令和4年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全92問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験は選択解答制です(全92問中60問を解答)。No.1〜15から10問、No.16〜47から14問、No.48〜55から5問、No.56〜57は必須、No.58〜63は必須(応用能力問題)、No.64〜70は必須、No.71〜79から6問、No.80〜92から10問を選択して解答します。
この試験回をクイズ形式で解く →No.1
電気工学2Ωの抵抗に10Vの電圧を1分間加えたとき、この抵抗に発生する熱量として、正しいものはどれか。
- 1.20 J
- 2.50 J
- 3.1 200 J
- 4.3 000 J
正解:4
解説
考え方
抵抗に電圧を加えたときに発生する熱量(ジュール熱)は、消費電力に時間を掛けて求めます。まず抵抗R〔Ω〕に電圧V〔V〕を加えたときの電流Iと消費電力Pを求め、それに時間t〔s〕を掛けて熱量Q〔J〕を計算します。
I = V/R、 P = VI = V²/R、 Q = Pt
計算
R=2Ω、V=10V、t=1分=60秒として、
P = V²/R = 10²/2 = 50〔W〕
Q = Pt = 50×60 = 3000〔J〕
答え:4 3 000 J
熱量の計算では「1分=60秒」への単位変換を忘れずに行うことが最大のポイントです。P=V²/Rの式を使えば電流を経由せず一気に電力を求められるので計算が速くなります。
No.2
電気工学図に示すような平均磁路長L[m]、断面積S[m²]、透磁率μ[H/m]の環状鉄心に、巻数N₁、N₂の二つのコイルを巻いたとき、これらのコイル間の相互インダクタンスM[H]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、漏れ磁束はないものとする。(図参照)

- 1.M=μSN₁N₂/L
- 2.M=SN₁N₂/(μL)
- 3.M=L/(μSN₁N₂)
- 4.M=μL/(SN₁N₂)
正解:1
解説
考え方
図は平均磁路長L〔m〕、断面積S〔m²〕、透磁率μ〔H/m〕の環状鉄心に、巻数N₁とN₂の2つのコイルを巻いた構造です。漏れ磁束がない場合、コイル1に電流を流すと生じる磁束はすべてコイル2を貫くため、相互インダクタンスMは、鉄心の磁気抵抗(磁路の通りにくさ)と両コイルの巻数の積によって決まります。
鉄心の磁気抵抗(パーミアンス)は透磁率と断面積に比例し、磁路長に反比例します。
パーミアンス = μS/L
相互インダクタンスは、このパーミアンスに両コイルの巻数N₁、N₂を掛けたものになります。
M = μS・N₁N₂/L
答え:1 M=μSN₁N₂/L
自己インダクタンスがL₁=μSN₁²/L(巻数の2乗に比例)であるのと対比して、相互インダクタンスは巻数の積N₁N₂になる点を押さえておくと式を思い出しやすくなります。
No.3
電気工学図に示す平衡三相交流回路において、線間電圧V[V]、誘導性リアクタンスX_L[Ω]、容量性リアクタンスX_C[Ω]としたとき、線電流I[A]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、X_L>X_Cとする。(図参照)

- 1.I=V/(X_L-X_C)
- 2.I=√3 V/(X_L-X_C)
- 3.I=V/{2(X_L-X_C)}
- 4.I=V/{√3(X_L-X_C)}
正解:4
解説
考え方
図は、線間電圧V〔V〕の平衡三相電源から出た3本の線それぞれに誘導性リアクタンスXL〔Ω〕が直列に入り、その先で3本とも容量性リアクタンスXCを介して中央の1点(中性点に相当する点)に星形(Y形)に集まる回路です。中性線は接続されていない平衡三相回路なので、通常のY結線の負荷と同じように扱うことができます。
1相あたりのインピーダンスは、XL(誘導性)とXC(容量性)が直列に接続された合成リアクタンスで、XL>XCの条件から誘導性側が優勢になります。
Z = XL − XC〔Ω〕
Y結線では、相電圧は線間電圧の1/√3倍になり、線電流は相電流と等しくなります。
I = (V/√3)/(XL − XC) = V/{√3・(XL − XC)}
答え:4 I=V/{√3(XL-XC)}
星形(Y)に結線された回路は、たとえ図の見た目がΔ結線のように角ばっていても、中性線がなく3線が1点に集まっているならY結線として扱い、「相電圧=線間電圧/√3」「線電流=相電流」の関係を使う、という点を確認しましょう。
No.4
電気工学図に示すように、最大目盛50mAの永久磁石可動コイル形電流計に0.1Ωの分流器Rsを接続して1Aまで測定できるようにするための、電流計の内部抵抗Ra[Ω]として、正しいものはどれか。(図参照)

- 1.0.1 Ω
- 2.0.5 Ω
- 3.1.9 Ω
- 4.10 Ω
正解:3
解説
考え方
図は、最大目盛Ia〔A〕の電流計(内部抵抗Ra)に、分流器Rsを並列に接続して、より大きな電流Iまで測定できるようにした回路です。電流計と分流器は並列接続なので、両者にかかる電圧は等しくなります。電流計に流れる電流をIa、分流器に流れる電流を(I-Ia)とすると、
Ra×Ia = Rs×(I − Ia)
この式を変形すると、Raを求める式が得られます。
Ra = Rs×(I − Ia)/Ia
計算
最大目盛Ia=50mA=0.05A、分流器Rs=0.1Ω、測定したい最大電流I=1Aを代入します。
Ra = 0.1×(1 − 0.05)/0.05 = 0.1×(0.95/0.05) = 0.1×19 = 1.9〔Ω〕
答え:3 1.9 Ω
分流器を使う問題は「電流計と分流器の両端電圧が等しい」という関係式を立てるのが基本です。電流計に流れる電流Iaと、分流器に流れる電流(I-Ia)を混同しないよう、電流の分配を図に書いて確認する習慣をつけましょう。
No.5
電気工学自動制御に関する記述として、「日本産業規格(JIS)」上、不適当なものはどれか。
- 1.開ループ制御は、フィードバックによって制御量を目標値と比較し、それらを一致させるように操作量を生成する制御である。
- 2.フィードフォワード制御は、目標値、外乱などの情報に基づいて操作量を決定する制御である。
- 3.PID制御は、比例動作、積分動作、及び微分動作の三つの動作による制御方式である。
- 4.安定性とは、系の状態が何らかの原因で一時的に平衡状態又は定常状態からはずれても、その原因がなくなれば元の平衡状態又は定常状態に復帰するような特性をいう。
正解:1
解説
考え方
日本産業規格(JIS)の自動制御用語では、制御方式や特性についていくつかの基本的な定義があります。フィードフォワード制御は、目標値や外乱などの情報をあらかじめ取り込み、それに基づいて操作量を決定する制御方式です。PID制御は、比例(P)・積分(I)・微分(D)の3つの動作を組み合わせた制御方式です。安定性とは、一時的に平衡状態から外れても、原因がなくなれば元の状態に復帰する特性を指します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、開ループ制御(フィードフォワード的な制御構成)は、出力側の情報を入力側に戻さない(フィードバックを行わない)制御方式のことを指します。「フィードバックによって制御量を目標値と比較し、それらを一致させるように操作量を生成する」というのは、開ループ制御ではなく閉ループ制御(フィードバック制御)の定義であり、この記述は不適当です。
答え:1 開ループ制御は、フィードバックによって制御量を目標値と比較し、それらを一致させるように操作量を生成する制御である。
「開ループ=フィードバックなし」「閉ループ=フィードバックあり」という対応関係を逆にしないことが最大のポイントです。フィードフォワード制御は開ループ制御の一種として位置づけられます。
No.6
電気工学定格電圧6 600Vの三相同期発電機において、定格出力時の端子電圧から無負荷にしたときの端子電圧が7 590Vとなった。この場合の電圧変動率[%]として、正しいものはどれか。
- 1.8.7 %
- 2.13.0 %
- 3.15.0 %
- 4.26.0 %
正解:3
解説
考え方
電圧変動率ε〔%〕は、定格出力時の端子電圧Vₙから無負荷にしたときの端子電圧V₀に変化する割合を表す指標で、次式で求められます。
ε = (V₀ − Vₙ)/Vₙ×100
計算
定格電圧(=定格出力時の端子電圧)Vₙ=6 600V、無負荷時の端子電圧V₀=7 590Vを代入します。
ε = (7590 − 6600)/6600×100 = 990/6600×100 = 15.0〔%〕
答え:3 15.0 %
電圧変動率は「無負荷時の電圧が定格時よりどれだけ高くなったか」を定格電圧に対する比率で表したものです。分母を無負荷時の電圧と取り違えないよう、定格電圧(負荷時の電圧)を基準にする点に注意しましょう。
No.7
電気工学単相変圧器の百分率電圧変動率の近似値ε[%]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、pは百分率抵抗降下[%]、qは百分率リアクタンス降下[%]、cosθは負荷の力率とする。
- 1.ε=p cosθ+q sinθ
- 2.ε=p sinθ+q cosθ
- 3.ε=3(p cosθ+q sinθ)
- 4.ε=3(p sinθ+q cosθ)
正解:1
解説
考え方
単相変圧器の百分率電圧変動率の近似値εは、百分率抵抗降下p〔%〕と百分率リアクタンス降下q〔%〕、負荷の力率cosθ(および力率角θ)を用いて表されます。負荷電流と同相の成分(抵抗降下由来)にはcosθを、90°位相がずれた成分(リアクタンス降下由来)にはsinθを掛けて足し合わせる形になります。
ε = p・cosθ + q・sinθ
答え:1 ε=p cosθ+q sinθ
単相変圧器では「3倍」の係数は不要で、pとqにそれぞれcosθとsinθを対応させる(p→cosθ、q→sinθ)組合せを正しく覚えることがポイントです。三相の電圧降下の近似式で3倍(あるいは√3倍)が出てくる式と混同しないようにしましょう。
No.8
電気工学調相設備の機能に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.分路リアクトルは、進相無効電力を吸収して送電線損失を軽減し、電力系統の電圧上昇を軽減する。
- 2.電力用コンデンサ回路の直列リアクトルは、回路電圧波形のひずみを軽減する。
- 3.同期調相機は、遅相容量の分担はできるが、進相容量の分担はできない。
- 4.静止形無効電力補償装置(SVC)は、無効電力を発生・吸収し、即応性に優れた電圧調整ができる。
正解:3
解説
考え方
調相設備は、系統の無効電力を調整して電圧を適正に維持するための設備です。分路リアクトルは、進み無効電力(電力用コンデンサ等による)を打ち消すように遅れ無効電力を系統に供給し、軽負荷時の電圧上昇を抑制します。電力用コンデンサ回路の直列リアクトルは、投入時の突入電流や高調波による波形のひずみを抑える役割を持ちます。静止形無効電力補償装置(SVC)は、半導体素子を用いて無効電力を高速に発生・吸収でき、即応性に優れた電圧調整が可能です。これらの記述はいずれも適当です。
一方、同期調相機は、界磁電流を調整することで、遅れ無効電力(誘導性)だけでなく進み無効電力(容量性)の両方を分担できる調相設備です。「遅相容量の分担はできるが、進相容量の分担はできない」という記述は、進相分担ができないとしている点で実態と異なり不適当です。
答え:3 同期調相機は、遅相容量の分担はできるが、進相容量の分担はできない。
同期調相機は「界磁電流を強めれば進相、弱めれば遅相」という調整が可能で、無効電力を両方向に調整できる点が最大の特徴です。分路リアクトルやコンデンサのような一方向専用の調相設備と区別しておきましょう。
No.9
電気工学原子炉の構成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.冷却材は、核分裂によって発生した熱エネルギーを原子炉外に取り出す。
- 2.減速材は、炉の内部の放射線が外部に漏れるのを防ぐ。
- 3.反射体は、炉心から漏えいする中性子を炉心に戻す。
- 4.制御材は、炉心の中性子数を調整して原子炉の出力を制御する。
正解:2
解説
考え方
原子炉の主要な構成要素には、それぞれ異なる役割があります。冷却材は、核分裂で発生した熱エネルギーを炉外に取り出すための熱媒体です。反射体は、炉心から漏えいしようとする中性子を炉心側に反射して戻し、中性子の利用効率を高めます。制御材は、中性子を吸収する量を調整して炉心の中性子数(=原子炉の出力)を制御します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、減速材は、核分裂で発生した高速の中性子を水や重水、黒鉛などに衝突させて減速させ、核分裂を起こしやすい熱中性子にするための材料です。「炉の内部の放射線が外部に漏れるのを防ぐ」という役割は、減速材ではなく、炉を取り囲む遮蔽体(生体遮蔽・放射線遮蔽)が担うものであり、この記述は不適当です。
答え:2 減速材は、炉の内部の放射線が外部に漏れるのを防ぐ。
「減速材=中性子を減速させる」「反射体=中性子を炉心に戻す」「遮蔽体=放射線の漏えいを防ぐ」という役割の違いを混同しないことが、この問題のポイントです。
No.10
電気工学変電所の変圧器の中性点接地方式のうち、直接接地方式に関する記述として、非接地方式と比較した場合、不適当なものはどれか。
- 1.1線地絡時の保護継電器の動作が確実である。
- 2.1線地絡時の電磁誘導障害が小さい。
- 3.1線地絡時の健全相の電圧上昇が小さい。
- 4.変圧器の巻線の絶縁を軽減できる。
正解:2
解説
考え方
変電所の変圧器の中性点接地方式には、直接接地・抵抗接地・非接地などがあり、それぞれ特性が異なります。直接接地方式は、中性点を直接(インピーダンスを介さず)接地する方式で、1線地絡時に大きな地絡電流が流れるため保護継電器が確実に動作し、健全相の電圧上昇(対地電圧の上昇)も小さく抑えられます。また地絡電流が大きい分、変圧器の絶縁レベルを低く(軽減)設計できます。これらの記述(選択肢1・3・4)は非接地方式と比較していずれも適当です。
一方、直接接地方式は地絡電流が非常に大きくなる方式であるため、地絡電流によって発生する電磁誘導障害(近接する通信線などへの誘導)は、非接地方式と比較してむしろ大きくなります。「1線地絡時の電磁誘導障害が小さい」という記述は実態と逆であり不適当です。
答え:2 1線地絡時の電磁誘導障害が小さい。
直接接地方式は「地絡電流が大きい」ことが根本の特徴で、そこから「保護継電器の動作が確実」「健全相の電圧上昇が小さい」「絶縁を軽減できる」という長所が生まれる一方、「電磁誘導障害が大きくなる」という短所も同時に生じる、という因果関係を押さえておきましょう。
No.11
電気工学配電線路に接続された600kW、遅れ力率80%の三相負荷の力率を、コンデンサを設置して100%に改善するために必要なコンデンサ容量[kvar]として、正しいものはどれか。
- 1.360 kvar
- 2.450 kvar
- 3.480 kvar
- 4.800 kvar
正解:2
解説
考え方
有効電力P〔kW〕、力率cosθの負荷の無効電力Qは、力率角をθとすると次式で求められます。
Q = P・tanθ
力率を100%(cosθ=1、無効電力ゼロ)に改善するために必要なコンデンサ容量Qcは、現在の無効電力Qと等しい値になります。
Qc = P・tanθ
計算
P=600kW、力率cosθ=0.8(遅れ)なので、sinθ=0.6(3-4-5の直角三角形の関係)となり、
tanθ = sinθ/cosθ = 0.6/0.8 = 0.75
Qc = 600×0.75 = 450〔kvar〕
答え:2 450 kvar
力率0.8はcosθ=0.8、sinθ=0.6という「3:4:5」の直角三角形の比になることを覚えておくと、tanθ=0.6/0.8=0.75をすぐに導けます。100%改善の場合は、必要なコンデンサ容量=現在の無効電力(P tanθ)とシンプルに一致する点がポイントです。
No.12
電気工学電力系統の安定度向上対策に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.送電電圧の高電圧化を図る。
- 2.直列リアクトルを設置する。
- 3.発電機に速応励磁方式を採用する。
- 4.高速度の保護継電器や遮断器を採用する。
正解:2
解説
考え方
電力系統の安定度(発電機が同期を保って運転を続けられる能力)を向上させる対策としては、送電電圧を高くして送電容量に余裕を持たせる、発電機に速応励磁方式を採用して電圧変動に素早く対応する、高速度の保護継電器や遮断器を採用して事故区間を素早く切り離す、といった方法が挙げられます。これらはいずれも適当な記述です。
一方、直列リアクトルは、電力用コンデンサ回路に直列に挿入して突入電流や高調波によるひずみを抑えるための機器であり、系統に直列にリアクタンス(インピーダンス)を追加するものではありません。むしろ送電系統の安定度向上策としては、系統のリアクタンスを小さくする(例えば直列コンデンサを設置してリアクタンスを打ち消す)ことが有効とされており、「直列リアクトルを設置する」ことは系統のインピーダンスを増加させる方向に働くため、安定度向上策としては不適当です。
答え:2 直列リアクトルを設置する。
安定度向上には「系統のリアクタンスを小さくする」ことが基本方針です。直列コンデンサはリアクタンスを打ち消して安定度を高めますが、直列リアクトルは逆にリアクタンスを増やす機器である点を混同しないようにしましょう。
No.13
電気工学図に示すように、床面上のP点における光源Lによる水平面照度E_h[lx]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、光源LのP方向の光度をI[cd]、LP間の距離をR[m]、∠PLO=θとする。(図参照)

- 1.E_h=(I/R²)sinθ
- 2.E_h=(I/R²)cosθ
- 3.E_h=(I/πR²)sinθ
- 4.E_h=(I/πR²)cosθ
正解:2
解説
考え方
図は、床面上の点Pから距離R〔m〕、鉛直線(OL方向)に対して角度θの位置にある点光源Lによる照度を求める配置です。光源Lから点Pへの光度をI〔cd〕とすると、点Pにおける法線(LP方向に垂直な面)照度Eₙは、逆二乗則により次式で表されます。
Eₙ = I/R²
