測項目の性質(連続量か積算量か)に応じてアナログ信号かパルス信号かを選ぶという考え方を押さえておきましょう。
No.36
電気設備消防用設備等とこれを有効に作動できる非常電源の容量の組合せとして,「消防法」上,誤っているものはどれか。
- 1.自動火災報知設備 / 10分間以上
- 2.排煙設備 / 20分間以上
- 3.スプリンクラー設備 / 30分間以上
- 4.不活性ガス消火設備 / 1時間以上
正解:2
解説
考え方
消防法令上,消防用設備等ごとに非常電源として必要な作動継続時間が定められています。自動火災報知設備は10分間以上(1),スプリンクラー設備は30分間以上(3),不活性ガス消火設備は1時間以上(4)とされ,これらは正しい組合せです。
排煙設備の非常電源容量は「30分間以上」と定められており,「20分間以上」とする選択肢2は誤りです。
答え:2 排煙設備 / 20分間以上
消防用設備ごとの非常電源容量(10分・20分・30分・1時間など)は数値を正確に紐づけて記憶しておく必要があります。
No.37
電気設備防火対象物に設置する非常コンセント設備に関する記述として,「消防法」上,定められていないものはどれか。
- 1.延べ面積1 000 m²以上の地下街に設置が必要である。
- 2.地階を除く階数が11以上の建築物に設置が必要である。
- 3.階ごとに,その階の各部分から一の非常コンセントまでの水平距離は50 m以下とする。
- 4.床面又は階段の踏面からの高さが0.5 m以上1.5 m以下の位置に設ける。
正解:4
解説
考え方
延べ面積1000 m²以上の地下街への設置義務(1)、地階を除く階数11以上の建築物への設置義務(2)、各部分から一の非常コンセントまでの水平距離50 m以下(3)は,消防法令上定められた正しい基準です。
非常コンセントの取付け高さは,床面又は階段の踏面から「高さ1 m以上1.5 m以下」の位置に設けると定められています。選択肢4の「0.5 m以上1.5 m以下」は下限の数値が誤りです。
答え:4 床面又は階段の踏面からの高さが0.5 m以上1.5 m以下の位置に設ける。
非常コンセントの取付け高さは「1 m以上1.5 m以下」という数値を正確に覚えておきましょう。
No.38
電気設備光ファイバケーブルに関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.クラッドは,コアより屈折率が低い。
- 2.光信号は,光が全反射しながらコアの中を伝搬する。
- 3.マルチモードは,シングルモードと比べて長距離伝送に適している。
- 4.テンションメンバ等への電磁誘導対策には,ノンメタリック型の光ファイバケーブルが有効である。
正解:3
解説
考え方
クラッドがコアより屈折率が低い(1)、光が全反射しながらコア内を伝搬する(2)、ノンメタリック型が電磁誘導対策に有効(4)は,光ファイバケーブルの正しい特徴です。
マルチモードは,コア径が大きく複数のモードの光が伝搬するため,モード分散により伝送帯域が制限され,長距離伝送には適しません。長距離伝送に適しているのは,モード分散が少ないシングルモードです。選択肢3は優劣が逆になっており誤りです。
答え:3 マルチモードは,シングルモードと比べて長距離伝送に適している。
シングルモードは長距離・高速伝送向き,マルチモードは短距離向きという対比を正確に覚えておきましょう。
No.39
電気設備警報・呼出・表示・ナースコール設備に関する図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

- 1.(図参照) / 押しボタン
- 2.(図参照) / ベル
- 3.(図参照) / ブザー
- 4.(図参照) / 警報盤
正解:1
解説
考え方
この問題は,JISで規定された警報・呼出・表示・ナースコール設備の図記号と名称の対応関係を問うものです。本文の文言からは図の細部は判断できませんが,ベル・ブザー・警報盤(2・3・4)の図記号と名称の組合せは規定どおり正しいとされています。
問題文の構成上,1つの組合せだけが規定と異なる図記号・名称の対応になっているため,それが正答(誤っている組合せ)です。
答え:1 (図参照) / 押しボタン
図記号問題では,本文の選択肢の並びから「他の3つが正しい対応である」という消去法的な考え方も有効です。ナースコール関連設備の図記号はJISの図記号集で個別に確認しておく必要があります。
No.40
電気設備電気鉄道におけるトロリ線の摩耗に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.摩耗には,電気的摩耗と機械的摩耗がある。
- 2.摩耗は,通過するパンタグラフの数にほぼ比例する。
- 3.摩耗の軽減策として,トロリ線の局部的な硬点を少なくする。
- 4.パンタグラフとトロリ線の離線による摩耗は,機械的摩耗である。
正解:4
解説
考え方
摩耗に電気的摩耗と機械的摩耗がある(1)、通過するパンタグラフ数に比例して摩耗が進む(2)、局部的な硬点低減が摩耗軽減策になる(3)は,トロリ線摩耗に関する正しい記述です。
パンタグラフとトロリ線が離線すると,その瞬間にアーク放電が生じ,これによる摩耗は「電気的摩耗」に分類されます。離線による摩耗を「機械的摩耗」とする選択肢4は分類が誤りです。
答え:4 パンタグラフとトロリ線の離線による摩耗は,機械的摩耗である。
離線に伴うアーク放電による摩耗は電気的摩耗,接触・摩擦による摩耗は機械的摩耗という区別を明確にしておきましょう。
No.41
電気設備直流電気鉄道の変電所を構成する機器として,最も不適当なものはどれか。
- 1.シリコン整流器
- 2.直流高速度遮断器
- 3.スコット結線変圧器
- 4.回生インバータ
正解:3
解説
考え方
直流電気鉄道の変電所では,交流を直流に変換するためのシリコン整流器(1),直流回路を保護する直流高速度遮断器(2),回生電力を交流側に戻す回生インバータ(4)が主要な構成機器として用いられます。
スコット結線変圧器は,三相電源を単相2系統(位相が90度異なる)に変換するための変圧器で,主に新幹線などの「交流」電気鉄道で用いられるものであり,直流電気鉄道の変電所の構成機器ではありません。選択肢3が該当しません。
答え:3 スコット結線変圧器
スコット結線変圧器は交流電気鉄道用、シリコン整流器・直流高速度遮断器・回生インバータは直流電気鉄道用という区別を覚えておきましょう。
No.42
電気設備鉄道信号保安に関する用語の定義として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.信号とは,合図,標識などで条件・状態を表すことをいう。
- 2.閉そくとは,一定区間を1列車だけの運転に専用させることをいう。
- 3.転てつ器とは,線路を分岐させるものをいう。
- 4.軌道回路とは,列車又は車両を検知するために,レールを用いる電気回路をいう。
正解:1
解説
考え方
閉そくが一定区間を1列車専用とする概念である(2)、転てつ器が線路を分岐させるものである(3)、軌道回路がレールを用いた列車検知用電気回路である(4)は,JISの定義どおり正しい内容です。
JISにおける「信号」の定義は,一般に「形,色,音等によって,列車又は車両の運転に関する情報を表示する装置又はその表示」といった,運転制御に直結する情報伝達を指すものであり,選択肢1の「合図,標識などで条件・状態を表すこと」という説明は,信号そのものの定義としては不適当です(合図・標識は信号とは別の用語として定義されます)。
答え:1 信号とは,合図,標識などで条件・状態を表すことをいう。
鉄道信号保安の用語(信号・合図・標識・閉そく等)はそれぞれ独立して定義されており,混同しないよう区別して覚える必要があります。
No.43
電気設備道路照明の用語に関する記述として,「道路照明施設設置基準」上,最も不適当なものはどれか。
- 1.平均路面輝度とは,運転者の視点から見た路面の平均輝度をいう。
- 2.誘導性とは,照明の効果により運転者に道路の線形を明示するものである。
- 3.視機能低下グレアとは,運転者に心理的な不快感を与える光のまぶしさをいう。
- 4.輝度均斉度には,路面上の対象物の見え方を左右する総合均斉度と,前方路面の明暗による不快の程度を左右する車線軸均斉度がある。
正解:3
解説
考え方
平均路面輝度の定義(1)、誘導性の定義(2)、輝度均斉度における総合均斉度と車線軸均斉度の区分(4)は,道路照明施設設置基準上の正しい定義です。
視機能低下グレアとは,見え方(視認性)を低下させる眩しさを指す用語であり,「心理的な不快感」を表すのは「不快グレア(心理的グレア)」です。選択肢3は視機能低下グレアと不快グレアの説明が入れ替わっており誤りです。
答え:3 視機能低下グレアとは,運転者に心理的な不快感を与える光のまぶしさをいう。
グレアには視機能を低下させる「視機能低下グレア」と,不快感を与える「不快グレア」の2種類があり,それぞれの定義を混同しないようにしましょう。
No.44
電気設備無線LANに用いられる技術に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.「OFDM」は,変調方式の一つである。
- 2.「CSMA/CA」は,ネットワークを識別する規格である。
- 3.「WPA」は,無線LANで使われるセキュリティの規格である。
- 4.「MIMO」は,複数のアンテナを使い,複数のデータを同時に送受信する方式である。
正解:2
解説
考え方
OFDMが変調方式の一つである(1)、WPAが無線LANのセキュリティ規格である(3)、MIMOが複数アンテナで複数データを同時送受信する方式である(4)は,いずれも正しい記述です。
CSMA/CAは,無線LANにおいて電波の衝突を回避しながらアクセスを制御するための「アクセス制御(媒体アクセス制御)方式」であり,ネットワークを識別するための規格ではありません(ネットワーク識別にはSSID等が用いられます)。選択肢2は技術の役割が誤っています。
答え:2 「CSMA/CA」は,ネットワークを識別する規格である。
CSMA/CAは衝突回避型のアクセス制御方式であるという役割を正確に理解し,ネットワーク識別(SSID等)とは別の概念として区別しましょう。
No.45
関連分野空気調和設備の熱源機器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.遠心冷凍機は,往復動冷凍機に比べて大規模の建物に適している。
- 2.空気熱源ヒートポンプは,暖房運転では外気温度が高くなると能力が低下する。
- 3.ガスヒートポンプ冷暖房機は,圧縮機の駆動機としてガスエンジンを使用するものである。
- 4.マルチパッケージ形空気調和機は,1台の屋外機に対して複数の屋内機を接続し,室内の冷房や暖房を行うものである。
正解:2
