令和8年度下期 第一種電気工事士 学科試験の問題と解説【全50問】

全問題を正答・解説付きで掲載しています。

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問1

電気に関する基礎理論

静電容量5 μFのコンデンサに10 Vの直流電圧が加えられている。このコンデンサに蓄えられる静電エネルギー[J]は。

  • イ.7.5×10⁻⁴
  • ロ.5×10⁻⁸
  • ハ.2.5×10⁻⁴
  • ニ.1.25×10⁻⁴

正解:ハ

解説

公式にあてはめる

コンデンサに蓄えられるエネルギー WW は,静電容量 CC と電圧 VV から次の式で求めます。

W=12CV2W = \frac{1}{2}CV^2

C=5 μF=5×10−6C = 5\ \mu\text{F} = 5\times10^{-6} F,V=10V = 10 V なので

W=12×5×10−6×102=2.5×10−4 JW = \frac{1}{2}\times 5\times10^{-6}\times 10^2 = 2.5\times10^{-4}\ \text{J}

答え:ハ 2.5×10⁻⁴

12\frac{1}{2} を付け忘れると 5×10−45\times10^{-4} J となってしまいます。エネルギーは電圧の 2乗 に比例し,式に 12\frac{1}{2} が付くことを押さえましょう。ロ(5×10⁻⁸)は μ\mu(10−610^{-6})の換算を間違えたときの値です。

問2

電気に関する基礎理論

図のような直流回路において,a-b 間の電圧[V]は。

問2の図
  • イ.2
  • ロ.3
  • ハ.4
  • ニ.5

正解:ロ

解説

全体の電流を求める

右側は「上の枝」と「下の枝」の並列です。

  • 上の枝:2+8=10 Ω2+8=10\ \Omega
  • 下の枝:5+5=10 Ω5+5=10\ \Omega

並列の合成抵抗は 10×1010+10=5 Ω\dfrac{10\times10}{10+10}=5\ \Omega です。電源側の 5 Ω5\ \Omega を足した全体の抵抗は 10 Ω10\ \Omega なので,電源から流れる電流は

I=2010=2 AI=\frac{20}{10}=2\ \text{A}

a点とb点の電位を比べる

並列部分の電圧は 2×5=102\times5=10 V。上下の枝には同じ電圧がかかり,それぞれ 11 A ずつ流れます。

  • a点:左端から見て 2 Ω を通った後なので 2×1=22\times1=2 V 下がった点(右端基準では 10−2=810-2=8 V)
  • b点:左端から見て 5 Ω を通った後なので 5×1=55\times1=5 V 下がった点(右端基準では 10−5=510-5=5 V)

Vab=8−5=3 VV_{ab}=8-5=3\ \text{V}

答え:ロ 3

a点・b点は枝の途中の点なので,それぞれの枝の抵抗に流れる電流(1 A)で電圧降下を求め,同じ基準(右端の0 V)で電位を比べます。上の枝で 2 Ω2\ \Omega の側,下の枝で 5 Ω5\ \Omega の側を通った後の点であることを読み違えないようにしましょう。

問3

電気に関する基礎理論

図のような交流回路において,電源電圧は200 V,抵抗は20 Ω,リアクタンスはX [Ω],回路電流は20 Aである。この回路の力率[%]は。

問3の図
  • イ.50
  • ロ.60
  • ハ.80
  • ニ.100

正解:イ

解説

並列回路は電流で考える

抵抗 20 Ω20\ \Omega に流れる電流は

IR=20020=10 AI_R=\frac{200}{20}=10\ \text{A}

回路全体の電流は 2020 A です。力率は「全電流のうち,抵抗(有効分)に流れる電流の割合」なので

cos⁡θ=IRI=1020=0.5=50 %\cos\theta=\frac{I_R}{I}=\frac{10}{20}=0.5=50\ \%

答え:イ 50

参考として,コイル側の電流は IL=202−102≈17.3I_L=\sqrt{20^2-10^2}\approx17.3 A で,抵抗の電流と90°ずれています(ピタゴラスの定理)。XX が分からなくても,抵抗の電流と全電流が分かれば力率が決まります。並列回路では R/ZR/Z ではなく IR/II_R/I で求める点に注意しましょう。

問4

電気に関する基礎理論

図のような交流回路において,10 Ωの抵抗の消費電力[W]は。 ただし,ダイオードの電圧降下や電力損失は無視する。

問4の図
  • イ.100
  • ロ.200
  • ハ.500
  • ニ.1 000

正解:ハ

解説

半波整流とは

ダイオードは一方向にしか電流を流さないので,交流の半周期(プラス側)だけが抵抗に加わります。マイナス側の半周期は電流が流れません。

消費電力の求め方

ダイオードがなく全周期で電流が流れるとすると,消費電力は

P=V2R=100210=1 000 WP=\frac{V^2}{R}=\frac{100^2}{10}=1\,000\ \text{W}

半周期しか流れない半波整流では,消費電力はちょうど半分になります。

P=1 0002=500 WP=\frac{1\,000}{2}=500\ \text{W}

答え:ハ 500

ニ(1 000)はダイオードを無視したときの値,ロ(200)やイ(100)は電圧の平均値などを使ってしまった誤りです。「半波整流=エネルギーが半分」と覚えておくと速く解けます。

