令和3年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定の問題と解説【全92問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験は選択解答制です(全92問中60問を解答)。No.1〜15から10問、No.16〜47から14問、No.48〜55から5問、No.56〜57は必須、No.58〜63は必須(応用能力問題)、No.64〜70は必須、No.71〜79から6問、No.80〜92から10問を選択して解答します。
この試験回をクイズ形式で解く →No.1
電気工学図のように,真空中に,一直線上に等間隔r〔m〕で,−4Q〔C〕,2Q〔C〕,Q〔C〕の点電荷があるとき,Q〔C〕の点電荷に働く静電力F〔N〕を表す式として,正しいものはどれか。ただし,真空の誘電率をε₀〔F/m〕とし,右向きの力を正とする。

- 1.F=Q²/(4πε₀r²)〔N〕
- 2.F=−Q²/(4πε₀r²)〔N〕
- 3.F=Q²/(2πε₀r²)〔N〕
- 4.F=−Q²/(2πε₀r²)〔N〕
正解:1
解説
考え方
一直線上に等間隔r〔m〕で、−4Q〔C〕、2Q〔C〕、Q〔C〕の点電荷が並んでいます。真ん中の2Qの点電荷から見て、左にr離れた位置に−4Q、右にr離れた位置にQがあります。Qの点電荷に働く力は、−4Qによる力とr離れた2Qによる力の合力です(設問はQに働く力を聞いているので、2QとQの間、および−4QとQの間の2組のクーロン力を合成します)。
2点電荷間のクーロン力は次式で表されます。
F=Q₁Q₂/(4πε₀r²)
異符号の電荷間には引力、同符号の電荷間には反発力が働きます。
計算
Qから見て、2Q(同符号)は距離rの位置にあり、反発力(Qを右向きに押す力)が働きます。
F₁=2Q・Q/(4πε₀r²)=2Q²/(4πε₀r²)〔右向き〕
−4Q(異符号)は距離2rの位置にあり、引力(Qを左向きに引く力)が働きます。
F₂=4Q・Q/(4πε₀(2r)²)=4Q²/(16πε₀r²)=Q²/(4πε₀r²)〔左向き〕
右向きを正として合成すると
F=F₁−F₂=2Q²/(4πε₀r²)−Q²/(4πε₀r²)=Q²/(4πε₀r²)〔N〕
答え:1 F=Q²/(4πε₀r²)〔N〕
クーロンの法則を使う複数電荷の問題では、各ペアごとに力の大きさと向きを別々に求め、最後に符号(向き)をそろえて足し合わせるのが基本です。距離が2倍になると力は1/4になる(距離の2乗に反比例)点も忘れずに計算に反映させましょう。
No.2
電気工学図に示す磁路の平均長さl〔m〕,磁路の断面積A〔m²〕,透磁率μ〔H/m〕の環状鉄心に巻数Nのコイルがあるとき,コイルの自己インダクタンスL〔H〕を表す式として,正しいものはどれか。ただし,磁束の漏れはないものとする。

- 1.L=μAN²/l〔H〕
- 2.L=l/(μAN²)〔H〕
- 3.L=AN²/(μl)〔H〕
- 4.L=μl/(AN²)〔H〕
正解:1
解説
考え方
図は磁路の平均長さl〔m〕、断面積A〔m²〕、透磁率μ〔H/m〕の環状鉄心に、巻数Nのコイルを巻いた構造です。磁束の漏れがないものとして、自己インダクタンスLを求めます。
環状鉄心の磁気抵抗(磁路の通しにくさ)Rmは次式で表されます。
Rm=l/(μA)
コイルに電流Iを流したときの起磁力はNI、これによって生じる磁束Φは、起磁力を磁気抵抗で割った値です。
Φ=NI/Rm=μANI/l
自己インダクタンスLは、コイルの巻数Nと磁束Φの関係から次式で定義されます(NΦ=LI)。
L=NΦ/I
計算
L=N/I×(μANI/l)=μAN²/l〔H〕
答え:1 L=μAN²/l〔H〕
自己インダクタンスの式L=μAN²/lは、巻数Nの2乗に比例し、磁路長lに反比例する形を持ちます。磁気抵抗Rm=l/(μA)を経由して導く手順を身につけておくと、環状鉄心・変圧器関連の計算全般に応用できます。
No.3
電気工学図に示す回路において,検流計の電流の流れが0となるとき,抵抗R〔Ω〕とインダクタンスL〔mH〕の値の組合せとして,正しいものはどれか。ただし,相互インダクタンスは無視するものとする。

- 1.R=10Ω,L=5mH
- 2.R=40Ω,L=10mH
- 3.R=40Ω,L=20mH
- 4.R=60Ω,L=10mH
正解:3
解説
考え方
図は交流ブリッジ回路です。上側の対辺が40Ω・80Ω、下側の対辺が(10mHと20Ωの直列)・(LとRの直列)で構成され、対角線上に検流計が接続されています。検流計の電流が0(ブリッジが平衡)になるとき、対辺のインピーダンスの積が等しくなるという条件が成り立ちます。
Z₁×Z₄=Z₂×Z₃
ここで、Z₁=40〔Ω〕、Z₂=80〔Ω〕、Z₃=20+jω(0.01)〔Ω〕(10mH=0.01H)、Z₄=R+jωL〔Ω〕とします(40Ωと直列側の20Ω・10mHが同じ辺、80Ωと直列側のR・Lが同じ辺の対応)。
計算
40×(R+jωL)=80×(20+j0.01ω)
実部と虚部をそれぞれ比較すると
実部:40R=80×20 → R=1600/40=40〔Ω〕
虚部:40ωL=80×0.01ω → L=0.8/40=0.02〔H〕=20〔mH〕
答え:3 R=40Ω,L=20mH
交流ブリッジの平衡条件は「対辺インピーダンスの積が等しい」という点が直流のホイートストンブリッジと共通です。複素数のまま計算し、実部・虚部を別々に比較することでRとLを同時に求められます。
No.4
電気工学図に示す平衡三相回路の電力を測定する2電力計法において,線間電圧がV〔V〕,線電流がI〔A〕のとき,電力計W₁,W₂の指示値は,それぞれP₁〔W〕,P₂〔W〕であった。このとき,負荷の力率を表す式として,正しいものはどれか。

- 1.√2VI/(P₁+P₂)
- 2.√3VI/(P₁+P₂)
- 3.(P₁+P₂)/(√2VI)
- 4.(P₁+P₂)/(√3VI)
正解:4
解説
考え方
平衡三相回路の電力を2つの単相電力計W₁・W₂で測定する方法を2電力計法といいます。線間電圧V〔V〕、線電流I〔A〕、負荷の力率をcosθとすると、三相電力Pは次式で表されます。
P=√3VIcosθ=P₁+P₂
一方、2電力計法では、P₁とP₂の差から無効電力に関する情報が得られ、次の関係が成り立ちます。
P₁-P₂=VIsinθ(線間電圧・線電流を用いた場合の関係)
これらの関係から、力率cosθを求める式を導きます。
計算
P₁+P₂=√3VIcosθ より
cosθ=(P₁+P₂)/(√3VI)
答え:4 (P₁+P₂)/(√3VI)
2電力計法は「P₁+P₂=三相電力」「P₁-P₂から無効電力・力率角が求まる」という2つの関係をセットで覚えておくと、力率だけでなく無効電力を問う設問にも対応できます。√3を掛け忘れたり√2と混同したりしないよう注意しましょう。
No.5
電気工学図に示すブロック線図の合成伝達関数Gを表す式として,正しいものはどれか。

- 1.G=G₁+G₂
- 2.G=G₁−G₂
- 3.G=G₁/(1+G₁G₂)
- 4.G=G₁/(1−G₁G₂)
正解:3
解説
考え方
図は、入力信号Xと出力信号Yの間に、前向き要素G₁と、出力を入力側に戻すフィードバック要素G₂を持つ負帰還(マイナスフィードバック)のブロック線図です。加え合わせ点では、Xから、G₂を通って戻ってきた信号を差し引いた信号がG₁に入力されます。
計算
加え合わせ点の出力を e とすると
e=X-G₂Y
G₁の出力がYなので
Y=G₁e=G₁(X-G₂Y)
Yについて整理します。
Y=G₁X-G₁G₂Y
Y+G₁G₂Y=G₁X
Y(1+G₁G₂)=G₁X
Y/X=G₁/(1+G₁G₂)
合成伝達関数Gは出力Yと入力Xの比なので
G=G₁/(1+G₁G₂)
答え:3 G=G₁/(1+G₁G₂)
負帰還系の合成伝達関数は「G=(前向き伝達関数)/(1+前向き伝達関数×フィードバック伝達関数)」という形になります。加え合わせ点で信号を引いている(マイナス)ことから分母が「1+G₁G₂」になる点を、正帰還(プラス)の場合の「1-G₁G₂」と混同しないようにしましょう。
No.6
電気工学同期発電機において,スリップリングが不要な励磁方式として,適当なものはどれか。
- 1.直流励磁機方式
- 2.コミュテータレス励磁方式
- 3.ブラシレス励磁方式
- 4.静止形励磁方式
正解:3
解説
考え方
同期発電機の励磁方式には、直流励磁機方式、コミュテータレス励磁方式、ブラシレス励磁方式、静止形励磁方式などがあります。それぞれの方式で、回転子(界磁)へ励磁電流を伝える経路が異なります。
直流励磁機方式や静止形励磁方式は、静止側にある励磁機や整流装置から回転する界磁巻線へ、ブラシとスリップリングを介して励磁電流を送る方式です。コミュテータレス励磁方式も、交流励磁機で発生した交流をブラシとスリップリングを経由して整流子(コミュテータ)を使わずに整流する方式で、スリップリング自体は必要です。
これに対しブラシレス励磁方式は、回転子側に交流励磁機の電機子と回転整流器(シリコン整流器)を一体で搭載し、発生した交流をそのまま回転子側で整流して界磁巻線に供給します。ブラシとスリップリングを介さずに励磁電流を伝えられるため、ブラシの摩耗や保守の手間がなく、大容量機に広く採用されています。
答え:3 ブラシレス励磁方式
「ブラシレス=回転子側に回転整流器を搭載し,ブラシ・スリップリングを使わない」という構造上の特徴をそのまま覚えておくと判断しやすくなります。
No.7
電気工学変圧器の励磁突入電流に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.励磁突入電流はひずみ波形であり,高調波を多く含み,特に第3調波の含有率が最も高い。
- 2.励磁突入電流の継続時間は,変圧器回路のインダクタンスと抵抗により決まり,大容量器ほど長い。
- 3.励磁突入電流は,電圧を印加した直後に過渡的に流れる電流で,定格電流より大きい。
- 4.励磁突入電流は,変圧器の保護に用いられる比率差動継電器の誤動作の原因となる場合がある。
正解:1
解説
考え方
変圧器に電圧を印加した直後には、鉄心の磁気飽和の影響で、定格電流よりもはるかに大きい過渡的な電流(励磁突入電流)が流れます。この電流はひずみ波形で高調波を多く含み、継続時間は変圧器回路のインダクタンスと抵抗(時定数)によって決まり、大容量機ほど時定数が大きいため継続時間も長くなります。また、この突入電流は変圧器保護に用いる比率差動継電器が誤って動作する(内部故障と誤認する)原因となることがあるため、抑制策が必要です。
一方、励磁突入電流に含まれる高調波成分は、奇数調波(第3調波など)よりも偶数調波、特に第2調波の含有率が最も高いという特徴があります。「特に第3調波の含有率が最も高い」という記述は実態と異なり、不適当です。
答え:1 励磁突入電流はひずみ波形であり,高調波を多く含み,特に第3調波の含有率が最も高い。
励磁突入電流の高調波は「第2調波が最大」という点がポイントで、比率差動継電器の誤動作対策として第2調波の含有率を検出して動作を抑制する方式が使われることもあわせて覚えておきましょう。
No.8
電気工学リアクトルの設置に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.特別高圧変圧器の中性点と対地間に接続し,地絡電流を制限する。
- 2.回路に直列に接続し,遅れ電流を抑制する。
- 3.高圧進相コンデンサに直列に接続し,コンデンサへの高調波の流入を抑制する。
- 4.高圧進相コンデンサに直列に接続し,コンデンサ投入時の突入電流を抑制する。
正解:2
解説
考え方
リアクトル(限流リアクトル・直列リアクトルなど)は、回路に直列に接続して交流電流の変化を妨げる(インダクタンスによる誘導性リアクタンスで電流を制限する)ために用いられる機器です。回路に直列に接続して遅れ電流を抑制したり、高圧進相コンデンサに直列に接続して高調波の流入抑制や投入時突入電流の抑制に使ったりする用途があります。
一方、「特別高圧変圧器の中性点と対地間に接続し、地絡電流を制限する」という用途に使われるのは、中性点接地抵抗器や中性点接地リアクトル(消弧リアクトルなど)であり、一般に「リアクトルの設置」という記述で真っ先に想定される直列リアクトルの用途とは異なります。中性点に接続して地絡電流を制限する機器は、消弧リアクトル接地方式などの特殊な中性点接地用リアクトルであって、選択肢の中では他の3つ(直列接続による遅れ電流抑制、高調波抑制、突入電流抑制)が直列リアクトルの代表的用途であるのに対し、この記述だけが用途・接続方法の異なる内容になっており、不適当です。
答え:2 回路に直列に接続し,遅れ電流を抑制する。
リアクトルの代表的な用途は「直列接続による短絡電流・高調波・突入電流の抑制」であり、中性点の地絡電流制限は接地方式(消弧リアクトル接地など)の話であって、通常の直列リアクトルの設置目的とは区別して整理しておきましょう。
No.9
電気工学図に示す汽力発電のランキンサイクルにおいて,タービンの入口から出口に至る蒸気の圧力及び体積の変化を表す過程として,適当なものはどれか。

- 1.A → B
- 2.B → C
- 3.C → D
- 4.D → A
正解:3
解説
考え方
図は汽力発電のランキンサイクルをp-v線図(圧力・体積線図)で表したものです。サイクルはA(給水ポンプ出口・ボイラ入口相当)→B(ボイラでの等圧受熱)→C(過熱器出口・タービン入口)→D(タービン出口・復水器入口)→Aの順に進みます。
各過程の内容は次のとおりです。A→B:ボイラ内での等圧受熱過程(水が加熱され蒸気になる)。B→C:過熱器での等圧受熱過程(蒸気がさらに過熱される)。C→D:タービン内での断熱膨張過程(蒸気がタービンで仕事をしながら圧力・体積が変化する)。D→A:復水器での等圧放熱過程(蒸気が冷却されて水に戻る)。
設問は「タービンの入口から出口に至る」過程を聞いているので、タービン入口にあたるC点から、タービン出口にあたるD点への変化を選びます。
答え:3 C → D
図中でC→Dが「断熱」と表示されている区間で、これがタービン内で蒸気が仕事をしながら膨張する過程に相当します。A→BとB→Cはボイラ・過熱器での等圧受熱、D→Aは復水器での放熱(凝縮)という対応を押さえておきましょう。
No.10
電気工学変電所に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.系統電圧を調整する負荷時タップ切換装置には,電圧調整方式としては直接式が,限流方式としては抵抗式がある。
- 2.二重母線は,環状母線に比べて所要面積が少なくて済むが,系統運用上の自由度が少ない。
- 3.ガス絶縁変圧器は,不燃性ガスを絶縁に使用しており,地下変電所など屋内設置に適している。
- 4.中性点接地方式の直接接地では,変圧器に段絶縁を施すことが可能となり,経済的である。
正解:2
解説
考え方
変電所の母線方式には、単一母線、二重母線、環状母線などがあります。二重母線は、2組の母線を用意し、系統の運用や保守の都合に応じて接続先を切り替えられるため、単一母線に比べて系統運用上の自由度が高いという利点があります。一方、環状母線(環状に接続する方式)は、母線を環状に配置することで所要面積を抑えつつ高い信頼性を得られる方式です。
設問の記述は「二重母線は、環状母線に比べて所要面積が少なくて済むが、系統運用上の自由度が少ない」となっていますが、実際には、二重母線は環状母線に比べて母線を2組設ける分だけ所要面積が大きくなり、逆に系統運用上の自由度は高いという特徴を持ちます。所要面積・自由度の両方について記述が実態と逆になっており、不適当です。
他の選択肢については、負荷時タップ切換装置の電圧調整方式(直接式)・限流方式(抵抗式)、ガス絶縁変圧器の屋内設置適性、中性点直接接地方式による変圧器の段絶縁の経済性は、いずれも妥当な記述です。
答え:2 二重母線は,環状母線に比べて所要面積が少なくて済むが,系統運用上の自由度が少ない。
母線方式は「二重母線=面積は大きいが運用の自由度が高い」「環状母線=面積は小さく信頼性も高い」という特徴を対比させて覚えておくと、この種の設問に対応しやすくなります。
No.11
電気工学送配電系統における短絡容量の軽減対策に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.高インピーダンスの変圧器を採用する。
- 2.上位電圧の系統を導入し,既設系統を分割する。
- 3.限流リアクトルを設置する。
- 4.電力用コンデンサを設置する。
正解:4
解説
考え方
送配電系統の短絡容量(事故時に流れ得る短絡電流の大きさ)を軽減する対策としては、変圧器のインピーダンスを大きくする(高インピーダンス変圧器の採用)、上位電圧の系統を新設して既設系統を分割する、限流リアクトルを設置して短絡電流を抑制する、といった方法が代表的です。いずれも回路のインピーダンスを実質的に大きくし、短絡時に流れる電流を制限する考え方に基づいています。
一方、電力用コンデンサ(進相コンデンサ)は、負荷の力率改善(無効電力の補償)を目的として設置されるものであり、短絡電流を制限する働きはありません。むしろコンデンサ設備自体が短絡事故点になり得る要素であり、短絡容量の軽減対策としては不適当です。
答え:4 電力用コンデンサを設置する。
短絡容量の軽減対策は「インピーダンスを大きくする」という共通の考え方(高インピーダンス変圧器・系統分割・限流リアクトル)でまとめ、電力用コンデンサは力率改善が目的であって短絡容量対策ではない点を区別しておきましょう。
No.12
電気工学直流送電に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.安定度の問題がなく,送電線の許容電流まで送電容量を大きくすることができる。
- 2.直流送電で交流系統を連系しても,それぞれの短絡容量が増加しない。
- 3.電力潮流の制御が迅速,かつ容易に行える。
- 4.高電圧・大電流の遮断が容易に行える。
正解:4
解説
考え方
直流送電は、交流送電と比較していくつかの特徴があります。同期安定度の問題がなく、送電線の許容電流まで送電容量を大きくできること、電力潮流(送電の向きや量)の制御が迅速かつ容易に行えること、直流特有の理由により高電圧・大電流の遮断が交流に比べてかえって難しい(アークの零点がなく消弧が困難)ことなどが挙げられます。
また、直流送電で異なる交流系統を連系する場合、直流部分が両系統の間で電気的に絶縁された形になるため、一方の系統の短絡容量が他方の系統に影響して増加することがない(系統間の短絡容量を分離できる)という利点があります。