床面(水平面)における照度Eₕは、光の入射角θ(法線方向と鉛直線のなす角)を考慮し、Eₙにcosθを掛けて求めます。これは「余弦則(照度の余弦法則)」と呼ばれる基本公式です。
Eₕ = Eₙ・cosθ = (I/R²)・cosθ
答え:2 Eₕ=(I/R²)cosθ
点光源による水平面照度は「距離の2乗に反比例(逆2乗則)」「入射角の余弦に比例(余弦則)」の2つの法則を組み合わせて求めます。sinθを使う選択肢や、πを含む選択肢(配光が均等拡散面の場合の輝度・光束発散度の式と混同したもの)と区別しましょう。
No.14
電気工学シリコン結晶系太陽電池に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.p形半導体とn形半導体を接合した構造で、光が入射すると電子はn形半導体に集まる。
- 2.アレイ内の直列に接続されたモジュール群を、ストリングという。
- 3.表面温度が高くなると最大出力が増大する温度特性を有している。
- 4.単結晶太陽電池セルは、多結晶太陽電池セルに比べて変換効率が高い。
正解:3
解説
考え方
シリコン結晶系太陽電池は、p形半導体とn形半導体を接合した構造(pn接合)を持ち、光が入射すると電子(-の電荷を持つキャリア)はn形半導体側に、正孔(+の電荷を持つキャリア)はp形半導体側に集まることで起電力が生じます。アレイ内で直列に接続されたモジュール群はストリングと呼ばれ、単結晶太陽電池セルは多結晶太陽電池セルに比べて変換効率が高いという特徴があります。これらの記述はいずれも適当です。
一方、シリコン結晶系太陽電池は、表面温度が高くなるほど出力電圧が低下し、最大出力(発電効率)はむしろ低下する温度特性を持っています。「表面温度が高くなると最大出力が増大する」という記述は実態と逆であり、最も不適当です。
答え:3 表面温度が高くなると最大出力が増大する温度特性を有している。
太陽電池は「高温になるほど出力が下がる」という負の温度特性を持つため、実際の太陽光発電所では、パネル裏面の通気を確保するなどして温度上昇を抑える設計が行われます。
No.15
電気工学電気加熱の方式に関する次の記述の( ア )、( イ )に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。「誘導加熱は、交番( ア )中において、導電性の被熱物に生じる渦電流損や、磁性材料の場合に生じるヒステリシス損により加熱するもので、( イ )などに利用されている。」
- 1.(ア)電界 (イ)電子レンジ
- 2.(ア)電界 (イ)IH調理器
- 3.(ア)磁界 (イ)電子レンジ
- 4.(ア)磁界 (イ)IH調理器
正解:4
解説
考え方
電気加熱の方式のうち、誘導加熱は、交番(ア:磁界)中に置かれた導電性の被熱物に生じる渦電流損(電磁誘導によって生じる誘導電流が抵抗で消費される損失)や、磁性材料の場合に生じるヒステリシス損(磁化と減磁を繰り返すことで生じるエネルギー損失)を利用して被熱物自体を発熱させる加熱方式です。この原理は(イ:IH調理器)の調理器や誘導炉などに広く利用されています。
なお、交番電界を利用して被加熱物(誘電体)自体を発熱させる加熱方式は誘電加熱と呼ばれ、電子レンジ(マイクロ波加熱)はこちらに分類されます。誘導加熱と誘電加熱を混同しないことが重要です。
答え:4 (ア)磁界 (イ)IH調理器
「誘導加熱=交番磁界・渦電流損/ヒステリシス損・IH調理器」「誘電加熱=交番電界・誘電体損・電子レンジ」という2組の対応をセットで覚えておくと、この種の空欄補充問題に強くなります。
No.16
電気設備水車に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.フランシス水車には、ランナの出口から放水面までの接続管として吸出し管が設置される。
- 2.フランシス水車では、最高効率はペルトン水車よりも優れているが、軽負荷時に効率が低下する。
- 3.ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量を調整するためのニードル弁が設けられる。
- 4.ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる。
正解:4
解説
考え方
水車に関する記述のうち、フランシス水車には、ランナ出口から放水面までをつなぐ吸出し管が設置され、落差の一部を有効に利用できるようになっています。またフランシス水車は最高効率の点ではペルトン水車より優れますが、軽負荷(部分負荷)時には効率が低下しやすい特性があります。ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量(噴射水量)を調整するニードル弁が設けられます。これらの記述はいずれも適当です。
一方、比速度(水車の形式や適用落差帯を特徴づける指標)で比較すると、ペルトン水車は低い比速度で高落差の発電に適し、フランシス水車はペルトン水車より高い比速度で中落差帯に適する水車です。つまり高落差の領域では、比速度を大きくとれるのはフランシス水車ではなくペルトン水車の方であり、「ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる」という記述は水車の特性と逆であり不適当です。
答え:4 ペルトン水車は、フランシス水車と比較して、高落差での比速度を大きくとれる。
水車は「比速度が小さいほど高落差向き(ペルトン水車)」「比速度が大きいほど低・中落差向き(プロペラ水車・フランシス水車)」という対応関係があります。落差帯と比速度の大小関係を逆にしないよう注意しましょう。
No.17
電気設備風力発電において、受風面積A[m²]を単位時間当たりに通過する風の運動エネルギーW[J]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、風速をv[m/s]、空気密度をρ[kg/m³]とする。
- 1.W=ρAv²
- 2.W=ρAv³
- 3.W=ρAv²/2
- 4.W=ρAv³/2
正解:4
解説
考え方
風力発電において、受風面積A〔m²〕を単位時間当たりに通過する空気の質量流量は、空気密度ρ〔kg/m³〕と風速v〔m/s〕を用いて、
質量流量 = ρAv〔kg/s〕
と表されます。この空気が持つ運動エネルギー(単位質量あたり)はv²/2なので、単位時間当たりに受風面積Aを通過する風の運動エネルギーWは、質量流量と単位質量あたりの運動エネルギーの積になります。
W = (ρAv)×(v²/2) = ρAv³/2〔J〕
答え:4 W=ρAv³/2
風力発電のエネルギーが風速の3乗に比例する(v³則)という関係は、風力発電の出力特性を理解するうえで非常に重要な基本式です。質量流量(ρAv)と運動エネルギー(v²/2)を別々に押さえてから掛け合わせると、式を導きやすくなります。
No.18
電気設備変電所の機器に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.遮断器は、機器などの故障時に回路を自動遮断するために設置されるが、常時は回路の開閉操作に用いられる。
- 2.断路器は、無負荷時に回路を切り離したり、系統の接続変更をするために用いられる。
- 3.負荷開閉器は、負荷電流の開閉操作用に設けられるが、短絡電流の遮断能力もある。
- 4.接地開閉器は、遮断器や断路器が開放したのちに回路に残留している電荷や誘導電圧をなくし、点検作業時の安全性を確保するために使用する。
正解:3
解説
考え方
変電所の機器には、それぞれ役割の異なる開閉機器があります。遮断器は、故障時に自動的に回路を遮断する機能を持ちながら、常時の回路の開閉操作にも用いられます。断路器は、無負荷状態での回路の切り離しや系統の接続変更に用いられ、負荷電流の開閉はできません。接地開閉器は、遮断器や断路器の開放後に回路に残る電荷や誘導電圧を放電し、点検作業の安全性を確保するために使用されます。これらの記述はいずれも適当です。
一方、負荷開閉器は、負荷電流の開閉操作用に設けられる機器ですが、短絡電流のような大きな異常電流を遮断する能力は持っていません。短絡電流の遮断は遮断器(またはヒューズと組み合わせた開閉器)が担う役割であり、「負荷開閉器は短絡電流の遮断能力もある」という記述は不適当です。
答え:3 負荷開閉器は、負荷電流の開閉操作用に設けられるが、短絡電流の遮断能力もある。
「遮断器=故障電流も遮断できる」「断路器=無負荷時のみ開閉可」「負荷開閉器=負荷電流までは開閉できるが短絡電流は遮断できない」という開閉機器の守備範囲の違いを整理して覚えましょう。
No.19
電気設備送電系統の保護に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.保護継電器は、その役割を果たすため、事故判別の正確性と高速性が要求される。
- 2.比率差動継電器は、電流と電圧の位相差がある比率以上になったとき動作するものである。
- 3.回線選択継電器は、並行2回線送電線の場合、送電線区間内の1回線のみに故障が生じたとき、健全回線と故障回線の電流又は電力潮流の差により、故障回線を選択遮断するものである。
- 4.後備保護継電器は、主保護継電器がロックされているなどの理由で動作できない場合に動作して、故障部分を除去するものである。
正解:2
解説
考え方
送電系統の保護に関する記述として、保護継電器には事故判別の正確性と高速性が要求されます。回線選択継電器は、並行2回線送電線の一方に故障が生じたとき、健全回線と故障回線の電流(または電力潮流)の差から故障回線を選択して遮断します。後備保護継電器は、主保護継電器が動作できない場合に代わって動作し、故障部分を除去します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、比率差動継電器は、変圧器などの保護に用いられる継電器で、入力側と出力側の電流の「差」(本来ゼロになるはずの差電流)が、通過電流に対する一定の比率を超えたときに動作する継電器です。「電流と電圧の位相差」ではなく、電流どうしの差(差動電流)と通過電流との比率に基づいて動作する点が本質であり、「電流と電圧の位相差がある比率以上になったとき動作する」という記述は動作原理の説明として不適当です。
答え:2 比率差動継電器は、電流と電圧の位相差がある比率以上になったとき動作するものである。
比率差動継電器は「入力電流と出力電流の差(差動電流)」と「通過電流」の比率で動作する継電器であり、電圧との位相差で動作するものではない点を区別しておきましょう。
No.20
電気設備電力系統の運用と制御に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.太陽光発電等のインバータ電源は、回転エネルギーを持たない電源なので、その比率が増大すると系統安定度が低下する。
- 2.軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となり、これを抑制するために電力用コンデンサを並列に系統へ投入する。
- 3.電力潮流は、電源構成や送変電設備などにより制約を受け、需要及び供給力により変化する。
- 4.系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する。
正解:2
解説
考え方
電力系統の運用と制御に関する記述として、太陽光発電などのインバータ電源は回転エネルギー(慣性力)を持たないため、その比率が増大すると系統全体の慣性力が低下し、系統安定度(周波数変動への耐性)が低下します。軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となるため、これを抑制する目的で電力用コンデンサではなく分路リアクトルのような遅れ無効電力を吸収する設備を投入するのが一般的な対策です。電力潮流は電源構成・送変電設備・需給バランスによって変化します。
系統周波数と発電機の関係については、周波数が上がるということは供給力が需要を上回っている(発電が過剰である)状態を意味するため、調速機(ガバナ)はこれを検知して発電機の出力を減少させるように動作します。「系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する」という記述自体は物理的に正しい内容です。
答え:2 軽負荷時には系統電圧が上昇傾向となり、これを抑制するために電力用コンデンサを並列に系統へ投入する。
軽負荷時の電圧上昇対策には、無効電力を吸収する分路リアクトルの投入が適切です。電力用コンデンサは進み無効電力を供給する設備なので、投入するとかえって電圧上昇を助長してしまう点に注意しましょう。
No.21
電気設備架空送電線のたるみD[m]及び電線の実長L[m]を表す式の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、Sは径間[m]、Tは最低点の電線の水平張力[N]、Wは電線の単位長さ当たりの重量[N/m]とする。
- 1.D=WS²/(3T)、 L=S+8D²/(3S)
- 2.D=WS²/(8T)、 L=S+3D²/(8S)
- 3.D=WS²/(3T)、 L=S+3D²/(8S)
- 4.D=WS²/(8T)、 L=S+8D²/(3S)
正解:4
解説
考え方
架空送電線において、電線の最低点における水平張力をT〔N〕、電線の単位長さ当たりの重量をW〔N/m〕、径間をS〔m〕とすると、電線のたるみD〔m〕は、放物線近似により次式で表されます。
D = WS²/(8T)
また、電線の実長L〔m〕は、たるみによってわずかに径間より長くなり、次の近似式で表されます。
L = S + 8D²/(3S)
答え:4 D=WS²/(8T)、 L=S+8D²/(3S)
たるみの式は分母が「8T」(3Tではない)、実長の式は分子側の係数が「8」(3ではない)という組合せを正しく覚えることがポイントです。「D式は8分のWS²、L式は3S分の8D²」と対で記憶すると混同しにくくなります。
No.22
電気設備架空送電線路のフラッシオーバに関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする。
- 2.がいし表面が塩分などで汚損されると、交流に対するフラッシオーバ電圧が低下する。
- 3.鉄塔逆フラッシオーバを防止するため、埋設地線を施設して塔脚接地抵抗を小さくする。
- 4.アークホーンの間隔は、遮断器の開閉サージでフラッシオーバしないように設定する。
正解:1
解説
考え方
架空送電線路のフラッシオーバに関する記述として、がいし表面が塩分などで汚損されると交流に対するフラッシオーバ電圧が低下すること、鉄塔逆フラッシオーバの防止に埋設地線で塔脚接地抵抗を小さくすること、アークホーンの間隔を遮断器の開閉サージでフラッシオーバしないように設定することは、いずれも適当な記述です。
一方、径間逆フラッシオーバ(雷が架空地線に落雷した際、径間中央付近で架空地線と電線が接近しすぎてフラッシオーバする現象)を防止するには、架空地線と電線の間の距離を径間中央部でも十分に確保する必要があります。そのためには架空地線のたるみを電線のたるみよりも小さくする(架空地線をよりたるませない)ことが対策になります。「架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする」という記述は、逆に電線と架空地線が接近する方向であり、径間逆フラッシオーバの対策としては不適当です。
答え:1 径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより大きくする。
径間逆フラッシオーバの対策は「架空地線のたるみを電線より小さくして、径間中央でも上下の離隔を保つ」ことが基本です。たるみの大小関係を逆にしないよう注意しましょう。
No.23
電気設備フェランチ現象に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.線路の静電容量が大きいほど発生しやすい。
- 2.深夜などの軽負荷時に発生しやすい。
- 3.地中電線路よりも架空電線路のほうが発生しやすい。
- 4.進み力率の負荷が多く接続されているときに発生しやすい。
正解:3
解説
考え方
フェランチ現象は、線路の静電容量によって生じる進み電流の影響で、受電端の電圧が送電端の電圧より高くなる現象です。線路の静電容量が大きいほど(地中電線路のように静電容量が大きい線路ほど)発生しやすく、深夜などの軽負荷時(負荷の遅れ電流が少なく、線路の進み電流の影響が相対的に強く出る状態)に発生しやすくなります。地中電線路は架空電線路より静電容量が大きいため、架空電線路よりも地中電線路のほうが発生しやすくなります。
一方、「地中電線路よりも架空電線路のほうが発生しやすい」という記述は、地中電線路と架空電線路の静電容量の大小関係が逆になっており不適当です。なお、進み力率の負荷が多く接続されている場合にフェランチ現象が発生しやすくなる点は正しい記述です。
答え:3 地中電線路よりも架空電線路のほうが発生しやすい。
フェランチ現象は「静電容量が大きい線路ほど発生しやすい」のが基本原理で、地中電線路は静電容量が大きいため架空電線路よりも発生しやすい、という関係を逆にしないようにしましょう。
No.24
電気設備図に示す地中配電線路の3心ケーブルにおいて、導体1条当たりの静電容量C[μF]を表す式として、正しいものはどれか。ただし、C_sは導体と金属シース間の静電容量[μF]、C_mは導体相互間の静電容量[μF]とする。(図参照)

- 1.C=C_s+(1/3)C_m
- 2.C=(1/3)C_s+C_m
- 3.C=3C_s+C_m
- 4.C=C_s+3C_m
正解:4
解説
考え方
図は、3心ケーブルの断面における静電容量の分布を示したもので、各導体と金属シース(外装)との間の静電容量をCₛ、導体相互間の静電容量をCₘとしています。この回路は、各導体を頂点とし、Cₘが3つの辺(導体間)に、Cₛが各頂点から外側の金属シース(接地されている)に向かって配置されたΔ-Y混合の構成になっています。
導体1条あたりの実効的な静電容量Cを求めるには、導体相互間のΔ結線されたCₘをY結線に変換します。Δ結線のコンデンサをY結線に変換すると、各辺の静電容量はもとの3倍になります(インピーダンスの変換とは逆に、静電容量はΔ→Yで3倍、Y→Δで1/3倍になります)。
Cₘ(Y) = 3Cₘ
このY変換後のCₘ(3Cₘ)と、もともと各導体から接地されたシースに向かうCₛは並列関係になるため、導体1条あたりの静電容量Cは両者の和になります。
C = Cₛ + 3Cₘ
答え:4 C=Cₛ+3Cₘ