問5

電気に関する基礎理論

図のような三相交流回路において,線電流Iの値[A]は。

問5の図
  • イ.5.8
  • ロ.10.0
  • ハ.17.3
  • ニ.20.0

正解:ハ

解説

1相分のインピーダンスを求める

どの辺も抵抗 12 Ω12\ \Omega とリアクタンス 16 Ω16\ \Omega の直列で,三相とも同じ負荷(Δ結線)です。

Z=122+162=400=20 ΩZ=\sqrt{12^2+16^2}=\sqrt{400}=20\ \Omega

相電流と線電流

Δ結線では,1相の負荷に線間電圧がそのままかかります。

I相=20020=10 AI_{\text{相}}=\frac{200}{20}=10\ \text{A}

Δ結線の線電流は相電流の 3\sqrt3 倍です。

I=3×10≈17.3 AI=\sqrt3\times10\approx17.3\ \text{A}

答え:ハ 17.3

ロ(10.0)は相電流のままで止めた誤り,イ(5.8)は 10/310/\sqrt3 としてしまった誤り(Y結線の考え方との取り違え)です。Δ結線は「線電流が 3\sqrt3 倍大きい」と覚えましょう。

問6

電気に関する基礎理論

図のような単相3線式配電線路において,負荷Aは負荷電流10 Aで遅れ力率50 %,負荷Bは負荷電流10 Aで力率は100 %である。中性線に流れる電流IN[A]は。 ただし,線路インピーダンスは無視する。

問6の図
  • イ.5
  • ロ.10
  • ハ.20
  • ニ.25

正解:ロ

解説

中性線には「差」の電流が流れる

単相3線式では,中性線に流れる電流 I˙N\dot I_N は上下の負荷電流の ベクトル差 です。

I˙N=I˙A−I˙B\dot I_N=\dot I_A-\dot I_B

ベクトルで考える

  • 負荷B:力率100%なので,電圧 E˙\dot E と同じ向きで 1010 A
  • 負荷A:力率50%(遅れ)なので,位相が 60∘60^\circ 遅れ,大きさは 1010 A

大きさが同じ 1010 A で 60∘60^\circ 開いた2つのベクトルの差を考えます。この差は,2辺が 1010 で挟む角が 60∘60^\circ の二等辺三角形の残りの1辺です。頂角が 60∘60^\circ の二等辺三角形は正三角形になるので,残りの辺も 1010 です。

IN=10 AI_N=10\ \text{A}

答え:ロ 10

計算で確かめると,IA=10(cos⁡60∘−jsin⁡60∘)=5−j8.66I_A=10(\cos60^\circ-j\sin60^\circ)=5-j8.66,IB=10I_B=10 なので

IN=∣(5−j8.66)−10∣=∣−5−j8.66∣=25+75=10 AI_N=|(5-j8.66)-10|=|-5-j8.66|=\sqrt{25+75}=10\ \text{A}

単純に引き算の 00 A や,足し算の 2020 A にならないのは,位相がずれているためです。

問7

配電理論及び配線設計

図のような単相3線式配電線路において,負荷A,負荷Bともに消費電力800 W,力率0.8(遅れ)である。負荷電圧がともに100 Vであるとき,この配電線路の電力損失[W]は。 ただし,配電線路の電線1線当たりの抵抗は0.4 Ωとし,リアクタンスは無視する。

問7の図
  • イ.40
  • ロ.60
  • ハ.80
  • ニ.120

正解:ハ

解説

各負荷の電流

負荷A,Bとも P=VIcos⁡θP=VI\cos\theta より

I=PVcos⁡θ=800100×0.8=10 AI=\frac{P}{V\cos\theta}=\frac{800}{100\times0.8}=10\ \text{A}

中性線の電流はゼロ

AとBは消費電力も力率も同じ(平衡負荷)なので,2つの電流は同じ位相で,上下で打ち消し合います。中性線の電流は 00 A となり,中性線では電力損失が生じません。

損失を求める

電力損失が生じるのは,電圧線2本です。1線あたり I2RI^2R なので

Pℓ=2×I2R=2×102×0.4=80 WP_\ell=2\times I^2R=2\times10^2\times0.4=80\ \text{W}

答え:ハ 80

中性線の分まで3本で計算するとニ(120)になります。「平衡していれば中性線は電流が流れない」という単相3線式の特長がポイントです。

問8

配電理論及び配線設計

線間電圧V[kV]の三相配電系統において,受電点からみた電源側の百分率インピーダンスがZ[%](基準容量:10 MV·A)であった。受電点における三相短絡電流[kA]を示す式は。

  • イ.10√3Z/V
  • ロ.1 000/(VZ)
  • ハ.1 000/(√3VZ)
  • ニ.10Z/V

正解:ハ

解説

百分率インピーダンスと短絡電流

百分率インピーダンス ZZ[%]は,定格電流を流したときの電圧降下の割合です。三相短絡電流 IsI_s は,定格電流 InI_n を使って次のように表せます。

Is=100Z InI_s=\frac{100}{Z}\,I_n

定格電流を求める

基準容量 1010 MV·A,線間電圧 VV[kV]の三相では

In=10×103 [kV⋅A]3 V [A]=103 V [kA]I_n=\frac{10\times10^3\ [\text{kV·A}]}{\sqrt3\,V}\ [\text{A}]=\frac{10}{\sqrt3\,V}\ [\text{kA}]