一方、「高電圧・大電流の遮断が容易に行える」という記述は実態と逆です。直流には電流零点がないため、交流用の遮断器のようにアークを消弧することが難しく、直流遮断器は交流遮断器よりも遮断が困難で技術的難易度が高いとされています。
答え:4 高電圧・大電流の遮断が容易に行える。
直流送電は「安定度問題なし・潮流制御が容易・系統間の短絡容量を分離できる」という利点がある一方、「大電流の遮断が難しい」という弱点がある点をセットで覚えておきましょう。
No.13
電気工学LED光源に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.蛍光ランプやHIDランプより長寿命である。
- 2.光束は,点灯時間の経過にかかわらず一定である。
- 3.蛍光ランプに比べて,振動や衝撃に強い。
- 4.pn接合の個体デバイスであり,順方向に電流を流すと発光する。
正解:2
解説
考え方
LED光源は、蛍光ランプやHIDランプ(高輝度放電灯)よりも長寿命であり、蛍光ランプに比べて振動や衝撃に強く、pn接合を持つ半導体(固体デバイス)であって順方向に電流を流すことで発光するという特徴を持ちます。
一方、LEDの光束(明るさ)は、点灯時間の経過とともに徐々に低下していきます。これは、LED素子自体の劣化や、発光に伴う熱による特性変化などが原因で生じる現象であり、「光束は点灯時間の経過にかかわらず一定である」という記述は実態と異なり、不適当です。LEDの寿命は、光束が初期値の一定割合(一般に70%)まで低下するまでの時間として定義されることもあります。
答え:2 光束は,点灯時間の経過にかかわらず一定である。
LEDは他の光源に比べて長寿命ではありますが、光束が全く劣化しないわけではなく、時間経過とともに徐々に低下していく点を押さえておきましょう。
No.14
電気工学鉛蓄電池に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.ベント形蓄電池は,酸霧が脱出しないようにしたもので,使用中補水が必要である。
- 2.蓄電池の内部抵抗は,残存容量が少なくなるほど減少する。
- 3.触媒栓は,充電したときに発生するガスを水に戻す機能を持つ。
- 4.定格容量は,規定の条件下で放電終止電圧まで放電したとき,取り出せる電気量である。
正解:2
解説
考え方
鉛蓄電池には、ベント形とシール形(制御弁式)などの種類があります。ベント形蓄電池は、充放電時に発生するガス(酸霧)を外部に排出できる構造を持ち、使用中に電解液の減少を補う補水が必要です。触媒栓は、充電時に発生する水素・酸素ガスを触媒反応によって水に戻す機能を持ち、補水の頻度を減らす効果があります。定格容量は、規定条件下で放電終止電圧まで放電したときに取り出せる電気量(Ah)として定義されます。
一方、蓄電池の内部抵抗は、放電が進んで残存容量が少なくなるほど、電解液の濃度低下や極板の状態変化により増加していきます。「残存容量が少なくなるほど内部抵抗が減少する」という記述は実態と逆であり、不適当です。
答え:2 蓄電池の内部抵抗は,残存容量が少なくなるほど減少する。
蓄電池は「残存容量が減る=内部抵抗が増える」という関係にあり、放電末期には端子電圧の低下が急激になる(内部抵抗の増加により電圧降下が大きくなる)点とあわせて覚えておきましょう。
No.15
電気工学三相かご形誘導電動機のY−△始動方式に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.Y結線から△結線へ切り替えるときに,大きな突入電流が流れることがある。
- 2.始動時には,各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。
- 3.始動電流は,△結線で全電圧始動したときの1/3になる。
- 4.始動トルクは,△結線で全電圧始動したときの1/3になる。
正解:2
解説
考え方
三相かご形誘導電動機のY-Δ始動方式は、始動時に固定子巻線をY結線にして各相の電圧を抑え、始動電流を小さく抑える方式です。始動時には、各相の固定子巻線に定格電圧(Δ結線時の相電圧)の1/√3の電圧が加わり、始動電流は△結線で全電圧始動したときの1/3になります。始動が完了したらY結線からΔ結線に切り替えますが、この切替の瞬間には、電動機の逆起電力と電源電圧の位相差により大きな突入電流(過渡電流)が流れることがあります。
始動トルクは電圧の2乗に比例するため、Y結線時の相電圧が全電圧(Δ結線時)の1/√3になることから、トルクは(1/√3)²=1/3倍になります。
設問の記述「始動時には,各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる」は誤りです。実際にY結線で各相に加わる電圧は、定格電圧(Δ結線時の相電圧)の1/√3であり、1/3ではありません。
答え:2 始動時には,各相の固定子巻線に定格電圧の1/3の電圧が加わる。
Y-Δ始動では「電圧は1/√3倍」「電流は1/3倍」「トルクも1/3倍(電圧比の2乗)」という関係を区別して覚えることが重要です。電圧の比と電流・トルクの比を混同しないようにしましょう。
No.16
電気設備汽力発電所の設備に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.過熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで過熱し,熱効率を向上させる。
- 2.節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラへの給水を加熱し,熱効率を向上させる。
- 3.復水器は,タービンの排気蒸気を冷却凝縮するとともに水として回収する。
- 4.給水加熱器は,タービンの途中から抽気した蒸気で,ボイラへの給水を加熱する。
正解:1
解説
考え方
汽力発電所の設備には、それぞれ役割があります。節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラへの給水を加熱し、熱効率を向上させる設備です。復水器は、タービンの排気蒸気を冷却して凝縮させ、水として回収する設備です。給水加熱器は、タービンの途中から抽気した蒸気を利用して、ボイラへ送る給水を加熱する設備です。
一方、過熱器は、ボイラ内で発生した飽和蒸気をさらに加熱し、乾き度の高い過熱蒸気(高温・高圧の蒸気)にしてタービンへ送るための設備です。「高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで過熱し,熱効率を向上させる」という記述は、過熱器ではなく再熱器の説明にあたります。過熱器はタービンに送る前の蒸気を加熱する設備であり、タービンで一度仕事をした蒸気を再加熱するのは再熱器の役割です。
答え:1 過熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで過熱し,熱効率を向上させる。
「過熱器=タービンに入る前の蒸気を加熱」「再熱器=高圧タービンで仕事をした後の蒸気を再加熱」という違いを区別しておきましょう。節炭器・復水器・給水加熱器の役割とあわせて汽力発電設備の全体像を整理しておくと効果的です。
No.17
電気設備風力発電に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.プロペラ形風車は,風速変動に対する制御が容易である。
- 2.ダリウス形風車は,垂直軸型のため,風向の変化に対して姿勢を変える必要がない。
- 3.ナセルは,水平軸風車においてタワーの上部に配置され,動力伝達装置,発電機,制御装置などを格納するもの,及びその内容物の総称である。
- 4.ヨー制御装置は,風況に応じてブレードの設置角度を制御する装置である。
正解:4
解説
考え方
風力発電の風車にはいくつかの種類・制御装置があります。プロペラ形風車は、翼のピッチ角(取付け角度)を変えることで風速変動に対する制御が比較的容易に行えます。ダリウス形風車は垂直軸型の風車で、風向が変化しても姿勢(向き)を変える必要がないという特徴があります。ナセルは、水平軸風車においてタワー上部に配置され、動力伝達装置・発電機・制御装置などを格納する部分(およびその内容物の総称)です。
一方、「ヨー制御装置」は、風向の変化に応じてナセル(風車全体の向き)を風向に追従させて回転させる制御装置であり、ブレード(翼)の取付け角度を制御するものではありません。ブレードの取付け角度(ピッチ角)を制御するのは「ピッチ制御装置」の役割です。「ヨー制御装置は,風況に応じてブレードの設置角度を制御する装置である」という記述は、ヨー制御とピッチ制御の役割を取り違えており、不適当です。
答え:4 ヨー制御装置は,風況に応じてブレードの設置角度を制御する装置である。
「ヨー制御=ナセルの向きを風向に合わせる」「ピッチ制御=ブレードの角度を変える」という2つの制御を区別して覚えておくことが、この種の設問を解く鍵になります。
No.18
電気設備変電所の変圧器のインピーダンスを小さくした場合の記述として,不適当なものはどれか。
- 1.変圧器の電圧変動率が減少する。
- 2.系統の安定度が向上する。
- 3.系統の短絡電流が増加する。
- 4.変圧器の全損失が増加する。
正解:4
解説
考え方
変電所の変圧器のインピーダンスを小さくすると、変圧器の電圧変動率(負荷変動に伴う電圧の変動幅)が減少し、電圧の安定性が向上します。また、系統全体としてはインピーダンスが小さくなることで、電力の伝送がしやすくなり、系統の安定度(同期を保って運転を続けられる能力)が向上します。一方で、インピーダンスが小さいということは、事故(短絡)時に流れる電流を抑える働きが弱まることを意味するため、系統の短絡電流は増加します。
これらに対し、変圧器のインピーダンスを小さくすることは、巻線の抵抗分や漏れリアクタンスに起因する損失を減らす方向に働き、一般に変圧器の全損失はむしろ減少します。「変圧器の全損失が増加する」という記述は実態と逆であり、不適当です。
答え:4 変圧器の全損失が増加する。
インピーダンスを小さくすると「電圧変動率は減少・安定度は向上・短絡電流は増加・損失も減少(増加ではない)」という組合せを整理して覚えておきましょう。短絡電流の増加だけがトレードオフとして生じる点がポイントです。
No.19
電気設備送電線の保護方式に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.過電流リレー方式は,常時の負荷電流より大きな電流が流れたときに事故を検出する。
- 2.距離リレー方式は,リレー設置点の電圧と電流から事故点の方向と事故点までの電気的距離(インピーダンス)を求め,それが整定値以内のときに動作する。
- 3.回線選択リレー方式は,平行2回線のうち1回線のみが故障した場合に,両回線の電流又は電力を比較して,故障回線を選択し遮断する。
- 4.パイロットリレー方式は,自端の情報のみで送電線の内部故障か外部故障かを判別する。
正解:4
解説
考え方
送電線の保護方式には、いくつかの種類があります。過電流リレー方式は、常時の負荷電流より大きな電流が流れたときに事故と判断して動作する方式です。距離リレー方式は、設置点の電圧と電流からインピーダンス(事故点までの電気的距離)を求め、整定値以内であれば動作する方式です。回線選択リレー方式は、平行2回線のうち一方だけが故障した場合に、両回線の電流や電力を比較して故障回線を選び出して遮断する方式です。
一方、パイロットリレー方式は、送電線の両端に設置した保護継電器の間を通信回線(パイロット回線)で結び、自端の情報だけでなく相手端(対向端)の情報も伝送・比較することで、内部故障(保護区間内の事故)か外部故障かを高速かつ確実に判別する方式です。「自端の情報のみで送電線の内部故障か外部故障かを判別する」という記述は、パイロットリレー方式の本質(両端の情報を通信によって比較する)と異なり、不適当です。
答え:4 パイロットリレー方式は,自端の情報のみで送電線の内部故障か外部故障かを判別する。
パイロットリレー方式は「両端の情報を通信回線で比較する」ことが最大の特徴であり、自端情報だけで判断する方式(過電流リレーや距離リレーの単独動作)とは区別して覚えておきましょう。
No.20
電気設備揚水発電に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.系統の供給余力電気エネルギーを水の位置エネルギーに変換して蓄え,これをピーク時等に電気エネルギーに変換して供給する。
- 2.河川の流量に制約されるため,一般水力発電に比べて地点選定が困難である。
- 3.軽負荷時に揚水することによって系統の負荷率を改善し,火力発電所の稼働率が向上する。
- 4.可変速揚水発電システムは,深夜あるいは系統需要が少ないときに揚水運転をしながら,可変速運転により入力を調整し,周波数調整を行う。
正解:2
解説
考え方
揚水発電は、電力系統の供給余力(軽負荷時などの余った電気エネルギー)を利用してポンプで水を上部貯水池に汲み上げ、水の位置エネルギーとして蓄え、需要ピーク時などに水を落として発電し、電気エネルギーとして供給する仕組みです。軽負荷時に揚水することで系統の負荷率が改善され、火力発電所を高負荷側で運転しやすくなり稼働率の向上にもつながります。可変速揚水発電システムは、揚水運転中でも回転速度を可変にすることで入力(消費電力)を調整でき、周波数調整機能を持たせることができます。
一方、揚水発電は、上部・下部の2つの貯水池を人工的に造成することが前提であり、一般水力発電(河川の自然な流量に依存する発電)に比べて、河川の流量に直接制約されにくく、地点選定の自由度はむしろ高いという特徴があります。「河川の流量に制約されるため,一般水力発電に比べて地点選定が困難である」という記述は実態と逆であり、不適当です。
答え:2 河川の流量に制約されるため,一般水力発電に比べて地点選定が困難である。
揚水発電は「河川流量に依存しない(上部・下部貯水池を確保できれば地点選定しやすい)」という点が一般水力発電との大きな違いです。負荷率改善・可変速システムによる周波数調整の役割とあわせて整理しておきましょう。
No.21
電気設備架空送電線におけるスリートジャンプによる事故の防止対策として,不適当なものはどれか。
- 1.電線の張力を大きくする。
- 2.長径間になることを避ける。
- 3.単位重量の小さい電線を使用する。
- 4.電線相互のオフセットを大きくする。
正解:3
解説
考え方
スリートジャンプは、架空送電線に付着した氷雪(スリート)が脱落する際に、電線が跳ね上がる現象で、電線相互の接近・接触による短絡事故につながるおそれがあります。この防止対策としては、電線の張力を大きくして跳ね上がりにくくする、径間(鉄塔間の距離)を短くして長径間になることを避ける、電線相互のオフセット(上下・水平方向のずれ)を大きくして接近しにくくする、といった方法が用いられます。
一方、電線の単位重量(1mあたりの重さ)が小さいほど、氷雪脱落時の跳ね上がりは大きくなりやすく、逆に単位重量が大きい電線を使用すればジャンプの高さは抑えられます。「単位重量の小さい電線を使用する」という記述は、スリートジャンプを助長する方向であり、防止対策としては不適当です。
答え:3 単位重量の小さい電線を使用する。
スリートジャンプ対策は「張力を大きくする」「長径間を避ける」「オフセットを大きくする」「単位重量の大きい電線を使う」の4点をセットで覚え、単位重量については「小さいほど跳ね上がりやすい」という関係を押さえておきましょう。
No.22
電気設備架空電線路の架空地線に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.誘導雷により電力線に発生した雷電圧を低減する効果がある。
- 2.直撃雷に対しては,遮へい角が大きいほど遮へい効果が高い。
- 3.直撃雷に対しては,1条より2条施設した方が遮へい効果が高い。
- 4.送電線の地絡故障による通信線への電磁誘導障害を軽減する効果がある。
正解:2
解説
考え方
架空地線は、送電線路の上部に張られる接地線で、雷から電力線を保護する役割を持ちます。誘導雷(雷雲による静電誘導で電力線に生じる電圧)を低減する効果があり、1条より2条施設した方が直撃雷に対する遮へい効果が高くなります。また、送電線に地絡故障が生じた際、架空地線があることで通信線への電磁誘導障害を軽減する効果もあります。
一方、直撃雷に対する遮へい効果は、架空地線と電力線の位置関係で決まる「遮へい角」(架空地線から電力線を見込む角度)が小さいほど高くなります。遮へい角が大きいと、電力線が架空地線の直下から外れやすくなり、直撃雷を受けやすくなるため遮へい効果は低くなります。「遮へい角が大きいほど遮へい効果が高い」という記述は実態と逆であり、不適当です。
答え:2 直撃雷に対しては,遮へい角が大きいほど遮へい効果が高い。
架空地線の遮へい効果は「遮へい角が小さいほど高い」という関係を押さえておきましょう。1条より2条の方が効果が高いこと、通信線への電磁誘導障害軽減効果もあわせて覚えておくと関連設問に対応しやすくなります。
No.23
電気設備架空送電線路に使用されるアルミ電線の特徴に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.アルミ線を使用することで,銅線に比べ自重が減り長径間に有利になり,風雪の影響を受けにくくなる。
- 2.鋼心耐熱アルミ合金より線(TACSR)は,大容量送電が必要な超高圧以上の高電圧送電線に多く採用されている。
- 3.アルミ線を使用することで,銅線に比べ導体が太くなるため表面電界が小さくなり,コロナ放電が発生しにくくなる。
- 4.鋼心アルミより線(ACSR)は,電線の中心部に引張強度の大きい鋼より線を用い,その周囲に硬アルミ線をより合わせた構造となっている。
正解:1
解説
考え方
架空送電線路に使用されるアルミ電線には、いくつかの特徴があります。アルミ線は銅線に比べて比重が小さいため、同じ電流容量を得ようとすると導体が太くなり、その分自重は軽くなります。導体が太くなることで表面電界が小さくなり、コロナ放電(電線表面での局所的な放電現象)が発生しにくくなるという利点もあります。鋼心アルミより線(ACSR)は、中心部に引張強度の大きい鋼より線を配置し、その周囲に硬アルミ線をより合わせた構造で、鋼心耐熱アルミ合金より線(TACSR)は、より高温での運用に耐えられるため大容量送電が必要な超高圧以上の高電圧送電線に多く採用されています。
これらに対し、「アルミ線を使用することで,銅線に比べ自重が減り長径間に有利になり,風雪の影響を受けにくくなる」という記述のうち、自重が減り長径間に有利になる点は正しいのですが、導体が太くなる分、風雪(特に着雪・着氷や風圧)の影響はむしろ受けやすくなる傾向があり、「風雪の影響を受けにくくなる」とまで言い切るのは実態と異なり、最も不適当な記述として扱われます。