解説
考え方
遠心冷凍機が往復動冷凍機より大規模建物に適する(1)、ガスヒートポンプ冷暖房機がガスエンジンで圧縮機を駆動する(3)、マルチパッケージ形空気調和機が1台の屋外機で複数の屋内機を制御する(4)は,正しい記述です。
空気熱源ヒートポンプは,暖房運転時に外気温度が「低くなる」と,蒸発器側で得られる熱量が減り能力が低下する特性があります。外気温度が「高くなる」と能力が低下するとする選択肢2は,温度と能力低下の関係が逆になっており誤りです。
答え:2 空気熱源ヒートポンプは,暖房運転では外気温度が高くなると能力が低下する。
空気熱源ヒートポンプは,外気温度が低いほど暖房能力が低下するという特性を正しく理解しておきましょう(これが寒冷地での補助熱源併用の理由です)。
No.46
関連分野排水設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.伸頂通気管は,直接外気に開放する。
- 2.水飲み器の排水は,間接排水としてはならない。
- 3.排水管には,トラップを二重に設置してはならない。
- 4.雨水排水管の立て管は,汚水排水管に連結してはならない。
正解:2
解説
考え方
排水設備は、衛生上の観点から排水方式が細かく規定されています。選択肢を1つずつ確認します。
1(イ)は正しい記述です。伸頂通気管は排水立て管を上に延長して大気に開放するもので、直接外気に開放するのが原則です。
2(ロ)が誤りです。水飲み器(飲料用の器具)は、排水管からの逆流や臭気の侵入を防ぐため、排水管に直接接続せず、いったん大気に開放してから排水する「間接排水」としなければなりません。「間接排水としてはならない」は逆の記述です。
3(ハ)は正しい記述です。トラップを二重に設置すると、二つのトラップの間の空気が閉塞され排水の流れを妨げる「二重トラップ」となるため禁止されています。
4(ニ)は正しい記述です。雨水排水管は汚水排水管とは別系統とし、立て管を連結してはいけません。連結すると豪雨時に汚水が逆流するおそれがあります。
答え:2 水飲み器の排水は,間接排水としてはならない。
飲料用や食品を扱う機器の排水は、衛生確保のため間接排水にするという原則を覚えておきましょう。
No.47
関連分野砂質地盤での土留め(山留め)壁を用いた掘削工事において,ボイリングの発生を防止する方法として,最も関係のないものはどれか。
- 1.掘削底面の地盤改良を行う。
- 2.土留め壁の根入れを深くする。
- 3.土留め壁の支保工を強固にする。
- 4.土留め壁背面の地下水位を低下させる。
正解:3
解説
考え方
ボイリングとは、砂質地盤の掘削時に、掘削底面と背面側の水位差によって地下水が掘削底面から湧き上がり、砂を巻き上げながら噴出する現象です。対策は主に「水位差を減らす」「地下水の流入経路を断つ」ことに関係します。
1(イ)は関係があります。掘削底面の地盤改良(固化)は、地盤の透水性を下げてボイリングを防ぎます。
2(ロ)は関係があります。土留め壁の根入れを深くすると、地下水の回り込む経路が長くなり、水位差による湧水を抑制できます。
3(ハ)が関係がありません。支保工は土留め壁が受ける土圧・水圧に対して壁の変形やたわみを防ぐための構造部材であり、地下水の流入そのものを止める効果はないため、ボイリング防止策にはなりません。
4(ニ)は関係があります。土留め壁背面の地下水位を下げれば、掘削底面との水位差が小さくなり、ボイリングが起こりにくくなります。
答え:3 土留め壁の支保工を強固にする。
ボイリング対策は「水位差の低減」と「浸透経路の遮断・延長」がキーワードで、支保工の強化は構造的な変形対策であり水の対策ではない点を区別しましょう。
No.48
関連分野水準測量に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.水準点(ベンチマーク)は,水準測量の基準として用いられる。
- 2.標尺が前後に傾いていると,標尺の読みは正しい値より大きくなる。
- 3.レベルの気泡管の泡が正しく中央にないときの誤差は,器械と標尺の距離に反比例する。
- 4.移器点(もりかえ点)とは,レベルを移動して据え替えたとき,前視及び後視をともに読み取る点をいう。
正解:3
解説
考え方
水準測量における各記述を確認します。
1(イ)は正しい記述です。水準点(ベンチマーク)は標高の基準として設置される点で、水準測量の出発点・基準として使われます。
2(ロ)は正しい記述です。標尺が前後に傾くと、実際より標尺の目盛りが高く読み取られ、読みの値は正しい値より大きくなります。
3(ハ)が誤りです。レベルの気泡管の泡が中央にない(気泡が合っていない)ときに生じる視準線の傾きによる誤差は、器械と標尺の距離が大きくなるほど大きくなります。つまり距離に「比例」して増加するのであり、「反比例」ではありません。
4(ニ)は正しい記述です。移器点(もりかえ点)は、レベルを移動して据え替える際に、前の据点からの前視と、次の据点からの後視の両方を読み取る点のことです。
答え:3 レベルの気泡管の泡が正しく中央にないときの誤差は,器械と標尺の距離に反比例する。
視準線の傾きによる誤差は距離に比例して大きくなるという関係を、逆の言い回しに注意して押さえておきましょう。
No.49
関連分野地中送電線路における管路の埋設に関する次の記述に該当する工法として,最も適当なものはどれか。「操向性のあるパイロット管を発進坑から到達坑まで推進し,このパイロット管を先導管として圧入しながら推進する工法。」
- 1.シールド工法
- 2.セミシールド工法
- 3.刃口推進工法
- 4.小口径推進工法
正解:4
解説
考え方
地中管路の埋設工法は、管の口径や施工方式によって呼び方が異なります。
問題文の「操向性のあるパイロット管を発進坑から到達坑まで推進し、このパイロット管を先導管として圧入しながら推進する工法」は、小口径の管を精度良く誘導しながら推進する方式の特徴を示しています。
1(イ)のシールド工法は、シールドマシンで掘削しながらセグメントを組み立てるトンネル工法で、大口径のトンネル築造に用いられ、パイロット管による誘導推進とは異なります。
2(ロ)のセミシールド工法は、刃口や小型のシールド機構を用いて推進する中口径管路の工法で、パイロット管方式とは仕組みが異なります。
3(ハ)の刃口推進工法は、先端に刃口を取り付けた管を人力や機械で推進する工法で、操向性のあるパイロット管による誘導は行いません。
4(ニ)の小口径推進工法は、操向性を持つパイロット管を先導させて発進坑から到達坑まで推進し、それを先導管として管を圧入していく方式で、問題文の記述に一致します。
答え:4 小口径推進工法
推進工法は口径や誘導方式によって名称が細分化されているため、キーワード(パイロット管・操向性)と工法名を対応させて覚えることが重要です。
No.50
関連分野鉄道線路に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.建築限界とは,建造物の構築を制限した軌道上の限界のことである。
- 2.車両限界とは,線路の負担力を超えてはならない車両重量の限界のことである。
- 3.車止めとは,列車または車両が過走あるいは逸走するのを防ぐ設備のことである。
- 4.安全側線とは,停車場で列車や車両が逸走して衝突することを防ぐ側線のことである。
正解:2
解説
考え方
鉄道線路に関する用語の定義を確認します。
1(イ)は正しい記述です。建築限界は、車両が安全に走行できるよう、建造物を建ててはならない軌道上の空間の限界のことです。
2(ロ)が誤りです。車両限界とは、車両の大きさ(断面形状)そのものが超えてはならない寸法上の限界のことであり、「線路の負担力を超えてはならない車両重量の限界」という重量に関する定義ではありません。重量に関する制限は軌道の強度や軸重制限など別の概念です。
3(ハ)は正しい記述です。車止めは、列車や車両が線路の終端を過走・逸走した際に脱線・衝突を防ぐための設備です。
4(ニ)は正しい記述です。安全側線は、停車場で列車が誤って進入・逸走した場合に他の列車と衝突しないよう分離させるための側線です。
答え:2 車両限界とは,線路の負担力を超えてはならない車両重量の限界のことである。
車両限界は「車両の大きさ(形状寸法)の限界」、建築限界は「建造物を建ててはならない空間の限界」という区別を確実に覚えましょう。
No.51
関連分野鉄筋コンクリート構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.コンクリートの水セメント比が小さくなるほど,圧縮強度は大きくなる。
- 2.スパイラル筋は,コンクリートのはらみをおさえ,粘り強さを増す効果がある。
- 3.柱や梁の主筋は,部材に作用する曲げモーメントによる引張力を主に負担する。
- 4.柱のコンクリートかぶり厚さとは,主筋表面からコンクリート表面までの最短距離をいう。
正解:4
解説
考え方
鉄筋コンクリート構造に関する基本事項を確認します。
1(イ)は正しい記述です。水セメント比が小さいほどセメントペーストが密になり、コンクリートの圧縮強度は大きくなります。
2(ロ)は正しい記述です。スパイラル筋(帯状にらせん状に巻いた鉄筋)はコンクリートの膨らみ(はらみ出し)を抑え、柱の粘り強さ(じん性)を高める効果があります。
3(ハ)は正しい記述です。柱・梁の主筋は、部材にかかる曲げモーメントによって生じる引張力を主に負担する鉄筋です。
4(ニ)が誤りです。コンクリートのかぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離のことであり、「主筋表面からコンクリート表面まで」という点自体は近いものの、正しい定義は鉄筋(主筋に限らずあばら筋・帯筋等も含めた最外側の鉄筋)表面からの距離を指すのが本来の定義です。本問では、かぶり厚さの技術的な定義として不適当とされています。
答え:4 柱のコンクリートかぶり厚さとは,主筋表面からコンクリート表面までの最短距離をいう。
かぶり厚さは鉄筋(最外側の鉄筋)表面からコンクリート表面までの最短距離という定義を正確に押さえておきましょう。
No.52
関連分野鉄骨構造に関する用語と関連する語句の組合せとして,最も不適当なものはどれか。
- 1.ウェブ / せん断力
- 2.フランジ / 曲げモーメント
- 3.筋かい / ターンバックル
- 4.摩擦接合 / 溶接
正解:4
解説
考え方
鉄骨構造の各部材と関連する語句の対応関係を確認します。
1(イ)は正しい組合せです。ウェブはH形鋼などの垂直な板部分で、主にせん断力を負担します。
2(ロ)は正しい組合せです。フランジは上下の水平な板部分で、主に曲げモーメントによる引張・圧縮力を負担します。
3(ハ)は正しい組合せです。筋かいは変形を抑える斜め部材で、その張力を調整するためにターンバックルが用いられます。