(1010 MV·A =10 000=10\,000 kV·A を 3V\sqrt3 V[kV]で割ると A,それを kA にすると上の式になります)

短絡電流

Is=100Z×103 V=1 0003 V Z [kA]I_s=\frac{100}{Z}\times\frac{10}{\sqrt3\,V}=\frac{1\,000}{\sqrt3\,V\,Z}\ [\text{kA}]

答え:ハ 1 000/(√3VZ)

ZZ は分母に入る(インピーダンスが大きいほど短絡電流は小さい)こと,VV が大きいほど定格電流が小さくなることから,イ・ニのように ZZ が分子に来る式は選べません。

問9

配電理論及び配線設計

図のように,高圧進相コンデンサ(Y 結線で,1相当たりの静電容量C[F])に,周波数f[Hz]の三相交流電圧V[V]が加わっている。このコンデンサに流入する電流I[A]と,コンデンサの全無効電力(進相容量)Q[var]を示す式の組合せとして,正しいものは。

問9の図
  • イ.I = 2πfCV Q = 2πfCV²/√3
  • ロ.I = 2πfCV/√3 Q = 2πfCV²
  • ハ.I = 2πfCV² Q = 2πfCV/√3
  • ニ.I = 2πfCV²/√3 Q = 2πfCV

正解:ロ

解説

1相分で考える

Y結線では,1相のコンデンサには線間電圧 VV の 13\dfrac{1}{\sqrt3} がかかります(図の V/3V/\sqrt3)。コンデンサのリアクタンスは 12πfC\dfrac{1}{2\pi fC} なので,流れる電流は

I=V/31/(2πfC)=2πfCV3 [A]I=\frac{V/\sqrt3}{1/(2\pi fC)}=\frac{2\pi fCV}{\sqrt3}\ [\text{A}]

Y結線では線電流=相電流なので,これが線に流れ込む電流 II です。

全無効電力

三相の無効電力は Q=3 VIQ=\sqrt3\,VI なので

Q=3 V×2πfCV3=2πfCV2 [var]Q=\sqrt3\,V\times\frac{2\pi fCV}{\sqrt3}=2\pi fCV^2\ [\text{var}]

答え:ロ I = 2πfCV/√3,Q = 2πfCV²

イは II を 3\sqrt3 で割っておらず,ハ・ニは電流 II に V2V^2 や QQ に VV が1つしかない次元の合わない式です。電流は電圧の1乗,無効電力は電圧の2乗に比例する,という見分け方が使えます。

問10

電気応用

6極の三相かご形誘導電動機があり,その一次周波数がインバータで調整できるようになっている。 この電動機が滑り5 %,回転速度1 140 min⁻¹で運転されている場合の一次周波数[Hz]は。

  • イ.30
  • ロ.40
  • ハ.50
  • ニ.60

正解:ニ

解説

すべりと回転速度の関係

同期速度 NsN_s,すべり ss のとき,回転速度 NN は

N=Ns(1−s)N=N_s(1-s)

N=1 140N=1\,140 min⁻¹,s=0.05s=0.05 なので

Ns=1 1401−0.05=1 1400.95=1 200 min−1N_s=\frac{1\,140}{1-0.05}=\frac{1\,140}{0.95}=1\,200\ \text{min}^{-1}

周波数を求める

同期速度は極数 pp と周波数 ff から Ns=120fpN_s=\dfrac{120f}{p} です。p=6p=6 なので

f=Ns p120=1 200×6120=60 Hzf=\frac{N_s\,p}{120}=\frac{1\,200\times6}{120}=60\ \text{Hz}

答え:ニ 60

回転速度 1 1401\,140 をそのまま同期速度として f=1 140×6/120=57f=1\,140\times6/120=57 Hz と計算してしまうのが典型的な誤りです。まず「すべり分を戻して同期速度を出す」ことが大切です。

問11

電気応用

変圧器の損失に関する記述として,誤っているものは。

  • イ.銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
  • ロ.無負荷損の大部分は鉄損である。
  • ハ.鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
  • ニ.負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。

正解:ニ

解説

各選択肢の確認

  • イ(正しい):変圧器の効率は,負荷によって変わる銅損と,ほぼ一定の鉄損が等しくなる負荷で最大になります。
  • ロ(正しい):負荷がなくても生じる無負荷損は,大部分が鉄損です。
  • ハ(正しい):鉄損は,鉄心の磁化で生じるヒステリシス損と,うず電流で生じる渦電流損の合計です。
  • ニ(誤り):銅損は巻線の抵抗で生じる損失で,Pc=I2RP_c=I^2R なので電流の 2乗 に比例します。電流が2倍になれば銅損は 4倍 になります。

答え:ニ 負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる(誤り)