答え:1 アルミ線を使用することで,銅線に比べ自重が減り長径間に有利になり,風雪の影響を受けにくくなる。
アルミ線は「自重が軽く長径間に有利」「導体が太くコロナ放電が発生しにくい」という利点がありますが、その反面、導体径が太くなることで風雪の影響(着雪・風圧)を受けやすくなる面もある点を区別して覚えておきましょう。
No.24
電気設備地中送電線路における電力ケーブルの常時許容電流を増大させる方法に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.ケーブルのシース回路損を低くする。
- 2.誘電正接の小さい絶縁体を使用する。
- 3.ケーブルを冷却する。
- 4.比誘電率の大きい絶縁体を使用する。
正解:4
解説
考え方
地中送電線路の電力ケーブルは、通電時に生じる各種損失(導体損・誘電体損・シース損)が熱となってケーブル温度を上昇させ、許容電流を制限する要因になります。常時許容電流を増大させるには、これらの損失や熱の蓄積を抑える対策が有効です。具体的には、ケーブルのシース回路損を低くする(シースの構造や接地方式を工夫する)、誘電正接(誘電体損の大きさに関係する特性)の小さい絶縁体を使用する、ケーブルを冷却する(強制冷却方式の採用など)といった方法が挙げられます。
一方、絶縁体の比誘電率が大きいと、静電容量が大きくなり、交流での誘電体損(絶縁体内部で消費される損失)が増加しやすくなります。誘電体損の増加はケーブルの温度上昇要因となるため、常時許容電流を増大させたい場合には、比誘電率の小さい絶縁体を使用する方が有利です。「比誘電率の大きい絶縁体を使用する」という記述は、許容電流を増大させる対策としては不適当です。
答え:4 比誘電率の大きい絶縁体を使用する。
ケーブルの許容電流を増やす対策は「損失(シース損・誘電体損)を減らす」「冷却する」という2つの方向で整理し、絶縁体の特性としては「誘電正接・比誘電率のいずれも小さい方が有利」という点を覚えておきましょう。
No.25
電気設備高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において,分散型電源を自動的に解列しなければならない事象として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,定められていないものはどれか。
- 1.連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故
- 2.分散型電源の単独運転
- 3.連系している電力系統におけるフリッカ電圧の発生
- 4.分散型電源の異常又は故障
正解:3
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合、一定の事象が生じたときに分散型電源を自動的に解列(系統から切り離す)することが求められています。定められている代表的な事象には、連系している電力系統の短絡事故・地絡事故が発生した場合、分散型電源が単独運転状態(系統から切り離されたにもかかわらず分散型電源だけで運転を継続してしまう状態)になった場合、分散型電源自体に異常や故障が発生した場合、などがあります。
一方、「連系している電力系統におけるフリッカ電圧の発生」は、電圧変動(フリッカ)を抑制するための出力制御や力率調整などの対策の対象にはなり得ますが、これをもって分散型電源を自動的に解列しなければならない事象として定められているものではありません。
答え:3 連系している電力系統におけるフリッカ電圧の発生
分散型電源の自動解列が求められる事象は「短絡・地絡事故」「単独運転」「分散型電源自体の異常・故障」の3系統で整理し、フリッカ電圧の発生は解列の対象ではなく別の技術的対応(出力抑制等)で扱われる事象である点を区別しておきましょう。
No.26
電気設備図に示すパルスレーダ法により地中送電線の事故点を検出する場合,事故点までの距離x〔m〕を表す式として,正しいものはどれか。ただし,l:ケーブルの長さ〔m〕,v:パルス伝搬速度〔m/μs〕,t:パルスを送り出してから反射波が帰ってくるまでの時間〔μs〕

- 1.x=vt
- 2.x=vt/2
- 3.x=vt/l
- 4.x=vt/(2l)
正解:2
解説
考え方
図は、地中送電線路の事故点をパルスレーダ法によって検出する仕組みを示しています。パルス発生器から送出したパルスは、ケーブル中を伝搬速度v〔m/μs〕で進み、事故点(インピーダンスの不連続点)で反射して戻ってきます。オシロスコープでは、パルスを送り出してから反射波が返ってくるまでの時間t〔μs〕を観測します。
パルスは事故点までの距離x〔m〕を往復する(送り出しで1回、反射で1回進む)ため、往復距離は2xとなり、伝搬速度vとの関係は次のようになります。
2x=vt
計算
x=vt/2〔m〕
答え:2 x=vt/2
パルスレーダ法は「往復距離=伝搬速度×時間」の関係から、往復分の2で割ることで片道の事故点距離を求める点がポイントです。2で割り忘れると選択肢1(x=vt)の誤答になるので注意しましょう。
No.27
電気設備配電系統の電圧調整に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.負荷電流の増減に応じて線路電圧を維持するため,変電所の送り出し電圧を負荷時タップ切換変圧器で調整した。
- 2.こう長が長い配電線の電圧降下を許容範囲内に抑えるために,線路の途中に配電用(ステップ式)自動電圧調整器を施設した。
- 3.負荷電流の増加により電圧降下が大きくなった地域で,柱上変圧器のタップを変更し二次側電圧を調整した。
- 4.こう長が長い配電線の末端で,軽負荷時の電圧上昇を抑制するために,電力用コンデンサを施設した。
正解:4
解説
考え方
配電系統の電圧調整には、いくつかの手法があります。負荷時タップ切換変圧器を用いて変電所の送り出し電圧を調整する方法、こう長の長い配電線に配電用(ステップ式)自動電圧調整器を設置する方法、柱上変圧器のタップを変更して二次側電圧を調整する方法は、いずれも負荷電流の増減や電圧降下に対応した適切な電圧調整手段です。
一方、こう長が長い配電線の末端における「軽負荷時の電圧上昇」を抑制するためには、進み電流を吸収する分路リアクトルの設置や、逆に力率改善用の電力用コンデンサを解放(開放)することが有効です。電力用コンデンサを「施設する」ことは、進み電流を発生させて力率を改善する(遅れ力率を補正する)ための対策であり、軽負荷時にコンデンサを新たに投入すると、進み電流がさらに増えて末端の電圧上昇を助長してしまうおそれがあります。「軽負荷時の電圧上昇を抑制するために,電力用コンデンサを施設した」という記述は、電圧上昇を抑制する目的には合致せず、不適当です。
答え:4 こう長が長い配電線の末端で,軽負荷時の電圧上昇を抑制するために,電力用コンデンサを施設した。
軽負荷時の末端電圧上昇の抑制には「分路リアクトルの設置」や「進相コンデンサの解放(開閉制御)」が有効であり、コンデンサを新たに投入することは電圧上昇を助長する方向に働く点を区別しておきましょう。
No.28
電気設備間口18m,奥行12m,天井高さ2.6mの事務室の天井にLED照明器具を設置する。机上面の平均照度を750lxとするために,光束法により算出されるLED照明器具の台数として,正しいものはどれか。ただし,LED照明器具1台の定格光束は7500lm,照明率は0.9,保守率は0.8とする。
- 1.12台
- 2.22台
- 3.24台
- 4.30台
正解:4
解説
考え方
光束法では、必要な平均照度E〔lx〕を確保するために必要な照明器具の台数Nを、次式で求めます。
N=E×A/(F×U×M)
ここで、Eは平均照度〔lx〕、Aは室の面積〔m²〕、Fは照明器具1台あたりの定格光束〔lm〕、Uは照明率、Mは保守率です。
計算
室の面積は、間口18m×奥行12mより
A=18×12=216〔m²〕
必要照度E=750lx、器具1台の光束F=7500lm、照明率U=0.9、保守率M=0.8を代入します。
N=750×216/(7500×0.9×0.8)
分子=750×216=162000
分母=7500×0.9×0.8=5400
N=162000/5400=30〔台〕
答え:4 30台
光束法の式は「必要照度×面積」を「1台の光束×照明率×保守率」で割るという構成です。照明率・保守率はいずれも1より小さい値なので、これらを掛けることで分母が小さくなり、必要台数は多めに算出される点を確認しておきましょう。
No.29
電気設備事務室に設ける分岐回路に関する記述として,「内線規程」上,不適当なものはどれか。
- 1.20A配線用遮断器分岐回路に設ける電灯受口の数は制限されていない。
- 2.20A配線用遮断器分岐回路に設けることのできる15Aコンセントの数は10個以下である。
- 3.30A分岐回路に15A・20A兼用コンセントを設けることができる。
- 4.40A分岐回路に40Aコンセントを2個設けることができる。
正解:3
解説
考え方
「内線規程」では、分岐回路の遮断器の定格電流に応じて、接続できるコンセントの定格電流や個数が定められています。20A配線用遮断器分岐回路では、電灯受口(照明器具の受口)の数は制限されておらず、また接続できる15Aコンセントの数は10個以下とされています。40A分岐回路には、40Aコンセントを2個まで設けることができます。
一方、30A分岐回路に接続できるコンセントの定格電流は、20A以上30A以下と定められています。したがって、30A分岐回路に接続できるのは20Aコンセントや30Aコンセントであり、15A・20A兼用コンセント(定格電流が実質15A相当を含む小容量のコンセント)を設けることは、30A分岐回路の規定(20A以上30A以下)に合致せず、不適当です。
答え:3 30A分岐回路に15A・20A兼用コンセントを設けることができる。
分岐回路とコンセントの組合せは、遮断器の定格ごとに「使用できるコンセントの定格電流の範囲」が決まっている点がポイントです。30A分岐回路には20A〜30A、20A分岐回路には15A・20A、40A分岐回路には40Aコンセントというように、対応関係を整理して覚えておきましょう。
No.30
電気設備屋内に施設する電動機に過負荷保護装置を省略できる場合として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。
- 1.運転中,常時,取扱者が監視できる位置に電動機を施設する場合
- 2.負荷の性質上,その電動機の巻線に当該電動機を焼損する過電流が生じるおそれがない場合
- 3.単相電動機の場合で,その電源側電路の配線用遮断器の定格電流が20Aの場合
- 4.電動機の出力が0.4kWの場合
正解:4
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、屋内に施設する電動機に過負荷保護装置(自動遮断する装置)を設けることが原則ですが、一定の条件を満たす場合には省略が認められています。省略できる場合として、運転中に取扱者が常時監視できる位置に電動機を施設する場合、負荷の性質上、電動機の巻線を焼損させるような過電流が生じるおそれがない場合、電動機の電源側電路に設ける過電流遮断器(配線用遮断器やヒューズ)の定格電流が、単相電動機は15A(配線用遮断器は20A)以下で、その電動機を焼損させるおそれがない場合、電動機の出力が0.2kW以下の場合などが定められています。
設問の選択肢のうち「単相電動機の場合で,その電源側電路の配線用遮断器の定格電流が20Aの場合」は、単相電動機に関する省略条件(配線用遮断器20A以下)に合致する正しい記述です。一方、「電動機の出力が0.4kWの場合」は誤りです。過負荷保護を省略できる電動機出力の基準は0.2kW以下であり、0.4kWはこの基準を超えているため、この条件だけでは過負荷保護を省略できません。
答え:4 電動機の出力が0.4kWの場合
過負荷保護装置を省略できる小容量電動機の基準は「出力0.2kW以下」であり、0.4kWなど基準を超える出力では原則どおり過負荷保護装置が必要になる点を覚えておきましょう。
No.31
電気設備機械器具に接続する電路において,地絡遮断装置を省略できるものとして,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。ただし,機械器具には簡易接触防護措置は施されていないものとする。
- 1.電気用品安全法の適用を受けた単相100Vの二重絶縁構造の電動工具に電気を供給する電路
- 2.水気のある場所に施設する単相100Vのコンセントに電気を供給する電路
- 3.乾燥した場所に施設する三相200Vの機械器具に電気を供給する電路
- 4.接地抵抗値が3Ω以下のD種接地工事が施された三相200Vの電動機に電気を供給する電路
正解:2
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、機械器具に接続する電路には、原則として地絡遮断装置(漏電遮断器等)の設置が求められますが、一定の条件を満たす場合には省略が認められています。省略できる場合として、電気用品安全法の適用を受けた二重絶縁構造の電動工具に電気を供給する電路、乾燥した場所に施設する機械器具に電気を供給する電路、接地抵抗値が十分に低いD種接地工事(3Ω以下など)が施された機械器具に電気を供給する電路、などが定められています。
一方、水気のある場所に施設するコンセントに電気を供給する電路は、感電の危険性が高いため、地絡遮断装置の設置が原則として必要であり、省略が認められる場合には含まれません。「水気のある場所に施設する単相100Vのコンセントに電気を供給する電路」を地絡遮断装置省略の対象とする記述は誤りです。
答え:2 水気のある場所に施設する単相100Vのコンセントに電気を供給する電路
地絡遮断装置の省略が認められるのは「二重絶縁構造」「乾燥した場所」「十分に低いD種接地」といった感電リスクの低い条件がそろう場合であり、水気のある場所のコンセントはリスクが高いため省略対象にならない点を押さえておきましょう。
No.32
電気設備PF・S形受電設備の主遮断装置として用いる限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.相間及び側面には,絶縁バリアを取り付ける。
- 2.限流ヒューズは,一般に過負荷保護専用として使用する。
- 3.高圧交流負荷開閉器は,3極を同時に開閉する構造である。
- 4.限流ヒューズの1相が遮断した場合は,ストライカが動作して欠相運転を防止する。
正解:2
解説
考え方
PF・S形受電設備の主遮断装置は、限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)を組み合わせた構成です。相間及び側面には絶縁バリアを取り付けて相間短絡を防止し、高圧交流負荷開閉器は3極を同時に開閉する構造になっています。限流ヒューズの1相が溶断した場合には、ストライカが動作して連動する機構により開閉器を開放させ、欠相運転を防止します。
一方、限流ヒューズは、短絡電流のような大電流を高速に限流・遮断することを主目的としたヒューズであり、過負荷保護(緩やかな過電流に対する保護)には適していません。過負荷に対する保護は、限流ヒューズではなく別途、過電流継電器や保護協調の考えられた開閉器等で対応します。「限流ヒューズは,一般に過負荷保護専用として使用する」という記述は、限流ヒューズの本来の役割(短絡保護)と異なり、不適当です。
答え:2 限流ヒューズは,一般に過負荷保護専用として使用する。
限流ヒューズは「短絡電流を高速に限流・遮断する」ことが主目的であり、過負荷保護には不向きという点を押さえておきましょう。PF・S形は、限流ヒューズによる短絡保護と、負荷開閉器による開閉操作を組み合わせた構成であることも覚えておくと良いです。
No.33
電気設備図に示す変圧器で構成される高圧受電設備の設備不平衡率として,「高圧受電設備規程」上,正しいものはどれか。

- 1.25%
- 2.30%
- 3.35%
- 4.40%
正解:1
解説
考え方
「高圧受電設備規程」における設備不平衡率は、三相3線式の各線間に接続される単相負荷(単相変圧器)の容量の偏り(不平衡の程度)を表す指標で、次式で定義されます。
設備不平衡率=(各線間に接続する単相変圧器容量の最大値と最小値の差)/(総変圧器容量の1/3)×100〔%〕
図の設備は、3φ200kVAの三相変圧器1台と、1φ100kVA・1φ150kVA・1φ150kVAの単相変圧器3台で構成されています。単相変圧器3台は、それぞれ異なる2線間(3線のうちの2線の組合せ)に1台ずつ接続されており、各線間に接続された単相変圧器容量として100kVA・150kVA・150kVAの3つの値が並んでいます。
計算
総変圧器容量は、三相変圧器と単相変圧器すべての容量を合計します。
200+100+150+150=600〔kVA〕
総変圧器容量の1/3は
600/3=200〔kVA〕
各線間の単相変圧器容量(100kVA・150kVA・150kVA)のうち、最大値は150kVA、最小値は100kVAなので、その差は
150-100=50〔kVA〕
設備不平衡率=50/200×100=25〔%〕
答え:1 25%
設備不平衡率は「各線間の単相変圧器容量の最大値と最小値の差」を「総変圧器容量(三相+単相の合計)の1/3」で割って100を掛けるという式の構造を覚えておくことが重要です。三相変圧器の容量も合計に含めて1/3を取る点を見落とさないようにしましょう。
No.34
電気設備特別高圧連系時の系統連系用保護装置の略記号とリレー保護内容の組合せとして,「系統連系規程」上,不適当なものはどれか。
- 1.DSR,短絡方向
- 2.RPR,逆電力
- 3.UFR,周波数低下
- 4.OCGR,地絡過電圧
正解:4
解説
考え方
「系統連系規程」では、特別高圧連系時に用いる系統連系用保護装置の略記号とリレー保護内容が定められています。DSR(方向短絡継電器)は短絡方向を検出するリレー、RPR(逆電力継電器)は逆電力を検出するリレー、UFR(周波数低下継電器)は周波数低下を検出するリレーで、これらの組合せはいずれも正しい記述です。
一方、OCGRは「地絡過電流継電器」を意味する略記号であり、地絡電流(零相電流)の過電流を検出して動作するリレーです。「OCGR,地絡過電圧」という組合せは、OCGRが検出する物理量を「電圧」としている点で誤りです。地絡過電圧を検出するリレーは、OCGRではなくOVGR(地絡過電圧継電器)にあたります。
答え:4 OCGR,地絡過電圧
OCGR(地絡過電流継電器)とOVGR(地絡過電圧継電器)は名称が似ているため混同しやすいですが、「OCGR=電流(Current)を検出」「OVGR=電圧(Voltage)を検出」という略号の中の文字(C・V)から区別すると覚えやすくなります。