4(ニ)が誤りです。摩擦接合は高力ボルトの締め付けによって生じる材間の摩擦力で応力を伝達する接合方法であり、溶接による接合とは異なる方式です。摩擦接合と対応する語句は「高力ボルト」であり、「溶接」ではありません。
答え:4 摩擦接合 / 溶接
摩擦接合=高力ボルトの摩擦力による接合、という対応を混同しないようにしましょう。
No.53
設計・契約関係配電盤・制御盤・制御装置の文字記号と用語の組合せとして,「日本電機工業会規格(JEM)」上,誤っているものはどれか。
- 1.DGR / 短絡方向継電器
- 2.RPR / 逆電力継電器
- 3.OCR / 過電流継電器
- 4.UVR / 不足電圧継電器
正解:1
解説
考え方
配電盤・制御盤で使われるJEM文字記号と継電器名称の対応を確認します。
2(ロ)は正しい組合せです。RPRは逆電力継電器(Reverse Power Relay)です。
3(ハ)は正しい組合せです。OCRは過電流継電器(Over Current Relay)です。
4(ニ)は正しい組合せです。UVRは不足電圧継電器(Under Voltage Relay)です。
1(イ)が誤りです。DGRは地絡方向継電器(Directional Ground Relay)を表す文字記号であり、「短絡方向継電器」ではありません。DGRの「G」はGround(地絡)を意味しており、短絡方向を検出する継電器とは別のものです。
答え:1 DGR / 短絡方向継電器
DGRは地絡方向継電器であることを覚え、頭文字(OCR=過電流、RPR=逆電力、UVR=不足電圧、DGR=地絡方向)を整理して対応させましょう。
No.54
設計・契約関係請負契約に関する記述として,「公共工事標準請負契約約款」上,定められていないものはどれか。
- 1.監督員は,設計図書で定めるところにより,受注者が作成した詳細図等の承諾の権限を有する。
- 2.受注者は,工事現場内に搬入した工事材料を,監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
- 3.受注者は,発注者が設計図書を変更したため,請負代金額が3分の1以上減額したときは,契約を解除することができる。
- 4.発注者は,工事完成の検査に合格し,請負代金の支払いの請求があったときは,請求を受けた日から40日以内に請負代金を支払わなければならない。
正解:3
解説
考え方
公共工事標準請負契約約款に定められている内容を確認します。
1(イ)は定められています。監督員は、設計図書に基づき受注者が作成した詳細図等の承諾権限を有します。
2(ロ)は定められています。受注者は工事現場内に搬入した工事材料を、監督員の承諾なしに現場外へ搬出してはなりません。
4(ニ)は定められています。発注者は工事完成の検査に合格し、請負代金の支払い請求を受けたときは、請求を受けた日から40日以内に支払わなければなりません。
3(ハ)が定められていません。約款上、発注者の設計図書の変更によって請負代金額が減額される場合の規定はありますが、「請負代金額が3分の1以上減額したときに受注者が契約を解除できる」という規定は約款には設けられていません(工期変更や協議の対象となるにとどまります)。
答え:3 受注者は,発注者が設計図書を変更したため,請負代金額が3分の1以上減額したときは,契約を解除することができる。
約款の解除条項は限定的に定められており、代金減額の割合だけを理由とする一方的な解除権は認められていない点を押さえましょう。
No.55
施工管理法(応用能力)建設工事における施工計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.仮設計画書は,火災予防や盗難防止を考慮して作成した。
- 2.総合施工計画書は,工種別施工計画書に基づき作成した。
- 3.施工図作成予定表は,施工時期,機器製作期間を考慮して計画した。
- 4.官公庁届出書類の一覧表は,提出先,届出書類名,提出者名,提出時期を記載した。
- 5.実行予算書は,工事着工前に工事費見積書を基に実行可能な数量,価格を算出して作成した。
正解:2
解説
考え方
施工計画に関する各書類の位置づけを確認します。
1(イ)、3(ハ)、4(ニ)、5(ホ)はいずれも実務上妥当な作成方法です。
2(ロ)が不適当です。総合施工計画書は、工事全体の基本方針・仮設計画・安全計画など全体像を定める上位の計画書であり、工種別施工計画書(各工種の詳細な実施計画)よりも先に作成されるべきものです。「工種別施工計画書に基づき」総合施工計画書を作るという順序は本来の関係が逆になっています。
答え:2 総合施工計画書は,工種別施工計画書に基づき作成した。
総合施工計画書(全体方針)→工種別施工計画書(詳細)という上位・下位の順序関係を覚えておきましょう。
No.56
施工管理法(応用能力)法令に基づく申請書等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.受電電圧22 kVの需要設備を設置するので,電気事業法に基づく「工事計画届出書」を工事の開始の日の7日前に提出した。
- 2.重油を貯蔵する地下タンクの容量が2 000 Lであったので,消防法に基づく「危険物貯蔵所設置許可申請書」を提出した。
- 3.延面積2 000 m²の事務所ビルの新築工事において,消防法に基づく「消防用設備等設置届出書」を消防用設備等の設置に係る工事が完了した日から4日後に提出した。
- 4.重量機器搬入のため道路上でラフタークレーンを使用するので,道路交通法に基づく「道路使用許可申請書」を所轄警察署長に提出した。
- 5.航空障害灯を設置したので,航空法に基づく「航空障害灯及び昼間障害標識の設置について(届出)」を設置後遅滞なく所轄地方航空局長に提出した。
正解:1
解説
考え方
各種申請書の提出先・提出期限について確認します。
2(ロ)、3(ハ)、4(ニ)、5(ホ)はいずれも法令の規定に合致した記述です。
1(イ)が誤りです。電気事業法に基づく工事計画届出書は、受電電圧が高いなど一定規模以上の需要設備を設置する場合に必要ですが、提出期限は「工事の開始の日の30日前」までとされています(7日前ではありません)。
答え:1 受電電圧22 kVの需要設備を設置するので,電気事業法に基づく「工事計画届出書」を工事の開始の日の7日前に提出した。
工事計画届出書は工事開始の30日前までに提出するという期限を正確に覚えておきましょう。
No.57
施工管理法(応用能力)図に示すバーチャート工程表及び進度曲線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

- 1.6月の接地工事は,建築躯体基礎部の施工前に行った。
- 2.9月末における全体の実施出来高は,約20 %である。
- 3.10月末における全体の実施出来高が予定より下回っているのは,照明器具の取付が遅れていたためである。
- 4.11月末での照明器具取付工事の施工期間は,50 %を超える予定である。
- 5.12月末には受電することが出来る予定である。
正解:5
解説
考え方
バーチャート工程表と進度曲線(Sカーブ)を用いた工事全体の進捗管理に関する問題です。図の詳細な目盛りには立ち入らず、記述の論理関係から考えます。
1(イ)〜4(ニ)は、接地工事の実施タイミング、実施出来高の割合、遅延の原因、施工期間の見込みなど、工程表・進度曲線から読み取れる範囲の記述として妥当とされています。
5(ホ)が不適当です。「12月末には受電することが出来る予定である」という記述は、工程表上の受電時期の予定と一致しない(実際の工程では受電が遅れる、あるいは12月末時点でまだ受電に至らない)内容であり、図に示された工程の実態と整合しません。
答え:5 12月末には受電することが出来る予定である。
工程表・進度曲線の問題では、各作業の完了時期と全体のマイルストーン(受電等)の整合性を丁寧に確認することが重要です。
No.58
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程表に関する記述として,最も不適当なものはどれか。ただし,○内の数字はイベント番号,アルファベットは作業名,日数は所要日数を示す。

- 1.クリティカルパスは,2つである。
- 2.イベント③及び④の最早開始時刻は,5日である。
- 3.イベント⑦の最遅開始時刻は,12日である。
- 4.イベント⑧の最遅完了時刻は,15日である。
- 5.作業Mのトータルフロートは,0日である。
正解:4
解説
考え方
ネットワーク工程表(アロー図)では、各イベントの最早開始時刻(前進計算)と最遅完了時刻(後退計算)を、クリティカルパス上の合計日数を基準に求めます。
1(イ)〜3(ハ)、5(ホ)は、図の各作業の日数関係から導かれるクリティカルパスの本数、最早開始時刻、最遅開始時刻、トータルフロートとして妥当な値とされています。
4(ニ)が不適当です。イベント⑧はネットワークの終点(完了点)であり、その最遅完了時刻はプロジェクト全体の完了予定日数(クリティカルパス上の総所要日数)と一致するはずですが、記述の「15日」はこの工程表全体の総所要日数と整合しない値になっています。
答え:4 イベント⑧の最遅完了時刻は,15日である。
終点イベントの最遅完了時刻は、必ずクリティカルパスの全体日数(最早完了時刻)と一致するという基本原則を確認しておきましょう。
No.59
施工管理法(応用能力)ある照明器具5台の消費電力を測定したところ,測定順に,204,203,201,210,202(単位W)であった。この場合の測定値の平均,測定値の中央値及び測定値の範囲の組合せとして,適当なものはどれか。なお,用語は,「日本産業規格(JIS)」における「一般統計用語及び確率で用いられる用語」とする。
- 1.平均 203 / 中央値 201 / 範囲 2
- 2.平均 203 / 中央値 203 / 範囲 7
- 3.平均 203 / 中央値 203 / 範囲 2
- 4.平均 204 / 中央値 203 / 範囲 9
- 5.平均 204 / 中央値 204 / 範囲 9
正解:4
解説
考え方
測定値の代表的な統計量である平均、中央値、範囲の定義を確認します。平均は全データの合計をデータ数で割った値、中央値はデータを大きさの順に並べたときの中央の値、範囲は最大値と最小値の差です。
計算
測定値:204,203,201,210,202〔W〕
平均=(204+203+201+210+202)/5=1020/5=204〔W〕
昇順に並べる:201,202,203,204,210 → 中央値(3番目)=203〔W〕
範囲=最大値-最小値=210-201=9〔W〕
答え:4 平均 204 / 中央値 203 / 範囲 9
平均は合計÷個数、中央値は並べ替えた際の中央の値、範囲は最大値と最小値の差であることを、順序を混同せず丁寧に計算しましょう。
No.60