「電流の2乗に比例」という点が問われる定番問題です。鉄損は負荷電流に関係なく(電圧・周波数が一定なら)ほぼ一定,銅損は電流の2乗,と対比して覚えましょう。

問12

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

一般的に用いられている電球型LEDランプのランプ寿命は。

  • イ.約1 000時間
  • ロ.約6 000時間
  • ハ.約12 000時間
  • ニ.約40 000時間

正解:ニ

解説

一般的なランプ寿命の目安

ランプの寿命は,光の量(全光束)が初期の70%程度まで下がるまでの時間などで表します。

  • 白熱電球:約1 000時間
  • 蛍光ランプ:約6 000〜12 000時間
  • 電球形LEDランプ:約 40 000時間

答え:ニ 約40 000時間

LEDは白熱電球の約40倍も長持ちです。イ(約1 000時間)は白熱電球,ロ・ハ(約6 000〜12 000時間)は蛍光ランプなどに近い値です。

問13

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

鉛蓄電池の電解液は。

  • イ.水酸化ナトリウム水溶液
  • ロ.水酸化カリウム水溶液
  • ハ.塩化亜鉛水溶液
  • ニ.希硫酸

正解:ニ

解説

鉛蓄電池の構造

鉛蓄電池は,正極に二酸化鉛,負極に鉛,電解液に 希硫酸 を使う二次電池(充電して繰り返し使える電池)です。放電すると両極が硫酸鉛になり,電解液の濃度が下がります。

答え:ニ 希硫酸

  • イ・ロ:水酸化ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液は アルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム電池など)やアルカリ電池に使われるアルカリ性の電解液です。
  • ハ:塩化亜鉛水溶液は,マンガン乾電池などの電解液です。

問14

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真の照明器具には矢印で示すような表示マークが付されている。この器具の用途として,適切なものは。

問14の図
  • イ.断熱材施工天井に埋め込んで使用できる。
  • ロ.非常用照明として使用できる。
  • ハ.屋外に使用できる。
  • ニ.ライティングダクトに設置して使用できる。

正解:イ

解説

表示マークの意味

写真のマーク「日本照明工業会 S_B・S_GI・S_G形適合品」は,断熱材施工器具(断熱材が敷き込まれた天井に埋め込んで使えるダウンライト)であることを表します。

  • S_B形:ブローイング工法(吹き込み)の断熱材に対応
  • S_GI形:マット敷き込み工法の断熱材に対応
  • S_G形:その他の断熱施工用の区分

断熱材と器具が触れても,熱がこもって過熱しないように設計されている器具です。

答え:イ 断熱材施工天井に埋め込んで使用できる

  • ロ:非常用照明には,建築基準法に基づく別のマークや認定表示があります。
  • ハ:屋外用は防雨・防水の性能表示(IPコードなど)で示されます。
  • ニ:ライティングダクト用は,プラグ(ダクトプラグ)付きの器具です。

問15

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示すモールド変圧器の矢印部分の名称は。

問15の図
  • イ.タップ切替端子
  • ロ.耐震固定端部
  • ハ.一次(高電圧側)端子
  • ニ.二次(低電圧側)端子

正解:ニ

解説

写真の見分け方

矢印の先(点線で囲った部分)は,変圧器の上部の枠に取り付けられた,平たい板状の端子(銅板の端子) です。低圧側は電圧が低い分,流れる電流が大きいので,太い銅板で接続する板状の端子になっています。

  • 二次(低電圧側)端子:上部に並ぶ板状の端子(三相分と中性点側)
  • 一次(高電圧側)端子:各相の巻線の上部にある,ケーブル接続用の端子
  • タップ切替:各相の巻線の前面にある,丸い切替板の部分(電圧調整用)

答え:ニ 二次(低電圧側)端子

  • イ:タップ切替端子は,巻線の前面にある丸い板の部分です。
  • ロ:耐震固定端部は,変圧器の下側の台座・取付ボルトのまわりです。
  • ハ:一次(高電圧側)端子は,各相の巻線の上部に別に付いています。

問16

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

ディーゼル発電装置に関する記述として,誤っているものは。

  • イ.ディーゼル機関は点火プラグが不要である。
  • ロ.ディーゼル機関の動作工程は,吸気→爆発(燃焼)→圧縮→排気である。
  • ハ.回転むらを滑らかにするために,はずみ車が用いられる。
  • ニ.ビルなどの非常用予備発電装置として,一般に使用される。

正解:ロ

解説

各選択肢の確認

  • イ(正しい):ディーゼル機関は,圧縮して高温になった空気に燃料を噴射して自然着火させるので,点火プラグは不要です。
  • ロ(誤り):ディーゼル機関の4つの工程は,吸気 → 圧縮 → 爆発(燃焼)→ 排気 の順です。「爆発(燃焼)」と「圧縮」の順が逆になっています。圧縮してから燃焼させるのがディーゼルです。
  • ハ(正しい):回転むらをなめらかにするため,はずみ車(フライホイール)を使います。
  • ニ(正しい):ビルなどの非常用予備発電装置として,一般に使われています。

答え:ロ 動作工程は,吸気→爆発(燃焼)→圧縮→排気である(誤り)