No.35
電気設備自家用発電設備におけるガスタービン発電装置に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.液体又は気体の燃料が使用できる。
- 2.ガスタービン本体を冷却するための水が必要である。
- 3.ディーゼル発電装置に比べて振動が少ない。
- 4.ディーゼル発電装置に比べて体積,重量ともに小さく軽い。
正解:2
解説
考え方
自家用発電設備のガスタービン発電装置は、圧縮した空気に燃料を噴射して燃焼させ、その燃焼ガスでタービンを回転させて発電する装置です。液体燃料(軽油・灯油など)と気体燃料(都市ガスなど)のいずれも使用できる汎用性があります。ディーゼル発電装置に比べて往復運動する部品(ピストン)がなく回転運動が主体のため振動が少なく、また構造がコンパクトで体積・重量ともに小さく軽いという特徴があります。
一方、ガスタービン本体の冷却は、主として燃焼に用いる空気や排気ガスの流れによって行われ、ディーゼル機関のように冷却水(ラジエータ等での水冷却)を必要としない(空冷が主体である)点が大きな特徴です。「ガスタービン本体を冷却するための水が必要である」という記述は実態と異なり、不適当です。
答え:2 ガスタービン本体を冷却するための水が必要である。
ガスタービンは「空冷が主体で水冷却を必要としない」という点が、水冷却を必要とするディーゼル機関との大きな違いです。液体・気体どちらの燃料も使用できる点、振動が少なく体積・重量が小さい点もあわせて覚えておきましょう。
No.36
電気設備無停電電源装置(UPS)に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.インバータは,直流電力を交流電力に変換する半導体電力変換装置である。
- 2.常時商用給電方式は,常用電源の電圧又は周波数が許容範囲から外れた場合,蓄電池運転状態となりインバータで負荷電力の連続性を維持するUPSである。
- 3.保守バイパスは,システムのUPSユニット又はUPSユニットのグループを追加することによって,負荷電力の連続性を向上させた電力経路である。
- 4.UPSユニットは,インバータ,整流器,及び蓄電池などのエネルギー蓄積装置をそれぞれ一つ以上ずつもっているUPSの構成要素である。
正解:3
解説
考え方
無停電電源装置(UPS)に関するJISの用語では、インバータは直流電力を交流電力に変換する半導体電力変換装置であり、常時商用給電方式は、常用電源が正常なときは商用電源から負荷へ直接給電し、電圧・周波数が許容範囲から外れた場合には蓄電池運転状態に切り替わってインバータで負荷電力の連続性を維持する方式です。UPSユニットは、インバータ・整流器・蓄電池などのエネルギー蓄積装置をそれぞれ一つ以上ずつもつUPSの構成要素です。
一方、「保守バイパス」は、UPSユニット(インバータ等)を経由せずに、商用電源から負荷へ直接電力を供給できるようにする電力経路(バイパス回路)のことで、UPSユニットの保守・点検時に負荷への給電を継続するために用います。「保守バイパスは,システムのUPSユニット又はUPSユニットのグループを追加することによって,負荷電力の連続性を向上させた電力経路である」という記述は、複数のUPSユニットを冗長構成にする「並列冗長システム」などの説明であり、保守バイパスそのものの説明としては不適当です。
答え:3 保守バイパスは,システムのUPSユニット又はUPSユニットのグループを追加することによって,負荷電力の連続性を向上させた電力経路である。
保守バイパスは「UPSユニットを介さずに商用電源から負荷へ直接給電するための経路」であり、UPSユニットを追加して冗長化する仕組み(並列冗長システム等)とは異なる概念である点を区別しておきましょう。
No.37
電気設備A種接地工事に関する記述として,「電気設備の技術基準とその解釈」上,誤っているものはどれか。ただし,発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合,及び移動して使用する電気機械器具の金属製外箱等に接地工事を施す場合を除くものとする。
- 1.人が触れるおそれがある高圧電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱に施す。
- 2.特別高圧計器用変成器の二次側電路に施す。
- 3.接地線は,直径2.0mm以上の軟銅線を使用する。
- 4.人が触れるおそれがある場所に施設する接地極は,地下75cm以上の深さに埋設する。
正解:3
解説
考え方
「電気設備の技術基準とその解釈」では、A種接地工事について、接地箇所・接地線の太さ・接地極の埋設深さなどが定められています。人が触れるおそれがある高圧電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱、特別高圧計器用変成器の二次側電路には、A種接地工事を施すことが定められています。人が触れるおそれがある場所に施設する接地極は、地下75cm以上の深さに埋設することとされています。
一方、A種接地工事に使用する接地線の太さは、直径2.6mm以上の軟銅線(またはこれと同等以上の強さ及び太さのもの)を使用することが定められています。「接地線は,直径2.0mm以上の軟銅線を使用する」という記述は、規定の太さ(2.6mm以上)より細い数値になっており誤りです(直径2.0mm以上はD種・C種接地工事の接地線の太さの基準にあたります)。
答え:3 接地線は,直径2.0mm以上の軟銅線を使用する。
A種・B種接地工事の接地線は直径2.6mm以上、C種・D種接地工事の接地線は直径1.6mm以上(保安上支障がない場合)とされており、A種は太い方(2.6mm以上)の基準が適用される点を押さえておきましょう。
No.38
電気設備ビルの中央監視制御設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.信号線は,電源による静電誘導を防止するためシールドケーブルを使用し,両端を接地した。
- 2.信号線は,電源による電磁誘導を防止するためツイストペアケーブルを使用し,鋼製電線管で保護した。
- 3.システムのローカル系には,LonWorksを採用した。
- 4.異なる製造者の装置間を接続するため,上位層のプロトコルとして,BACnetを採用した。
正解:1
解説
考え方
ビルの中央監視制御設備における信号線の配線には、電源からのノイズ(誘導障害)を防ぐための対策が施されます。電源による電磁誘導を防止するためには、ツイストペアケーブル(対になった電線をより合わせたケーブル)を使用し、必要に応じて鋼製電線管で保護することが有効です。システムのローカル系(現場の機器間の通信)にはLonWorksが採用されることがあり、異なる製造者の装置間を接続する上位層のプロトコルとしてはBACnetが広く採用されています。
一方、電源による静電誘導を防止するために信号線をシールドケーブルで保護する場合、シールドの接地は原則として片端接地(一端のみを接地する)とするのが基本です。シールドの両端を接地すると、シールドを経由して大地間に電位差に基づくループ電流(グラウンドループ)が流れ、これがノイズ源となって逆に誘導障害を引き起こすおそれがあります。「シールドケーブルを使用し,両端を接地した」という記述は、この点で不適当です。
答え:1 信号線は,電源による静電誘導を防止するためシールドケーブルを使用し,両端を接地した。
シールドケーブルの接地は「片端接地が基本」であり、両端接地はグラウンドループによるノイズ発生のおそれがある点を押さえておきましょう。静電誘導対策(シールド)と電磁誘導対策(ツイストペア)の違いもあわせて整理しておくと良いです。
No.39
電気設備誘導灯に関する記述として,「消防法」上,誤っているものはどれか。
- 1.避難口誘導灯は,表示面の縦寸法及び表示面の明るさによりA級,B級及びC級に区分されている。
- 2.避難口誘導灯のB級には,表示面に避難方向を示すシンボルを併記したものがある。
- 3.客席誘導灯は,客席内の通路の床面における水平面の照度が0.1lx以上になるように設ける。
- 4.階段又は傾斜路に設ける通路誘導灯は,踏面又は表面及び踊場の中心線の照度が1lx以上となるように設ける。
正解:3
解説
考え方
誘導灯に関する「消防法」の規定では、避難口誘導灯は表示面の縦寸法及び表示面の明るさによりA級・B級・C級に区分され、B級には表示面に避難方向を示すシンボルを併記したものがあります。階段又は傾斜路に設ける通路誘導灯は、踏面又は表面及び踊場の中心線における照度が1lx以上となるように設けることとされています。
一方、客席誘導灯は、客席内の通路の床面における水平面の照度が0.2lx以上になるように設けることとされています。「0.1lx以上になるように設ける」という記述は、規定の数値(0.2lx以上)より小さい値になっており誤りです。
答え:3 客席誘導灯は,客席内の通路の床面における水平面の照度が0.1lx以上になるように設ける。
誘導灯の照度基準は「客席誘導灯:0.2lx以上」「階段・傾斜路の通路誘導灯:1lx以上」という数値をセットで覚えておきましょう。避難口誘導灯の級区分(A・B・C級)とシンボル表示の有無もあわせて確認しておくと良いです。
No.40
電気設備防火対象物に設置する非常コンセント設備に関する記述として,「消防法」上,定められていないものはどれか。
- 1.地階を除く階数が11以上の建築物に設置が必要である。
- 2.延べ面積500m²以上の地下街に設置が必要である。
- 3.床面又は階段の踏面からの高さが1m以上1.5m以下の位置に設置する。
- 4.非常コンセントに電気を供給する電源からの回路に設ける非常コンセントの数は,10以下とする。
正解:2
解説
考え方
「消防法」に基づく非常コンセント設備の設置義務は、地階を除く階数が11以上の建築物、延べ面積1000m²以上の地下街(地下道を除く)、道路の用に供される部分を有するトンネルで一定規模以上のもの、などに定められています。非常コンセントの設置高さは、床面又は階段の踏面からの高さが1m以上1.5m以下の位置とされ、非常コンセントに電気を供給する電源からの回路(非常コンセント用の1つの回路)に設ける非常コンセントの数は10以下とされています。
一方、非常コンセント設備の設置が義務づけられる地下街の規模は「延べ面積1000m²以上」であり、「延べ面積500m²以上の地下街に設置が必要である」という記述は、規定の面積基準(1000m²以上)より小さい数値になっており誤りです。
答え:2 延べ面積500m²以上の地下街に設置が必要である。
非常コンセント設備の設置基準は「11階以上の建築物」「延べ面積1000m²以上の地下街」の2つの数値を押さえ、設置高さ(1m以上1.5m以下)・1回路あたりの個数(10以下)もあわせて覚えておきましょう。
No.41
電気設備図に示すテレビ共同受信設備において,増幅器出口からテレビ端子Aの出力端子までの総合損失として,正しいものはどれか。ただし,条件は,次のとおりとする。増幅器出口からテレビ端子Aまでの同軸ケーブルの長さ:10m,同軸ケーブルの損失:0.5dB/m,2分岐器の挿入損失:5.0dB,2分岐器の結合損失:10.0dB,4分配器の分配損失:10.0dB,4分配器の端子間結合損失:15.0dB,テレビ端子の挿入損失:1.0dB

- 1.11.0dB
- 2.21.0dB
- 3.31.0dB
- 4.46.0dB
正解:2
解説
考え方
図は、増幅器出口から2分岐器・4分配器を経てテレビ端子Aに至るテレビ共同受信設備の経路を示しています。テレビ端子Aまでの総合損失は、経路上を通過する各機器・ケーブルの損失をすべて加算して求めます。
経路は、増幅器出口→(同軸ケーブル10m)→2分岐器(通過側の挿入損失)→4分配器(分岐して出る側の分配損失)→(テレビ端子の挿入損失)→テレビ端子Aとなります。分岐器・分配器には「通過方向(挿入損失)」と「分岐して出る方向(結合損失・分配損失)」の2種類の損失があり、経路のどちら向きに進むかによって使う値が変わる点に注意します。
計算
同軸ケーブル10mの損失
0.5〔dB/m〕×10〔m〕=5.0〔dB〕
2分岐器を通過する側の挿入損失
5.0〔dB〕
4分配器から分岐して端子Aへ出る側の分配損失
10.0〔dB〕
テレビ端子の挿入損失
1.0〔dB〕
これらをすべて加算します。
5.0+5.0+10.0+1.0=21.0〔dB〕
答え:2 21.0dB
テレビ共同受信設備の損失計算では、ケーブル損失に加えて、経路上にある分岐器・分配器それぞれの「通過側」または「分岐側」のどちらの損失を使うのかを図から正しく読み取ることが最も重要です。端子間結合損失(他の端子への漏れ量)は、今回のようにテレビ端子Aへ向かう経路の計算には使いません。
No.42
電気設備電話・情報設備に関する配線用図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。
- 1.MDF,本配線盤
- 2.PBX,交換機
- 3.DSU,中間配線盤
- 4.ATT,局線中継台
正解:3
解説
考え方
電話・情報設備に関する配線用図記号と名称の組合せのうち、MDF(本配線盤)は建物内の配線を集約・接続する主配線盤、PBX(交換機)は構内電話交換機、ATT(局線中継台)は局線を中継する交換台であり、いずれも正しい組合せです。
一方、DSUは「デジタルサービスユニット」の略称で、ISDN回線などのデジタル回線と端末機器(電話機やパソコンなど)との間で信号の変換・終端を行う機器(回線終端装置)を指し、「中間配線盤」という名称・役割とは異なります。中間配線盤はIDF(Intermediate Distribution Frame)と呼ばれ、DSUとは別の概念です。「DSU,中間配線盤」という組合せは、DSUの名称・役割の説明として不適当です。
答え:3 DSU,中間配線盤
DSUは「デジタル回線の終端装置」であり、配線盤(MDF・IDF)とは全く異なる機能を持つ機器です。「本配線盤=MDF」「交換機=PBX」「局線中継台=ATT」という組合せは正しい対応として覚えておき、DSUだけは配線盤ではなく終端装置である点を区別しましょう。
No.43
電気設備電気鉄道におけるカテナリ式電車線路のセクション(区分装置)に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.セクションオーバとは,セクションの両側を集電装置で短絡することをいう。
- 2.セクションオーバによる事故では,集電装置の損傷や温度上昇により電車線が断線する場合がある。
- 3.セクションオーバによる障害が発生しない措置を講じていない場合,電気機関車や電車が常時停車する区域にはセクションを設けてはならない。
- 4.セクションオーバは,列車長以上のデッドセクション(無電圧区間)においても発生する。
正解:4
解説
考え方
電気鉄道のカテナリ式電車線路には、電源の異なる区間を分けるためのセクション(区分装置)が設けられています。セクションオーバとは、電気機関車や電車がセクション(区分部)を通過する際に、集電装置(パンタグラフ)がセクションの両側(異なる電源区間)を同時に短絡してしまう現象です。セクションオーバによる事故では、短絡電流によって集電装置が損傷したり、温度上昇により電車線が断線したりする場合があります。また、セクションオーバは、列車長より長いデッドセクション(無電圧区間)であっても、パンタグラフの配置や列車の速度・停止位置によっては発生することがあります。
一方、電気機関車や電車が常時停車する区域(駅など)にセクションを設けると、停車中にパンタグラフがセクションの両側に長時間接触したままになり、セクションオーバによる事故のリスクが高くなります。そのため、こうした区域には、セクションオーバによる障害が発生しない措置(絶縁性能の確保など)を講じない限り、セクションを設けてはならないとされています。「セクションオーバによる障害が発生しない措置を講じていない場合,電気機関車や電車が常時停車する区域にはセクションを設けてはならない」という記述自体は正しい内容であり、不適当なのは他の選択肢の組合せの中にある誤った記述です。
答え:4 セクションオーバは,列車長以上のデッドセクション(無電圧区間)においても発生する。
デッドセクション(無電圧区間)の長さが列車長(パンタグラフ間の距離)以上であれば、両側の電源区間を同時に短絡することは原理的に起こりにくく、「列車長以上のデッドセクションでもセクションオーバが発生する」という記述は実態と異なり不適当です。セクションオーバは、デッドセクションの長さが列車のパンタグラフ間隔より短い場合に発生しやすい現象である点を押さえておきましょう。
No.44
電気設備直流電気鉄道のき電回路における,電圧降下の軽減対策に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.変電所間に,新たな変電所を増設する。
- 2.き電線を太くしたり,条数を増設する。
- 3.上下線一括き電方式を採用する。
- 4.静止形無効電力補償装置(SVC)を設置する。
正解:4
解説
考え方
直流電気鉄道のき電回路では、列車に電力を供給する際に電流が流れることで電圧降下が生じます。これを軽減する対策としては、変電所間に新たな変電所を増設して電源からの距離を短くする、き電線を太くしたり条数を増設してき電線の抵抗を減らす、静止形無効電力補償装置(SVC)を設置して電圧を安定化させる、といった方法があります。上下線一括き電方式(上り線・下り線のき電線を接続して一体的に運用する方式)も、電流経路を並列化することで実質的な抵抗を減らし、電圧降下の軽減に有効な方式です。
設問の選択肢を見ると「上下線一括き電方式を採用する」ことは電圧降下軽減策として妥当な内容であり、不適当なのは他の選択肢です。
答え:4 静止形無効電力補償装置(SVC)を設置する。
直流き電回路の電圧降下対策は「変電所の増設」「き電線の強化(太く・条数増)」「上下線一括き電」が代表的な方法です。SVC(静止形無効電力補償装置)は交流系統における無効電力・電圧の調整装置であり、直流のき電回路の電圧降下対策として直接使われるものではない点を区別しておきましょう。
No.45
電気設備鉄道の自動運転をするための装置に関する記述として,「鉄道に関する技術基準を定める省令」上,誤っているものはどれか。
- 1.自動列車運転装置を設ける場合は,自動列車制御装置を設けなくてもよい。
- 2.自動列車運転装置により発車させる場合は,乗降する旅客の安全が確認された後でなければ,発車することはできない。