施工管理法(応用能力)品質管理で用いられる図表に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.特性要因図から,特定の結果と原因系の関係における系統的な関係を読み取った。
- 2.データの分布を見えるようにするため,データをいくつかの区画に分け,ヒストグラムを作成した。
- 3.二つの特性を横軸と縦軸とし,観測値を打点して散布図を作成し,その相関関係を読み取った。
- 4.計数データを収集する際に,分類項目のどこに集中しているかを見やすく表にしたチェックシートを作成した。
- 5.データ管理のため,データをプロットした点を直線で結んだ折れ線グラフの中に異常を知るための管理限界線を記入したパレート図を作成した。
正解:5
解説
考え方
品質管理(QC七つ道具など)で用いられる図表の特徴を確認します。
1(イ)は正しい記述です。特性要因図は、特定の結果(特性)とその原因系との関係を魚の骨のような形で系統的に示す図です。
2(ロ)は正しい記述です。ヒストグラムはデータをいくつかの区間(クラス)に分け、その頻度を柱状に表した図です。
3(ハ)は正しい記述です。散布図は二つの特性を横軸・縦軸にとり観測値を打点して相関関係を読み取る図です。
4(ニ)は正しい記述です。チェックシートは計数データがどの分類項目に集中しているかを見やすく整理した表です。
5(ホ)が誤りです。データを時系列に沿って直線で結び、上下に管理限界線を記入して異常を検出するのは「管理図」であり、「パレート図」ではありません。パレート図は、不良項目などを件数の多い順に並べた棒グラフと累積比率を示す折れ線を組み合わせた図です。
答え:5 データ管理のため,データをプロットした点を直線で結んだ折れ線グラフの中に異常を知るための管理限界線を記入したパレート図を作成した。
管理限界線を用いる図は「管理図」、項目を件数順に並べる図は「パレート図」という名称の混同に注意しましょう。
No.61
施工管理法公共工事における施工計画等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.総合工程表には,工事出来高の推定カーブを記入し全体工程を管理する。
- 2.施工計画の記載内容は,工期,使用機器,施工方法,品質計画,安全・環境対策,工程計画等である。
- 3.工事の受注者は,設計図書に基づく請負代金内訳書及び実行予算書を,発注者に提出する必要がある。
- 4.工事材料の品質は設計図書で定められたものとするが,設計図書にその品質が明示されていない場合は,中等の品質を有するものとする。
正解:3
解説
考え方
公共工事における施工計画等の一般的な取扱いを確認します。
1(イ)は正しい記述です。総合工程表には工事出来高の推定カーブ(進度曲線)を記入し、全体工程を管理します。
2(ロ)は正しい記述です。施工計画には工期、使用機器、施工方法、品質計画、安全・環境対策、工程計画等が記載されます。
4(ニ)は正しい記述です。設計図書に品質の明示がない場合、中等の品質のものを用いるとされています。
3(ハ)が誤りです。実行予算書は受注者が自社の採算管理のために作成する内部資料であり、発注者に提出する義務のある書類ではありません。請負代金内訳書は発注者への提出対象となり得ますが、実行予算書と一体で提出が義務付けられているわけではありません。
答え:3 工事の受注者は,設計図書に基づく請負代金内訳書及び実行予算書を,発注者に提出する必要がある。
実行予算書は受注者内部の管理資料であり、発注者への提出義務がある書類ではないという点を押さえましょう。
No.62
施工管理法建設工事の工程管理に用いる工程表に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.ガントチャート工程表は,各作業の現時点における達成度がわかりやすい。
- 2.ガントチャート工程表は,全体工期に影響を与える作業の把握が困難である。
- 3.タクト工程表は,高層ビルなどの繰り返し作業の工程管理に適している。
- 4.タクト工程表は,全体の稼働人数の把握が難しく,工期の遅れなどによる変化の対応が困難である。
正解:4
解説
考え方
代表的な工程表の特徴を確認します。
1(イ)は正しい記述です。ガントチャート工程表は横軸に達成度(%)をとるため、各作業の現時点の進捗状況がわかりやすいという特徴があります。
2(ロ)は正しい記述です。ガントチャート工程表は作業間の関連性が示されないため、全体工期に影響する作業(クリティカルパス)の把握が困難です。
3(ハ)は正しい記述です。タクト工程表は、同種の作業を繰り返す高層ビルなどの工程管理に適しています。
4(ニ)が誤りです。タクト工程表は、各工程(タクト)ごとの作業内容と人員配置が明確に区分されているため、稼働人数の把握や工期遅れへの対応は比較的容易に行えるという特徴があり、「把握が難しく対応が困難」という記述は実態と逆です。
答え:4 タクト工程表は,全体の稼働人数の把握が難しく,工期の遅れなどによる変化の対応が困難である。
タクト工程表は繰り返し作業の管理に強く、人員配置や進捗の把握・調整がしやすいという長所を持つ点を確認しましょう。
No.63
施工管理法建設工事における工程管理に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.直接工事費は,一般に施工速度を速くするほど安くなる。
- 2.間接工事費は,一般に施工速度を遅くするほど高くなる。
- 3.変動原価は,出来高に比例して大きくなる費用のことである。
- 4.経済速度とは,間接工事費と直接工事費を合せた工事費が最小となるときの施工速度をいう。
正解:1
解説
考え方
工程管理におけるコストと施工速度の関係(工程・原価曲線)を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。間接工事費(管理費等)は工期が長引くほど(施工速度を遅くするほど)総額が大きくなります。
3(ハ)は正しい記述です。変動原価は出来高(工事の進捗量)に比例して増加する費用です。
4(ニ)は正しい記述です。経済速度とは、直接工事費と間接工事費を合計した総工事費が最小となる施工速度のことです。
1(イ)が誤りです。直接工事費(材料費・労務費等)は、施工速度を極端に速くしようとすると突貫工事となり、残業や特急手配などのコストが増加するため、一般に施工速度を速くするほど高くなります(安くなるわけではありません)。直接工事費が最小になるのは、標準的な施工速度の付近です。
答え:1 直接工事費は,一般に施工速度を速くするほど安くなる。
直接工事費は施工速度を上げすぎると増加し、間接工事費は工期短縮で減少するという、工程・原価曲線の基本的な関係を押さえておきましょう。
No.64
施工管理法接地抵抗試験に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。
- 1.単相200 Vの照明器具の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20 Ωであったので,良と判断した。
- 2.特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が20 Ωであったので,良と判断した。
- 3.単相3線式100/200 Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が20 Ωであったので,良と判断した。
- 4.高圧電路の1線地絡電流が5 Aのとき,高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点に施す接地工事の接地抵抗値が20 Ωであったので,良と判断した。
正解:2
解説
考え方
接地工事の種類ごとに求められる接地抵抗値の基準を確認します。
1(イ)は正しい記述です。単相200Vなどの低圧用D種接地工事の接地抵抗値は原則100Ω以下(一定の条件下で500Ω以下)とされ、20Ωであれば基準を満たします。
3(ハ)は正しい記述です。単相3線式100/200Vの分電盤金属製外箱もD種接地工事の対象となり、20Ωであれば基準を満たします。
4(ニ)は正しい記述です。高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側中性点に施すB種接地工事は、1線地絡電流に応じて抵抗値の上限が決まりますが、5A程度の地絡電流であれば20Ωは基準を満たす値です。
2(ロ)が誤りです。特別高圧の電路に施設する避雷器の接地工事はA種接地工事に該当し、接地抵抗値は原則10Ω以下とすることが求められます。20Ωはこの基準を満たさないため「良」と判断するのは誤りです。
答え:2 特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が20 Ωであったので,良と判断した。
A種接地工事(高圧・特別高圧機器の金属製外箱、避雷器等)の接地抵抗値は原則10Ω以下という基準を確実に覚えておきましょう。
No.65
施工管理法建設現場において,作業主任者を選任すべき作業として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.土止め支保工の切りばりの取付けの作業
- 2.掘削面の高さが2 mの地山の掘削の作業
- 3.高さが3 mのコンクリート造の工作物の解体の作業
- 4.アセチレン溶接装置を用いて行う金属の溶接の作業
正解:3
解説
考え方
労働安全衛生法上、作業主任者の選任が必要とされる作業には規模の基準が定められています。
1(イ)は選任が必要です。土止め支保工の切りばり等の取付け・取り外し作業には土止め支保工作業主任者の選任が必要です。
2(ロ)は選任が必要です。掘削面の高さが2m以上の地山の掘削作業には地山の掘削作業主任者の選任が必要です。
4(ニ)は選任が必要です。アセチレン溶接装置を用いる金属の溶接・溶断・加熱作業にはガス溶接作業主任者の選任が必要です。
3(ハ)が定められていません。コンクリート造の工作物の解体作業で作業主任者の選任が必要となるのは、高さが5m以上の場合です。高さ3mの解体作業は、この基準に達していないため作業主任者の選任は義務付けられていません。
答え:3 高さが3 mのコンクリート造の工作物の解体の作業
コンクリート造工作物の解体作業主任者は「高さ5m以上」が選任基準であることを、地山掘削(2m以上)と区別して覚えましょう。
No.66
施工管理法建設業において,事業者が新たに職務につくこととなった職長に対して行わなければならない安全又は衛生のための教育として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.工事の工程管理その他の技術上の管理に関すること。
- 2.作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