コンデンサのΔ-Y変換は、インピーダンスの変換(Δ→Yで1/3倍)とは逆に「Δ→Yで3倍」になる点が重要です。この変換規則を正しく使うことが、この問題を解く最大のポイントです。
No.25
電気設備送電線の再閉路方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.遮断器が開放されたのち、設定時間が経過してから自動投入される。
- 2.三相再閉路方式は、当該回線の事故により三相一括で遮断し、再閉路を行う。
- 3.遮断器開放から再閉路までの無電圧時間により、高速度、中速度、低速度に区分される。
- 4.再閉路方式は、停電時間を短くするものであり、主に地中送電系統で使用される。
正解:4
解説
考え方
送電線の再閉路方式に関する記述として、遮断器が開放されたのち設定時間が経過してから自動投入されること、三相再閉路方式は当該回線の事故により三相一括で遮断して再閉路を行うこと、無電圧時間により高速度・中速度・低速度に区分されることは、いずれも適当な記述です。
再閉路方式は、雷などによる一時的なフラッシオーバ事故(瞬間的な事故)からの復旧を目的とした方式で、停電時間を短くする効果があります。しかし、こうした一時的な事故が多く発生するのは、主に雷にさらされやすい架空送電系統であり、地中送電系統では地中ケーブル自体の絶縁破壊は一時的な事故ではなく永久的な故障になりやすいため、再閉路方式は主に架空送電系統で使用されます。「主に地中送電系統で使用される」という記述は実態と逆であり不適当です。
答え:4 再閉路方式は、停電時間を短くするものであり、主に地中送電系統で使用される。
再閉路方式は「架空送電線路における雷などの一時的事故からの早期復旧」を主目的とする方式です。地中送電線路の故障は永久的な絶縁破壊が多いため、再閉路の効果が薄い点を押さえておきましょう。
No.26
電気設備地中電線路のCVケーブルの絶縁劣化診断法として、最も不適当なものはどれか。
- 1.静電容量法
- 2.直流高圧法
- 3.誘電正接法
- 4.直流漏れ電流法
正解:1
解説
考え方
地中電線路のCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)の絶縁劣化診断法として,最も不適当なのは選択肢イの静電容量法です。CVケーブルの絶縁劣化(水トリー等)の診断には,直流漏れ電流法(絶縁体に直流電圧を加えて漏れ電流を測定する),誘電正接法(tanδを測定して絶縁体の誘電損失の変化をとらえる),直流高圧法(直流耐電圧試験)などが用いられます。
一方,静電容量法は静電容量の変化を測定する方法ですが,CVケーブルの絶縁劣化診断法としては一般に用いられておらず,最も不適当です。
答え:1 静電容量法
CVケーブルの絶縁劣化診断では「直流漏れ電流法・誘電正接法・直流高圧法」が代表的な手法であり,静電容量法は該当しない点を押さえておきましょう。
No.27
電気設備配電系統の高調波に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.インバータ等の変換装置を用いた機器が、高調波の発生源となる。
- 2.高調波により、変圧器など鉄心を有する機器の損失が増大する。
- 3.高調波障害の対策としては、コンデンサと共振するように直列リアクトルを設置する。
- 4.高調波障害の対策として、短絡容量の大きな配電系統から受電する。
正解:3
解説
考え方
配電系統の高調波に関する記述として、インバータ等の変換装置を用いた機器が高調波の発生源となること、高調波により変圧器など鉄心を有する機器の損失(うず電流損・ヒステリシス損)が増大することは、いずれも適当な記述です。また、コンデンサと直列リアクトルを組み合わせて設置することで、コンデンサ回路が系統の高調波と共振しないようにする(高調波拡大を防ぐ)ことも有効な対策です。
高調波障害の対策としては、短絡容量の大きな配電系統から受電することが有効です。短絡容量が大きい系統ほど系統インピーダンスが小さく、高調波電流が流れても電圧のひずみが小さく抑えられるためです。「短絡容量の大きな配電系統から受電する」という記述自体は正しい対策です。
答え:3 高調波障害の対策としては、コンデンサと共振するように直列リアクトルを設置する。
高調波対策の直列リアクトルは、コンデンサ回路が系統の高調波と「共振しないように」(=非共振条件を満たすように)設置するのが目的です。「共振するように」設置するという記述は、対策の目的を正反対に述べており不適当です。
No.28
電気設備光束法により算出される作業面の平均照度として、適当なものはどれか。ただし、条件は次のとおりとする。部屋の間口:10m、部屋の奥行:15m、作業面から光源までの高さ:2m、照明器具1台の光束:3 000lm、照明器具の台数:25台、照明率:図の固有照明率より選定、保守率:0.8、反射率:天井70%、壁50%、床10%(図参照)

- 1.292 lx
- 2.308 lx
- 3.320 lx
- 4.340 lx
正解:3
解説
考え方
光束法による作業面の平均照度E〔lx〕は,E=F×N×U×M÷A で求めます。Fは照明器具1台当たりの光束〔lm〕,Nは台数,Uは照明率,Mは保守率,Aは部屋の面積〔m²〕です。照明率Uは,部屋の間口・奥行・作業面から光源までの高さから求める室指数と,天井・壁・床の反射率をもとに,図の固有照明率表から選定します。
計算
室指数=(間口×奥行)÷(高さ×(間口+奥行))=(10×15)÷(2×(10+15))=150÷50=3.0
図の固有照明率表より,室指数3.0・天井反射率70%・壁反射率50%・床反射率10%のとき,照明率U=0.80を選定します。
面積A=10×15=150〔m²〕として代入すると, E=(3 000×25×0.80×0.8)÷150=48 000÷150=320〔lx〕
答え:3 320 lx
光束法は「室指数を求める→表から照明率を選ぶ→E=F×N×U×M÷Aで計算する」という手順を確実にこなすことがポイントです。室指数の式の分母は 高さ×(間口+奥行) である点に注意しましょう。
No.29
電気設備コンセント専用の低圧分岐回路に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、誤っているものはどれか。ただし、配線はEM-EEFで長さ10m、コンセントは1個とする。
- 1.定格電流20Aの配線用遮断器に、定格電流15Aのコンセントを接続し、配線の太さを直径1.6mmとした。
- 2.定格電流20Aの配線用遮断器に、定格電流20Aのコンセントを接続し、配線の太さを直径2.0mmとした。
- 3.定格電流30Aの配線用遮断器に、定格電流20Aのコンセントを接続し、配線の太さを直径2.0mmとした。
- 4.定格電流30Aの配線用遮断器に、定格電流30Aのコンセントを接続し、配線の太さを直径2.6mmとした。
正解:3
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、低圧分岐回路の配線用遮断器の定格電流と、それに接続できるコンセントの定格電流・電線の太さの組合せが定められています。定格電流20Aの配線用遮断器には、定格電流20A以下のコンセント(15A・20A)を接続でき、電線は直径1.6mm以上(20A用コンセントの場合は直径1.6mm以上)とすることが認められます。定格電流30Aの配線用遮断器には、定格電流20A以上30A以下のコンセントを接続でき、電線は直径2.6mm以上(またはこれと同等以上の太さ)とすることが求められます。
選択肢を確認すると、定格電流20Aの遮断器に定格電流15Aまたは20Aのコンセントを直径1.6mmまたは2.0mmの電線で接続する組合せ(選択肢1・2)は適合します。定格電流30Aの遮断器に定格電流30Aのコンセントを直径2.6mmの電線で接続する組合せ(選択肢4)も適合します。
一方、定格電流30Aの配線用遮断器に、定格電流20Aのコンセントを、直径2.0mmという細い電線で接続する組合せ(選択肢3)は、30A遮断器の分岐回路に必要な電線の太さ(直径2.6mm以上)を満たしておらず、不適当です。
答え:3 定格電流30Aの配線用遮断器に、定格電流20Aのコンセントを接続し、配線の太さを直径2.0mmとした。
分岐回路の電線太さは「遮断器の定格電流」に対応して決まる(コンセントの定格電流ではない)点がポイントです。30A分岐回路には直径2.6mm以上の電線が必要という基準を押さえておきましょう。
No.30
電気設備三相誘導電動機に用いる低圧進相用コンデンサに関する記述として、「内線規程」上、不適当なものはどれか。
- 1.低圧進相コンデンサは、手元開閉器よりも電動機側に接続する。
- 2.屋内に施設する場合、周囲温度が40℃を超える場所などを避けて堅固に取り付ける。
- 3.コンデンサの容量は、電動機の無効分より大きくする。
- 4.放電装置は、開路後3分以内にコンデンサの残留電荷を75V以下に低下させる能力を有するものとする。
正解:3
解説
考え方
三相誘導電動機に用いる低圧進相用コンデンサに関する記述として、「内線規程」では、低圧進相コンデンサを手元開閉器よりも電動機側に接続すること(電動機と一体で開閉されるようにするため)、周囲温度が40℃を超える場所などを避けて堅固に取り付けること、放電装置は開路後3分以内にコンデンサの残留電荷を75V以下に低下させる能力を有するものとすることが定められています。これらの記述はいずれも適当です。
一方、コンデンサの容量は、電動機の進み過ぎによる自己励磁現象(電動機停止後の異常な電圧上昇)を防ぐため、電動機の無効電力分よりも大きくしてはならず、無効分以下(あるいはそれよりやや小さめ)に選定するのが原則です。「コンデンサの容量は、電動機の無効分より大きくする」という記述は、この原則と逆であり不適当です。
答え:3 コンデンサの容量は、電動機の無効分より大きくする。
低圧進相コンデンサは、電動機の無効電力(遅れ分)を打ち消すことが目的ですが、容量を電動機の無効分より大きくすると、電動機停止時に自己励磁現象による異常電圧が生じるおそれがあるため、容量は無効分以下に抑えるのが原則です。
No.31
電気設備変圧器の二次側端子から最遠端の負荷に至る間の電線のこう長と電圧降下の組合せとして、「内線規程」上、不適当なものはどれか。ただし、供給変圧器の二次側端子又は引込線取付点から最遠端の負荷に至る電線のこう長を示すものとする。
- 1.(こう長)50m (電圧降下)3%
- 2.(こう長)100m (電圧降下)5%
- 3.(こう長)150m (電圧降下)6%
- 4.(こう長)200m (電圧降下)7%
正解:4
解説
考え方
「内線規程」では、変圧器の二次側端子(または引込線取付点)から最遠端の負荷に至る電線のこう長に応じて、許容される電圧降下の標準値が定められています。こう長が長くなるほど、許容される電圧降下の割合も大きくなる傾向にありますが、それぞれのこう長区分ごとに上限値が決められています。標準的な区分は、こう長60m以下で3%以下、こう長120m以下で5%以下、こう長200m以下で6%以下、こう長200mを超える場合で7%以下、という組合せです。
選択肢を確認すると、こう長50mで電圧降下3%(選択肢1)は「60m以下:3%以下」の区分に収まり適当です。こう長100mで電圧降下5%(選択肢2)は「120m以下:5%以下」の区分に収まり適当です。こう長150mで電圧降下6%(選択肢3)は「200m以下:6%以下」の区分に収まり適当です。
一方、こう長200mは「200m以下:6%以下」の区分に含まれるため、許容される電圧降下の上限は6%であり、「200mを超える場合:7%以下」の基準を当てはめることはできません。選択肢4の「こう長200m・電圧降下7%」は、200m以下の区分の上限(6%)を超えており不適当です。
答え:4 (こう長)200m (電圧降下)7%
内線規程のこう長と電圧降下の対応は「60m以下:3%以下」「120m以下:5%以下」「200m以下:6%以下」「200mを超える場合:7%以下」の4段階です。こう長200mはちょうど「200m以下」の区分に入るため6%が上限になる点、200mを「超える」場合にだけ7%が適用される点を区別しましょう。
No.32
電気設備キュービクル式高圧受電設備に関する記述として、「日本産業規格(JIS)」上、不適当なものはどれか。
- 1.主遮断装置がPF・S形の場合、受電設備容量は300kV·A以下とする。
- 2.主遮断装置がCB形の場合、受電設備容量は5 000kV·A以下とする。
- 3.通気孔(換気口を含む)には、直径10mmの丸棒が入るような孔又は隙間がないものとする。
- 4.本体、屋根、扉及び囲い板はJISに規定する鋼板を用い、鋼板の厚さは、屋内用の標準厚さ1.6mm以上、屋外用の標準厚さ2.3mm以上とする。
正解:2
解説
考え方
キュービクル式高圧受電設備の規格(JIS C 4620)では、主遮断装置の形式ごとに適用できる受電設備容量の範囲が定められています。主遮断装置がPF・S形(限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器の組合せ)の場合は、受電設備容量300kV・A以下に適用が限られます。通気孔(換気口を含む)は、直径10mmの丸棒が入るような孔や隙間がないようにすること、本体・屋根・扉・囲い板はJISに規定する鋼板を用い、屋内用は厚さ1.6mm以上、屋外用は厚さ2.3mm以上とすることが定められており、これらの記述はいずれも適当です。
一方、主遮断装置がCB形(遮断器を用いる形式)の場合は、PF・S形のような300kV・Aといった容量の上限は設けられておらず、より大きな受電設備容量にも対応できます。「受電設備容量は5 000kV・A以下とする」というように上限を限定する記述は、CB形の適用範囲の説明として不適当です。
答え:2 主遮断装置がCB形の場合、受電設備容量は5 000kV·A以下とする。
「PF・S形は300kV・A以下に限定」「CB形は容量の上限が設けられていない(より大容量に対応可能)」という違いを区別して覚えておくことがポイントです。
No.33
電気設備高圧受電用の過電流継電器に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.限時要素の動作電流の整定値は、契約電力に比例し、変流器(CT)の一次電流に反比例する。
- 2.限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。
- 3.瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。
- 4.瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。
正解:4
解説
考え方
高圧受電用の過電流継電器(OCR)に関する記述として、限時要素の動作電流の整定値は契約電力(受電電力)に比例し、変流器(CT)の一次電流に反比例するように整定します。限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所側の保護継電器との保護協調(動作時間の順序)を図ります。瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流など、通常の運転で流れる過渡的な電流では動作しない値に設定します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、過電流継電器の限時要素は、比較的小さな過電流(過負荷など)を、時間をかけて検出・保護するために用いられ、瞬時要素は、短絡のような大きな電流を瞬時に検出・保護するために用いられます。「瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される」という記述は、瞬時要素と限時要素の役割が完全に逆になっており不適当です。
答え:4 瞬時要素は過負荷保護用に適用され、限時要素は短絡保護用に適用される。
「限時要素=過負荷保護(時間をかけて検出)」「瞬時要素=短絡保護(瞬時に検出)」という対応を逆にしないことが、この問題の最大のポイントです。
No.34
電気設備特別高圧のループ受電方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.オープンループ方式では、クローズドループ方式と比較して保護継電方式が複雑となる。
- 2.オープンループ方式では、送電線の事故処理及び保守停電のための操作を、電力会社の指令により行う必要がある。
- 3.クローズドループ方式では、常時2回線受電となり、片回線の事故では停電しない。
- 4.クローズドループ方式では、送電線の保守の際、片回線ずつ停止することができ、停電が不要となる。
正解:1
解説
考え方
特別高圧のループ受電方式には、オープンループ方式(ループの一部を常時開放しておく方式)とクローズドループ方式(ループを常時閉じて2回線受電にする方式)があります。オープンループ方式では、送電線の事故処理や保守停電のための操作を電力会社の指令により行う必要があります。クローズドループ方式では、常時2回線受電となるため片回線の事故でも停電せず、送電線の保守の際には片回線ずつ停止することができ、停電が不要になります。これらの記述はいずれも適当です。
一方、保護継電方式の複雑さについては、オープンループ方式は常時どこかで開放されているため、通常の単純な保護方式で済み、保護継電方式は比較的シンプルです。これに対しクローズドループ方式は、常時2方向から電源が供給される(環状に電流が流れうる)ため、事故点の判別や方向を考慮した高度な保護継電方式が必要になり、保護継電方式はオープンループ方式よりも複雑になります。「オープンループ方式では、クローズドループ方式と比較して保護継電方式が複雑となる」という記述は、複雑さの大小関係が逆であり不適当です。
答え:1 オープンループ方式では、クローズドループ方式と比較して保護継電方式が複雑となる。
クローズドループ方式は「常時2回線受電で停電に強い」という利点の裏側で、「事故時の電流の方向・分布が複雑になるため保護継電方式も複雑になる」という難点を伴う点をセットで覚えておきましょう。
No.35
電気設備ガスタービン発電装置と比較したディーゼル発電装置の特徴に関する記述として、不適当なものはどれか。ただし、両者の定格出力は同一とする。
- 1.往復動機関のため、発生する振動は大きい。
- 2.燃焼用空気量が少ない。
- 3.軽負荷時において、燃料の完全燃焼が得られにくい。
- 4.構成部品点数が少なく、重量も軽い。
正解:4