工程の順番は「吸気・圧縮・燃焼(爆発)・排気」と覚えます。

問17

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

水力発電所の発電用水の経路の順序として,正しいものは。

  • イ.水車→取水口→水圧管路→放水口
  • ロ.取水口→水車→水圧管路→放水口
  • ハ.取水口→水圧管路→水車→放水口
  • ニ.水圧管路→取水口→水車→放水口

正解:ハ

解説

水の流れる順番

発電用水は,次の順に流れます。

取水口→導水路・水槽→水圧管路→水車→放水口\text{取水口}\rightarrow\text{導水路・水槽}\rightarrow\text{水圧管路}\rightarrow\text{水車}\rightarrow\text{放水口}

川から取り入れた水を管で落差を利用して送り,水車を回し,使い終わった水を川へ戻す,という流れです。

答え:ハ 取水口→水圧管路→水車→放水口

水車は水圧管路の 後,放水口の 前 にあります。イ・ロ・ニは水車の位置や取水口の位置が入れ替わっていて,水の流れとして成り立ちません。

問18

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

架空送電線のスリートジャンプ現象に対する対策として,適切なものは。

  • イ.アーマロッドにて補強する。
  • ロ.鉄塔では上下の電線間にオフセットを設ける。
  • ハ.送電線にトーショナルダンパを取り付ける。
  • ニ.がいしの連結数を増やす。

正解:ロ

解説

スリートジャンプとは

電線に付いた氷雪が一度に落ちると,電線が反動で大きく跳ね上がる現象です。上下の電線が接近して短絡(相間短絡)事故につながります。

対策

上下の電線が接触しないよう,鉄塔の上下の電線間にオフセット(水平方向のずれ)を設ける のが対策です。相間スペーサを取り付ける方法もあります。

答え:ロ 鉄塔では上下の電線間にオフセットを設ける

  • イ:アーマロッドは,電線の振動による素線切れを防ぐ補強材です(微風振動対策など)。
  • ハ:トーショナルダンパは,ギャロッピング(電線の大きな揺れ)の対策です。
  • ニ:がいしの連結数を増やすのは,雷や汚れによる絶縁の強化です。

問19

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

電力貯蔵用の二次電池として,一般的に使用されないものは。

  • イ.アルカリマンガン電池
  • ロ.レドックスフロー電池
  • ハ.リチウムイオン電池
  • ニ.鉛蓄電池

正解:イ

解説

二次電池と一次電池

電力を貯めるには,充電して繰り返し使える 二次電池 が必要です。使い切りの 一次電池 は,電力貯蔵には使えません。

答え:イ アルカリマンガン電池

  • イ:アルカリマンガン電池は,一般的な使い切りの乾電池(一次電池)です。
  • ロ:レドックスフロー電池は,大規模な電力貯蔵用の二次電池です。
  • ハ:リチウムイオン電池は,蓄電池として広く使われる二次電池です。
  • ニ:鉛蓄電池は,非常用電源などに使われる二次電池です。

問20

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

高圧受電設備に雷その他による異常な過大電圧が加わった場合の避雷器の機能として,適切なものは。

  • イ.過大電圧に伴う電流を大地へ分流することによって過大電圧を制限し,過大電圧が過ぎ去った後に,電路を速やかに健全な状態に回復させる。
  • ロ.過大電圧が侵入した相を強制的に切り離し回路を正常に保つ。
  • ハ.内部の限流ヒューズが溶断して,保護すべき電気機器を電源から切り離す。
  • ニ.電源から保護すべき電気機器を一時的に切り離し,過大電圧が過ぎ去った後に再び接続する。

正解:イ

解説

避雷器の働き

避雷器は,雷などによる異常な過大電圧が来たとき,電流を大地へ分流(放電)して電圧を制限 し,過大電圧が過ぎた後は,電路を速やかに正常な状態に回復させる機器です。

答え:イ 過大電圧に伴う電流を大地へ分流し,過ぎ去った後に回復させる

  • ロ:侵入した相を強制的に切り離すものではありません。
  • ハ:「限流ヒューズが溶断して切り離す」のは,過電流に対するヒューズの働きです。
  • ニ:電源から切り離して後で再接続するのは,避雷器の機能ではありません。

問21

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置として,不適切なものは。

  • イ.受電設備容量500 kV·Aの高圧受電設備に高圧交流遮断器(CB形)
  • ロ.受電設備容量400 kV·Aの高圧受電設備に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF·S形)
  • ハ.受電設備容量300 kV·Aの高圧受電設備に高圧交流遮断器(CB形)
  • ニ.受電設備容量200 kV·Aの高圧受電設備に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF·S形)

正解:ロ

解説

主遮断装置の選び方

高圧受電設備の入口(主遮断装置)には,次のどちらかを使います。

  • CB形:高圧交流遮断器を使う方式。受電設備容量に 上限はなく,大きな設備にも使えます。
  • PF・S形:限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を使う方式。ヒューズで短絡電流を切る簡易な方式のため,受電設備容量が 300 kV·A 以下 の設備に限られます。

答え:ロ 400 kV·A の設備に PF・S 形(不適切)

400 kV·A は 300 kV·A を超えているため,PF・S 形は使えません。ニ(200 kV·A)は 300 kV·A 以下なので使えます。イ・ハのCB形は容量にかかわらず使えます。