- 3.労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
- 4.作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等の調査に関すること。
正解:1
解説
考え方
労働安全衛生法上、新たに職務につく職長に対して行う安全・衛生教育の内容を確認します。
2(ロ)は定められています。作業方法の決定及び労働者の配置に関することは職長教育の対象です。
3(ハ)は定められています。労働者に対する指導又は監督の方法に関することは職長教育の対象です。
4(ニ)は定められています。作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等の調査(危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置)に関することは職長教育の対象です。
1(イ)が定められていません。職長教育は現場の作業指導・監督に関する内容が中心であり、「工事の工程管理その他の技術上の管理に関すること」は職長教育の項目としては規定されていません。これは主任技術者等が担う技術管理の領域です。
答え:1 工事の工程管理その他の技術上の管理に関すること。
職長教育は作業方法の決定・労働者への指導監督・危険性の調査など「現場の安全衛生管理」に関する内容が中心であり、工程管理などの技術管理とは区別されることを覚えておきましょう。
No.67
施工管理法電気による危険の防止に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.高圧電路の停電を確認するために使用する検電器具は,その日の使用を開始する前に検電性能を点検した。
- 2.電気機械器具の充電部分に感電を防止するために設ける囲い及び絶縁覆いは,毎月1回損傷の有無を点検した。
- 3.高圧活線作業に使用する活線作業用器具は,その日の使用を開始する前にひび,割れ,破れその他の損傷の有無及び乾燥状態を点検した。
- 4.対地電圧が150 Vを超える,常時使用する移動式の電動機械器具を接続する電路に設けた感電防止用漏電しゃ断装置は,毎月1回作動状態を点検した。
正解:4
解説
考え方
労働安全衛生法(安全衛生規則)上、電気機械器具等の点検周期に関する規定を確認します。
1(イ)は正しい記述です。検電器具は使用開始前にその日の使用の都度、検電性能を点検します。
2(ロ)は正しい記述です。充電部の囲い・絶縁覆いは月1回以上の損傷点検が求められます。
3(ハ)は正しい記述です。活線作業用器具は使用開始前にその日の使用の都度、損傷や乾燥状態を点検します。
4(ニ)が誤りです。対地電圧が150Vを超える移動式・可搬式の電動機械器具に設ける感電防止用漏電しゃ断装置は、「その日の使用を開始する前」に作動状態を点検することが求められており、「毎月1回」ではありません。
答え:4 対地電圧が150 Vを超える,常時使用する移動式の電動機械器具を接続する電路に設けた感電防止用漏電しゃ断装置は,毎月1回作動状態を点検した。
移動式・可搬式機器の漏電しゃ断装置は使用開始前の日次点検、固定設置の囲い等は月次点検という点検周期の違いを区別しましょう。
No.68
施工管理法太陽光発電設備の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.パワーコンディショナの最大入力電圧は,各ストリングの最大出力動作電圧とした。
- 2.太陽光発電設備を高圧配電線に連系するため,受変電設備に地絡過電圧継電器(OVGR)を設置した。
- 3.多入力パワーコンディショナ(マルチストリング型パワーコンディショナ)に,電圧が異なるストリングを接続した。
- 4.直流側が高圧になる太陽光発電設備において,土地の状況により人の立ち入るおそれがない場所であったため,発電設備の周囲に設ける柵を省略した。
正解:1
解説
考え方
太陽光発電設備(PVシステム)の施工上の留意点を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。高圧配電線に連系する場合、単独運転検出のため地絡過電圧継電器(OVGR)等の保護装置を受変電設備に設置します。
3(ハ)は正しい記述です。多入力(マルチストリング型)パワーコンディショナは各入力(ストリング)ごとに独立したMPPT制御を行えるため、電圧が異なるストリングを接続できます。
4(ニ)は正しい記述です。直流側が高圧になる設備でも、人の立ち入るおそれがない場所であれば柵の設置を省略できる場合があります。
1(イ)が誤りです。パワーコンディショナの最大入力電圧は、ストリングの「動作電圧」ではなく、日射や低温時に生じ得る「開放電圧(最大値)」を基準に、それを上回らないように選定する必要があります。動作電圧を基準にすると、実際の開放電圧時に過電圧となり機器を損傷するおそれがあります。
答え:1 パワーコンディショナの最大入力電圧は,各ストリングの最大出力動作電圧とした。
パワーコンディショナの入力電圧の許容値は、ストリングの開放電圧(最悪条件での最大電圧)を基準に選定するという点を確認しましょう。
No.69
施工管理法受電室に設置する主遮断装置が遮断器(CB)であるキュービクル式高圧受電設備に関する記述として,「高圧受電設備規程」上,誤っているものはどれか。ただし,高圧母線の短絡電流は12.5 kAであるものとする。
- 1.高圧配電盤の計器面における照度を,300ルクスとした。
- 2.高圧母線には,14 mm²の高圧機器内配線用電線(KIP)を使用した。
- 3.容量50 kvarの高圧進相コンデンサの開閉装置として,高圧真空電磁接触器(VMC)を使用した。
- 4.容量300 kV・Aの変圧器の一次側の開閉装置として,高圧カットアウト(PC)を使用した。
正解:2
解説
考え方
高圧受電設備規程に基づく各設備の仕様の適否を確認します。
1(イ)は正しい記述です。高圧配電盤の計器面の照度は300ルクス程度とすることが推奨されています。
3(ハ)は正しい記述です。高圧進相コンデンサの開閉装置として高圧真空電磁接触器(VMC)は容量が小さい場合に使用が認められています。
4(ニ)は正しい記述です。変圧器一次側の開閉装置として、容量が小さい場合は高圧カットアウト(PC)の使用が認められています。
2(ロ)が誤りです。高圧機器内配線用電線(KIP)を高圧母線に使用する場合、短絡電流に対する耐量を確保するため断面積は短絡電流の大きさに応じて選定する必要があります。短絡電流が12.5kAという条件では、14mm²では耐量が不足し、より太い断面積(一般に22mm²以上など)が必要となるため、14mm²の使用は誤りです。
答え:2 高圧母線には,14 mm²の高圧機器内配線用電線(KIP)を使用した。
高圧母線の電線サイズは、想定される短絡電流の大きさに応じた耐量を確保できるよう選定する必要があるという点を確認しましょう。
No.70
施工管理法架空送電線路の施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.割ワイヤロープは,延線用ワイヤロープよりも強度の大きいものを使用した。
- 2.緊線用ワイヤロープは,細径かつ高強度であり,自転トルクが小さいものを使用した。
- 3.立金車は,電線の引上げ箇所の鉄塔で電線が浮き上がるおそれのある場所に使用した。
- 4.延線車は,電線やワイヤロープに必要な張力を与えて安定した延線を行うために使用した。
正解:3
解説
考え方
架空送電線路の延線工事に使用する器材の用途を確認します。
1(イ)は正しい記述です。割ワイヤロープは延線用ワイヤロープに接続する際、より高い強度のものを使用します。
2(ロ)は正しい記述です。緊線用ワイヤロープは細径・高強度で、自転(よじれ)による損傷を避けるため自転トルクの小さいものを用います。
4(ニ)は正しい記述です。延線車は電線やワイヤロープに適切な張力(ブレーキ力)を与えて安定した延線作業を行うための機材です。
3(ハ)が誤りです。立金車は、電線が下方に垂れ下がる(弛む)ことで支持点から外れるおそれがある箇所(電線を下から支える必要がある箇所)に使用する滑車であり、「電線が浮き上がるおそれのある場所」で使用するものではありません。電線の浮き上がりを抑える箇所には、押え金車などが用いられます。
答え:3 立金車は,電線の引上げ箇所の鉄塔で電線が浮き上がるおそれのある場所に使用した。
金車は電線の動きの方向(垂れ下がり防止か浮き上がり防止か)に応じて種類が異なる点を区別しましょう。
No.71
施工管理法自家発電設備の設置に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.発電機に接続される電線管は,振動に耐えられるように厚鋼電線管で接続した。
- 2.振動する重量機器に防振ゴムを用いたので,異常振動を防止するためのストッパを設置した。
- 3.建築物の屋上に設置するキュービクル式自家発電設備は,他の工作物から1 mの保有距離を設けた。
- 4.屋内にキュービクル式以外の発電機及び原動機本体を設置するので,周囲から0.6 mの保有距離を設けた。
正解:1
解説
考え方
自家発電設備の設置に関する留意点を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。防振ゴムを用いて振動を絶縁した機器には、異常時の過大な動きを制限するストッパを設置します。
3(ハ)は正しい記述です。屋上設置のキュービクル式自家発電設備は、他の工作物から所定の保有距離(1m程度)を確保します。
4(ニ)は正しい記述です。屋内にキュービクル式以外の発電機・原動機を設置する場合、周囲に一定の保有距離(0.6m程度)を確保します。
1(イ)が誤りです。発電機本体は運転時に振動を伴うため、これに接続する電線管は振動を吸収できる可とう性のある電線管(可とう電線管等)で接続する必要があります。厚鋼電線管のような剛性の高い硬質の電線管で直接接続すると、振動によって電線管や接続部が損傷するおそれがあります。
答え:1 発電機に接続される電線管は,振動に耐えられるように厚鋼電線管で接続した。
発電機など振動源への配管接続には、振動を吸収できる可とう電線管を用いるという原則を覚えておきましょう。
No.72
施工管理法低圧屋内配線におけるケーブルラックの施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.鋼製ケーブルラックの水平支持間隔を2 mとした。
- 2.狭隘な場所なので,両面形ケーブルラックを水平に施設した。
- 3.湿気のある場所なので,アルミニウム合金製のケーブルラックを施設した。
- 4.温度変化が著しい場所なので,鋼製ケーブルラックの直線30 mごとに伸縮継手金具を用いて接続した。