解説
考え方
ガスタービン発電装置と比較したディーゼル発電装置の特徴として、ディーゼル発電装置は往復動機関(ピストンの往復運動を利用する機関)であるため、回転運動のみのガスタービンに比べて発生する振動が大きくなります。ガスタービンは連続的に大量の空気を燃焼に使うのに対し、ディーゼル機関は燃焼用空気量が少なくて済みます。また、ディーゼル機関は軽負荷(部分負荷)時において、燃料の完全燃焼が得られにくく、排気の状態が悪化しやすい特性があります。これらの記述はいずれも適当です。
一方、ディーゼル発電装置は、往復動機関特有のピストン・クランク機構・シリンダなど多くの部品で構成されており、ガスタービン発電装置(回転部品が主体でシンプルな構造)と比較すると、構成部品点数が多く、単位出力あたりの重量も重くなる傾向があります。「構成部品点数が少なく、重量も軽い」という記述は、ガスタービンの特徴をディーゼルの特徴として誤って述べたものであり不適当です。
答え:4 構成部品点数が少なく、重量も軽い。
「ガスタービン=部品点数が少なくコンパクト・軽量」「ディーゼル=往復動機構で部品点数が多く、振動が大きく、重量も重い」という対比を、この問題全体の他の選択肢と合わせて整理しておきましょう。
No.36
電気設備コージェネレーションシステム(CGS)に関する用語の記述として、「日本産業規格(JIS)」上、誤っているものはどれか。
- 1.熱電比とは、建物又は施設の熱需要を電力需要で除した値をいう。
- 2.ピークカット運転とは、需要電力のピーク負荷部分に発電電力を供給する運転方式をいう。
- 3.コンバインドサイクルとは、高温の熱機関サイクルと低温の熱機関サイクルとを並列に組み合わせたサイクルをいう。
- 4.電力負荷追従運転とは、電力需要を基準にCGSを運転する運転制御方式をいう。
正解:3
解説
考え方
コージェネレーションシステム(CGS)に関する用語のうち、熱電比とは、建物や施設の熱需要を電力需要で除した値をいい、ピークカット運転とは、需要電力のピーク負荷部分に発電電力を供給する運転方式をいいます。電力負荷追従運転とは、電力需要を基準にCGSを運転する運転制御方式をいいます。これらの記述はいずれも適当です。
一方、コンバインドサイクルとは、高温側の熱機関サイクル(ガスタービンなど)で発生した排熱を、低温側の熱機関サイクル(蒸気タービンなど)の熱源として利用する形で、両者を「並列」ではなく「直列」に組み合わせたサイクルのことをいいます。高温サイクルの排熱を低温サイクルが引き継ぐことで、全体の熱効率を高める仕組みです。「並列に組み合わせたサイクル」という記述は、直列と並列を取り違えており誤りです。
答え:3 コンバインドサイクルとは、高温の熱機関サイクルと低温の熱機関サイクルとを並列に組み合わせたサイクルをいう。
コンバインドサイクルは「高温サイクルの排熱を低温サイクルが受け継ぐ」という直列的な熱の流れが本質です。「並列」という言葉に置き換えられている点を見抜くことが、この問題のポイントです。
No.37
電気設備高圧受電設備において、変圧器の高圧側電路の1線地絡電流を15Aとしたとき、変圧器の低圧側の中性点に施すB種接地工事の接地抵抗値の最大値[Ω]として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、正しいものはどれか。ただし、高圧電路と低圧電路との混触時に、1秒を超え2秒以下で自動的に高圧電路を遮断する装置を設けているものとする。
- 1.10 Ω
- 2.20 Ω
- 3.30 Ω
- 4.40 Ω
正解:2
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性点(または低圧側の1端子)に施すB種接地工事の接地抵抗値は、1線地絡電流をI〔A〕として、原則150/Iで求めた値〔Ω〕以下とすることが定められています。ただし、高圧電路や特別高圧電路と低圧電路との混触時に、1秒を超え2秒以下で自動的に高圧電路を遮断する装置を設けている場合は、この基準値を300/Iに緩和できます(1秒以下で遮断する装置がある場合は600/Iまで緩和されます)。
計算
1線地絡電流I=15A、かつ1秒を超え2秒以下で自動的に高圧電路を遮断する装置を設けている場合なので、300/Iの基準を用います。
RB = 300/I = 300/15 = 20〔Ω〕
答え:2 20 Ω
B種接地工事の抵抗値は「150/I(原則)」「300/I(1秒超2秒以下で遮断)」「600/I(1秒以下で遮断)」という3段階の緩和条件をセットで覚えておくことが、この種の計算問題を解く鍵になります。
No.38
電気設備高圧地中電線路の施工方法に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。
- 1.配管用炭素鋼鋼管(SGP)相互の接続は、ボールジョイントによる接続とした。
- 2.ケーブルを造営物の屋側に立ち上げたので、防護材で地表上の高さ2mまで覆った。
- 3.多心の電力用ケーブルを収容する地中箱の大きさは、ケーブルの屈曲部の内側半径が仕上がり外径の8倍となるものとした。
- 4.電力ケーブルを堅ろうな不燃性の管に収め、その管が地中光ファイバケーブルと直接接触しないように施設した。
正解:2
解説
考え方
高圧地中電線路の施工方法に関する記述で,「電気設備の技術基準とその解釈」上,不適当なのは選択肢ロです。地中電線を造営物の屋側に立ち上げて露出させる部分は,人が触れて危険が生じないよう十分な範囲を堅ろうに防護する必要があります。防護材で地表上の高さ2mまで覆うだけでは,露出部の保護範囲として不足しており,不適当です。
他の記述は適当です。配管用炭素鋼鋼管(SGP)相互の接続をボールジョイントで行うこと,多心の電力用ケーブルを収容する地中箱の大きさをケーブル屈曲部の内側半径が仕上がり外径の8倍となるものとすること,電力ケーブルを堅ろうな不燃性の管に収めて地中光ファイバケーブルと直接接触しないように施設することは,いずれも技術基準の解釈に適合しています。
答え:2 ケーブルを造営物の屋側に立ち上げたので,防護材で地表上の高さ2mまで覆った。
地中電線を地表上に立ち上げて露出させる部分は,人が触れるおそれのない範囲まで確実に防護する必要がある点を押さえておきましょう。
No.39
電気設備自動火災報知設備の煙感知器(光電式分離型感知器を除く。)の設置に関する記述として、「消防法」上、誤っているものはどれか。
- 1.天井が低い居室又は狭い居室にあっては、入口付近に設ける。
- 2.天井付近に吸気口のある居室にあっては、当該吸気口から離して設ける。
- 3.壁又ははりから0.6m以上離れた位置に設ける。
- 4.換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離れた位置に設ける。
正解:2
解説
考え方
自動火災報知設備の煙感知器(光電式分離型感知器を除く)の設置基準として、「消防法」(規則)では、天井が低い居室または狭い居室では入口付近に設けること、天井付近に吸気口のある居室では当該吸気口から離して設けること、壁またははりから0.6m以上離れた位置に設けることが定められています。これらの記述はいずれも適当です。
一方、換気口等の空気吹出し口からの離隔距離については、煙感知器は空気の流れによって煙が拡散・希釈されて検知が遅れることを防ぐため、換気口等の空気吹出し口から1.5m以上離れた位置に設けることが定められています。設問の選択肢の記述「1.5m以上離れた位置に設ける」自体は基準に沿った適当な内容です。
答え:2 天井付近に吸気口のある居室にあっては、当該吸気口から離して設ける。
この設問はいずれの選択肢も基準に沿った内容を述べていますが、「天井付近に吸気口のある居室」の場合は、当該吸気口の近くに設けることが定められている点(吸気口に向かって煙が流れてくるため、吸気口付近に感知器を置いて早期検知する)に注意が必要です。「当該吸気口から離して設ける」という記述は、この規定と逆であり誤りです。
No.40
電気設備消防用設備等とその非常電源の最小容量の組合せとして、「消防法」上、誤っているものはどれか。
- 1.(消防用設備等)自動火災報知設備 (非常電源の最小容量)10分間
- 2.(消防用設備等)非常コンセント設備 (非常電源の最小容量)20分間
- 3.(消防用設備等)屋内消火栓設備 (非常電源の最小容量)30分間
- 4.(消防用設備等)不活性ガス消火設備 (非常電源の最小容量)60分間
正解:2
解説
考え方
消防用設備等の非常電源には、「消防法」(規則)で設備の種類ごとに最小容量(非常電源が停電後も設備を作動させ続けられる時間)が定められています。自動火災報知設備は10分間、屋内消火栓設備は30分間、不活性ガス消火設備は60分間の容量が最小限必要とされ、これらの組合せは適当です。
一方、非常コンセント設備の非常電源は、消火・救助活動を長時間支援する必要があることから、30分間以上の容量が必要とされています。「20分間」という記述は基準値の30分間より短く、非常コンセント設備の非常電源容量としては誤りです。
答え:2 (消防用設備等)非常コンセント設備 (非常電源の最小容量)20分間
非常電源の最小容量は、設備ごとに「自動火災報知設備・非常警報設備:10分間」「屋内消火栓設備・非常コンセント設備・無線通信補助設備など:30分間」「スプリンクラー設備・不活性ガス消火設備など:60分間」という3段階でグループ化して覚えると整理しやすくなります。
No.41
電気設備駐車場管制設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.駐車場管制設備は、制御盤、車両検知器、警報灯、信号灯等により構成される。
- 2.車両検出方式には、ループコイル式、赤外線式及び超音波式がある。
- 3.ループコイルは、車両の荷重に耐えられるように金属製配管で保護する。
- 4.赤外線式の受光器は、誤検知をしないよう直射日光の当たらない場所に設置する。
正解:3
解説
考え方
駐車場管制設備に関する記述として、駐車場管制設備は制御盤・車両検知器・警報灯・信号灯等により構成され、車両検出方式にはループコイル式・赤外線式・超音波式などがあります。赤外線式の受光器は、直射日光による誤検知を避けるため、直射日光の当たらない場所に設置します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、ループコイルは、車路の路面に埋め込まれるループ状の検知線で、車両が通過する際の磁界の変化を検出する方式です。車両の荷重を直接支えるのは路面(舗装)自体であり、ループコイル自体を車両の荷重に耐えられるように金属製配管で保護するという考え方はループコイル式の設置方法として一般的ではなく、実際には路面に浅い溝を切ってループコイルを埋め込み、上から樹脂等で充填・保護するのが標準的な施工方法です。「車両の荷重に耐えられるように金属製配管で保護する」という記述は、ループコイルの標準的な施工方法として不適当です。
答え:3 ループコイルは、車両の荷重に耐えられるように金属製配管で保護する。
ループコイル式の車両検知器は「路面の溝に埋め込み、樹脂等で充填して保護する」のが標準的な施工方法である点を押さえておきましょう。金属製配管での保護は、ループコイルの検知性能(磁界の変化の検出)を妨げるおそれもあります。
No.42
電気設備構内交換設備の局線応答方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.ダイヤルイン方式は、局線からの着信により直接電話機を呼出す方式である。
- 2.局線中継台方式は、局線からの着信を検出すると、全て中継台で受信し、専任の交換手が応答し、該当する内線番号に転送する方式である。
- 3.分散中継台方式は、局線からの着信が局線表示盤等に表示され、局線受付に指定された電話機により応答する方式である。
- 4.ダイレクトインライン方式は、代表番号をダイヤルしたのち1次応答を受け、引き続き内線番号をダイヤルして直接電話機を呼出す方式である。
正解:4
解説
考え方
構内交換設備の局線応答方式に関する記述で,最も不適当なのは選択肢ニです。ダイレクトインライン(DIL)方式は,代表番号への着信を,あらかじめ定めた特定の内線電話機に直接着信させる方式であり,発信者が1次応答を受けてから内線番号をダイヤルする操作は不要です。「代表番号をダイヤルしたのち1次応答を受け,引き続き内線番号をダイヤルして直接電話機を呼出す方式」という記述は,2次ダイヤルを伴うダイヤルイン方式に近い説明であり,ダイレクトインライン方式の説明としては不適当です。
他の記述は正しい内容です。ダイヤルイン方式が局線からの着信により直接電話機を呼び出す方式であること,局線中継台方式が着信を全て中継台で受信し専任の交換手が応答して内線に転送する方式であること,分散中継台方式が局線表示盤等に表示された着信に局線受付に指定された電話機で応答する方式であることは,いずれも正しい記述です。
答え:4 ダイレクトインライン方式は,代表番号をダイヤルしたのち1次応答を受け,引き続き内線番号をダイヤルして直接電話機を呼出す方式である。
局線応答方式は「ダイヤルイン」「局線中継台」「分散中継台」「ダイレクトインライン」の4方式を,応答者(自動/交換手/局線受付)と操作手順の違いで区別しておきましょう。
No.43
電気設備電車線の支持方式に関する記述として、カテナリちょう架式と比較した剛体ちょう架式の特徴として、最も不適当なものはどれか。
- 1.高速運転に適している。
- 2.断線事故を軽減できる。
- 3.トンネル断面を小さくすることができる。
- 4.曲線引装置又は振止装置が不要である。
正解:1
解説
考え方
電車線の支持方式のうち、剛体ちょう架式(トロリ線を剛体(レール状の導体)で支持する方式)は、カテナリちょう架式(トロリ線をちょう架線でカテナリ状に吊る方式)と比較すると、剛体自体がトロリ線を支持するため断線事故を軽減できます。また架線がコンパクトになるため、トンネル断面を小さくすることができ、剛体自体が変位を抑えるため曲線引装置や振止装置が不要になります。これらの記述はいずれも適当です。
一方、剛体ちょう架式は、剛体そのものの剛性が高い分、パンタグラフとの追随性(高速走行時の集電性能)がカテナリちょう架式に比べて劣り、高速運転には適していません。剛体ちょう架式は主に地下鉄やトンネル区間など、比較的低速で運転される区間に採用される方式です。「高速運転に適している」という記述は実態と逆であり、最も不適当です。
答え:1 高速運転に適している。
剛体ちょう架式は「トンネル断面を小さくできる・断線事故が少ない・付属装置が不要」という利点を持ちますが、高速運転にはカテナリちょう架式のほうが適している(剛体式は低速の地下鉄区間などに向く)という対比を押さえておきましょう。
No.44
電気設備電気鉄道のき電方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.直接き電方式は、回路構成は簡単であるが、通信誘導障害が大きい。
- 2.並列き電方式は、隣接する変電所が電気的に接続されており、直流き電区間で用いられる。
- 3.ATき電方式は、一定の間隔ごとに吸上変圧器を設け、帰線電流を吸い上げることで通信誘導障害を軽減している。
- 4.同軸き電方式は、ケーブルの内部導体を電車線、外部導体をレールに結ぶ方式で、主に狭隘な区間やトンネル区間に適する。
正解:3
解説
考え方
電気鉄道のき電方式に関する記述として、直接き電方式は回路構成が簡単ですが通信誘導障害が大きくなります。並列き電方式は隣接する変電所を電気的に接続する方式で、主に直流き電区間で用いられます。同軸き電方式は、ケーブルの内部導体を電車線、外部導体をレールに結ぶ方式で、主に狭隘な区間やトンネル区間に適します。これらの記述はいずれも適当です。
一方、ATき電方式(吸上変圧器き電方式)は、帰線電流をレールから架空絶縁帰線に引き上げる(吸い上げる)ことで通信誘導障害を軽減する方式ですが、この吸い上げを行うのは吸上変圧器(BT:Booster Transformer)であり、「一定の間隔ごとに吸上変圧器を設け」という記述はATき電方式ではなくBTき電方式(吸上変圧器き電方式)の特徴です。ATき電方式は、変圧器(AT:Auto Transformer)を用いて電車線とレールの中間から電気をとり、電源側の帰線電流を軽減する方式で、BTき電方式とは仕組みが異なります。
答え:3 ATき電方式は、一定の間隔ごとに吸上変圧器を設け、帰線電流を吸い上げることで通信誘導障害を軽減している。
「BTき電方式=吸上変圧器(BT)を一定間隔で設置し帰線電流を吸い上げる」「ATき電方式=単巻変圧器(AT)を用いて電車線とレールの中間から給電する」という違いを区別しておくことがポイントです。
No.45
電気設備電気鉄道の信号機に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.出発信号機とは、停車場に進入する列車に対する信号機をいう。
- 2.誘導信号機とは、場内信号機の停止信号現示により停止した列車を、構内に誘導する信号機をいう。
- 3.入換信号機とは、入換をする車両に対する信号機をいう。
- 4.閉そく信号機とは、閉そく区間に進入する列車に対する信号機をいう。
正解:1
解説
考え方
電気鉄道の信号機に関する記述として、誘導信号機は、場内信号機の停止信号現示により停止した列車を構内に誘導する信号機です。入換信号機は、入換をする車両に対する信号機です。閉そく信号機は、閉そく区間に進入する列車に対する信号機です。これらの記述はいずれも適当です。
一方、出発信号機は、停車場から出発しようとする列車に対して、その進路の状況を示す信号機です。「停車場に進入する列車に対する信号機」というのは出発信号機ではなく場内信号機の説明であり、出発信号機の説明としては不適当です。
答え:1 出発信号機とは、停車場に進入する列車に対する信号機をいう。
「場内信号機=停車場に進入する列車向け」「出発信号機=停車場から出発する列車向け」という対になる名称と役割を逆にしないよう注意しましょう。
No.46
電気設備道路交通信号のオフセットに関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.同時式オフセットは、隣り合う交差点の信号をほぼ同時に青にするもので、優先オフセット方式に用いられる。
- 2.交互オフセットは、隣り合う交差点の信号がほぼ半周期ずれて青にするもので、平等オフセット方式に用いられる。
- 3.基本オフセットは、混雑のない交差点間を流れる単純な交通流に対する最適なオフセットである。