問22

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す機器の用途は。

問22の図
  • イ.零相電流を検出する。
  • ロ.高電圧を低電圧に変成し,計器での測定を可能にする。
  • ハ.進相コンデンサに接続して投入時の突入電流を抑制する。
  • ニ.大電流を小電流に変成し,計器での測定を可能にする。

正解:ニ

解説

写真の機器

写真は,中央の穴に電線を通して使う 変流器(CT) です。高圧や低圧の大電流を,電流計や継電器で扱える小さな電流(定格二次電流 5 A など)に変えます。

答え:ニ 大電流を小電流に変成し,計器での測定を可能にする

  • イ:零相電流を検出するのは,零相変流器(ZCT)です。
  • ロ:高電圧を低電圧に変えて測るのは,計器用変圧器(VT)です。
  • ハ:進相コンデンサの投入時の突入電流を抑えるのは,直列リアクトルです。

問23

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す品物を組み合わせて使用する場合の目的は。

問23の図
  • イ.高圧需要家構内における高圧電路の開閉と,短絡事故が発生した場合の高圧電路の遮断。
  • ロ.高圧需要家の使用電力量を計量するため高圧の電圧,電流を低電圧,小電流に変成。
  • ハ.高圧需要家構内における高圧電路の開閉と,地絡事故が発生した場合の高圧電路の遮断。
  • ニ.高圧需要家構内における遠方制御による高圧電路の開閉。

正解:ハ

解説

写真の組合せ

左は,電柱などの高圧引込口に取り付ける 高圧交流負荷開閉器(PAS),右はその 制御装置 です。この2つを組み合わせて使います。

制御装置が地絡電流(地絡事故)を検出すると,開閉器を自動で開いて,事故の波及を防ぎます。普段は高圧電路の開閉器として使います。

答え:ハ 高圧電路の開閉と,地絡事故が発生した場合の遮断

  • イ:短絡事故の遮断は,遮断器(または限流ヒューズ)の役目です。負荷開閉器は短絡電流を切れません。
  • ロ:電力量を計るために電圧・電流を変成するのは,電力需給用計器用変成器(VCT)です。
  • ニ:遠方制御による開閉が目的ではありません。

問24

電気工事の施工方法

引込柱の支線工事に使用する材料の組合せとして,正しいものは。

問24の図
  • イ.亜鉛めっき鋼より線,玉がいし,アンカ
  • ロ.耐張クランプ,巻付グリップ,スリーブ
  • ハ.耐張クランプ,玉がいし,亜鉛めっき鋼より線
  • ニ.巻付グリップ,スリーブ,アンカ

正解:イ

解説

支線の構成

引込柱に電線が引っ張る力がかかるので,反対側に 支線 を張って支えます。図にもあるように,次の材料を使います。

  • 亜鉛めっき鋼より線:支線そのものの線
  • 玉がいし:支線の途中に入れて,電線に触れたときの感電を防ぐ(電気的に切り離す)
  • アンカ:地中に埋めて,支線を地面側で固定する

答え:イ 亜鉛めっき鋼より線,玉がいし,アンカ

ロ・ニ・ハに出てくる耐張クランプ・巻付グリップ・スリーブは,電線(引込線)を取り付けたり接続したりするための材料で,支線には使いません。

問25

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す材料の名称は。

問25の図
  • イ.ボードアンカ
  • ロ.インサート
  • ハ.ボルト形コネクタ
  • ニ.ユニバーサルエルボ

正解:ロ

解説

写真の材料

写真の材料は,コンクリートを打つ前に型枠に取り付けて コンクリートに埋め込み,あとから吊りボルトなどを取り付けるための金具,インサート です。配管やケーブルラックを天井から吊るときに使います。

答え:ロ インサート

  • イ:ボードアンカは,石膏ボードなどの壁に物を固定するための部品です。
  • ハ:ボルト形コネクタは,電線同士の接続に使う部品です。
  • ニ:ユニバーサルエルボは,露出配管の曲がり部分に使う,向きを変えられる継手です。

問26

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

電線を端子台や機器等に,ボルト・ナットを用いて接続する際に使用する工具として,適切なものは。

  • イ.電線リール
  • ロ.張線器
  • ハ.トルクレンチ
  • ニ.パイプベンダ

正解:ハ

解説

工具の用途

ボルト・ナットで電線を端子台などに接続するときは,締付けが弱いと発熱や緩みの原因になり,強すぎると破損するので,適切な力で締めます。決められた力で締めるための工具が トルクレンチ です。

答え:ハ トルクレンチ

  • イ:電線リールは,電線を巻いておく道具です。
  • ロ:張線器は,架空電線などをぴんと張るための道具です。
  • ニ:パイプベンダは,金属管を曲げる道具です。

問27

電気工事の施工方法

使用電圧が300 V以下のケーブル工事の記述として,不適切なものは。

  • イ.ビニルキャブタイヤケーブルを点検できない隠ぺい場所に施設した。
  • ロ.MI ケーブルを,直接コンクリートに埋め込んで施設した。
  • ハ.ケーブルを収める防護装置の金属製部分に,D 種接地工事を施した。
  • ニ.機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設するケーブルには,防護装置を施した。