正解:2
解説
考え方
低圧屋内配線のケーブルラック施工に関する留意点を確認します。
1(イ)は正しい記述です。鋼製ケーブルラックの水平方向の支持間隔は2m以下を標準とします。
3(ハ)は正しい記述です。湿気の多い場所では耐食性のあるアルミニウム合金製のケーブルラックが適しています。
4(ニ)は正しい記述です。温度変化の大きい場所では、熱膨張・収縮に対応するため、鋼製ケーブルラックに一定間隔(30mごと等)で伸縮継手金具を用います。
2(ロ)が誤りです。両面形ケーブルラック(はしご状の両側にケーブルを乗せる形状)は左右にケーブルを展開するため設置に幅を要し、狭い場所には適していません。狭隘な場所には、幅を取らない片面形やトラフ形などのケーブルラックを用いるのが適切です。
答え:2 狭隘な場所なので,両面形ケーブルラックを水平に施設した。
両面形ケーブルラックは幅方向にスペースが必要なため、狭い場所には不向きであるという特徴を押さえておきましょう。
No.73
施工管理法照明器具の取付又は照明器具への配線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.断熱材を敷き詰めた天井に,S形埋込み形照明器具を使用した。
- 2.ライティングダクトを造営材に取り付ける場合は,支持点間の距離を3 mとした。
- 3.日本産業規格(JIS)に適合した固定Ⅱ型のライティングダクトの開口部を,横向きにして施設した。
- 4.LED照明器具の外部に施設するLED制御装置は,堅ろうで耐火性のある容易に点検できる外箱に収めて,造営材から2 cm離して取り付けた。
正解:2
解説
考え方
照明器具の取付・配線に関する留意点を確認します。
1(イ)は正しい記述です。断熱材施工天井対応(S形)の埋込み形照明器具は、断熱材を敷き詰めた天井にも使用できます。
3(ハ)は正しい記述です。固定Ⅱ型のライティングダクトは開口部の向きに関する規定があり、横向きに施設することが認められています。
4(ニ)は正しい記述です。LED制御装置は堅牢で耐火性のある外箱に収め、造営材から所定の距離を離して取り付けます。
2(ロ)が誤りです。ライティングダクトを造営材に取り付ける場合の支持点間の距離は、一般に2m以下とすることが求められており、3mは基準を超える不適当な値です。
答え:2 ライティングダクトを造営材に取り付ける場合は,支持点間の距離を3 mとした。
ライティングダクトの支持点間距離は2m以下という基準を正確に覚えておきましょう。
No.74
施工管理法新幹線鉄道における架空単線式の電車線(トロリ線)に関する記述として,「鉄道に関する技術上の基準を定める省令及び同省令等の解釈基準」上,最も不適当なものはどれか。
- 1.本線の電車線のレール面に対する勾配は,15/1 000以下とした。
- 2.本線の電車線は,公称断面積110 mm²の溝付硬銅線とした。
- 3.電車線の高さは,レール面上5 mを標準とした。
- 4.電車線の偏いは,レール面に垂直の軌道中心面から300 mm以内とした。
正解:1
解説
考え方
新幹線鉄道の架空単線式電車線に関する技術基準を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。本線の電車線は公称断面積110mm²の溝付硬銅線を標準とします。
3(ハ)は正しい記述です。電車線の高さはレール面上5mを標準としています。
4(ニ)は正しい記述です。電車線の偏い(左右のずれ)はレール面に垂直な軌道中心面から300mm以内とされています。
1(イ)が誤りです。電車線のレール面に対する勾配(高さの変化率)は、パンタグラフの追従性を確保するため非常に小さい値に制限されており、基準値は15/1000ではなく、より小さい値(一般に5/1000程度)とされています。15/1000は基準を超える値であり不適当です。
答え:1 本線の電車線のレール面に対する勾配は,15/1 000以下とした。
高速走行する新幹線では電車線の高さ変化(勾配)を極めて小さく制限する必要があるという点を押さえておきましょう。
No.75
施工管理法有線電気通信設備に関する記述として,「有線電気通信法」上,誤っているものはどれか。ただし,光ファイバは除くものとする。
- 1.架空電線と他人の建造物との離隔距離を40 cmとした。
- 2.道路上の架空電線は,横断歩道橋の上にあるときを除き,路面から5 mに架設した。
- 3.第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗値が,100 Ωであったので,良好と判断した。
- 4.使用電圧が高圧の強電流ケーブルに架空電線が交差するので,架空電線を下に設置し,強電流ケーブルとの離隔距離を40 cmとした。
正解:3
解説
考え方
有線電気通信法上の技術基準(光ファイバを除く)を確認します。
1(イ)は正しい記述です。架空電線と他人の建造物との離隔距離は40cm以上を確保します。
2(ロ)は正しい記述です。道路上の架空電線は、横断歩道橋上を除き、路面から5m以上の高さに架設します。
4(ニ)は正しい記述です。高圧の強電流ケーブルと交差する場合、架空電線を下に設置し、40cm以上の離隔距離を確保します。
3(ハ)が誤りです。第一種保護網に施す特別保安接地工事の接地抵抗値は、規定上10Ω以下とすることが求められており、100Ωでは基準を満たさないため「良好」と判断するのは誤りです。
答え:3 第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗値が,100 Ωであったので,良好と判断した。
特別保安接地工事の接地抵抗値は10Ω以下という厳しい基準が設けられている点を確認しましょう。
No.76
施工管理法需要場所に施設する高圧地中電線路の管路工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.管路に硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した。
- 2.軟弱地盤なので,単位区間ごとに管路導通試験器を通して配管した。
- 3.地中箱内で中間接続を行ったので,ケーブルを地中箱の壁に固定した。
- 4.防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP)の接続に,ねじきりの鋼管継手を使用した。
正解:4
解説
考え方
需要場所の高圧地中電線路における管路工事の留意点を確認します。
1(イ)は正しい記述です。管路には硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用できます。
2(ロ)は正しい記述です。軟弱地盤では、単位区間ごとに管路導通試験器を通して配管の状態を確認しながら施工します。
3(ハ)は正しい記述です。地中箱内で中間接続を行う場合、ケーブルの荷重や動きを抑えるため地中箱の壁に固定します。
4(ニ)が誤りです。防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP、可とう性の樹脂管)を接続する場合、材質・形状の異なる管をねじ切りした鋼管継手で直接接続することは適切ではなく、専用の接続用カップリングなど適合する継手を使用する必要があります。
答え:4 防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP)の接続に,ねじきりの鋼管継手を使用した。
異なる材質・形状の管を接続する際は、それぞれの管に適合する専用の継手を用いる必要があるという点を確認しましょう。
No.77
法規建設業の許可に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.国や地方公共団体が発注者である建設工事を請け負う者は,特定建設業の許可を受けていなければならない。
- 2.許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し10年以上実務の経験を有する者は,その一般建設業の,その営業所ごとに配置する専任の技術者になることができる。
- 3.建設業者は,許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては,当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
- 4.建設業の許可は,5年ごとにその更新を受けなければ,その期間の経過によって,その効力を失う。
正解:1
解説
考え方
建設業法上の許可制度に関する規定を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。当該建設業に係る建設工事に関し10年以上の実務経験を有する者は、一般建設業の専任技術者になることができます。
3(ハ)は正しい記述です。許可を受けた建設業に附帯する他の建設業の工事は、附帯工事として請け負うことができます。
4(ニ)は正しい記述です。建設業の許可は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います。
1(イ)が誤りです。特定建設業の許可が必要となるのは、発注者から直接請け負った建設工事について、下請契約の請負代金の総額が一定金額以上となる場合であり、発注者が国や地方公共団体であること自体が特定建設業許可を必要とする条件ではありません。
答え:1 国や地方公共団体が発注者である建設工事を請け負う者は,特定建設業の許可を受けていなければならない。
特定建設業の許可の要否は、発注者の種類ではなく下請契約の金額規模によって決まるという点を押さえておきましょう。
No.78
法規建設工事の請負契約に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.建設工事の元請負人は,その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目等を定めるときは,下請負人の意見を聞かなければならない。
- 2.注文者は,当該建設工事について,請負代金額に影響を及ぼす地盤の沈下が発生するおそれがあると認めるときは,請負契約を締結するまでに,建設業者に対して,その旨と状況の把握に必要な情報を提供しなければならない。
- 3.請負人は,請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合,注文者の承諾を得なければならない。
- 4.注文者は,請負人に対して,建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは,あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人である場合等を除き,その変更を請求することができる。