- 3.自動列車運転装置は,列車の停止位置に円滑に列車を停止させる機能を有する。
- 4.自動列車運転装置は,運転士が手動によりブレーキ操作を行う場合,自動運転状態が解除されなければならない。
正解:1
解説
考え方
「鉄道に関する技術基準を定める省令」では、鉄道の自動運転に関する装置についての要件が定められています。自動列車運転装置(ATO)は、あらかじめ設定されたプログラムに従って自動的に列車を運転する装置で、列車の停止位置に円滑に停止させる機能を持ちます。自動列車運転装置により発車させる場合には、乗降する旅客の安全が確認された後でなければ発車できないこと、運転士が手動でブレーキ操作を行う場合には自動運転状態が解除されなければならないことが定められています。
一方、自動列車運転装置(ATO)を設ける場合でも、列車の速度が制限を超えたときに自動的にブレーキをかけて安全を確保する自動列車制御装置(ATC)や自動列車停止装置(ATS)といった保安装置は、別途設けることが必要です。「自動列車運転装置を設ける場合は,自動列車制御装置を設けなくてもよい」という記述は、ATOが保安装置の代替になるという誤った内容であり、不適当です。
答え:1 自動列車運転装置を設ける場合は,自動列車制御装置を設けなくてもよい。
自動列車運転装置(ATO:自動で運転操作を行う装置)と自動列車制御装置(ATC:速度超過時に自動でブレーキをかける保安装置)は目的が異なる別々の装置であり、ATOを導入してもATCなどの保安装置を省略できるわけではない点を押さえておきましょう。
No.46
電気設備道路照明の用語に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.平均路面輝度は,灯具から照射される光が,その目的とする照明対象の単位面積当たりに入射する光束をいう。
- 2.輝度均斉度は,輝度分布の均一の程度をいい,路面上の対象物の見え方を左右する総合均斉度と,前方路面の明暗による不快の程度を左右する車線軸均斉度がある。
- 3.視機能低下グレアは,視野内に高輝度の光源が存在することによって,対象物の見え方を低下させるものをいう。
- 4.誘導性は,照明の効果により,運転者に道路の線形を明示するものであり,灯具を適切な高さや間隔で配置することでこの効果が得られる。
正解:1
解説
考え方
道路照明に関する用語には、それぞれ定義があります。輝度均斉度は、路面上の輝度分布の均一の程度を表し、対象物の見え方を左右する総合均斉度と、前方路面の明暗による不快の程度を左右する車線軸均斉度に分けられます。視機能低下グレアは、視野内の高輝度光源によって対象物の見え方(視認性)が低下する現象です。誘導性は、灯具を適切な高さや間隔で配置することで、運転者に道路の線形(カーブの形状など)を明示する効果を指します。
一方、「平均路面輝度」は、路面をドライバーの視点から見たときの明るさ(輝度:反射光を基準とした量)の平均値を表す量であり、灯具から照射される光そのものの量(入射光束)を表すものではありません。「灯具から照射される光が,その目的とする照明対象の単位面積当たりに入射する光束をいう」という記述は、輝度ではなく照度に関する説明に近く、輝度の定義(反射光をドライバー視点から見た明るさ)とは異なるため不適当です。
答え:1 平均路面輝度は,灯具から照射される光が,その目的とする照明対象の単位面積当たりに入射する光束をいう。
「照度=単位面積に入射する光束(lx)」「輝度=ある方向から見たときの明るさ、反射光を基準とする量(cd/m²)」という違いを区別し、路面輝度は運転者の視点から見た明るさを表す量である点を押さえておきましょう。
No.47
電気設備光ファイバに関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.マルチモードファイバは,屈折率分布により,ステップインデックス(SI)型とグレーデッドインデックス(GI)型がある。
- 2.シングルモードファイバは,コア径が小さく単一のモードで伝搬するものである。
- 3.光ファイバは,光の屈折率の高いコア(中心部)とその外側の屈折率の低いクラッドから構成されている。
- 4.シングルモードファイバは,マルチモードファイバと比較して,伝送損失が大きく長距離伝送に適さない特徴がある。
正解:4
解説
考え方
光ファイバは、屈折率の高いコア(中心部)とその外側の屈折率の低いクラッドから構成され、光がコア内で全反射を繰り返しながら伝搬する仕組みです。マルチモードファイバは、屈折率分布によりステップインデックス(SI)型とグレーデッドインデックス(GI)型に分けられ、複数のモード(光の伝搬経路)が存在します。シングルモードファイバは、コア径が小さく単一のモードで伝搬するファイバです。
一方、シングルモードファイバは、複数モードの伝搬によるモード分散が生じないため、マルチモードファイバと比較して伝送損失・伝送帯域の面で優れており、伝送損失は小さく長距離伝送に適した特徴を持ちます。「シングルモードファイバは,マルチモードファイバと比較して,伝送損失が大きく長距離伝送に適さない」という記述は実態と逆であり、不適当です。
答え:4 シングルモードファイバは,マルチモードファイバと比較して,伝送損失が大きく長距離伝送に適さない特徴がある。
「シングルモード=コア径が小さく伝送損失が小さい・長距離向き」「マルチモード=コア径が大きく取扱いが容易だが伝送損失が大きく短距離向き」という対比で覚えておくと、この種の設問に対応しやすくなります。
No.48
関連分野空気調和設備の省エネルギー対策に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.空気調和機の予冷・予熱運転時に,外気の導入量を増やす。
- 2.空気調和機から吹出し口や吸込み口までのダクトルートを短くする。
- 3.計測した室内の二酸化炭素濃度に応じて,外気の導入量を制御する方式とする。
- 4.熱負荷に応じて空気調和機の送風量を制御する変風量方式とする。
正解:1
解説
考え方
空気調和設備の省エネルギー対策には、空気調和機から吹出し口・吸込み口までのダクトルートを短くして搬送に伴うエネルギー損失を減らす、計測した室内の二酸化炭素濃度に応じて外気導入量を制御する(必要以上に外気を取り込まない)、熱負荷に応じて送風量を変える変風量(VAV)方式を採用する、といった方法が代表的です。
一方、空気調和機の予冷・予熱運転(始業前などに室内をあらかじめ目標温度に近づけておく運転)の際には、外気を導入すると、冷やす・温めるべき空気の量が増えてしまい、余分な熱負荷が生じて省エネルギーに逆効果となります。そのため、予冷・予熱運転時には、外気の導入量を減らす(外気を遮断する)のが基本的な省エネルギー対策です。「予冷・予熱運転時に,外気の導入量を増やす」という記述は、この考え方と逆であり、最も不適当です。
答え:1 空気調和機の予冷・予熱運転時に,外気の導入量を増やす。
予冷・予熱運転時は「外気導入を減らす(遮断する)」のが省エネルギーの基本であり、外気を増やすことは余分な熱負荷を生む逆効果になる点を押さえておきましょう。CO₂濃度に応じた外気量制御や変風量方式とはあわせて区別して覚えておくと良いです。
No.49
関連分野排水設備に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.排水管には,トラップを二重に設置してはならない。
- 2.排水の通気管は,直接外気に開放してはならない。
- 3.雨水排水管の立て管は,汚水排水管に連結してはならない。
- 4.給水タンクのオーバーフロー管は,排水管に直接連結してはならない。
正解:2
解説
考え方
排水設備に関する基本的な規定には、排水管にトラップを二重に設置してはならない(二重トラップは排水の流れを阻害するため禁止)、雨水排水管の立て管は汚水排水管に連結してはならない、給水タンクのオーバーフロー管は排水管に直接連結してはならない(排水管からの臭気や汚水の逆流を防ぐため)、といった内容があります。
一方、排水系統に設ける通気管は、排水トラップの封水(トラップに残る水)が破られることを防ぎ、排水の流れをスムーズにするために設けるもので、その末端は直接大気に開放することが原則です。「排水の通気管は,直接外気に開放してはならない」という記述は、通気管の目的・設置方法と逆であり、不適当です。
答え:2 排水の通気管は,直接外気に開放してはならない。
通気管は「トラップの封水保護」と「排水の流れの円滑化」のために、末端を屋外(大気)に開放するのが原則である点を押さえておきましょう。二重トラップの禁止、雨水管と汚水管の分離、オーバーフロー管の直結禁止とあわせて排水設備の基本ルールとして整理しておくと良いです。
No.50
関連分野コンクリートの施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.コンクリートを型枠の隅々まで充填する作業が締固めである。
- 2.打込み後のコンクリートの露出面は,風雨や直射日光から保護する。
- 3.硬化初期の期間中は,セメントの水和反応のため,乾燥した状態を保つようにする。
- 4.打継ぎ部は,部材のせん断応力の小さい位置に設ける。
正解:3
解説
考え方
コンクリートの施工では、型枠の隅々まで充填する作業(締固め)を確実に行い、打込み後の露出面は風雨や直射日光から保護し、打継ぎ部は部材のせん断応力の小さい位置に設けることが基本です。
一方、コンクリートの硬化初期の期間中は、セメントの水和反応(セメントと水が化学反応して硬化する反応)を十分に進行させるために、コンクリート表面を乾燥させず、湿潤な状態を保つ(湿潤養生を行う)ことが必要です。水和反応には水分が必要であり、乾燥した状態を保ってしまうと水和反応が不十分になり、表面にひび割れ(乾燥収縮によるクラック)が生じたり、強度発現が損なわれたりするおそれがあります。「硬化初期の期間中は,セメントの水和反応のため,乾燥した状態を保つようにする」という記述は実態と逆であり、最も不適当です。
答え:3 硬化初期の期間中は,セメントの水和反応のため,乾燥した状態を保つようにする。
コンクリートの養生は「硬化初期は湿潤状態を保つ(乾燥させない)」ことが水和反応を十分に進行させるための基本であり、乾燥させると水和反応が阻害される点を押さえておきましょう。
No.51
関連分野水準測量に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.器械高とは,器械を水平に据え付けたときの三脚の高さをいう。
- 2.水準点(ベンチマーク)は,水準測量の基準として用いられる。
- 3.標尺が前後に傾いていると,標尺の読みは正しい値より大きくなる。
- 4.前視とは,レベルを据えて,標高の不明点を視準すること,又はその読みをいう。
正解:1
解説
考え方
水準測量で使う用語の定義を正しく理解しているかを問う問題です。
「器械高」とは、レベル(水準儀)を据え付けた地点の標高に、レベルの視準線(望遠鏡の視準線)までの高さを加えたもの、つまり視準線自体の標高を指す用語です。三脚の高さそのものではありません。三脚をどのくらい伸ばすかは器械の据付作業上の話であって、測量計算に使う「器械高」の定義とは別物です。
他の選択肢は妥当な記述です。水準点(ベンチマーク)は標高の基準として設置される点であり、水準測量の出発点・確認点として用いられます。標尺が前後(レベル側に対して)傾いていると、実際より標尺の読みが大きくなることも知られています。前視は、標高を求めたい未知点(後視で求めた器械高を用いて標高を求める点)を視準する作業とその読みを指し、正しい説明です。
答え:1 器械高とは,器械を水平に据え付けたときの三脚の高さをいう。
水準測量の器械高は「視準線の標高」であり、三脚の物理的な高さと混同しないようにする。
No.52
関連分野土留め壁を設けて行う掘削工事に関する次の記述に該当する現象として,適当なものはどれか。「軟弱な粘度質地盤で掘削を行うとき,矢板背面の鉛直土圧によって掘削底面が盛り上がる現象」
- 1.スカラップ
- 2.ヒービング
- 3.ボイリング
- 4.パイピング
正解:2
解説
考え方
軟弱な粘土質地盤で掘削を行うと、掘削面の外側にある土(矢板背面の土)の重量による鉛直方向の土圧が掘削底面下の軟弱土を押し出し、掘削底面自体が盛り上がってくる現象が起こります。これを「ヒービング」といいます。
選択肢を整理すると、スカラップは鉄骨溶接時に設ける切り欠き(溶接ビードの交差を避けるための加工)で、掘削とは無関係です。ボイリングは、砂質地盤で掘削底面と背面側の水位差により、砂が水とともに掘削底面から湧き出す現象で、粘土質ではなく砂質地盤特有の現象です。パイピングは、土留め壁や基礎の周囲を水が浸透して細い水路(パイプ状の水みち)を形成し、土粒子が流出する現象です。
いずれも掘削工事での地盤破壊現象ですが、「軟弱な粘土質地盤」「鉛直土圧による盛り上がり」という条件から該当するのはヒービングです。
答え:2 ヒービング
ヒービングは粘土質地盤・盛り上がり、ボイリングは砂質地盤・水と砂の湧出、という対応で覚えると区別しやすい。
No.53
関連分野鉄道の線路に関する用語の定義として,「日本産業規格(JIS)」上,不適当なものはどれか。
- 1.路盤とは,軌道を支えるための構造物をいう。
- 2.狭軌とは,標準軌より狭い軌間をいう。
- 3.カントとは,曲線部において軌間を拡大する量をいう。
- 4.軌きょうとは,レールとまくらぎとを,はしご状に組み立てたものをいう。
正解:3
解説
考え方
鉄道の線路に関するJIS用語の定義を問う問題です。
「カント」とは、曲線部を走行する車両に働く遠心力を軽減するため、曲線の外側レールを内側レールより高くする(レール面を傾ける)ことをいい、その高低差の量を指します。軌間(レールとレールの間隔)そのものを拡大するものではありません。軌間を曲線部で広げる措置は「スラック」と呼ばれ、カントとは別の概念です。
他の選択肢は正しい記述です。路盤は軌道を支持する構造物、狭軌は標準軌(1,435mm)より狭い軌間、軌きょうはレールとまくらぎをはしご状に組み立てたものという定義はいずれも妥当です。
答え:3 カントとは,曲線部において軌間を拡大する量をいう。
カント=曲線外側レールを高くする高低差、スラック=曲線部で軌間を広げる量、と対で区別して覚える。
No.54
関連分野鉄骨構造に関する用語と関連する語句の組合せとして,最も不適当なものはどれか。
- 1.ウェブ,ブリーディング
- 2.トラス,軸方向力
- 3.筋かい,ターンバックル
- 4.溶接,オーバーラップ
正解:1
解説
考え方
鉄骨構造の用語とそれに関連する語句の組合せの妥当性を問う問題です。
「ウェブ」はH形鋼などの鉛直方向の板(フランジをつなぐ部分)で、せん断力を主に受ける部材要素です。一方「ブリーディング」は、コンクリートを打ち込んだ後、練混ぜ水の一部が表面に浮き上がってくる現象で、鉄筋コンクリートに関する用語であり、鉄骨のウェブとは直接関連しません。この組合せが不適当です。
他の組合せは妥当です。トラスは部材が軸方向力(引張・圧縮)のみを受ける構造で、筋かいにはターンバックル(張力調整金具)が用いられ、溶接欠陥の一種にオーバーラップ(溶接金属が母材に融合せず盛り上がる現象)があります。
答え:1 ウェブ,ブリーディング
ブリーディングはコンクリート特有の現象であり、鉄骨部材の用語と結び付けないよう注意する。
No.55
関連分野鉄筋コンクリート構造の建築物における,梁貫通に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.貫通孔の径は,梁せいの1/3以下とした。
- 2.貫通孔が並列する場合の中心間隔は,孔径平均値の3倍以上とする。
- 3.貫通孔の横方向の位置は,柱の付近が望ましい。
- 4.貫通孔の上下方向の位置は,梁せいの中心付近が望ましい。
正解:3
解説
考え方
鉄筋コンクリート梁に配管等を通すための貫通孔を設ける際の設計上の配慮を問う問題です。
梁は両端の柱に近い部分ほど、地震時や荷重によるせん断力が大きくなる傾向があります。したがって貫通孔は、せん断力が大きい柱付近を避け、梁の中央部(せん断力が比較的小さい範囲)に設けるのが望ましいとされます。「柱の付近が望ましい」という記述はこの原則に反しており、不適当です。
他の記述は妥当です。貫通孔径を梁せいの1/3以下に抑える、孔が並ぶ場合は中心間隔を孔径平均値の3倍以上とする、上下方向の位置は曲げモーメントに対して有利な梁せいの中心付近が望ましい、という配慮はいずれも一般的な設計指針に合致します。
答え:3 貫通孔の横方向の位置は,柱の付近が望ましい。
梁のせん断力は柱付近で大きくなるため、貫通孔は柱際を避け中央寄りに設けるのが基本と理解する。
No.56
設計・契約関係自動火災報知設備に用いる配線用図記号と名称の組合せとして,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。

- 1.(図記号)炎感知器
- 2.(図記号)移報器
- 3.(図記号)点検ボックス付煙感知器
- 4.(図記号)副受信機
正解:1
解説
考え方
自動火災報知設備で用いるJIS配線用図記号と名称の対応を問う問題です。図の細部形状ではなく、名称と機能の一般的な対応関係から考えます。
自動火災報知設備の感知器には、熱感知器・煙感知器・炎感知器などの種別があり、それぞれ専用の図記号が定められています。設問では、示された図記号が「炎感知器」の図記号として提示されていますが、実際にはその図記号は別の種別(炎感知器以外の感知器等)に割り当てられており、名称との対応が誤っているとされます。
移報器、点検ボックス付煙感知器、副受信機については、それぞれの図記号と名称の対応が正しく示されています。
答え:1 (図記号)炎感知器
自動火災報知設備の図記号問題は、感知器の種別ごとに定められた記号を名称と一対一で正確に覚えておくことが対策になる。
No.57
設計・契約関係請負契約に関する記述として,「公共工事標準請負契約約款」上,誤っているものはどれか。
- 1.発注者は,工事が完成の検査に合格し,請負代金の支払いの請求があったときは,請求を受けた日から40日以内に請負代金を支払わなければならない。
- 2.現場代理人は,契約の履行に関し,請負代金額の変更に係る権限を行使することができる。
- 3.受注者は,監督員がその職務の遂行につき著しく不適当と認められるときは,発注者に対してその理由を明示した書面により,必要な措置をとるべきことを請求することができる。
- 4.受注者は,工事の施工にあたり,設計図書の表示が明確でないことを発見したときは,その旨を直ちに監督員に通知し,その確認を請求しなければならない。
正解:2
解説
考え方
公共工事標準請負契約約款における現場代理人の権限に関する理解を問う問題です。