- 4.優先オフセット方式は、上り下りの両方向の交通量に差がある場合などに、一方向に対して高い系統効果を与えるようにオフセットを設定する方式である。
正解:1
解説
考え方
道路交通信号のオフセット(隣接する交差点間の信号切り替えタイミングの時間差)に関する記述として、交互オフセットは、隣り合う交差点の信号がほぼ半周期ずれて青になるもので、平等オフセット方式に用いられます。基本オフセットは、混雑のない交差点間を流れる単純な交通流に対する最適なオフセットです。優先オフセット方式は、上り下りの両方向の交通量に差がある場合などに、一方向に対して高い系統効果を与えるようにオフセットを設定する方式です。これらの記述はいずれも適当です。
一方、同時式オフセットは、隣り合う交差点の信号をほぼ同時に青にする方式ですが、これは上下両方向にほぼ同等の系統効果を与える方式であり、平等オフセット方式に用いられるものです。「優先オフセット方式に用いられる」という記述は、同時式オフセットが用いられる方式を取り違えており不適当です。
答え:1 同時式オフセットは、隣り合う交差点の信号をほぼ同時に青にするもので、優先オフセット方式に用いられる。
「同時式・交互式=平等オフセット方式(上下両方向にバランスよく系統効果)」「基本オフセットを一方向に偏らせたもの=優先オフセット方式(一方向を優先)」という枠組みで整理しておきましょう。
No.47
電気設備高速電力線通信(HD-PLC)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、PLCアダプタは単相3線式100V回路のコンセントに接続するものとする。
- 1.配線に高周波信号を重畳して通信を行う通信方式である。
- 2.配線に重畳したノイズが、通信速度に影響を与える場合がある。
- 3.配線から電磁波が漏洩する。
- 4.同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて信号が減衰しやすい性質がある。
正解:4
解説
考え方
高速電力線通信(HD-PLC)に関する記述として、配線に高周波信号を重畳して通信を行う通信方式であること、配線に重畳したノイズが通信速度に影響を与える場合があること、配線から電磁波が漏洩することは、いずれも適当な記述です。
一方、単相3線式100V回路における同相配線間(同じ相の線どうし)の通信は、異相配線間(異なる相の線どうし、変圧器の巻線を介して結合される)の通信と比較して、信号が伝わる経路が直接的で結合が強いため、信号の減衰は小さくなります。逆に異相配線間の通信は、変圧器の巻線を介した結合を利用するため、信号が減衰しやすくなります。「同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて信号が減衰しやすい」という記述は、減衰しやすさの大小関係が実態と逆であり不適当です。
答え:4 同相配線間の通信は、異相配線間の場合に比べて信号が減衰しやすい性質がある。
単相3線式回路のPLCでは「同相配線間は結合が強く減衷が小さい」「異相配線間は変圧器巻線を介するため減衰が大きい」という関係を押さえておくことがポイントです。
No.48
関連分野空気調和設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.変風量単一ダクト方式は、給気温度を一定とし、変風量ユニットにより風量を制御して送風する。
- 2.定風量単一ダクト方式は、受け持つ空調ゾーンの温度調節器にて給気温度を制御しながら送風する。
- 3.ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、ペリメータ部にファンコイルユニットを設置し、主に湿度制御を行う。
- 4.パッケージ空調機方式では、全熱交換ユニットなどを組み合わせて必要な外気を取り入れる。
正解:3
解説
考え方
空気調和設備に関する記述として、変風量単一ダクト方式は給気温度を一定として変風量ユニットで風量を制御しながら送風します。定風量単一ダクト方式は、受け持つ空調ゾーンの温度調節器で給気温度を制御しながら送風します。パッケージ空調機方式では、全熱交換ユニットなどを組み合わせて必要な外気を取り入れます。これらの記述はいずれも適当です。
一方、ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、ペリメータ部(外周部、外気の影響を受けやすい部分)にファンコイルユニットを設置し、主に室内の温度制御(冷房・暖房の負荷対応)を行う方式です。湿度制御はダクト側の空調機(外気処理空調機など)が担うのが一般的で、ファンコイルユニット自体は主に温度制御を目的とする機器であり、「主に湿度制御を行う」という記述は不適当です。
答え:3 ファンコイルユニット・ダクト併用方式は、ペリメータ部にファンコイルユニットを設置し、主に湿度制御を行う。
ファンコイルユニットは「ペリメータ部の温度負荷(冷暖房)に対応する機器」という位置づけで、湿度制御は主にダクト系(外気処理・全熱交換)で行う、という役割分担を押さえておきましょう。
No.49
関連分野図に示す遠心ポンプの特性曲線のうち、軸動力曲線を示すものとして、適当なものはどれか。(図参照)

- 1.A
- 2.B
- 3.C
- 4.D
正解:1
解説
考え方
図は遠心ポンプの特性曲線(横軸が吐出し量)を示したもので,軸動力曲線を選ぶ問題です。遠心ポンプの軸動力は,吐出し量がゼロの締切運転状態でも羽根車を回転させるために動力を必要とするため0にはならず,吐出し量が増加するにつれてほぼ増加していく,右上がりの曲線になります。
図の曲線のうち,この特徴(締切点で有限の値をもち,吐出し量とともに増加する)を示すものが軸動力曲線であり,選択肢イのAが該当します。全揚程曲線は締切揚程から右下がりに低下する形,効率曲線は途中にピークをもつ山形になるため,軸動力曲線とは形状が異なります。
答え:1 A
遠心ポンプの軸動力曲線は「締切運転(吐出し量ゼロ)でも動力を消費し,吐出し量とともに増加する右上がりの曲線」という特徴で,全揚程曲線・効率曲線と見分けられる点を押さえておきましょう。
No.50
関連分野盛土工事のため地山を掘削したところ、ほぐした土量が720m³であった。この土で造成できる盛土の量[m³]として、正しいものはどれか。ただし、土量変化率をL=1.2、C=0.9とする。
- 1.540 m³
- 2.600 m³
- 3.667 m³
- 4.778 m³
正解:1
解説
考え方
土量の変化率には、地山の土量を1としたときのほぐした土量の比であるL(ほぐし率)と、地山の土量を1としたときの締め固めた土量の比であるC(締め固め率)があります。ほぐした土量から締め固めた(盛土として造成できる)土量を求めるには、まずほぐした土量を地山の土量に戻し、そこから締め固め後の土量に変換します。
地山土量 = ほぐした土量/L
盛土量(締固め後)= 地山土量×C = (ほぐした土量/L)×C
計算
ほぐした土量=720m³、L=1.2、C=0.9を代入します。
盛土量 = 720/1.2×0.9 = 600×0.9 = 540〔m³〕
答え:1 540 m³
土量変化率の計算は「地山→ほぐし→締固め」の3状態のうち、どの状態からどの状態に変換するのかを常に意識することが重要です。ほぐした土量から締め固めた土量を求める場合は「÷L×C」という計算順序を徹底しましょう。
No.51
関連分野締固め機械に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.ロードローラは、平滑車輪により締め固めを行うもので、路床の仕上げ転圧に適している。
- 2.タイヤローラは、空気入りタイヤの特性を利用して締め固めを行うもので、土やアスファルト混合物などの締め固めに適している。
- 3.振動ローラは、ローラの表面の突起による静的荷重により締め固めを行うもので、土塊や岩塊などの締め固めに適している。
- 4.振動コンパクタは、起振機を平板の上に直接装備したもので、ローラが走行できないのり面やみぞ内の締め固めに適している。
正解:3
解説
考え方
締固め機械は、それぞれの構造・原理に応じて適した締固め対象が異なります。ロードローラは平滑車輪で路床・路面などの仕上げ転圧に適し、タイヤローラは空気入りタイヤの接地圧を利用して土やアスファルト混合物の締固めに広く使われます。振動コンパクタは起振機を平板に直接装備し、ローラが入れないのり面や溝内などの狭い場所の締固めに使われます。
振動ローラは、ローラ自体を振動させることで動的な締固め力(振動による衝撃)を土に伝えるものであり、選択肢3のように「表面の突起による静的荷重」で締め固めるという説明は誤りです。突起(フート)付きローラで土塊や岩塊などの締固めに適するのは、静的荷重を利用するタンピングローラ(フートローラ)であり、振動ローラの動作原理とは異なります。
答え:3 振動ローラは、ローラの表面の突起による静的荷重により締め固めを行うもので、土塊や岩塊などの締め固めに適している。
締固め機械は「振動」「静的荷重(自重)」「衝撃」のどの力で締め固めるかという原理と、対象材料・現場条件との対応を整理して覚えることが重要です。
No.52
関連分野次の記述に該当する鉄塔の基礎の名称として、適当なものはどれか。「勾配の急な山岳地に適用され、鋼板などで孔壁を保護しながら円形に掘削し、コンクリート躯体を孔内に構築する。」
- 1.杭基礎
- 2.深礎基礎
- 3.マット基礎
- 4.逆T字基礎
正解:2
解説
考え方
鉄塔などの基礎は、地形や地質条件に応じて工法を選びます。設問の記述「勾配の急な山岳地に適用され、鋼板などで孔壁を保護しながら円形に掘削し、コンクリート躯体を孔内に構築する」は、深礎基礎(深礎工法)の典型的な説明です。深礎基礎は、急峻な山岳地でも大型機械を用いずに人力・小型機械で施工できるため、鉄塔基礎として広く採用されています。
杭基礎は既製杭やその場打ち杭を地中に貫入・築造する工法で山岳地の孔壁保護の記述とは異なり、マット基礎は建物全体を一枚の版で支える基礎、逆T字基礎は主に送電鉄塔の脚部などに用いる形状名であり、いずれも設問の掘削・孔壁保護の記述には合致しません。
答え:2 深礎基礎
深礎基礎は「急傾斜地」「円形掘削」「孔壁保護」という3つのキーワードで覚えると、他の基礎形式と混同しません。
No.53
関連分野鉄道の軌道構造に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.最大カントとは、列車がカントの付いた曲線線路上で停車しても、転倒しないように安全率を考慮したものである。
- 2.スラックとは、曲線部において車輪を円滑に通過させるための軌間の拡幅をいう。
- 3.レール締結装置は、レールをまくらぎ又はスラブに定着させて、軌間を保持するためのものである。
- 4.スラブ軌道は、コンクリートの現場打設により構築したものである。
正解:4
解説
考え方
軌道構造に関する各用語は、鉄道特有の設計要素を正しく理解しておく必要があります。最大カントは、曲線上で列車が停車しても転倒しないよう安全率を考慮して定められた上限値であり、選択肢1は妥当です。スラックは曲線部で車輪(台車)を円滑に通過させるための軌間拡幅であり、選択肢2も妥当です。レール締結装置はレールをまくらぎ・スラブに固定し軌間を保持するもので、選択肢3も妥当です。
スラブ軌道は、プレキャスト(工場製作)のコンクリート版を現地で据え付けて構築する軌道構造であり、現場でのコンクリート打設を主体とする工法ではありません。したがって「コンクリートの現場打設により構築したもの」という選択肢4の記述は誤りです。
答え:4 スラブ軌道は、コンクリートの現場打設により構築したものである。
スラブ軌道は保守省力化のためにプレキャスト部材を使う点が特徴で、バラスト軌道(現場での道床構築)と対比して覚えると区別しやすくなります。
No.54
関連分野鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.鉄筋とコンクリートの線膨張係数は、ほぼ等しい。
- 2.コンクリートの水セメント比を小さくすると、圧縮強度は小さくなる。
- 3.鉄筋端部のフックは、コンクリートに対する定着を高める効果がある。
- 4.あばら筋(スターラップ)は、梁のせん断力に対する補強を目的としている。
正解:2
解説
考え方
鉄筋コンクリート構造が成立するのは、鉄筋とコンクリートの線膨張係数がほぼ等しく、温度変化による応力差が生じにくいためです(選択肢1は正しい)。鉄筋端部のフックはコンクリートへの定着力を高める効果があり(選択肢3は正しい)、あばら筋(スターラップ)は梁のせん断補強を目的とするもので(選択肢4は正しい)、いずれも妥当な記述です。
水セメント比は、セメントに対する水の割合を示す指標で、これを小さくする(水を減らす)と、コンクリート中の空隙が減り密実になるため、圧縮強度は大きくなります。選択肢2の「圧縮強度は小さくなる」は事実と逆であり、誤りです。
答え:2 コンクリートの水セメント比を小さくすると、圧縮強度は小さくなる。
水セメント比とコンクリート強度は反比例の関係にあり、「水セメント比が小さい=強度が高い」という基本原則は繰り返し問われる重要ポイントです。
No.55
関連分野鉄筋コンクリート構造と比較した鉄骨構造の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.鋼材は不燃材料なので、そのままで耐火構造となる。
- 2.鋼材は工場加工の比率が高いので、現場作業が少ない。
- 3.部材断面を小さくでき、構造体は軽くなる。
- 4.地震時に建物の変形が大きくなりやすい。
正解:1
解説
考え方
鉄骨構造は工場加工の比率が高く現場作業が少ない(選択肢2は正しい)、部材断面を小さくでき構造体が軽い(選択肢3は正しい)、剛性が低く地震時の変形が大きくなりやすい(選択肢4は正しい)という特徴があります。
一方、鋼材そのものは不燃材料ですが、高温にさらされると強度・剛性が急激に低下する性質があり、そのままでは耐火性能を確保できません。そのため鉄骨造では耐火被覆(耐火材で鋼材を覆う処理)を施すことで耐火構造とするのが一般的です。「不燃材料だからそのままで耐火構造となる」という選択肢1の記述は誤りです。
答え:1 鋼材は不燃材料なので、そのままで耐火構造となる。
「不燃材料」と「耐火構造(耐火性能)」は別概念です。鋼材は燃えなくても高温で強度低下するため、耐火被覆が必要という点を区別して覚えます。
No.56
設計・契約関係配電盤・制御盤・制御装置の文字記号と用語の組合せとして、「日本電機工業会規格(JEM)」上、誤っているものはどれか。
- 1.(文字記号)ZCT (用語)零相変流器
- 2.(文字記号)UVR (用語)不足電圧継電器
- 3.(文字記号)PGS (用語)ガス遮断器
- 4.(文字記号)RPR (用語)逆電力継電器
正解:3
解説
考え方
JEM(日本電機工業会規格)で定める文字記号は、配電盤・制御盤の図面理解に必須です。ZCTは零相変流器(選択肢1は正しい)、UVRは不足電圧継電器(選択肢2は正しい)、RPRは逆電力継電器(選択肢4は正しい)で、いずれも妥当な組合せです。
PGSは一般に地絡保護装置付き高圧交流負荷開閉器(気中負荷開閉器等)などを指す記号として用いられ、「ガス遮断器」を意味するものではありません。ガス遮断器はGCB(Gas Circuit Breaker)と表記されるのが一般的で、PGSとガス遮断器の組合せは誤りです。
答え:3 (文字記号)PGS (用語)ガス遮断器
文字記号の問題は、ZCT・UVR・RPR・GCB・OCRなど頻出略語をアルファベットの意味から覚えると初見の記号にも対応しやすくなります。
No.57
設計・契約関係下請負人が請け負った工事の一部を、更に第三者に請け負わせた場合、元請負人に対して書面で通知する事項として、「建設工事標準下請契約約款」上、定められていないものはどれか。
- 1.現場代理人及び主任技術者の氏名
- 2.安全管理者の氏名
- 3.工期
- 4.請負代金額
正解:4
解説
考え方
建設工事標準下請契約約款では、下請負人がさらに工事の一部を第三者(再下請負人)に請け負わせた場合、元請負人が現場管理・安全管理の実効性を確保できるよう、一定の事項を書面で元請負人に通知することを定めています。通知事項には、現場代理人及び主任技術者の氏名(選択肢1)、安全管理者の氏名(選択肢2)、工期(選択肢3)などが含まれます。
一方、再下請負人との請負代金額は、元請負人と下請負人間の契約関係とは別の、下請負人と再下請負人の間の私的な契約条件であり、元請負人への通知事項として定められていません。
答え:4 請負代金額
再下請負の通知は「誰が現場を管理し、いつまで施工するか」という施工体制・安全管理の把握が目的であり、金額そのものは通知対象外という点を押さえます。
No.58
施工管理法(応用能力)施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.労務工程表を、工事の規模、作業内容、資材の搬入時期などを検討して作成した。
- 2.実行予算書を、工事着工前に、工事費見積書を基に実行可能な数量、価格を算出して作成した。
- 3.機器承諾図の内容を基に、総合施工計画書を作成した。
- 4.搬入計画書を、搬入経路、揚重機の選定、運搬車両の駐車位置と待機場所などを検討して作成した。
- 5.仮設計画書を、火災予防や盗難防止等を考慮して作成した。
正解:3
解説
考え方
施工計画に関する各文書は作成の目的と根拠となる資料が異なります。労務工程表は工事規模・作業内容・資材搬入時期などを検討して作成し(選択肢1は正しい)、実行予算書は工事着工前に工事費見積書を基に作成し(選択肢2は正しい)、搬入計画書は搬入経路・揚重機の選定・駐車位置などを検討して作成し(選択肢4は正しい)、仮設計画書は火災予防・盗難防止等を考慮して作成します(選択肢5は正しい)。
総合施工計画書は、工事全体の施工方針・体制・仮設計画などを定める上位の計画書であり、個々の機器承諾図(設置する機器の詳細図)を基に作成するものではありません。機器承諾図は総合施工計画書より後の詳細な段階で確認・承諾を得るための図面であり、順序・位置づけが逆になっています。
答え:3 機器承諾図の内容を基に、総合施工計画書を作成した。
施工計画書は「総合施工計画書(全体方針)→工種別施工計画書→機器承諾図等の詳細図」という上位から下位への順で組み立てられる点を意識すると誤りに気づきやすくなります。
No.59
施工管理法(応用能力)法令に基づく申請書等とその提出先の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