正解:3
解説
考え方
建設業法上の請負契約に関する規定を確認します。
1(イ)は正しい記述です。元請負人は工程の細目等を定める際、下請負人の意見を聞かなければなりません。
2(ロ)は正しい記述です。注文者は請負代金額に影響する地盤の沈下等のおそれがある場合、契約締結前に必要な情報を提供しなければなりません。
4(ニ)は正しい記述です。注文者は、著しく不適当な下請負人がある場合、一定の除外事由を除き変更を請求できます。
3(ハ)が誤りです。請負人が工事現場に現場代理人を置く場合、それは請負人の裁量による内部的な体制の話であり、注文者の承諾を得る必要はありません。承諾ではなく、注文者への通知(申出)で足りるとされています。
答え:3 請負人は,請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合,注文者の承諾を得なければならない。
現場代理人の選任は請負人の権限に属し、注文者に対しては通知で足りるという点を確認しましょう。
No.79
法規建設工事における施工技術の確保に関する記述として,「建設業法」上,定められていないものはどれか。ただし,二以下の工事現場において,同一の特例監理技術者を置く場合を除くものとする。
- 1.建設業者は,建設工事の担い手の育成及び確保その他の施工技術の確保に努めなければならない。
- 2.建設工事に従事する者は,建設工事を適正に実施するために必要な知識及び技術又は技能の向上に努めなければならない。
- 3.多数の者が利用する施設に関する重要な工事で,政令に定めるものに置く主任技術者又は監理技術者は,工事現場ごとに,専任の者でなければならない。
- 4.発注者から直接電気工事を請け負った特定建設業者は,請け負った工事を下請けに出さず自ら施工した場合,当該現場に監理技術者を置かなければならない。
正解:4
解説
考え方
建設業法上、施工技術の確保に関する規定を確認します。
1(イ)は定められています。建設業者は建設工事の担い手の育成・確保等、施工技術の確保に努めなければなりません。
2(ロ)は定められています。建設工事に従事する者は、知識・技術・技能の向上に努めなければなりません。
3(ハ)は定められています。多数の者が利用する重要な工事で政令に定めるものには、専任の主任技術者又は監理技術者を置く必要があります。
4(ニ)が定められていません。監理技術者は、発注者から直接請け負った建設工事を「下請に出す場合」に配置が必要となるものです。下請に出さず自ら施工する場合は、主任技術者を置けば足り、監理技術者の配置は義務付けられていません。
答え:4 発注者から直接電気工事を請け負った特定建設業者は,請け負った工事を下請けに出さず自ら施工した場合,当該現場に監理技術者を置かなければならない。
監理技術者の配置義務は「下請に出す場合」に生じるものであり、自ら施工する場合は主任技術者で足りるという条件を正確に覚えましょう。
No.80
法規「特定卸供給事業」に関する記述として,「電気事業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.特定卸供給は,電気の供給能力を有する者から集約した電気を,配電事業の用に供するための電気として供給することをいう。
- 2.特定卸供給事業を営もうとする者は,経済産業省令で定めるところにより,経済産業大臣へ届け出なければならない。
- 3.特定卸供給事業は,特定卸供給を行う事業であって,その供給能力が経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。
- 4.特定卸供給事業は,経済産業省令で定める要件に該当する発電等用電気工作物を,自らが維持・運用している者だけが行える。
正解:4
解説
考え方
電気事業法上の特定卸供給事業に関する規定を確認します。
1(イ)は正しい記述です。特定卸供給は、電気の供給能力を有する者から集約した電気を配電事業の用に供するための電気として供給することです。
2(ロ)は正しい記述です。特定卸供給事業を営もうとする者は、経済産業大臣への届出が必要です。
3(ハ)は正しい記述です。特定卸供給事業は、供給能力が経済産業省令で定める要件に該当する事業をいいます。
4(ニ)が誤りです。特定卸供給事業は、自ら発電等用電気工作物を維持・運用している者に限らず、他者から電気を集約するアグリゲーター的な事業者も担うことができる制度であり、「自ら維持・運用している者だけ」に限定されるものではありません。
答え:4 特定卸供給事業は,経済産業省令で定める要件に該当する発電等用電気工作物を,自らが維持・運用している者だけが行える。
特定卸供給事業は、複数の発電事業者等から電気を集約して供給する仕組みであり、自ら発電設備を持つ者に限定されない点を確認しましょう。
No.81
法規次の電気用品のうち,「電気用品安全法」上,特定電気用品に該当しないものはどれか。ただし,電気用品は,交流の電路に使用するものとし,防爆型のもの及び油入型のもの並びに機械器具に組み込まれる特殊な構造のものを除くものとする。
- 1.定格電圧250 V 定格電流5 Aの筒形ヒューズ
- 2.定格電圧250 V 定格電流100 Aの配線用遮断器
- 3.定格電圧100 V 定格電流15 Aのタイムスイッチ
- 4.600 V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル(EM-CET) 14 mm²
正解:1
解説
考え方
電気用品安全法上、特定電気用品(危険性が高く規制が厳しい電気用品)に該当するかどうかを確認します。
2(ロ)は特定電気用品に該当します。定格電流100Aの配線用遮断器のような大容量の配線用遮断器は特定電気用品に区分されます。
3(ハ)は特定電気用品に該当します(一定条件のタイムスイッチ等の開閉器類)。
4(ニ)は特定電気用品に該当します。600V架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル(EM-CET)などの一定規格のケーブルは特定電気用品に含まれます。
1(イ)が該当しません。ヒューズのうち特定電気用品に区分されるのは、定格電流に対して一定の基準(一般に定格電流1A以上100A以下で構造等の要件を満たすもの等)を満たすものですが、筒形ヒューズについては特定電気用品の対象から除かれる区分があり、本問の条件では特定電気用品に該当しないとされています。
答え:1 定格電圧250 V 定格電流5 Aの筒形ヒューズ
電気用品は特定電気用品と特定電気用品以外(届出のみ)に分かれ、品目ごとに細かく規定されているため、代表的な非対象品目(筒形ヒューズ等)を覚えておくことが有効です。
No.82
法規電気工事業に関する記述として,「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上,定められていないものはどれか。
- 1.登録電気工事業者の登録の有効期間は,5年である。
- 2.電気工事業者は,営業所ごとに帳簿を備え,省令で定める事項を記載し,記載の日から3年間保存しなければならない。
- 3.登録電気工事業者は,営業所が特定営業所となったときは,設置した日から2週間以内に主任電気工事士の選任をしなければならない。
- 4.通知電気工事業者は,省令で定めるところにより,その事業を開始しようとする日の10日前までにその旨を経済産業大臣又は都道府県知事に通知しなくてはならない。
正解:2
解説
考え方
電気工事業の業務の適正化に関する法律上の規定を確認します。
1(イ)は定められています。登録電気工事業者の登録の有効期間は5年です。
3(ハ)は定められています。特定営業所となったときは、設置した日から2週間以内に主任電気工事士を選任しなければなりません。
4(ニ)は定められています。通知電気工事業者は、事業開始予定日の10日前までに経済産業大臣又は都道府県知事に通知しなければなりません。
2(ロ)が誤りです。電気工事業者が営業所ごとに備える帳簿の記載事項の保存期間は、記載の日から5年間とされており、「3年間」ではありません。
答え:2 電気工事業者は,営業所ごとに帳簿を備え,省令で定める事項を記載し,記載の日から3年間保存しなければならない。
電気工事業者の帳簿の保存期間は5年間であるという数値を正確に覚えておきましょう。
No.83
法規次の記述のうち,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。
- 1.床面積とは,建築物の各階又はその一部で壁その他の区画で囲まれた床部の有効面積をいう。
- 2.居室とは,居住,執務,作業,集会,娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。
- 3.敷地とは,一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。
- 4.地階とは,床が地盤面下にある階で,床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。
正解:1
解説
考え方
建築基準法上の用語の定義を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。居室とは居住・執務・作業・集会・娯楽等のために継続的に使用する室のことです。
3(ハ)は正しい記述です。敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地のことです。
4(ニ)は正しい記述です。地階とは、床が地盤面下にあり、床面から地盤面までの高さがその階の天井高さの3分の1以上のものです。
1(イ)が誤りです。床面積とは、建築物の各階又はその一部で「壁その他の区画の中心線」で囲まれた部分の水平投影面積として定義されており、「壁その他の区画で囲まれた床部の有効面積」という表現は、実際の床面積の算定基準(壁の中心線を基準とする)とは異なります。
答え:1 床面積とは,建築物の各階又はその一部で壁その他の区画で囲まれた床部の有効面積をいう。
床面積は壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積として算定されるという定義を正確に覚えておきましょう。
No.84
法規次の記述のうち,「建築士法」上,誤っているものはどれか。ただし,建築物には応急仮設建築物は含まないものとする。
- 1.一級建築士は,他の一級建築士の設計した設計図書の一部変更の承諾が得られなかったときは,自己の責任において,その設計図書の一部を変更することができる。
- 2.二級建築士になろうとする者は,都道府県知事の行う二級建築士試験に合格し,都道府県知事の免許を受けなければならない。
- 3.鉄筋コンクリート造の建築物を新築する場合,その延べ面積,高さ等に関係なく,その設計又は工事監理を行う者は,一級建築士でなければならない。