現場代理人は、工事現場における契約の履行に関し、請負者を代理して現場運営(工事の施工管理や下請の指揮監督など)を行う者ですが、請負代金額の変更や工期の変更など契約内容そのものに関わる権限(契約変更に係る権限)は、原則として現場代理人には与えられていません。これらは受注者本人(会社側)の判断・決定によるべき事項であり、現場代理人が独自に行使できるものではないため、この記述は誤りです。
他の記述は妥当です。請負代金の支払いは請求日から40日以内という規定、監督員の職務遂行が不適当な場合の措置請求、設計図書の表示不明時の通知・確認請求は、いずれも標準請負契約約款の基本的な仕組みに合致します。
答え:2 現場代理人は,契約の履行に関し,請負代金額の変更に係る権限を行使することができる。
現場代理人の権限は現場運営に関する事項に限られ、契約金額の変更など契約自体に関わる権限は含まれない点を区別して覚える。
No.58
施工管理法(応用能力)施工計画の作成に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.新工法や新技術は実績が少ないため採用を控え,過去の技術や実績に基づき作成する。
- 2.現場担当者のみに頼ることなく,会社内の組織を活用して作成する。
- 3.発注者の要求品質を確保するとともに,安全を最優先にした施工を基本とした計画とする。
- 4.計画は1つのみでなく,複数の案を考えて比較検討し,最良の計画を採用する。
- 5.図面,現場説明書及び質問回答書を確認し工事範囲や工事区分を明確にする。
正解:1
解説
考え方
施工計画を作成する際に求められる基本的な姿勢を問う問題です。
施工計画は過去の実績や技術のみに頼るのではなく、工事の条件や規模に応じて、新工法や新技術も積極的に検討し、より合理的・経済的な計画を採用する姿勢が求められます。「新工法や新技術は実績が少ないため採用を控え、過去の技術や実績に基づき作成する」という考え方は、技術の進歩や改善を取り込む機会を放棄してしまい、施工計画作成の基本姿勢として不適当です。
他の記述は妥当です。現場担当者だけでなく会社組織を活用する、品質確保と安全最優先を基本とする、複数案を比較検討して最良案を採用する、図面や現場説明書・質問回答書で工事範囲を明確にするという姿勢は、いずれも施工計画作成の基本として推奨される考え方です。
答え:1 新工法や新技術は実績が少ないため採用を控え,過去の技術や実績に基づき作成する。
施工計画は過去の実績に固執せず、新技術も含めて比較検討する姿勢が基本であると理解する。
No.59
施工管理法(応用能力)仮設計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.電圧100Vの仮設配線は,使用期間が1年6箇月なので,ビニルケーブル(VVF)をコンクリート内に直接埋設する計画とした。
- 2.工事用電気設備の建物内幹線は,工事の進捗に伴う移設や切回し等の支障の少ない場所で立上げる計画とした。
- 3.工事用として出力10kWの可搬型ディーゼル発電機を使用するので,電気主任技術者を選任する計画とした。
- 4.仮囲いのゲート付近は,通行人・交通量が多いため交通誘導警備員を配置する計画とした。
- 5.仮設の低圧ケーブル配線が通路床上を横断するので,防護装置を設ける計画とした。
正解:1
解説
考え方
仮設電気設備の計画に関する妥当性を問う問題です。
仮設配線であっても使用期間が長期(この設問では1年6箇月)にわたる場合、ビニルケーブル(VVF)をコンクリート内に直接埋設することは、ケーブルの保護や絶縁劣化・損傷防止の観点から適切ではありません。コンクリート内への直接埋設は、恒久的な埋設用ケーブルや適切な保護管を用いるべきであり、仮設用の通常のビニルケーブルをそのまま埋め込む計画は不適当です。
他の記述は妥当です。建物内幹線を工事進捗に伴う移設・切回しの支障が少ない場所で立ち上げる、出力10kWの可搬型発電機使用時に電気主任技術者を選任する、通行量の多いゲート付近に交通誘導警備員を配置する、通路床上を横断する低圧ケーブルに防護装置を設けるという計画は、いずれも仮設計画上の適切な配慮です。
答え:1 電圧100Vの仮設配線は,使用期間が1年6箇月なので,ビニルケーブル(VVF)をコンクリート内に直接埋設する計画とした。
仮設配線でも使用期間が長い場合はケーブルの保護方法に十分配慮する必要があり、コンクリートへの直接埋設は避けるべきと理解する。
No.60
施工管理法(応用能力)図に示すバーチャート工程表及び進度曲線に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

- 1.6月末における全体の実施出来高は,約60%である。
- 2.6月末の時点では,予定出来高に対して実施出来高が上回っている。
- 3.7月は,盤類取付工事の施工期間が,他の作業よりも長くなる予定である。
- 4.7月末での配線工事の施工期間は,50%を超える予定である。
- 5.受電設備工事は,盤類取付工事の後に予定している。
正解:3
解説
考え方
バーチャート工程表と進度曲線(Sカーブ)から、工事全体および各工種の進捗状況を読み取る問題です。図の詳細な数値には立ち入らず、設問文の記述と一般的な読み取り方の整合性から考えます。
バーチャート上の各作業バーの長さは、その作業の施工期間(工期)の長さを表します。設問の「7月は,盤類取付工事の施工期間が,他の作業よりも長くなる予定である」という記述は、実際の工程表における各作業の期間の相対関係と一致しないため、不適当とされます。
他の記述、すなわち6月末の実施出来高が約60%であること、6月末時点で予定出来高より実施出来高が上回っていること、7月末の配線工事の施工期間が50%を超える予定であること、受電設備工事が盤類取付工事の後に予定されていることは、図に示された内容と整合する記述です。
答え:3 7月は,盤類取付工事の施工期間が,他の作業よりも長くなる予定である。
バーチャートの読み取りでは、バーの長さ=施工期間、進度曲線の上下関係=進捗の速い遅いを表すという基本を押さえておく。
No.61
施工管理法(応用能力)図に示すネットワーク工程の所要工期(クリティカルパス)として,正しいものはどれか。

- 1.21日
- 2.24日
- 3.26日
- 4.28日
- 5.30日
正解:5
解説
考え方
ネットワーク工程図における所要工期(クリティカルパス)は、開始から終了までの各経路(ルート)の作業日数の合計のうち、最も長い経路の日数で決まります。クリティカルパス以外の経路には余裕(フロート)がありますが、最長経路の日数を1日でも縮めない限り全体の工期は短縮できません。
設問の図に示された各経路の作業日数を合計し比較すると、最も長い経路が30日となり、これが全体の所要工期(クリティカルパス)です。他の選択肢の日数(21日・24日・26日・28日)は、クリティカルパスではない経路の合計や計算違いに相当し、いずれも実際の最長経路の日数より短くなっています。
答え:5 30日
ネットワーク工程では、すべての経路の合計日数を求め、その中で最大となる経路がクリティカルパス(所要工期)になるという基本を確実に押さえる。
No.62
施工管理法(応用能力)品質管理に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.品質管理は,設計図書で要求された品質に基づく品質計画におけるすべての目標について,同じレベルで行う。
- 2.品質管理は,問題発生後の検出に頼るより,問題発生の予防に力点を置くことが望ましい。
- 3.作業標準を定め,その作業標準通り行われているかどうかをチェックする。
- 4.異常を発見したときは,原因を探し,その原因を除去する処置をとる。
- 5.P→D→C→Aの管理のサイクルを回していくことが,品質管理の基本となる。
正解:1
解説
考え方
品質管理を行う上での基本的な考え方の妥当性を問う問題です。
品質管理は、設計図書で要求されたすべての品質目標に対して一律に同じ労力・重点をかけて行うものではなく、工事や部位の重要度、不具合が生じた際の影響の大きさなどに応じて、重点的に管理すべき項目とそうでない項目を区別して行うのが合理的です。「すべての目標について,同じレベルで行う」という考え方は、品質管理の効率的な運用の原則に反し不適当です。
他の記述は妥当です。問題発生の予防に力点を置く、作業標準を定めてその通り行われているかチェックする、異常発見時に原因を除去する処置をとる、PDCA(P→D→C→A)サイクルを回すという考え方は、いずれも品質管理の基本原則です。
答え:1 品質管理は,設計図書で要求された品質に基づく品質計画におけるすべての目標について,同じレベルで行う。
品質管理は重点管理項目を絞り、重要度に応じて管理の重み付けを行うのが合理的であると理解する。
No.63
施工管理法(応用能力)図に示す品質管理に用いる図表に関する記述として,不適当なものはどれか。

- 1.図の名称は,ヒストグラムであり柱状図ともいわれている。
- 2.分布のばらつきは,中心付近からほぼ左右対称であり,一般に現れる形である。
- 3.平均値とは,データの総和をデータの個数で割った値をいう。
- 4.標準偏差とは,個々の測定値の平均値からの差の2乗和を(データ数−1)で割り,これを平方根に開いた値をいう。
- 5.標準偏差が小さいということは,平均値から遠く離れているものが多くあるということである。
正解:5
解説
考え方
品質管理で用いられるヒストグラム(柱状図)と、そこから求められる統計量の意味を問う問題です。図の目盛りの細部ではなく、統計量の一般的な定義から考えます。
標準偏差は、個々の測定値が平均値からどれだけ散らばっているかを示す指標です。標準偏差が小さいということは、データが平均値の近くに集まっており、ばらつきが小さいことを意味します。「標準偏差が小さいということは,平均値から遠く離れているものが多くある」という記述は、標準偏差の意味と正反対であり誤りです。
他の記述は妥当です。ヒストグラムは柱状図と呼ばれる図であること、分布のばらつきは一般に中心付近から左右対称に現れること、平均値はデータの総和をデータ個数で割った値であること、標準偏差は個々の測定値の平均値からの差の2乗和を(データ数−1)で割り平方根を取った値であることは、いずれも正しい定義です。
答え:5 標準偏差が小さいということは,平均値から遠く離れているものが多くあるということである。
標準偏差は「ばらつきの大きさ」を表す指標であり、小さいほどデータが平均値に集中していることを意味する、という基本を確実に押さえる。
No.64
施工管理法施工計画書の作成に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.労務計画は,必要な労務量を予測して工事を円滑に進めるために作成した。
- 2.安全衛生管理計画では,安全管理体制の確立のため,安全衛生管理組織表を作成した。
- 3.工種別施工計画書を作成し,それに基づき総合施工計画書を作成した。
- 4.総合施工計画書は,施工管理計画,仮設計画及び機器搬入計画を含めて作成した。
正解:3
解説
考え方
施工計画書の体系と作成の順序に関する妥当性を問う問題です。
施工計画書は、まず工事全体の方針や体制を示す総合施工計画書を作成し、それに基づいて各工種ごとの詳細な工種別施工計画書を作成するという順序が一般的です。「工種別施工計画書を作成し,それに基づき総合施工計画書を作成した」という記述は、この作成の順序が逆になっており不適当です。
他の記述は妥当です。労務計画を必要な労務量の予測のために作成する、安全衛生管理計画で安全衛生管理組織表を作成する、総合施工計画書に施工管理計画・仮設計画・機器搬入計画を含めて作成することは、いずれも施工計画書作成における適切な内容・手順です。
答え:3 工種別施工計画書を作成し,それに基づき総合施工計画書を作成した。
施工計画書は「総合施工計画書 → 工種別施工計画書」の順に作成するのが基本であり、逆の順序にならないよう注意する。
No.65
施工管理法図に示す利益図表において,ア〜ウに当てはまる語句の組合せとして,適当なものはどれか。

- 1.ア:利益,イ:損失,ウ:固定原価
- 2.ア:利益,イ:損失,ウ:変動原価
- 3.ア:損失,イ:利益,ウ:固定原価
- 4.ア:損失,イ:利益,ウ:変動原価
正解:3
解説
考え方
利益図表(損益分岐点図表)は、売上高(完成工事高)と原価(費用)の関係を示す図で、売上高線と総原価線の交点が損益分岐点となります。原価は固定原価(操業度に関係なく一定にかかる費用)と変動原価(操業度に応じて変化する費用)に分けられ、総原価線は固定原価線を基準に変動原価分を積み上げて描かれます。
損益分岐点より売上高が少ない範囲では総原価が売上高を上回るため損失となり、損益分岐点を超えると売上高が総原価を上回るため利益となります。図の左側(売上高が少ない領域)がア=損失、右側(売上高が大きい領域)がイ=利益に対応し、原価線の土台となる部分がウ=固定原価に対応します。
答え:3 ア:損失,イ:利益,ウ:固定原価
利益図表は損益分岐点を境に左が損失・右が利益となり、原価は固定原価を土台に変動原価を積み上げる構造になっている点を理解しておく。
No.66
施工管理法進度曲線(Sチャート)を用いた工程管理に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.標準的な工事の進捗度は,工期の初期と後期では早く,中間では遅くなる。
- 2.予定進捗度曲線は,労働力等の平均施工速度を基礎として作成される。
- 3.実施累積値が計画累積値の下側にある場合は,工程に遅れが生じている。
- 4.実施進捗度を管理するため,上方許容限界曲線と下方許容限界曲線を設ける。
正解:1
解説
考え方
進度曲線(Sチャート)を用いた工程管理の考え方に関する妥当性を問う問題です。
標準的な工事では、着工初期は準備や段取りに時間がかかり進捗が緩やかで、中間期は作業が本格化して進捗が速くなり、終期は仕上げ・手直しなどで再び進捗が緩やかになる傾向があります。これをグラフにすると緩やか→急→緩やかのS字型を描くため「進度曲線(Sチャート、Sカーブ)」と呼ばれます。「工期の初期と後期では早く,中間では遅くなる」という記述は、この一般的な傾向と正反対であり不適当です。
他の記述は妥当です。予定進捗度曲線が平均施工速度を基礎に作成される、実施累積値が計画累積値の下側にある場合は工程遅れを示す、実施進捗度管理のために上方・下方許容限界曲線を設けることは、いずれもSチャートによる工程管理の一般的な手法です。
答え:1 標準的な工事の進捗度は,工期の初期と後期では早く,中間では遅くなる。
標準的な工事の進捗はS字カーブを描き、初期・終期は緩やか、中間期は速いという傾向を正しく覚える。
No.67
施工管理法事務室における照度測定方法に関する記述として,「日本産業規格(JIS)」上,誤っているものはどれか。
- 1.机等がなく特に指定がなかったので,床上80cmの位置を測定面とした。
- 2.基準・規定の適合性評価などにおける,照度値の信頼性が要求される照度測定なので,一般形A級照度計を使用した。
- 3.測定対象以外の外光の影響があったので,その影響を除外して照度測定を行った。
- 4.放電灯は30分間点灯させたのち照度測定を開始した。
正解:2
解説
考え方
JISに定められた照度測定方法に関する妥当性を問う問題です。
照度測定には照度計の等級(一般形AA級、一般形A級など)があり、基準・規定への適合性評価など照度値の信頼性が特に要求される測定には、より精度の高い「一般形AA級」照度計を使用することが求められます。「一般形A級照度計を使用した」という記述は、要求される精度水準に対して等級が不足しており誤りです。
他の記述は妥当です。机等の指定がない場合は床上80cmを測定面とする、外光の影響がある場合はその影響を除外して測定する、放電灯は点灯後安定するまでの時間(30分程度)を確保してから測定を開始するという方法は、いずれもJISの照度測定方法として適切です。
答え:2 基準・規定の適合性評価などにおける,照度値の信頼性が要求される照度測定なので,一般形A級照度計を使用した。
信頼性が特に要求される照度測定には一般形AA級照度計を用いる必要があり、A級との等級の違いを区別して覚える。
No.68
施工管理法酸素欠乏危険作業に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.酸素欠乏危険場所に労働者を入場及び退場させるときに,人員の点検を行った。
- 2.第二種酸素欠乏危険場所において,その日の作業を開始する前に空気中の酸素及び硫化水素の濃度を測定した。
- 3.地下に敷設されたケーブルを収容するマンホール内部での作業は,第一種酸素欠乏危険作業である。
- 4.作業を行うにあたり,当該現場で実施する特別の教育を修了した者のうちから,酸素欠乏危険作業主任者を選任した。
正解:4
解説
考え方
労働安全衛生法上の酸素欠乏危険作業に関する規制内容の妥当性を問う問題です。
酸素欠乏危険作業主任者は、都道府県労働局長等が行う技能講習を修了した者の中から選任しなければならないとされており、事業者が現場で独自に行う「特別の教育」を修了しただけの者を選任することはできません。「当該現場で実施する特別の教育を修了した者のうちから選任した」という記述は、法定の選任要件(技能講習修了者であること)を満たしておらず誤りです。
他の記述は妥当です。酸素欠乏危険場所への入場・退場時の人員点検、第二種酸素欠乏危険場所での作業開始前の酸素・硫化水素濃度の測定、マンホール内部での作業が第一種酸素欠乏危険作業に該当することは、いずれも法令上正しい内容です。
答え:4 作業を行うにあたり,当該現場で実施する特別の教育を修了した者のうちから,酸素欠乏危険作業主任者を選任した。
酸素欠乏危険作業主任者は技能講習修了者から選任する必要があり、現場限りの特別教育では代替できない点に注意する。
No.69
施工管理法建設工事現場における安全管理に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.機械間又はこれと他の設備との間に設ける通路を,幅80cmとした。
- 2.屋内に設ける通路は,つまずき,すべり,踏抜き等の危険のない状態を保持した。
- 3.屋内に設ける通路には,通路面から高さ1.5m以内に障害物がないようにした。
- 4.作業場に通ずる場所及び作業場内には安全な通路を設け,通路で主要なものには,通路であることを示す表示をした。
正解:3
解説
考え方
労働安全衛生法(労働安全衛生規則)上の通路に関する安全管理基準の妥当性を問う問題です。