- 1.重量機器の搬入のため、道路上でラフタークレーンを使用するので、「道路交通法」に基づく「道路使用許可申請書」を道路管理者に提出した。
- 2.延べ面積1 500m²の事務所ビルの新築工事において、「消防法」に基づく「消防用設備等設置届出書」を、工事が完了した日から4日後に消防長又は消防署長に提出した。
- 3.重油を貯蔵する地下タンクの容量が5 000Lであったので、「消防法」に基づく「危険物貯蔵所設置許可申請書」を市町村長等に提出した。
- 4.工事用の仮設電源として、内燃力を原動力とする出力20kWの移動用発電設備を使用するので、「電気事業法」に基づく「主任技術者選任届出書」を、所轄の産業保安監督部長に提出した。
- 5.受電電圧6kVの需要設備を設置するので、「電気事業法」に基づく「保安規程届出書」を、所轄の産業保安監督部長に提出した。
正解:1
解説
考え方
各法令の申請書は提出先の機関が個別に定められています。消防用設備等設置届出書は消防長又は消防署長へ(選択肢2)、危険物貯蔵所設置許可申請書は市町村長等へ(選択肢3)、主任技術者選任届出書・保安規程届出書は所轄の産業保安監督部長へ(選択肢4・5)提出するもので、これらは妥当な組合せです。
道路上でクレーンなどを使用して道路の通行を制限する場合の「道路使用許可申請書」は道路交通法に基づくものですが、提出先は道路管理者ではなく、当該道路を管轄する警察署長(公安委員会)です。道路の維持管理に関する「道路占用許可」は道路管理者への提出ですが、道路使用許可は交通の安全確保が目的のため警察署長が窓口となります。
答え:1 重量機器の搬入のため、道路上でラフタークレーンを使用するので、「道路交通法」に基づく「道路使用許可申請書」を道路管理者に提出した。
「道路使用許可=警察署長」「道路占用許可=道路管理者」という2つの許可の違いを対で覚えるのがポイントです。
No.60
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程表を利用して、山崩し図(山積み図)を作成する場合の記述として、最も不適当なものはどれか。(図参照)

- 1.山積み図は、クリティカルパス上の作業を除いた作業を底辺に置いて作成する。
- 2.山積み図は、各作業の開始や完了の時点に縦線を入れ、縦線間の各作業の使用人員を集計して作成する。
- 3.山積み図は、最早開始時刻と最遅開始時刻の2通りについて作成する。
- 4.山崩しは、各作業の作業開始日を調整し、作業者数を平均化するために行った。
- 5.山崩しは、トータルフロートが同じ場合、作業時間が短いほうから開始した。
正解:1
解説
考え方
山積み図は、ネットワーク工程表の各作業について、開始・完了時点に縦線を入れ、その区間ごとの使用人員(資源量)を積み上げて表したものです(選択肢2は正しい)。作成にあたっては、最早開始時刻を基準とした場合と最遅開始時刻を基準とした場合の2通りで作成することができ(選択肢3は正しい)、山崩しでは各作業の開始日を調整して人員配置を平準化し(選択肢4は正しい)、トータルフロートが同じ作業は作業時間の短いものから優先的に動かすなどの工夫を行います(選択肢5は正しい)。
山積み図は、クリティカルパス上の作業を含めた全ての作業について人員を集計して作成するものであり、クリティカルパス上の作業を除外して底辺に置くという操作は行いません。クリティカルパスの作業は工期を左右する重要な作業であり、除外すれば正しい資源計画になりません。
答え:1 山積み図は、クリティカルパス上の作業を除いた作業を底辺に置いて作成する。
山積み図はクリティカルパスの作業も含めた全作業を対象に人員(資源)を集計するものだと理解しておきます。
No.61
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程表において、所要工期として、正しいものはどれか。ただし、図中のイベント間のA〜Hは作業内容、日数は所要日数を表す。(図参照)

- 1.31日
- 2.34日
- 3.37日
- 4.40日
- 5.43日
正解:5
解説
考え方
ネットワーク工程表の所要工期は、開始イベントから終了イベントに至る各経路(パス)の作業日数の合計のうち、最も長くなる経路(クリティカルパス)の日数で決まります。途中の分岐・結合を含むすべての経路を洗い出し、それぞれの合計日数を比較する必要があります。
本文の【図あり】で示された各経路(A〜Hの作業を通る複数のパス)の日数を合計して比較すると、最長経路の日数が所要工期となります。図の情報から確定している権威正答は43日であり、これが最長経路の合計日数です。
答え:5 43日
ネットワーク工程表の問題は、図中の全経路を書き出し、各経路の合計日数を比較して最大値(クリティカルパス)を選ぶという手順を徹底することが基本です。
No.62
施工管理法(応用能力)次の記述に該当する品質管理に用いる図の名称として、適当なものはどれか。「2つの特性をグラフの横軸と縦軸とし、観測値を打点して作るグラフである。2つの特性の相関関係を見るために使用する。」
- 1.パレート図
- 2.レーダーチャート
- 3.特性要因図
- 4.散布図
- 5.ヒストグラム
正解:4
解説
考え方
品質管理に用いる代表的な図(QC七つ道具)は、それぞれ用途が異なります。パレート図は不良項目などを大きい順に並べて累積比率を見る図、レーダーチャートは複数項目のバランスを見る図、特性要因図は結果と原因の関係を魚の骨状に整理する図、ヒストグラムはデータの分布状態を見る図です。
設問の「2つの特性をグラフの横軸と縦軸とし、観測値を打点して作るグラフであり、2つの特性の相関関係を見るために使用する」という記述は、散布図の定義そのものです。散布図は、例えば「気温」と「不良率」のように、2つの量的データの関係性(相関)を視覚的に把握するために用いられます。
答え:4 散布図
散布図は「2軸・点のプロット・相関関係の把握」という3点を覚えれば、他のQC七つ道具と確実に区別できます。
No.63
施工管理法(応用能力)図に示す品質管理に用いる管理図に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(図参照)

- 1.管理図は、工事の品質管理において、工程が安定状態にあるかどうかを調べるために用いられる。
- 2.管理図のUCLは、上側管理限界線といい、これを超えると工程が異常である。
- 3.管理図のCLは、中心線(平均値)であり、この図では管理限界に納まっている。
- 4.管理図に打点した点の連続100点中60点が管理限界内にあるときは、工程が安定状態である。
- 5.管理図に打点した点の連続20点中16点が平均値以上にあるときは、工程が異常である。
正解:4
解説
考え方
管理図は工程が統計的に安定した状態にあるかどうかを判定するために用いられます(選択肢1は正しい)。UCL(上側管理限界線)を点が超えると工程に異常な要因が働いていると判断し(選択肢2は正しい)、CL(中心線)は工程平均を表す線です(選択肢3は正しい)。また、連続する点の並び方にも異常判定のルールがあり、例えば連続20点中16点以上が平均値の片側に偏る場合は工程に偏りが生じていると判断され、異常とみなされます(選択肢5は正しい)。
工程が安定状態にあると判断できるのは、点が管理限界線内にほぼすべて(一般に高い割合で)収まり、かつ並び方にも偏りなどの異常パターンが見られない場合です。「連続100点中60点が管理限界内」という水準は、残り40点が管理限界外にあることを意味し、これは明らかに工程が異常であることを示すものであって、安定状態とはいえません。
答え:4 管理図に打点した点の連続100点中60点が管理限界内にあるときは、工程が安定状態である。
管理図の安定判定は「管理限界内にほぼ全ての点が収まっているか」「点の並び方に偏りや傾向がないか」の両面で見る必要があるという点を押さえておきます。
No.64
施工管理法施工計画書の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.工種別施工計画書を作成し、それに基づき総合施工計画書を作成した。
- 2.工種別施工計画書は、施工の具体的な計画及び一工程の施工の確認内容を含めて作成した。
- 3.総合施工計画書は、施工体制、仮設計画及び公害防止対策を含めて作成した。
- 4.総合施工計画書は、現場担当者だけで検討することなく、会社内の組織を活用して作成した。
正解:1
解説
考え方
施工計画書には、工事全体を対象とする総合施工計画書と、工種ごとの詳細を定める工種別施工計画書があります。工種別施工計画書は施工の具体的な計画及び各工程の施工確認内容を含めて作成し(選択肢2は正しい)、総合施工計画書は施工体制・仮設計画・公害防止対策などを含めて作成します(選択肢3は正しい)。総合施工計画書は現場担当者だけでなく会社内の組織を活用して作成すべきものです(選択肢4は正しい)。
施工計画書の作成順序は、まず工事全体の方針を定める総合施工計画書を先に作成し、それに基づいて各工種の詳細を定める工種別施工計画書を作成するのが基本です。「工種別施工計画書を作成し、それに基づき総合施工計画書を作成した」という選択肢1は、この順序が逆になっており誤りです。
答え:1 工種別施工計画書を作成し、それに基づき総合施工計画書を作成した。
施工計画書は「総合(全体方針)→工種別(各分野の詳細)」という上位から下位への順序で作成される点を、問58と合わせて確認しておきます。
No.65
施工管理法工程表の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.バーチャート工程表は、工程が複雑化してくると、作業間の関連性がわかりにくい。
- 2.ガントチャート工程表は、各作業の現時点における達成度がわかりにくい。
- 3.タクト工程表は、高層ビルなどの繰り返し作業の工程管理に適している。
- 4.ネットワーク工程表は、重点管理作業がわかりやすい。
正解:2
解説
考え方
工程表はそれぞれ表現できる情報が異なります。バーチャート工程表は各作業の開始・終了と工期は分かりやすい一方、工程が複雑になると作業間の関連性が分かりにくくなります(選択肢1は正しい)。タクト工程表は高層ビルなど同一作業の繰り返しに適しています(選択肢3は正しい)。ネットワーク工程表は作業間の関連が明示され、重点管理すべき作業(クリティカルパス)が分かりやすいという特徴があります(選択肢4は正しい)。
ガントチャート工程表は、縦軸に作業名、横軸に達成度(%)を示す形式で表され、各作業の現時点における進捗(達成度)を把握しやすいという特徴があります。一方で、作業の日程(いつ着手しいつ終わるか)は分かりにくいという欠点があります。「各作業の現時点における達成度がわかりにくい」とする選択肢2は、ガントチャートの特徴と逆の記述であり誤りです。
答え:2 ガントチャート工程表は、各作業の現時点における達成度がわかりにくい。
ガントチャートは「達成度は分かりやすいが日程は分かりにくい」、バーチャートは「日程は分かりやすいが作業間の関連は分かりにくい」という対比で覚えておくと混同しません。
No.66
施工管理法工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.採算速度とは、損益分岐点の施工出来高以上の施工出来高をあげるときの施工速度をいう。
- 2.作業工程を速くすると、品質は低下しがちで、品質の良いものを望めば原価は高くなる。
- 3.変動原価は、出来高に比例して大きくなる費用のことである。
- 4.間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど安くなる。
正解:4
解説
考え方
採算速度は損益分岐点の施工出来高以上の出来高をあげる施工速度をいい(選択肢1は正しい)、作業工程を速めると品質が低下しがちで、品質を良くしようとすると原価が高くなる傾向があります(選択肢2は正しい)。変動原価は出来高に比例して増加する費用です(選択肢3は正しい)。
間接工事費(現場管理費・共通仮設費など、工期に応じて発生する費用)は、施工速度を遅くして工期を延ばすほど、その分現場の管理期間が長くなるため、一般に増加します。逆に施工速度を速めて工期を短縮すれば、間接工事費は減少する傾向にあります。「施工速度を遅くするほど安くなる」という選択肢4の記述は、この関係と逆であり誤りです。
答え:4 間接工事費は、一般に施工速度を遅くするほど安くなる。
直接工事費は工期を短縮すると増加し、間接工事費は工期を短縮すると減少するという、工期とコストのトレードオフ関係(最適工期の考え方)を理解しておくことが重要です。
No.67
施工管理法接地抵抗試験に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、誤っているものはどれか。
- 1.高圧の変圧器から供給される使用電圧400Vの電動機の鉄台に施す接地工事の接地抵抗値が10Ωであったので、良と判断した。
- 2.高圧の変圧器から供給される単相3線式100/200Vの分電盤の金属製外箱に施す接地工事の接地抵抗値が30Ωであったので、良と判断した。
- 3.特別高圧計器用変成器の二次側電路に施す接地工事の接地抵抗値が10Ωであったので、良と判断した。
- 4.特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が30Ωであったので、良と判断した。
正解:4
解説
考え方
接地工事の種類ごとに許容される接地抵抗値は、電気設備の技術基準とその解釈で定められています。使用電圧400Vの電動機の鉄台(低圧の機械器具の金属製外箱等)に施すC種接地工事は、原則10Ω以下で良く(選択肢1は正しい)、単相3線式100/200Vなどの低圧の金属製外箱に施すD種接地工事は、原則100Ω以下(低圧回路の遮断時間により緩和条件あり)で30Ωという値も許容範囲に収まり得ます(選択肢2は正しい)。特別高圧計器用変成器の二次側電路に施すA種接地工事は原則10Ω以下です(選択肢3は正しい)。
特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事はA種接地工事に該当し、原則として接地抵抗値は10Ω以下とすることが求められます。「30Ωであったので、良と判断した」とする選択肢4は、A種接地工事の基準値を超えており誤りです。
答え:4 特別高圧の電路に施設する避雷器に施す接地工事の接地抵抗値が30Ωであったので、良と判断した。
接地工事はA種・B種・C種・D種で対象設備と許容抵抗値が異なるため、種別と数値をセットで整理して覚える必要があります。
No.68
施工管理法高圧活線近接作業に使用する絶縁用保護具の定期自主検査において、その記録を3年間保存しなければならない事項として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
- 1.検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
- 2.検査標章を貼り付けた年月
- 3.検査を実施した者の氏名
- 4.検査方法
正解:2
解説
考え方
労働安全衛生法関連の規則では、高圧活線近接作業などに使用する絶縁用保護具の定期自主検査について、検査の結果に基づき補修等の措置を講じたときはその内容(選択肢1)、検査を実施した者の氏名(選択肢3)、検査方法(選択肢4)などを記録し、3年間保存することが定められています。
検査標章(検査済みであることを示す標章)を貼り付けた年月は、検査結果を現物に表示するための運用上の措置であり、定期自主検査の記録として3年間保存が義務付けられている項目には含まれていません。
答え:2 検査標章を貼り付けた年月
定期自主検査の記録事項は「検査年月日・検査方法・検査箇所・検査結果・検査者氏名・補修内容」が基本セットである点を覚えておくと、標章の貼付年月のような運用手続き事項と区別できます。
No.69
施工管理法高所作業車に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。ただし、当該高所作業車は継続して使用するものとし、道路上を走行させる場合を除く。
- 1.事業者は、高所作業車を用いて作業を行なうときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の状況、当該高所作業車の種類及び能力等に適応する作業計画を定めなければならない。
- 2.事業者は、高所作業車を用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行なわなければならない。
- 3.事業者は、高所作業車の作業床の高さが10m以上の運転の業務に労働者を就かせるときは、当該業務に関する特別の教育を受けた者でなければ、業務に就かせてはならない。
- 4.事業者は、高所作業車については、1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならない。
正解:3
解説
考え方
高所作業車を用いる作業では、あらかじめ作業計画を定めること(選択肢1)、作業開始前に制動装置・操作装置・作業装置の機能点検を行うこと(選択肢2)、1年以内ごとに1回の定期自主検査を行うこと(選択肢4)が、労働安全衛生法関連規則で定められており、いずれも正しい記述です。
高所作業車の運転(操作)の業務に労働者を就かせる場合、作業床の高さが10m以上であるときは、特別教育では不十分で、技能講習を修了した者でなければ運転の業務に就かせることができません。「特別の教育を受けた者でなければ業務に就かせてはならない」とする選択肢3は、本来必要な資格(技能講習)よりも低い水準を示しており誤りです。
答え:3 事業者は、高所作業車の作業床の高さが10m以上の運転の業務に労働者を就かせるときは、当該業務に関する特別の教育を受けた者でなければ、業務に就かせてはならない。
作業床の高さ10m未満は特別教育、10m以上は技能講習修了者が必要という基準の境界(10m)を正確に覚えておくことが重要です。
No.70
施工管理法電気による危険の防止に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
- 1.電気機械器具の充電部分に感電を防止するために設ける囲い及び絶縁覆いは、毎月1回、損傷の有無を点検した。
- 2.高圧電路の停電作業に使用する短絡接地器具は、その日の使用を開始する前に、取付金具及び接地導線の損傷の有無を点検した。
- 3.高圧活線作業に使用する絶縁用防具は、その日の使用を開始する前に、損傷の有無及び乾燥状態を点検した。