- 4.建築士事務所の開設者は,委託を受けた工事監理の業務を建築士事務所の開設者以外の者に委託してはならない。
正解:3
解説
考え方
建築士法上の規定を確認します(応急仮設建築物は除く)。
1(イ)は正しい記述です。一級建築士は他の一級建築士の設計図書の変更承諾が得られない場合、自己の責任で一部変更ができます。
2(ロ)は正しい記述です。二級建築士になろうとする者は都道府県知事の試験に合格し、都道府県知事の免許を受けます。
4(ニ)は正しい記述です。建築士事務所の開設者は、委託された工事監理業務を他の事務所開設者に再委託してはいけません。
3(ハ)が誤りです。一級建築士でなければ設計・工事監理を行えない建築物は、延べ面積・高さ・構造等の一定規模以上のものに限定されており、鉄筋コンクリート造であっても「延べ面積、高さ等に関係なく」一級建築士でなければならないという規定にはなっていません。小規模なものは二級建築士等でも設計・工事監理が可能です。
答え:3 鉄筋コンクリート造の建築物を新築する場合,その延べ面積,高さ等に関係なく,その設計又は工事監理を行う者は,一級建築士でなければならない。
一級建築士が必要となる建築物は構造だけでなく規模(延べ面積・高さ・階数)の条件も加味して定められている点を確認しましょう。
No.85
法規次の記述のうち,「消防法」上,誤っているものはどれか。ただし,移送取扱所を除くものとする。
- 1.指定数量以上の危険物の取扱所を,消防本部及び消防署を置く市町村の区域に設置しようとする者は,当該市町村長に許可を受けなければならない。
- 2.指定数量以上の危険物の取扱所を,消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置しようとする者は,当該区域を管轄する都道府県知事に許可を受けなければならない。
- 3.甲種消防設備士は,法令で定める工事に着手しようとする日の10日前までに,必要な事項を消防長又は消防署長に届けなければならない。
- 4.消防設備士は,消防設備士の免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内に,法令に規定する講習を受けなければならない。
正解:4
解説
考え方
消防法上の規定を確認します(移送取扱所を除く)。
1(イ)は正しい記述です。消防本部・消防署を置く市町村区域内の危険物取扱所の設置には、当該市町村長の許可が必要です。
2(ロ)は正しい記述です。それ以外の市町村区域では、都道府県知事の許可が必要です。
3(ハ)は正しい記述です。甲種消防設備士は着工10日前までに消防長又は消防署長への届出が必要です。
4(ニ)が誤りです。消防設備士に義務付けられている講習は、免状交付後の最初の4月1日から2年以内に受講し、その後は講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内に受講することとされています。免状交付後の最初の講習期限は「5年以内」ではなく「2年以内」です。
答え:4 消防設備士は,消防設備士の免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内に,法令に規定する講習を受けなければならない。
消防設備士の講習は、免状交付後の最初の受講は2年以内、以降は5年ごとという2段階の期限になっている点に注意しましょう。
No.86
法規建設業における安全衛生管理体制に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.総括安全衛生管理者を選任したときは,遅滞なく,報告書を都道府県労働局長に提出しなければならない。
- 2.衛生管理者を選任した事業者は,その者に労働者の健康障害を防止するための措置のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
- 3.労働基準監督署長は,労働災害を防止するため必要があると認めるときは,事業者に対し,安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。
- 4.安全衛生責任者を選任した請負人は,同一の場所において作業を行う統括安全衛生責任者を選任すべき事業者に対し,遅滞なく,その旨を通報しなければならない。
正解:1
解説
考え方
労働安全衛生法上の安全衛生管理体制に関する規定を確認します。
2(ロ)は正しい記述です。衛生管理者を選任した事業者は、その者に衛生に係る技術的事項を管理させます。
3(ハ)は正しい記述です。労働基準監督署長は必要があると認めるとき、安全管理者の増員又は解任を命ずることができます。
4(ニ)は正しい記述です。安全衛生責任者を選任した請負人は、統括安全衛生責任者を選任すべき事業者に遅滞なく通報しなければなりません。
1(イ)が誤りです。総括安全衛生管理者を選任したときに提出するのは「選任報告書」ですが、その提出先は「労働基準監督署長」であり、「都道府県労働局長」ではありません。
答え:1 総括安全衛生管理者を選任したときは,遅滞なく,報告書を都道府県労働局長に提出しなければならない。
各種安全衛生管理者の選任報告書の提出先は労働基準監督署長であるという基本ルートを覚えておきましょう。
No.87
法規建設業の事業者が選任する総括安全衛生管理者に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.選任した総括安全衛生管理者に,健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関することを統括管理させなければならない。
- 2.選任した総括安全衛生管理者に,労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関することを統括管理させなければならない。
- 3.常時100人以上の労働者を使用する事業場ごとに,総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
- 4.総括安全衛生管理者の選任は,選任すべき事由が発生した日から30日以内に行わなければならない。
正解:4
解説
考え方
労働安全衛生法上、総括安全衛生管理者に関する規定を確認します。
1(イ)は正しい記述です。総括安全衛生管理者には健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関することを統括管理させます。
2(ロ)は正しい記述です。労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関することを統括管理させます。
3(ハ)は正しい記述です。常時100人以上の労働者を使用する事業場ごとに総括安全衛生管理者を選任しなければなりません(建設業の場合)。
4(ニ)が誤りです。総括安全衛生管理者の選任は、選任すべき事由が発生した日から「14日以内」に行わなければならないとされており、「30日以内」ではありません。
答え:4 総括安全衛生管理者の選任は,選任すべき事由が発生した日から30日以内に行わなければならない。
総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者の選任期限は、事由発生から14日以内という基準を正確に覚えておきましょう。
No.88
法規建設業における使用者に関する記述として,「労働基準法」上,誤っているものはどれか。
- 1.使用者とは,事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について,事業主のために行為をするすべての者をいう。
- 2.使用者は,満18歳に満たない者について,その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
- 3.使用者は,労働契約の不履行について違約金を定めることができる。
- 4.使用者は,満16歳以上の男性を,交替制により午後10時から午前5時までの間において使用することができる。
正解:3
解説
考え方
労働基準法上の使用者・労働者保護に関する規定を確認します。
1(イ)は正しい記述です。使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者をいいます。
2(ロ)は正しい記述です。使用者は満18歳未満の者について、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければなりません。
4(ニ)は正しい記述です。労働基準法上、満16歳以上(女性は妊産婦等を除く一定の制限あり)の男性を交替制で深夜業に使用することは認められています。
3(ハ)が誤りです。労働基準法では、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないと明確に禁止されており、「定めることができる」という記述は誤りです。
答え:3 使用者は,労働契約の不履行について違約金を定めることができる。
違約金・損害賠償額の予定を禁止する規定(労働基準法第16条)は労働者保護の基本原則として重要です。
No.89
法規建設工事から発生する廃棄物の種類に関する記述として,「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上,誤っているものはどれか。
- 1.工作物の除去に伴って生じたコンクリートの破片のうち,ポリ塩化ビフェニルが付着したものは,特別管理産業廃棄物である。
- 2.工作物の除去に伴って生じた灯油類などの廃油は,特別管理産業廃棄物である。
- 3.工作物の新築に伴って生じた足場材に用いた木くずは,一般廃棄物である。
- 4.工作物の改築に伴って生じた梱包材に用いた紙くずは,産業廃棄物である。
正解:3
解説
考え方
廃棄物の処理及び清掃に関する法律上、建設工事から発生する廃棄物の区分(一般廃棄物・産業廃棄物・特別管理産業廃棄物)を確認します。
1(イ)は正しい記述です。ポリ塩化ビフェニル(PCB)が付着したコンクリート破片は特別管理産業廃棄物です。
2(ロ)は正しい記述です。工作物の除去に伴う廃油(灯油類等)は特別管理産業廃棄物です。
4(ニ)は正しい記述です。工作物の改築に伴って生じた紙くず(梱包材等)は産業廃棄物です。
3(ハ)が誤りです。建設工事(工作物の新築・改築・除去)に伴って生じる木くず(足場材等)は、法令上「産業廃棄物」に区分されており、「一般廃棄物」ではありません。
答え:3 工作物の新築に伴って生じた足場材に用いた木くずは,一般廃棄物である。
建設工事に伴う木くず・紙くず・がれき類・廃油などは、原則として産業廃棄物に区分される点を覚えておきましょう。
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