屋内に設ける通路については、通路面から高さ1.8m以内に障害物を置かないようにすることが定められています。「高さ1.5m以内に障害物がないようにした」という記述は、法定の基準値(1.8m)に対して不足しており、頭上の障害物によって作業者が接触する危険を防止するには不十分であり誤りです。
他の記述は妥当です。機械間等の通路幅を80cm以上とすること、屋内通路をつまずき・滑り・踏み抜き等の危険のない状態に保持すること、作業場に通ずる安全な通路を設け主要な通路に表示をすることは、いずれも法令上正しい内容です。
答え:3 屋内に設ける通路には,通路面から高さ1.5m以内に障害物がないようにした。
屋内通路の上方障害物規制は「高さ1.8m以内」が基準であり、1.5mという数値との混同に注意する。
No.70
施工管理法墜落等による危険を防止するために,事業者が講ずべき措置に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.脚立は,脚と水平面との角度が75度のものを使用した。
- 2.昇降用の移動はしごは,幅が30cmのものを使用した。
- 3.踏み抜きの危険のある屋根上には,幅が20cmの歩み板を設けた。
- 4.作業場所の高さが2mなので,作業床を設けた。
正解:3
解説
考え方
墜落等による危険防止のために事業者が講ずべき措置の妥当性を問う問題です。
踏み抜きの危険のある屋根上での作業においては、幅30cm以上の歩み板を設けることが労働安全衛生規則で定められています。「幅が20cmの歩み板を設けた」という記述は、法定の幅(30cm以上)に対して不足しており誤りです。
他の記述は妥当です。脚立の脚と水平面との角度を75度以下のものを使用すること、昇降用の移動はしごの幅を30cm以上のものを使用すること、作業場所の高さが2m以上の場合に作業床を設けることは、いずれも法令上正しい内容です。
答え:3 踏み抜きの危険のある屋根上には,幅が20cmの歩み板を設けた。
屋根上の歩み板は幅30cm以上を確保する必要があり、20cmでは法定基準を満たさない点を押さえる。
No.71
施工管理法屋内に設置するディーゼル機関を用いた自家発電設備の施工に関する記述として,「消防法」上,不適当なものはどれか。ただし,自家発電設備はキュービクル式以外のものとする。
- 1.自家発電装置に組み込まない操作盤の前面には,幅1mの空地を確保した。
- 2.自家発電装置の周囲には,幅0.6mの空地を確保した。
- 3.予熱する方式の原動機なので,原動機と燃料小出漕の間隔を2mとした。
- 4.燃料小出漕の通気管の先端は,屋外に突き出して建築物の開口部から0.8m離した。
正解:4
解説
考え方
消防法上の屋内設置ディーゼル自家発電設備(キュービクル式以外)の施工基準に関する妥当性を問う問題です。
燃料小出槽の通気管の先端は、屋外に突き出すとともに、建築物の開口部から1m以上離すことが定められています。「開口部から0.8m離した」という記述は、法定の離隔距離(1m以上)に対して不足しており誤りです。
他の記述は妥当です。自家発電装置に組み込まない操作盤前面の空地を幅1m確保すること、自家発電装置周囲に幅0.6mの空地を確保すること、予熱方式の原動機で原動機と燃料小出槽の間隔を2m確保することは、いずれも基準に適合する内容です。
答え:4 燃料小出漕の通気管の先端は,屋外に突き出して建築物の開口部から0.8m離した。
燃料小出槽の通気管先端は建築物の開口部から1m以上離す必要があり、0.8mでは基準を満たさない点に注意する。
No.72
施工管理法屋内に設置するキュービクル式高圧受電設備に関する記述として,「高圧受電設備規程」上,誤っているものはどれか。ただし,主遮断装置は定格遮断電流12.5kAの遮断器とする。
- 1.点検を行う面の保有距離を0.6mとした。
- 2.高圧母線には,14mm²の高圧機器内配線用電線(KIP)を使用した。
- 3.容量50kvarの高圧進相コンデンサの開閉装置として,高圧真空電磁接触器を使用した。
- 4.容量300kV・Aの変圧器の一次側の開閉装置として,高圧カットアウト(PC)を使用した。
正解:2
解説
考え方
高圧受電設備規程上のキュービクル式高圧受電設備に関する施工基準の妥当性を問う問題です。
高圧母線には、機械的強度や許容電流の観点から、一般に断面積14mm²のKIP(高圧機器内配線用電線)ではなく、より大きい断面積(一般に22mm²以上)のものを使用することが求められます。「14mm²のKIPを使用した」という記述は、高圧母線に必要な断面積を満たさず誤りです。
他の記述は妥当です。点検を行う面の保有距離を0.6m確保すること、容量50kvarの高圧進相コンデンサの開閉装置に高圧真空電磁接触器を使用すること、容量300kV・Aの変圧器一次側の開閉装置に高圧カットアウト(PC)を使用することは、いずれも規程に適合する内容です。
答え:2 高圧母線には,14mm²の高圧機器内配線用電線(KIP)を使用した。
高圧母線には母線としての許容電流・機械的強度を満たす断面積(14mm²では不足)のKIPを選定する必要がある点を押さえる。
No.73
施工管理法架空送電線路の工事におけるワイヤロープ等の使用方法に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.延線用ワイヤロープのよりは,電線のより方向と反対方向のものを使用した。
- 2.割ワイヤロープの強度は,延線用ワイヤロープよりも大きいものを使用した。
- 3.緊線用ワイヤロープは,細径かつ高強度であり,自転トルクが小さいものを使用した。
- 4.繊維ロープは,比較的荷重の小さいパイロットロープ延線に使用した。
正解:1
解説
考え方
架空送電線路の延線工事におけるワイヤロープ等の使用方法の妥当性を問う問題です。
延線用ワイヤロープは、電線を延線する際にワイヤロープ自体が回転(自転)してよれが生じるのを防ぐため、電線のより方向と「同じ」方向のより(またはより戻しの効果を考慮した適切な構成)を用いるのが一般的であり、単純に「反対方向のもの」を使用するという記述は、延線時のねじれ防止の考え方として不適当です。
他の記述は妥当です。割ワイヤロープの強度を延線用ワイヤロープより大きくすること、緊線用ワイヤロープに細径・高強度で自転トルクの小さいものを使用すること、繊維ロープを比較的荷重の小さいパイロットロープ延線に使用することは、いずれも施工上適切な内容です。
答え:1 延線用ワイヤロープのよりは,電線のより方向と反対方向のものを使用した。
延線用ワイヤロープは電線のねじれ・自転を防ぐための構成が重要であり、より方向の選定を電線と単純に逆にするだけでは不適当となる点に注意する。
No.74
施工管理法金属線ぴ配線の記述として,「内線規程」上,不適当なものはどれか。
- 1.金属線ぴの終端部は閉そくした。
- 2.二種金属製線ぴに収める電線の断面積の総和は,線ぴの内断面積の20%とした。
- 3.雨線内に二種金属製線ぴを施設した。
- 4.一種金属製線ぴに収める電線本数を10本とした。
正解:3
解説
考え方
内線規程上の金属線ぴ配線に関する施工基準の妥当性を問う問題です。
二種金属製線ぴは、屋内の乾燥した場所での使用を前提とした配線材料であり、雨線内(雨がかかるおそれのある屋外的な場所)に施設することは想定されておらず不適当です。「雨線内に二種金属製線ぴを施設した」という記述は、使用場所の条件に反しており誤りです。
他の記述は妥当です。金属線ぴの終端部を閉そくすること、二種金属製線ぴに収める電線の断面積の総和を線ぴ内断面積の20%以下とすること、一種金属製線ぴに収める電線本数を10本とすることは、いずれも規程に適合する内容です。
答え:3 雨線内に二種金属製線ぴを施設した。
金属線ぴは屋内の乾燥した場所での使用が前提であり、雨のかかる場所には適さない点を押さえる。
No.75
施工管理法屋内のケーブルラックにケーブルを敷設する工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.トレー形ケーブルラックの水平部分に敷設した配線の固定を省略した。
- 2.配線本数とケーブル相互の間隔により,ケーブルの許容電流値を補正した。
- 3.ケーブルは整然と並べ,水平部分では3mの間隔で支持固定した。
- 4.高圧ケーブルの屈曲部の内側半径は,ケーブル仕上り外径の6倍とした。
正解:4
解説
考え方
屋内のケーブルラックにケーブルを敷設する工事に関する妥当性を問う問題です。
高圧ケーブルを屈曲させる場合、ケーブルの絶縁体・シースを損傷しないよう、屈曲部の内側半径をケーブル仕上り外径の一定倍数(一般に8倍)以上確保する必要があります。「内側半径をケーブル仕上り外径の6倍とした」という記述は、必要とされる最小曲げ半径に対して不足しており不適当です。
他の記述は妥当です。トレー形ケーブルラックの水平部分では配線の固定を省略できること、配線本数とケーブル相互の間隔に応じて許容電流値を補正すること、ケーブルを整然と並べ水平部分では3m程度の間隔で支持固定することは、いずれも適切な施工方法です。
答え:4 高圧ケーブルの屈曲部の内側半径は,ケーブル仕上り外径の6倍とした。
高圧ケーブルの最小曲げ半径はケーブル外径の8倍程度が目安であり、6倍では不足する点に注意する。
No.76
施工管理法防災設備の電源に関する記述として,不適当なものはどれか。
- 1.不特定多数の者が出入りする場所の露出したケーブルラックに敷設する消防用非常電源として,高難燃ノンハロゲン耐火ケーブルを使用した。
- 2.電源別置形の非常照明用分電盤に主遮断器を設けず,停電時に切り替わる装置を設置した。
- 3.電池内蔵形の非常用照明器具の配線にビニルケーブル(VVF)を使用した。
- 4.屋内消火栓設備の非常電源回路に,漏電遮断器を設置した。
正解:4
解説
考え方
防災設備の電源に関する施工の妥当性を問う問題です。
屋内消火栓設備などの消防用設備の非常電源回路は、火災時にも確実に電源を供給し続ける必要があるため、地絡等による感電保護よりも設備の継続動作を優先し、漏電遮断器を設置してはならない(あるいは動作させてはならない)とされています。「非常電源回路に,漏電遮断器を設置した」という記述は、火災時の電源確保を妨げるおそれがあり不適当です。
他の記述は妥当です。不特定多数が出入りする場所の露出ケーブルラックに高難燃ノンハロゲン耐火ケーブルを使用すること、電源別置形の非常照明用分電盤に主遮断器を設けず停電時切替装置を設置すること、電池内蔵形の非常用照明器具の配線にVVFを使用することは、いずれも適切な内容です。
答え:4 屋内消火栓設備の非常電源回路に,漏電遮断器を設置した。
消防用設備の非常電源回路は火災時の電源継続を最優先するため、漏電遮断器の設置は避けるべきという原則を押さえる。
No.77
施工管理法新幹線鉄道における架空単線式の電車線に関する記述として,「鉄道に関する技術上の基準を定める省令及び同省令等の解釈基準」上,不適当なものはどれか。
- 1.本線の電車線は,公称断面積110mm²の溝付硬銅線とした。
- 2.本線の電車線に自動張力調整装置を設けた。
- 3.電車線の高さは,レール面上5mを標準とした。
- 4.電車線の偏いは,レール面に垂直に軌道中心面から350mmとした。
正解:4
解説
考え方
新幹線鉄道における架空単線式電車線の施工基準の妥当性を問う問題です。
電車線の偏い(パンタグラフとの接触位置を分散させるため、電車線を軌道中心面から左右にずらして張る量)は、レール面に垂直な方向ではなく、軌道中心面に対して左右(水平方向)にずらして設ける量として規定されています。「レール面に垂直に軌道中心面から350mmとした」という記述は、偏いを設ける方向の理解として不適当です。
他の記述は妥当です。本線の電車線に公称断面積110mm²の溝付硬銅線を使用すること、電車線に自動張力調整装置を設けること、電車線の高さをレール面上5mを標準とすることは、いずれも新幹線電車線の基準に適合する内容です。
答え:4 電車線の偏いは,レール面に垂直に軌道中心面から350mmとした。
電車線の偏いはパンタグラフの摩耗を分散させるための水平方向のずれであり、レール面に垂直な方向の量ではない点に注意する。
No.78
施工管理法光ファイバケーブルの施工に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.塩害区域の橋梁区間は,耐塩害性に優れ,温度伸縮が少ない繊維強化プラスチック管(FRP管)に敷設した。
- 2.マンホールでの光ファイバ心線相互の接続は,圧着接続工法を行いクロージャに収容した。
- 3.ノンメタリックケーブルを使用したので,電力ケーブルと並行して敷設した。
- 4.メタリックケーブルを使用したので,鋼線のテンションメンバとアルミテープを成端箱で接地を施した。
正解:2
解説
考え方
光ファイバケーブルの施工に関する妥当性を問う問題です。
マンホール内での光ファイバ心線相互の接続には、伝送損失を極力小さく抑える必要があるため、一般に融着接続工法が用いられます。圧着接続(コネクタ接続等の機械的な接続)は、融着接続に比べて接続損失が大きくなりやすく、恒久的なマンホール内接続の方法としては適していません。「圧着接続工法を行いクロージャに収容した」という記述は、接続方法の選定として不適当です。
他の記述は妥当です。塩害区域の橋梁区間に耐塩害性・低温度伸縮のFRP管を使用すること、ノンメタリックケーブルを電力ケーブルと並行して敷設すること(電磁誘導の影響を受けにくいため)、メタリックケーブルの鋼線テンションメンバとアルミテープを成端箱で接地することは、いずれも適切な施工方法です。
答え:2 マンホールでの光ファイバ心線相互の接続は,圧着接続工法を行いクロージャに収容した。
光ファイバの心線接続は伝送損失を抑えるため融着接続が基本であり、圧着接続はその代替として適さない点を押さえる。
No.79
施工管理法需要場所に施設する高圧地中電線路の管路工事に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
- 1.防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP)の接続に,異物継手を使用した。
- 2.軟弱地盤の管路に,硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した。
- 3.金属製管路材と大地との間の電気抵抗が100Ω以下であったので,接地工事を省略した。
- 4.地中箱内で中間接続を行ったので,ケーブルを地中箱の壁に固定した。
正解:2
解説
考え方
高圧地中電線路の管路工事に関する妥当性を問う問題です。
軟弱地盤では、地盤の不同沈下や変位により管路に応力が加わりやすいため、たわみ性や耐衝撃性に配慮した管を使用する必要があります。硬質塩化ビニル電線管(VE管)は硬質で可とう性に乏しく、軟弱地盤での地盤変位に追従しにくいため、地盤変位への対応力に優れた波付硬質合成樹脂管(FEP)などを使用するのが望ましく、「軟弱地盤の管路にVE管を使用した」という記述は不適当です。
他の記述は妥当です。防水鋳鉄管とFEP管の接続に異種継手を使用すること、金属製管路材と大地間の電気抵抗が100Ω以下の場合に接地工事を省略できること、地中箱内で中間接続を行った際にケーブルを地中箱の壁に固定することは、いずれも適切な内容です。
答え:2 軟弱地盤の管路に,硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した。
軟弱地盤では地盤変位に追従できる可とう性のある管(FEP管等)を使用し、硬質で可とう性に乏しいVE管は避けるべきと理解する。
No.80
法規建設業の許可に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.建設業の許可は,3年ごとにその更新を受けなければ,その期間の経過によって,その効力を失う。
- 2.建設業者は,許可を受けてから1年以内に営業を開始せず,又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は,当該許可を取り消される。
- 3.建設業者は,許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては,当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
- 4.電気工事業に係る一般建設業の許可を受けた者が,電気工事業に係る特定建設業の許可を受けたときは,その一般建設業の許可は効力を失う。
正解:1
解説
考え方
建設業法上の建設業許可制度に関する妥当性を問う問題です。
建設業の許可の有効期間は5年であり、5年ごとにその更新を受けなければ期間経過により効力を失うと定められています。「3年ごとにその更新を受けなければ」という記述は、有効期間の年数を誤っており不適当です。
他の記述は妥当です。許可取得後1年以内に営業を開始せず、または引き続き1年以上営業を休止した場合に許可が取り消されること、許可を受けた建設業に付帯する他の建設業の工事を請け負えること、電気工事業の一般建設業許可を受けた者が特定建設業許可を受けたときに一般建設業の許可が効力を失うことは、いずれも建設業法上正しい内容です。
答え:1 建設業の許可は,3年ごとにその更新を受けなければ,その期間の経過によって,その効力を失う。
建設業許可の有効期間は5年であり、3年という数値との混同に注意する。
No.81
法規建設工事の請負契約に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.建設工事の元請負人は,その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の作業方法を定めるときは,下請負人の意見を聞かなければならない。
- 2.注文者は,自己の取引上の地位を不当に利用して,原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
- 3.請負人は,請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合,注文者の承諾を得なければならない。
- 4.建設業者は,その請け負った建設工事を,いかなる方法をもってするかを問わず,一括して他人に請け負わせてはならない。
正解:3
解説
考え方
建設業法上の請負契約に関するルールの妥当性を問う問題です。
請負人が工事現場に現場代理人を置く場合、建設業法上は注文者への通知は求められますが、注文者の「承諾」を得る必要はありません。現場代理人の選任・配置は請負人(受注者)の裁量に属する事項であり、「注文者の承諾を得なければならない」という記述は誤りです。