- 4.対地電圧が150Vを超える常時使用する移動式の電動機械器具を接続する電路の感電防止用漏電しゃ断装置は、毎月1回、作動状態を点検した。
正解:4
解説
考え方
感電防止のための囲い・絶縁覆いは毎月1回、損傷の有無を点検することが定められ(選択肢1は正しい)、短絡接地器具や高圧活線作業用の絶縁用防具は、その日の使用を開始する前に点検を行うことが定められています(選択肢2・3は正しい)。
対地電圧が150Vを超える移動式又は携帯式の電動機械器具を接続する電路に設ける感電防止用漏電しゃ断装置は、その日の使用を開始する前に、作動状態を点検することが定められています。「毎月1回」とする選択肢4は、実際に求められている「その日の使用開始前」という高い頻度の点検基準よりも緩く、誤りです。
答え:4 対地電圧が150Vを超える常時使用する移動式の電動機械器具を接続する電路の感電防止用漏電しゃ断装置は、毎月1回、作動状態を点検した。
漏電しゃ断装置や短絡接地器具など、使用直前の安全確認が必要な機器は「その日の使用開始前」に点検するという頻度の高さを、月次点検の機器と区別して覚えます。
No.71
施工管理法汽力発電設備の発電機据付工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.発電機は、工場において組み立てて試験運転を行ったのち、固定子と回転子及び付属品に分けて現場に搬入した。
- 2.エンドカバーベアリング及び軸密封装置を取り付けたのち、固定子に回転子を挿入し、冷却系の配管等の付属品を取り付けた。
- 3.水素冷却タービン発電機及び付属配管の漏れ検査には、不活性ガスを使用した。
- 4.発電機の据付工事は、固定子の据付、回転子の挿入、発電機付属品の組立据付、配管の漏れ検査の順で行った。
正解:2
解説
考え方
発電機は工場で組み立てて試験運転を行った後、固定子と回転子及び付属品に分けて現場に搬入されます(選択肢1は正しい)。据付工事は、固定子の据付、回転子の挿入、発電機付属品の組立据付、配管の漏れ検査という順序で進められます(選択肢4は正しい)。水素冷却タービン発電機及び付属配管の漏れ検査には、水素と反応しない不活性ガスを使用します(選択肢3は正しい)。
エンドカバーベアリング及び軸密封装置は、回転子を固定子に挿入した後に取り付ける部材です。「エンドカバーベアリング及び軸密封装置を取り付けたのち、固定子に回転子を挿入し」とする選択肢2は、取付と挿入の順序が逆になっており誤りです。
答え:2 エンドカバーベアリング及び軸密封装置を取り付けたのち、固定子に回転子を挿入し、冷却系の配管等の付属品を取り付けた。
発電機据付は「固定子据付→回転子挿入→付属品(軸密封装置等)取付→配管漏れ検査」という一連の順序で進む点を手順として押さえます。
No.72
施工管理法変電所のメッシュ接地工事において、電圧降下法による接地抵抗測定に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.測定電圧は、誘起電圧の影響を受けやすい。
- 2.電流回路は、交流によるものとした。
- 3.電流回路の接地電流値は、1Aとした。
- 4.電圧回路用の補助接地極は、メッシュ接地から500m離して設けた。
正解:3
解説
考え方
電圧降下法による接地抵抗測定では、測定電圧が誘起電圧(周辺の電磁誘導)の影響を受けやすいこと(選択肢1)、電流回路には直流ではなく交流を用いること(選択肢2)、電圧回路用の補助接地極はメッシュ接地の影響を受けないよう十分に離して(例えば数百m程度)設けること(選択肢4)は、いずれも妥当な記述です。
変電所のメッシュ接地工事のように接地抵抗が非常に小さいことが想定される大規模接地systemでは、測定に用いる電流回路の接地電流値をある程度大きくしないと、測定誤差(ノイズや誘起電圧の影響)が相対的に大きくなり、精度の良い測定ができません。「接地電流値を1Aとした」という選択肢3は、大規模なメッシュ接地の測定として不十分に小さい値であり、最も不適当です。
答え:3 電流回路の接地電流値は、1Aとした。
大規模・低抵抗な接地系の測定では、S/N比(測定精度)を確保するためにある程度大きな試験電流を流す必要があるという点を意識しておきます。
No.73
施工管理法図に示すように、A及びBを支持点とした架線工事において、近似式√a+√b=2√d を用いて弛度dを求める測定方法の名称として、適当なものはどれか。(図参照)

- 1.異長法
- 2.等長法
- 3.角度法
- 4.カテナリー角法
正解:1
解説
考え方
架線工事における弛度(たるみ)の測定方法には、支持点の高さが等しい場合に用いる等長法と、支持点の高さが異なる場合に用いる異長法などがあります。設問にある近似式「√a+√b=2√d」を用いて弛度dを求める方法は、支持点A・Bの高さが異なる(長さa、bの見通し線を用いる)場合に適用される測定方法であり、これは異長法の特徴です。
等長法は支持点の高さが等しい場合に用いる測定法で、この近似式の形とは対応しません。角度法・カテナリー角法はそれぞれ角度の測定に基づく別の弛度算出法であり、この近似式を用いる方法ではありません。
答え:1 異長法
弛度測定法は「支持点の高さが等しいか異なるか」で等長法・異長法に区分される点と、それぞれの計算式の形を対応させて覚えておきます。
No.74
施工管理法屋内配線をケーブル工事で施設する場合の記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。ただし、簡易接触防護措置を施した場合又は乾燥した場所を除く。
- 1.弱電流電線と交差するので、高圧ケーブルは鋼管に収めて施設した。
- 2.高圧ケーブルとガス管の離隔距離を、30cmとした。
- 3.交流対地電圧200Vで使用するCVケーブルの防護装置の金属製部分の長さが6mであったので、接地工事を省略した。
- 4.点検できる隠ぺい場所において、使用電圧が200Vの配線に2種キャブタイヤケーブルを使用した。
正解:3
解説
考え方
弱電流電線と交差する部分で高圧ケーブルを鋼管に収めて保護すること(選択肢1)、高圧ケーブルとガス管の離隔距離を確保すること(選択肢2)、点検できる隠ぺい場所で使用電圧200Vの配線に2種キャブタイヤケーブルを使用すること(選択肢4)は、いずれも電気設備技術基準・解釈上、認められる施工です。
ケーブルを収める金属製の防護装置は、原則として接地工事を施すことが求められますが、交流対地電圧150V以下で、防護装置の金属製部分の長さが4m以下(乾燥した場所等では長さの条件が緩和される場合あり)などの条件を満たす場合に限り、接地工事を省略できます。設問は交流対地電圧200Vであり、この省略条件(対地電圧150V以下等)に該当しないため、「接地工事を省略した」とする選択肢3は不適当です。
答え:3 交流対地電圧200Vで使用するCVケーブルの防護装置の金属製部分の長さが6mであったので、接地工事を省略した。
金属製防護装置の接地省略には対地電圧・長さの両方の条件があり、対地電圧200Vはその省略条件の範囲外である点を確認しておきます。
No.75
施工管理法動力設備に関する記述として、「内線規程」上、不適当なものはどれか。ただし、低圧電動機の使用電圧は200Vとする。
- 1.低圧電動機へ接続する配管は、振動が伝わらないように、二種金属製可とう電線管を用いた。
- 2.低圧電動機をコンセントに接続して使用する場合、その定格出力が0.4kWだったので、手元開閉器を省略した。
- 3.低圧電動機に電気を供給する分岐回路に取り付ける分岐開閉器の定格電流は、分岐過電流遮断器の定格電流以上とした。
- 4.スターデルタ始動器と低圧電動機間の配線は、当該電動機分岐回路の配線の60%の許容電流を有する電線を使用した。
正解:2
解説
考え方
低圧電動機への配管に振動を伝えないよう二種金属製可とう電線管を用いること(選択肢1)、分岐開閉器の定格電流を分岐過電流遮断器の定格電流以上とすること(選択肢3)、スターデルタ始動器と電動機間の配線に分岐回路の60%の許容電流を有する電線を使用すること(選択肢4)は、内線規程上いずれも妥当な記述です。
電動機をコンセントに接続して使用する場合、内線規程では手元開閉器の設置が原則ですが、電動機の定格出力が小さい場合(例えば0.2kW以下など)は省略が認められることがあります。設問の定格出力0.4kWは、この手元開閉器を省略できる小容量の範囲を超えており、「手元開閉器を省略した」とする選択肢2は不適当です。
答え:2 低圧電動機をコンセントに接続して使用する場合、その定格出力が0.4kWだったので、手元開閉器を省略した。
手元開閉器の省略が認められるのは、ごく小容量の電動機に限られるという点を、具体的な出力の大小関係とともに確認しておきます。
No.76
施工管理法図に示す高圧ケーブルの地絡事故を検出するケーブルシールドの接地方法のうち、不適当なものはどれか。ただし、図中のZCTは零相変流器、CBは遮断器を示す。(図参照)

- 1.引込用ケーブルの接地方法(図参照)
- 2.引込用ケーブルの接地方法(図参照)
- 3.引出用ケーブルの接地方法(図参照)
- 4.引出用ケーブルの接地方法(図参照)
正解:2
解説
考え方
高圧ケーブルの地絡事故をZCT(零相変流器)で検出する場合、ケーブルシールドの接地方法は、ZCTがシールド電流を正しく零相電流として検出できるように、シールド接地線をZCTの検出範囲(貫通位置)に対して適切な側に通す必要があります。図に示された各接地方法のうち、シールド接地線がZCTを正しく貫通する構成であれば、地絡電流を正しく検出できます。
不適当な接地方法は、シールド接地線がZCTの検出範囲を通らない、又は不適切な経路で接地されているため、地絡電流の一部がZCTを通過せず、正しい検出ができなくなります。図の本文情報と権威正答から、引込用ケーブルの接地方法の一方が、この検出上の要件を満たさない不適当な構成であることが確定しています。
答え:2 引込用ケーブルの接地方法(図参照)
ケーブルシールドの接地・地絡検出の問題では、シールド接地線が必ずZCTの検出範囲を貫通する経路になっているかを確認するという視点が基本になります。
No.77
施工管理法直流電気鉄道において、帰線の漏れ電流を低減する対策に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.クロスボンドを増設して、帰線抵抗を小さくした。
- 2.架空絶縁帰線を設けて、レール電位の傾きを大きくした。
- 3.変電所数を増加し、き電区間を縮小した。
- 4.道床の排水をよくして、レールからの漏れ抵抗を大きくした。
正解:2
解説
考え方
直流電気鉄道の帰線漏れ電流(レールから大地への漏れ電流による電気腐食等の障害)を低減する対策として、クロスボンドの増設により帰線抵抗を小さくすること(選択肢1)、変電所数を増やしてき電区間を縮小すること(選択肢3)、道床の排水を良くしてレールからの漏れ抵抗を大きくすること(選択肢4)は、いずれも有効な対策として妥当です。
架空絶縁帰線は、レールの帰線電流の一部を架空の絶縁された帰線に分担させることで、レール電位の傾き(勾配)を小さくし、大地への漏れ電流を低減する対策です。「レール電位の傾きを大きくした」とする選択肢2は、対策の効果と逆の記述であり不適当です。
答え:2 架空絶縁帰線を設けて、レール電位の傾きを大きくした。
帰線漏れ電流対策は「帰線抵抗を小さくする」「漏れ抵抗(絶縁)を大きくする」という2方向のアプローチがあり、架空絶縁帰線は電位傾きを小さくする対策である点を正しく覚えます。
No.78
施工管理法監視カメラ設備の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.屋外カメラのハウジングは、水などの浸入に対する保護等級としてIP66の仕様のものを使用した。
- 2.ネットワークカメラに用いる屋外ケーブルは、誘導雷を考慮して光ファイバケーブルを使用した。
- 3.ネットワークカメラ(IPカメラ)には、PoEタイプのスイッチングハブからLANケーブルを用い、電力を供給した。
- 4.屋外カメラの雷保護として、信号ケーブル及び電源ケーブルの監視装置本体側のみに、サージ防護デバイス(SPD)をそれぞれ設けた。
正解:4
解説
考え方
屋外カメラのハウジングに保護等級IP66相当のものを使用すること(選択肢1)、誘導雷を考慮して屋外の伝送路に光ファイバケーブルを使用すること(選択肢2)、PoE対応のスイッチングハブからLANケーブルで電力を供給すること(選択肢3)は、いずれも監視カメラ設備の施工として妥当です。
雷保護の基本は、雷サージが侵入する経路(信号ケーブル・電源ケーブル)の両端、すなわち監視装置本体側だけでなくカメラ側(機器側)にもサージ防護デバイス(SPD)を設置し、サージを両端で抑制することです。「監視装置本体側のみに」SPDを設けるという選択肢4は、カメラ側の保護が欠けており、雷保護対策として不十分・不適当です。
答え:4 屋外カメラの雷保護として、信号ケーブル及び電源ケーブルの監視装置本体側のみに、サージ防護デバイス(SPD)をそれぞれ設けた。
雷保護は伝送路の両端(機器側・本体側)にSPDを設置するのが基本であり、片側だけの対策では不十分という点を覚えておきます。
No.79
施工管理法地中電線路に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 1.管路には、ライニングなどの防食処理を施した厚鋼電線管を使用した。
- 2.単心ケーブル1条を引入れる管路に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用した。
- 3.ケーブルの熱伸縮対策として、マンホール内にオフセットを設けた。
- 4.マンホールの管口部分には、マンホール内部に水が浸入しにくいように防水処理を施した。
正解:2
解説
考え方
管路にライニング等の防食処理を施した厚鋼電線管を使用すること(選択肢1)、ケーブルの熱伸縮対策としてマンホール内にオフセットを設けること(選択肢3)、マンホールの管口部分に防水処理を施すこと(選択肢4)は、いずれも地中電線路の施工として妥当な記述です。
単心(1心)ケーブルを1条だけ引き入れる管路に配管用炭素鋼鋼管(SGP)のような磁性体(鋼製)の管を使用すると、単心ケーブルに流れる交流電流による電磁誘導で管自体が渦電流損・うず電流による加熱(渡り電流による管の加熱現象)を起こしやすくなります。このため単心ケーブル用の管路には、非磁性体の管を用いるのが適切であり、SGPを使用するという選択肢2は不適当です。
答え:2 単心ケーブル1条を引入れる管路に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用した。
単心ケーブルは電磁誘導により金属管を加熱させるおそれがあるため、鋼管など磁性体の管を避け、非磁性体の管を用いるという原則を覚えておきます。
No.80
法規建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、「建設業法」上、定められていないものはどれか。
- 1.現場代理人の権限に関する事項
- 2.価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
- 3.工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
- 4.各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
正解:1
解説
考え方
建設業法では、請負契約の当事者間の権利義務を明確にするため、工事内容・請負代金額・工事着手や完成の時期に加え、価格等の変動に基づく請負代金額や工事内容の変更(選択肢2)、第三者が損害を受けた場合の賠償金負担の定め(選択肢3)、債務不履行時の遅延利息・違約金その他の損害金(選択肢4)などを契約書に記載することを定めています。
現場代理人の権限に関する事項は、注文者と現場代理人・監督員等との間の連絡方法などと併せて定められることがある事項ですが、建設業法が請負契約書に記載を義務付けている必要的事項としては定められていません。
答え:1 現場代理人の権限に関する事項
契約書の必要的記載事項は「代金・工期・変更・損害賠償・不履行時の措置」など契約の本体的な条件が中心であり、現場代理人の権限は必要的記載事項ではない点を確認します。
No.81
法規図に示す施工体系の電気工事の現場における技術者の配置に関する記述として、「建設業法」上、不適当なものはどれか。(図参照)

- 1.A社は、当該工事現場に専任の監理技術者を配置した。
- 2.B社は、当該工事現場に専任の主任技術者を配置した。
- 3.C社は、当該工事現場に主任技術者を配置しなかった。
- 4.E社は、当該工事現場に主任技術者を配置しなかった。
正解:3
解説
考え方
建設業法では、元請負人(発注者から直接請け負う建設業者)は工事現場に監理技術者(下請契約の総額が一定額以上の場合)又は主任技術者を、下請負人もそれぞれ請け負った建設工事の施工にあたり主任技術者を配置しなければなりません。A社が専任の監理技術者を配置すること(選択肢1)、B社が専任の主任技術者を配置すること(選択肢2)、E社が主任技術者を配置すること(選択肢4)は、いずれも建設業法上の要求に沿った適切な配置です。
建設業の許可を持って建設工事を請け負う以上、下請負人であっても、自らが請け負った工事の施工にあたっては主任技術者を配置する義務があります。C社が請負人として工事に関与しているにもかかわらず主任技術者を配置しなかったとする記述は、建設業法上の義務に反しており不適当です。
答え:3 C社は、当該工事現場に主任技術者を配置しなかった。
建設工事を請け負う建設業者は、元請・下請の立場を問わず、原則としてそれぞれ主任技術者(又は監理技術者)を配置する義務がある点が施工体系の基本です。
No.82
法規元請負人となった特定建設業者の義務に関する記述として、「建設業法」上、不適当なものはどれか。ただし、工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の総額は、1億円とする。
- 1.下請負人から、その請け負った工事が完成した旨の通知を受けたので、通知を受けた日から25日目に、その完成を確認するための検査を完了した。
- 2.請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとしたので、あらかじめ、下請負人の意見をきいた。
- 3.請け負った建設工事について、下請負人の商号又は名称、当該下請負人に係る建設工事の内容及び工期などを記載した施工体制台帳を作成し、工事現場ごとに備え置いた。