正解:イ

解説

各選択肢の確認

  • イ(不適切):ビニルキャブタイヤケーブルは,一般のケーブルより外装が弱いので,ケーブル工事のうち 点検できない隠ぺい場所には使えません。
  • ロ(適切):MIケーブルは,金属で守られた丈夫なケーブルなので,コンクリートに直接埋め込めます。
  • ハ(適切):ケーブルを収める防護装置の金属製部分には,D種接地工事を施します。
  • ニ(適切):機械的衝撃を受けるおそれがある箇所には,防護装置を施します。

答え:イ ビニルキャブタイヤケーブルを点検できない隠ぺい場所に施設した(不適切)

キャブタイヤケーブルは「動かす機器や,点検できる場所」で使う,と覚えると判断しやすくなります。

問28

電気工事の施工方法

合成樹脂管工事に使用する合成樹脂管及びボックスその他の附属品を施設する際の記述として,誤っているものは。

  • イ.重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設した。
  • ロ.管相互及び管とボックスとは,管の差込み深さを管の外径の1.2倍(接着剤を使用する場合は,0.8倍)以上とし,かつ,差込み接続により堅ろうに接続した。
  • ハ.管の支持間隔の距離を2 mとし,かつ,その支持点は,管端,管とボックスとの接続点及び管相互の接続点のそれぞれの近くに設けた。
  • ニ.湿気の多い場所に施設し,防湿装置を施した。

正解:ハ

解説

各選択肢の確認

  • イ(正しい):重量物の圧力や,著しい機械的衝撃を受けないように施設します。
  • ロ(正しい):管の差込み深さは,管の外径の 1.2倍以上(接着剤を使う場合は 0.8倍以上)とします。
  • ハ(誤り):管の支持点の間隔は 1.5 m 以下 と決まっています。2 m は長すぎます。支持点を,管端,管とボックスとの接続点,管相互の接続点のそれぞれの近くに設ける点は正しい記述です。
  • ニ(正しい):湿気の多い場所では,防湿装置を施します。

答え:ハ 管の支持間隔を2 mとした(誤り)

「合成樹脂管の支持は1.5 m以下」は頻出の数字です。

問29

電気工事の施工方法

可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として,不適切なものは。

  • イ.スイッチ,コンセントは,電気機械器具防爆構造規格に適合するものを使用した。
  • ロ.可搬形機器の移動電線には,接続点のない3種クロロプレンキャブタイヤケーブルを使用した。
  • ハ.金属管工事により施工し,厚鋼電線管を使用した。
  • ニ.金属管工事により施工し,電動機の端子箱との可とう性を必要とする接続部に金属製可とう電線管を使用した。

正解:ニ

解説

工事方法の基本

可燃性ガスが存在する場所では,電気設備から火花や熱が出て爆発しないように,次の方法に限られます。

  • 金属管工事(厚鋼電線管を使い,ねじ込みで確実に接続)
  • ケーブル工事
  • 機器は防爆構造のものを使う

各選択肢の確認

  • イ(適切):スイッチ,コンセントは防爆構造のものを使います。
  • ロ(適切):可搬形機器の移動電線には,接続点のない,3種または4種のクロロプレンキャブタイヤケーブルなどを使います。
  • ハ(適切):厚鋼電線管を使った金属管工事は認められます。
  • ニ(不適切):可とう性が必要な部分でも,金属製可とう電線管は使えません。この場所では 耐圧防爆型のフレキシブルフィッチング などの防爆構造の可とう管を使います。

答え:ニ 金属製可とう電線管を使用した(不適切)

【平面図】(問30〜問34共通)

【平面図】(問30〜問34共通)

問30

電気工事の施工方法

図は,一般送配電事業者の供給用配電箱(高圧キャビネット)から自家用構内を経由して,地下1階受電室に施設する屋内キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620 適合品)に至る電線路及び低圧屋内幹線設備の一部を表した図である。①に示す地中線用地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として,不適切なものは。

  • イ.電路に地絡が生じた場合,自動的に電路を遮断する機能を内蔵している。
  • ロ.電路に短絡が生じた場合,瞬時に電路を遮断する機能を有している。
  • ハ.波及事故を防止するため,一般送配電事業者の地絡保護継電装置と動作協調をとる必要がある。
  • ニ.定格短時間耐電流は,系統(受電点)の短絡電流以上のものを選定する。

正解:ロ

解説

UGS とは

UGSは,地中ケーブルの引込口に取り付ける,地絡継電装置付の高圧交流負荷開閉器です。地絡(電路が大地とつながる事故)を検出して,自動で電路を開きます。

各選択肢の確認

  • イ(適切):地絡が生じたら自動的に遮断する機能を内蔵しています。
  • ロ(不適切):UGSは負荷開閉器なので,短絡電流を遮断する能力はありません。短絡の遮断は,遮断器や限流ヒューズの役目です。
  • ハ(適切):自分の設備の事故で周りまで停電させる「波及事故」を防ぐため,一般送配電事業者側の保護装置と動作を協調させる必要があります。
  • ニ(適切):定格短時間耐電流は,その点の短絡電流以上のものを選びます。