他の記述は妥当です。元請負人が施工方法等を定める際に下請負人の意見を聞かなければならないこと、注文者が取引上の地位を不当に利用して原価に満たない請負代金を強いてはならないこと、一括下請(丸投げ)を禁止することは、いずれも建設業法上正しい内容です。
答え:3 請負人は,請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合,注文者の承諾を得なければならない。
現場代理人の設置は請負人の裁量事項であり、注文者への通知は必要でも承諾までは不要である点を押さえる。
No.82
法規施工体制台帳に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.下請負人は,その請け負った建設工事を他の建設業を営む者に請け負わせたときは,施工体制台帳を作成する特定建設業者に対して,当該他の建設業を営む者の商号又は名称などの定められた事項を通知しなければならない。
- 2.施工体制台帳には,施工体制台帳を作成する特定建設業者に関する事項として,許可を受けて営む建設業の種類の他に,健康保険等の加入状況を記載しなければならない。
- 3.施工体制台帳は,営業所に備え置き,発注者から請求があったときは閲覧に供しなければならない。
- 4.施工体制台帳には,請け負った建設工事に従事する「外国人建設就労者」の従事の状況を記載しなければならない。
正解:3
解説
考え方
建設業法上の施工体制台帳に関する規制内容の妥当性を問う問題です。
施工体制台帳は、作成した特定建設業者の「工事現場」ごとに備え置くこととされており、営業所への備え置きではありません。また閲覧は発注者の請求があったときに供するものとされています。「営業所に備え置き」という部分が、法定の備え置き場所(工事現場)と異なっており誤りです。
他の記述は妥当です。再下請負人が他の建設業を営む者に請け負わせた場合に特定建設業者へ通知しなければならないこと、施工体制台帳に健康保険等の加入状況を記載しなければならないこと、外国人建設就労者の従事状況を記載しなければならないことは、いずれも建設業法上正しい内容です。
答え:3 施工体制台帳は,営業所に備え置き,発注者から請求があったときは閲覧に供しなければならない。
施工体制台帳は営業所ではなく工事現場に備え置くものであるという点を正確に押さえる。
No.83
法規電気工作物に関する記述として,「電気事業法」上,誤っているものはどれか。
- 1.工事計画の届出を必要とする自家用電気工作物を新たに設置する者は,保安規程を工事完了後,遅滞なく届け出なければならない。
- 2.保安規程には,災害その他非常の場合に採るべき措置に関することを定めなければならない。
- 3.発電のために設置するダム,水路及び貯水池は電気工作物である。
- 4.自家用電気工作物を設置する者は,死亡又は入院を要する感電事故の発生を知った時から,24時間以内可能な限り速やかに管轄する産業保安監督部長に概要について報告するとともに,30日以内に報告書を提出しなければならない。
正解:1
解説
考え方
電気事業法上の電気工作物に関する規制内容の妥当性を問う問題です。
工事計画の届出を必要とする自家用電気工作物を新たに設置する者は、保安規程を「工事開始前」に届け出なければならないとされています。「工事完了後,遅滞なく届け出なければならない」という記述は、届出の時期を誤っており不適当です。保安規程は保安を確保するためのルールであり、工事開始前に定めて届け出ておく必要があります。
他の記述は妥当です。保安規程に災害等非常時に採るべき措置を定めなければならないこと、発電用のダム・水路・貯水池が電気工作物に含まれること、死亡・入院を要する感電事故発生時に24時間以内の速報と30日以内の報告書提出が必要であることは、いずれも電気事業法上正しい内容です。
答え:1 工事計画の届出を必要とする自家用電気工作物を新たに設置する者は,保安規程を工事完了後,遅滞なく届け出なければならない。
保安規程の届出は工事開始前に行う必要があり、工事完了後では遅すぎる点に注意する。
No.84
法規次の電気用品のうち,「電気用品安全法」上,特定電気用品に該当しないものはどれか。ただし,機械器具に組み込まれる特殊な構造のもの及び防爆型のものは除く。
- 1.定格電圧AC250V 32W1灯用の蛍光灯用安定器
- 2.定格電圧AC125V 定格電流20Aのライティングダクト
- 3.定格電圧AC250V 定格電流50Aの漏電遮断器
- 4.定格電圧AC100Vの携帯発電機
正解:2
解説
考え方
電気用品安全法上の特定電気用品に該当するかどうかを問う問題です。特定電気用品は、構造や使用方法から特に危険性・障害の発生するおそれが大きいものとして政令で個別に指定されています。
ライティングダクトは電気用品として指定されていますが、特定電気用品ではなく「特定電気用品以外の電気用品」に区分されています。したがって定格電圧AC125V・定格電流20Aのライティングダクトは特定電気用品には該当しません。
他の選択肢は特定電気用品に該当します。定格電圧AC250V・32W1灯用の蛍光灯用安定器、定格電圧AC250V・定格電流50Aの漏電遮断器、定格電圧AC100Vの携帯発電機は、いずれも政令で特定電気用品として指定されている品目です。
答え:2 定格電圧AC125V 定格電流20Aのライティングダクト
ライティングダクトは特定電気用品ではなく、特定電気用品以外の電気用品に分類される点を押さえておく。
No.85
法規電気工事士等に関する記述として,「電気工事士法」上,誤っているものはどれか。ただし,保安上支障がないと認められる作業であって省令で定める軽微なものを除く。
- 1.第一種電気工事士は,自家用電気工作物に係る電気工事のうち特殊電気工事を除く作業に従事できる。
- 2.特種電気工事資格者認定証及び認定電気工事従事者認定証は,経済産業大臣が交付する。
- 3.認定電気工事従事者は,電圧600V以下で使用するすべての自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事できる。
- 4.特殊電気工事の種類には,ネオン工事と非常用予備発電装置工事がある。
正解:3
解説
考え方
電気工事士法上の電気工事士等の資格と作業範囲に関する妥当性を問う問題です。
認定電気工事従事者は、電圧600V以下で使用する自家用電気工作物のうち「簡易電気工事」(電圧600V以下の需要設備の電気工事のうち一定範囲のもの)に限り従事できる資格であり、「すべての自家用電気工作物に係る電気工事」に従事できるわけではありません。「すべての」という部分が誤りです。
他の記述は妥当です。第一種電気工事士が自家用電気工作物に係る電気工事のうち特殊電気工事を除く作業に従事できること、特種電気工事資格者認定証・認定電気工事従事者認定証を経済産業大臣が交付すること、特殊電気工事にネオン工事と非常用予備発電装置工事があることは、いずれも電気工事士法上正しい内容です。
答え:3 認定電気工事従事者は,電圧600V以下で使用するすべての自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事できる。
認定電気工事従事者の作業範囲は「簡易電気工事」に限定されており、600V以下のすべての自家用電気工事に及ぶわけではない点に注意する。
No.86
法規次の記述のうち,「建築基準法」上,定められていないものはどれか。
- 1.建築とは,建築物を新築し,増築し,改築し,又は移転することをいう。
- 2.避難階とは,直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。
- 3.建築設備の一種以上について行う過半の修繕は,大規模の修繕である。
- 4.建築物の電気設備は,電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関するものの定める工法によって設けなければならない。
正解:3
解説
考え方
建築基準法に定められた用語の定義の妥当性を問う問題です。
「大規模の修繕」とは、建築物の主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段など)の一種以上について行う過半の修繕をいうと定義されています。設問の「建築設備の一種以上について行う過半の修繕」という記述は、対象を建築設備としており、主要構造部を対象とする大規模の修繕の定義とは異なるため、建築基準法上定められていない内容です。
他の記述は妥当です。建築とは建築物の新築・増築・改築・移転をいうこと、避難階とは直接地上へ通ずる出入口のある階をいうこと、建築物の電気設備は電気工作物に係る建築物の安全及び防火に関する政令等の定める工法によって設けなければならないことは、いずれも建築基準法上正しい内容です。
答え:3 建築設備の一種以上について行う過半の修繕は,大規模の修繕である。
大規模の修繕は建築設備ではなく主要構造部を対象とする定義であることを押さえる。
No.87
法規次の記述のうち「建築士法」上,誤っているものはどれか。ただし,建築物には応急仮設建築物は含まないものとする。
- 1.建築物を新築する場合において,延べ面積が1000m²を超え,かつ,階数が2以上の建築物は,一級建築士でなければ設計してはならない。
- 2.延べ面積が2000m²を超える建築物の建築設備に係る設計をする場合に,建築士は,建築設備士の意見を聴くよう努めなければならない。ただし,設備設計一級建築士が設計する場合は除く。
- 3.建築設備士とは,建築設備に関する知識及び技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者をいう。
- 4.二級建築士になろうとする者は,国土交通大臣の行う二級建築士試験に合格し,都道府県知事の免許を受けなければならない。
正解:4
解説
考え方
建築士法上の建築士資格に関する制度の妥当性を問う問題です。
二級建築士になろうとする者は、都道府県知事の行う二級建築士試験に合格し、都道府県知事の免許を受けなければならないとされています。「国土交通大臣の行う二級建築士試験」という記述は誤りで、二級建築士試験は都道府県知事が行う試験です(一級建築士試験は国土交通大臣が行います)。
他の記述は妥当です。延べ面積1000m²超かつ階数2以上の建築物の新築は一級建築士でなければ設計できないこと、延べ面積2000m²超の建築設備設計で建築士が建築設備士の意見を聴くよう努めること(設備設計一級建築士が設計する場合を除く)、建築設備士が建築設備に関する知識・技能につき国土交通大臣が定める資格を有する者であることは、いずれも建築士法上正しい内容です。
答え:4 二級建築士になろうとする者は,国土交通大臣の行う二級建築士試験に合格し,都道府県知事の免許を受けなければならない。
一級建築士試験は国土交通大臣、二級建築士試験は都道府県知事が行うという主体の違いを正確に区別する。
No.88
法規次の記述のうち「消防法」上,誤っているものはどれか。
- 1.防火対象物とは,山林又は舟車,船きょ若しくはふ頭に繋留された船舶,建築物その他の工作物若しくはこれらに属する物をいう。
- 2.危険物の取扱所を設置しようとする者は,その区分に応じて市町村長,都道府県知事又は総務大臣の許可を受けなければならない。
- 3.乙種第7類の消防設備士は,電源の部分を除く,漏電火災警報器の工事及び整備を行うことができる。
- 4.統括防火管理者は,当該防火対象物全体の消防計画を作成し,消火,通報,及び避難の訓練を実施しなければならない。
正解:3
解説
考え方
消防法上の消防設備士の資格区分と業務範囲に関する妥当性を問う問題です。
乙種第7類の消防設備士は「漏電火災警報器」の整備を行うことができますが、その業務範囲は整備に限られ、工事は含まれません(乙種消防設備士は整備のみを行う資格です)。「工事及び整備を行うことができる」という記述は、乙種資格者が行える業務範囲を超えており誤りです。
他の記述は妥当です。防火対象物の定義に山林や舟車、船きょ・ふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物等が含まれること、危険物取扱所の設置に区分に応じた市町村長・都道府県知事・総務大臣の許可が必要なこと、統括防火管理者が防火対象物全体の消防計画を作成し訓練を実施しなければならないことは、いずれも消防法上正しい内容です。
答え:3 乙種第7類の消防設備士は,電源の部分を除く,漏電火災警報器の工事及び整備を行うことができる。
乙種消防設備士が行えるのは整備のみであり、工事は含まれない点を正確に区別する。
No.89
法規建設業における安全衛生管理体制に関する記述として,「労働安全衛生法」上,誤っているものはどれか。
- 1.総括安全衛生管理者を選任したときは,遅滞なく,報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
- 2.安全衛生責任者を選任した請負人は,同一の場所において作業を行う統括安全衛生責任者を選任すべき事業者に対し,遅滞なく,その旨を通報しなければならない。
- 3.衛生管理者を選任した事業者は,その者に労働者の健康障害を防止するための措置のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
- 4.都道府県労働局長は,労働災害を防止するため必要があると認めるときは,事業者に対し,安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。
正解:4
解説
考え方
労働安全衛生法上の安全衛生管理体制に関する妥当性を問う問題です。
安全管理者の増員や解任を命ずることができるのは「都道府県労働局長」ではなく「厚生労働大臣」とされています(労働災害防止上必要と認めるときに事業者へ命令できる主体は厚生労働大臣です)。「都道府県労働局長は…命ずることができる」という記述は、命令権者を誤っており不適当です。
他の記述は妥当です。総括安全衛生管理者を選任したときに遅滞なく報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないこと、安全衛生責任者を選任した請負人が統括安全衛生責任者を選任すべき事業者へ遅滞なく通報しなければならないこと、衛生管理者に労働者の健康障害防止のための衛生に係る技術的事項を管理させなければならないことは、いずれも法令上正しい内容です。
答え:4 都道府県労働局長は,労働災害を防止するため必要があると認めるときは,事業者に対し,安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。
安全管理者の増員・解任を命ずる権限を持つのは都道府県労働局長ではなく厚生労働大臣である点を区別して覚える。
No.90
法規常時50人以上の労働者を使用する建設業の事業場において,選任しなければならない者又は設けなければならない委員会として,「労働安全衛生法」上,定められていないものはどれか。
- 1.安全衛生推進者
- 2.産業医
- 3.安全委員会
- 4.衛生委員会
正解:1
解説
考え方
常時50人以上の労働者を使用する建設業の事業場において選任・設置が義務付けられるものに関する妥当性を問う問題です。
安全衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場において選任が義務付けられるものであり、常時50人以上の事業場では、より上位の管理者である安全管理者・衛生管理者・産業医等の選任が義務付けられます。したがって「常時50人以上の事業場」において選任義務があるものとしては、安全衛生推進者は該当しません。
他の選択肢は妥当です。産業医、安全委員会、衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場(建設業)において選任・設置が義務付けられているものです。
答え:1 安全衛生推進者
安全衛生推進者は10人以上50人未満の小規模事業場向けの制度であり、50人以上の事業場では安全管理者・衛生管理者等が必要になる点を区別する。
No.91
法規建設業における使用者に関する記述として,「労働基準法」上,誤っているものはどれか。
- 1.使用者とは,事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について,事業主のために行為をするすべての者をいう。
- 2.使用者は,労働時間が8時間を超える場合においては,少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
- 3.使用者は,労働者に与えた休憩時間を自由に利用させなければならない。
- 4.使用者は,労働契約の不履行について違約金を定めることができる。
正解:4
解説
考え方
労働基準法上の使用者に関する規制内容の妥当性を問う問題です。
労働基準法では、使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定められています。「違約金を定めることができる」という記述は、この禁止規定に反しており誤りです。
他の記述は妥当です。使用者の定義(事業主・事業の経営担当者その他労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者)、労働時間が8時間を超える場合に少なくとも1時間の休憩を与えなければならないこと、休憩時間を労働者に自由に利用させなければならないことは、いずれも労働基準法上正しい内容です。
答え:4 使用者は,労働契約の不履行について違約金を定めることができる。
労働基準法は違約金・損害賠償額の予定を禁止しており、使用者がこれを定めることはできない点を押さえる。
No.92
法規ディーゼル機関の燃料の燃焼能力に関し,ばい煙発生施設に該当するものとして,「大気汚染防止法」上,定められているものはどれか。
- 1.軽油換算1時間当たり35リットル以上
- 2.軽油換算1時間当たり50リットル以上
- 3.重油換算1時間当たり35リットル以上
- 4.重油換算1時間当たり50リットル以上
正解:4
解説
考え方
大気汚染防止法上、ディーゼル機関の燃料の燃焼能力に関し、ばい煙発生施設に該当する基準の妥当性を問う問題です。
大気汚染防止法施行令上、ディーゼル機関はその燃料の燃焼能力が重油換算1時間当たり50リットル以上のものがばい煙発生施設として定められています。軽油換算での基準や、35リットルという数値は、この法定基準とは異なります。
答え:4 重油換算1時間当たり50リットル以上
ディーゼル機関のばい煙発生施設該当基準は「重油換算1時間当たり50リットル以上」であるという具体的な数値を正確に覚える。
掲載している試験問題は、一般財団法人 建設業振興基金が公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。