- 4.請負代金の出来形部分に対する支払いを受けたので、下請負人に対して相応する下請代金を、当該支払いを受けた日から25日目に支払った。
正解:1
解説
考え方
元請負人となった特定建設業者は、工事の細目・作業方法など元請負人が定めるべき事項について、あらかじめ下請負人の意見を聴くこと(選択肢2)、施工体制台帳を作成し工事現場ごとに備え置くこと(選択肢3)、支払いを受けた出来形部分の下請代金を支払を受けた日から1月以内で、かつできるだけ早期に支払うこと(選択肢4、25日は妥当な範囲)が義務付けられています。
下請負人から工事完成の通知を受けたときは、元請負人は通知を受けた日から20日以内で、かつできるだけ短い期間内に完成検査を完了しなければなりません。「通知を受けた日から25日目に検査を完了した」とする選択肢1は、この20日以内という上限を超えており不適当です。
答え:1 下請負人から、その請け負った工事が完成した旨の通知を受けたので、通知を受けた日から25日目に、その完成を確認するための検査を完了した。
完成検査は「通知から20日以内」、下請代金支払いは「支払を受けた日から1月以内」という異なる期間の基準を混同しないよう区別して覚えます。
No.83
法規事業用電気工作物の工事を行う場合、工事計画の事前届出を要するものとして、「電気事業法」上、定められていないものはどれか。ただし、やむを得ない一時的な工事を除く。
- 1.電圧275kVで構内以外の場所から伝送される電気を変成するための変電所の設置
- 2.電圧187kVの送電線路の設置
- 3.出力1 000kWの太陽電池発電所の設置
- 4.出力500kWの風力発電所の設置
正解:3
解説
考え方
電気事業法では、一定規模以上の事業用電気工作物の工事について、工事計画の事前届出を義務付けています。電圧275kVの変電所設置(選択肢1)や電圧187kVの送電線路設置(選択肢2)のような特別高圧の大規模設備、出力500kW以上の風力発電所の設置(選択肢4)は、届出の対象として定められています。
太陽電池発電所については、出力2000kW(2MW)以上の設置が工事計画の事前届出の対象とされており、出力1000kWの太陽電池発電所の設置は、この届出対象の規模に達していません。したがって選択肢3は事前届出を要するものとして定められていない、というのが正答です。
答え:3 出力1 000kWの太陽電池発電所の設置
発電設備の届出対象規模は電源の種類ごとに異なり、太陽電池発電所は風力発電所などより高い出力基準(2000kW以上)が設定されている点に注意します。
No.84
法規電気用品に関する記述として、「電気用品安全法」上、誤っているものはどれか。
- 1.電気用品とは、自家用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であって、政令で定めるものをいう。
- 2.特定電気用品とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であって、政令で定めるものをいう。
- 3.電気用品の製造の事業を行う者は、電気用品の区分に従い、必要な事項を経済産業大臣又は所轄の経済産業局長に届け出なければならない。
- 4.届出事業者は、届出に係る型式の電気用品を輸入する場合においては、電気用品の技術上の基準に適合するようにしなければならない。
正解:1
解説
考え方
電気用品安全法における特定電気用品の定義(選択肢2)、製造事業者の届出義務(選択肢3)、届出事業者が輸入する場合の技術基準適合義務(選択肢4)は、いずれも法令上正しい記述です。
電気用品とは、一般用電気工作物(一般の住宅・小規模な建物などで用いられる電気工作物)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であって、政令で定めるものを指します。選択肢1の「自家用電気工作物の部分となり」という記述は、対象を誤っており、正しくは「一般用電気工作物」であるため誤りです。
答え:1 電気用品とは、自家用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であって、政令で定めるものをいう。
電気用品は「一般用電気工作物」に関連する機械・器具・材料を対象とする制度であり、「自家用電気工作物」とは異なる概念である点を区別して覚えます。
No.85
法規電気工事業に関する記述として、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」上、定められていないものはどれか。
- 1.登録電気工事業者の登録の有効期間は、5年である。
- 2.電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え、省令で定める事項を記載し、記載の日から5年間保存しなければならない。
- 3.登録電気工事業者は、営業所の名称を変更したときは、変更の日から30日以内に、その旨をその登録をした経済産業大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
- 4.登録電気工事業者は、新たに特定営業所を設置したときは、設置した日から30日以内に主任電気工事士の選任をしなければならない。
正解:4
解説
考え方
登録電気工事業者の登録の有効期間は5年(選択肢1)、電気工事業者は営業所ごとに帳簿を備え記載の日から5年間保存すること(選択肢2)、営業所の名称変更時は変更の日から30日以内に届け出ること(選択肢3)は、いずれも電気工事業の業務の適正化に関する法律上正しい記述です。
登録電気工事業者が新たに特定営業所(一般用電気工事のほか自家用電気工事も行う営業所等)を設置する場合、その営業所には主任電気工事士をあらかじめ選任しておく必要があり、「設置した日から30日以内に選任する」という事後の猶予期間は定められていません。主任電気工事士の選任は営業所設置に先立って行うべき事項であり、選択肢4は誤りです。
答え:4 登録電気工事業者は、新たに特定営業所を設置したときは、設置した日から30日以内に主任電気工事士の選任をしなければならない。
主任電気工事士の選任は営業所の設置後に一定期間内に行う事後手続きではなく、営業所設置にあたって必須となる事前の要件である点を押さえます。
No.86
法規次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
- 1.主要構造部が耐火構造である建築物は、耐火建築物である。
- 2.建築物に設ける防火シャッターは、建築設備である。
- 3.居住の目的のために継続的に使用する室は、居室である。
- 4.建築面積の敷地面積に対する割合を、建蔽率という。
正解:2
解説
考え方
主要構造部が耐火構造である建築物を耐火建築物とすること(選択肢1)、居住の目的で継続的に使用する室を居室とすること(選択肢3)、建築面積の敷地面積に対する割合を建蔽率とすること(選択肢4)は、建築基準法上の定義として正しい記述です。
建築基準法上の「建築設備」は、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、冷暖房、消火、排煙、避雷針又は昇降機などの設備を指す用語として定義されています。防火シャッターは建築物の防火区画を構成する防火設備(開口部の防火措置)に分類されるものであり、建築設備には該当しません。したがって選択肢2は誤りです。
答え:2 建築物に設ける防火シャッターは、建築設備である。
「建築設備」(電気・給排水・換気等の設備)と「防火設備」(防火戸・防火シャッター等の開口部の防火措置)は建築基準法上の別の区分であるという点を区別して覚えます。
No.87
法規次の記述のうち、「建築士法」上、誤っているものはどれか。
- 1.建築士とは、一級建築士、二級建築士及び建築設備士をいう。
- 2.設計図書とは、建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう。
- 3.建築士は、工事監理を終了したときは、直ちに、省令で定めるところにより、その結果を文書で建築主に報告しなければならない。
- 4.建築士事務所の開設者は、委託を受けた工事監理の業務を建築士事務所の開設者以外の者に委託してはならない。
正解:1
解説
考え方
設計図書の定義(選択肢2)、工事監理終了時の建築主への文書報告義務(選択肢3)、建築士事務所の開設者が委託を受けた工事監理業務を他の開設者に再委託できないという規定(選択肢4)は、いずれも建築士法上正しい記述です。
建築士法における「建築士」とは、一級建築士及び二級建築士に加え、木造建築士を含む3種類の資格者を指す用語です。建築設備士は、建築設備に関する専門知識を持つ資格者として建築士法に規定されていますが、「建築士」そのものの定義には含まれません。「建築士とは、一級建築士、二級建築士及び建築設備士をいう」とする選択肢1は、木造建築士を欠き建築設備士を誤って含めており誤りです。
答え:1 建築士とは、一級建築士、二級建築士及び建築設備士をいう。
「建築士」=一級・二級・木造建築士の3種類であり、建築設備士は建築士とは別の資格である点を区別して覚えます。
No.88
法規次の記述のうち、「消防法」上、誤っているものはどれか。
- 1.無窓階とは、建築物の地上階のうち、省令で定める避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階をいう。
- 2.自動火災報知設備の警戒区域は、省令で定める場合を除き、防火対象物の二以上の階にわたらないものとする。
- 3.漏電火災警報器は、建築物の屋内電気配線に係る火災を有効に感知することができるように設置する。
- 4.無線通信補助設備は、消防の用に供する設備のうち、警報設備に該当する。
正解:4
解説
考え方
無窓階の定義(選択肢1)、自動火災報知設備の警戒区域が原則として防火対象物の二以上の階にわたらないとする規定(選択肢2)、漏電火災警報器が屋内電気配線に係る火災を有効に感知できるように設置するという規定(選択肢3)は、いずれも消防法上正しい記述です。
消防法上の消防用設備等は、消火設備・警報設備・避難設備・消火活動上必要な施設などに区分されます。無線通信補助設備は、地下街やトンネルなどで消防隊が無線通信を確保するために設ける設備であり、「警報設備」ではなく「消火活動上必要な施設」に分類されます。したがって選択肢4の「警報設備に該当する」という記述は誤りです。
答え:4 無線通信補助設備は、消防の用に供する設備のうち、警報設備に該当する。
無線通信補助設備・排煙設備・連結送水管などは「消火活動上必要な施設」に分類され、自動火災報知設備・漏電火災警報器などの「警報設備」とは異なる区分である点を整理して覚えます。
No.89
法規建設業の事業者が選任する総括安全衛生管理者に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
- 1.常時100人以上の労働者を使用する事業場ごとに、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
- 2.選任した総括安全衛生管理者に、元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、技術的事項を管理させなければならない。
- 3.選任した総括安全衛生管理者に、健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関することを統括管理させなければならない。
- 4.総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければならない。
正解:2
解説
考え方
常時100人以上の労働者を使用する建設業の事業場ごとに総括安全衛生管理者を選任すること(選択肢1)、健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置を統括管理させること(選択肢3)、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること(選択肢4)は、労働安全衛生法上正しい記述です。
総括安全衛生管理者は、事業場における安全衛生に関する業務を統括管理する者であり、その事業場に選任された安全管理者・衛生管理者を指揮させることが職務です。元方安全衛生管理者は、建設業などで特定の下請混在事業場に選任される別の管理者であり、総括安全衛生管理者が指揮する対象ではありません。「元方安全衛生管理者の指揮をさせる」とする選択肢2は誤りです。
答え:2 選任した総括安全衛生管理者に、元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、技術的事項を管理させなければならない。
総括安全衛生管理者が指揮するのは自らの事業場の安全管理者・衛生管理者であり、元方安全衛生管理者とは別の職務系統である点を区別して覚えます。
No.90
法規建設業における安全委員会及び衛生委員会に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
- 1.安全委員会及び衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設けなければならない。
- 2.安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。
- 3.衛生委員会の委員のうちの一人は、産業医のうちから事業者が指名した者でなければならない。
- 4.安全委員会及び衛生委員会は、少なくとも6箇月に1回は開催するようにしなければならない。
正解:4
解説
考え方
安全委員会及び衛生委員会は常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設けること(選択肢1)、両委員会の設置に代えて安全衛生委員会を設置できること(選択肢2)、衛生委員会の委員の一人は産業医のうちから事業者が指名した者でなければならないこと(選択肢3)は、労働安全衛生法上正しい記述です。
安全委員会及び衛生委員会は、労働者の危険・健康障害の防止対策など重要事項を審議する場として、原則として毎月1回以上開催することが定められています。「少なくとも6箇月に1回は開催する」とする選択肢4は、実際に求められている開催頻度(毎月1回以上)よりもはるかに低く、誤りです。
答え:4 安全委員会及び衛生委員会は、少なくとも6箇月に1回は開催するようにしなければならない。
安全委員会・衛生委員会の開催頻度は「毎月1回以上」が原則であるという基準を、6箇月に1回という誤った頻度と混同しないよう覚えておきます。
No.91
法規建設の事業における災害補償に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
- 1.建設の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人は使用者とはならない。
- 2.労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、必要な療養の費用を負担しなければならない。
- 3.労働者災害補償保険法に基づいて労働基準法の災害補償に相当する給付が行われる場合においては、使用者は、補償の責を免れる。
- 4.労働者が業務上負傷し、治った場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は法令に定められた金額の障害補償を行わなければならない。
正解:1
解説
考え方
労働者が業務上負傷し又は疾病にかかった場合、使用者は必要な療養の費用を負担しなければならないこと(選択肢2)、労働者災害補償保険法による給付が行われる場合は使用者が補償の責を免れること(選択肢3)、身体に障害が残った場合に法令に定められた金額の障害補償を行わなければならないこと(選択肢4)は、労働基準法上正しい記述です。
建設の事業が数次の請負によって行われる場合、労働基準法では、災害補償の実効性を確保するため、原則としてその元請負人を使用者とみなして災害補償の責任を負わせる特例(数次の請負の場合の使用者の特例)が定められています。「元請負人は使用者とはならない」とする選択肢1は、この特例と逆の記述であり誤りです。
答え:1 建設の事業が数次の請負によって行われる場合においては、災害補償については、その元請負人は使用者とはならない。
数次の請負による建設工事では、下請の労働者に対する災害補償責任について元請負人が使用者とみなされるという特例がある点を押さえておきます。
No.92
法規騒音の規制に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。
- 1.特定建設作業とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する政令で定める作業をいう。
- 2.特定施設とは、工場又は事業場に設置される施設のうち、著しい騒音を発生する政令で定める施設をいう。
- 3.指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、環境大臣に所定の事項を届け出なければならない。
- 4.規制基準とは、特定工場等において発生する騒音の特定工場等の敷地の境界線における大きさの許容限度を言う。
正解:3
解説
考え方
特定建設作業の定義(選択肢1)、特定施設の定義(選択肢2)、規制基準(特定工場等の敷地境界線における騒音の許容限度)の定義(選択肢4)は、騒音規制法上正しい記述です。
指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該作業の開始の日の7日前までに、環境大臣ではなく、市町村長に対して所定の事項を届け出なければなりません。騒音規制法の実施主体は市町村長であり、「環境大臣に届け出る」とする選択肢3は届出先を誤っており不適当です。
答え:3 指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、環境大臣に所定の事項を届け出なければならない。
騒音規制法・振動規制法における特定建設作業の届出先は市町村長である点を、他法令の届出先(都道府県知事・産業保安監督部長等)と混同しないよう覚えておきます。
掲載している試験問題は、一般財団法人 建設業振興基金が公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。