答え:ロ 短絡が生じた場合,瞬時に電路を遮断する機能を有している(不適切)

問31

電気工事の施工方法

②に示す地中高圧ケーブルが屋内に引き込まれる部分に使用される材料として,最も適切なものは。

  • イ.防水鋳鉄管
  • ロ.合成樹脂管
  • ハ.金属ダクト
  • ニ.シーリングフィッチング

正解:イ

解説

引込み部分の考え方

地中の高圧ケーブルが建物の壁を貫通して屋内に入る部分は,地下水や雨水が建物内に入らないようにする必要があります。そのため,防水性のある 防水鋳鉄管(鋳鉄製の防水つば付き管)を使うのが一般的です。

答え:イ 防水鋳鉄管

  • ロ:合成樹脂管は,埋設部分では使いますが,壁貫通部分の防水対策としては,鋳鉄管が選ばれます。
  • ハ:金属ダクトは,屋内の配線を収める設備で,屋外からの引込みには使いません。
  • ニ:シーリングフィッチングは,可燃性ガスなどが管の中を通って広がらないようにするための部品で,この場面の目的とは違います。

問32

電気工事の施工方法

③に示す高圧キュービクル内に設置した機器の接地工事において,使用する接地線の太さ及び種類について,適切なものは。

  • イ.高圧進相コンデンサの金属製部分に施す接地線に,断面積5.5 mm²の軟銅線を使用した。
  • ロ.変圧器二次側,低圧の1端子に施す接地線に,断面積3.5 mm²の軟銅線を使用した。
  • ハ.LBS の金属製部分に施す接地線に,直径1.6 mmの硬銅線を使用した。
  • ニ.変圧器の金属製外箱に施す接地線に,直径2.0 mmの硬アルミ線を使用した。

正解:イ

解説

接地工事の種類と接地線の太さ

  • A種接地工事:高圧の機器(変圧器の外箱,高圧進相コンデンサ,LBS などの金属製部分)に施します。接地線は 直径2.6 mm(断面積5.5 mm²)以上の軟銅線。
  • B種接地工事:変圧器の低圧側の1端子(中性点)に施します。接地線は原則 直径4 mm(断面積14 mm²)以上の軟銅線。

各選択肢の確認

  • イ(適切):高圧進相コンデンサの金属製部分はA種接地工事。5.5 mm² の軟銅線は,A種の最小の太さを満たしています。
  • ロ:変圧器二次側の低圧の1端子は,B種接地工事。3.5 mm² では細すぎます。
  • ハ:LBSの金属製部分はA種接地工事。直径1.6 mm では,2.6 mm に足りません。
  • ニ:変圧器の金属製外箱はA種接地工事。直径2.0 mm の硬アルミ線は,太さも材料も条件を満たしません。

答え:イ 高圧進相コンデンサの接地線に5.5 mm²の軟銅線

問33

電気工事の施工方法

④に示す鋼製ケーブルラックの施工に関する記述として,不適切なものは。

  • イ.ケーブルラックが受電室の壁を貫通する部分に,適切な防火措置を施した。
  • ロ.ケーブルラックは,ケーブル重量に十分耐える構造とし,天井コンクリートスラブからアンカーボルトで吊り,堅固に施設した。
  • ハ.乾燥した場所であるが,ケーブルラックの長さが10 mであったため,D 種接地工事を省略した。
  • ニ.同一のケーブルラックに電灯幹線と動力幹線のケーブルを布設する場合,両者間のセパレータを省略した。

正解:ハ

解説

各選択肢の確認

  • イ(適切):壁を貫通する部分は,火災の延焼を防ぐ防火措置が必要です。
  • ロ(適切):ケーブルの重さに耐える構造にし,アンカーボルトなどで堅固に吊ります。
  • ハ(不適切):金属製のケーブルラックには,D種接地工事を施すのが原則です。長さが10 mもあるので,省略できません。
  • ニ(適切):電灯幹線も動力幹線も低圧のケーブルなので,同じラックに布設でき,セパレータは不要です(高圧と低圧を同じラックに入れる場合などはセパレータが必要になります)。

答え:ハ 長さが10 mだったので,D種接地工事を省略した(不適切)

問34

電気工事の施工方法

⑤に示す低圧配電盤,低圧幹線等に関する記述として,不適切なものは。

  • イ.低圧配電盤に取り付ける器具及び電線(管内に収めた電線及びケーブルを除く)は,容易に点検できるように施設した。
  • ロ.電灯用低圧幹線の過電流遮断器は,当該低圧幹線の許容電流以下の定格電流のものを取り付けた。
  • ハ.低圧幹線は,損傷の受けるおそれがない場所に施設した。
  • ニ.三相3線式(210 V)電路に設ける過電流遮断器は,3極2素子のものを使用した。

正解:ニ

解説

各選択肢の確認

  • イ(適切):配電盤に取り付ける器具や電線は,容易に点検できるようにします。
  • ロ(適切):幹線の過電流遮断器の定格電流は,幹線の許容電流以下にします(遮断器が切れる前に電線が過熱しないようにするため)。
  • ハ(適切):低圧幹線は,損傷を受けるおそれがない場所に施設します。
  • ニ(不適切):三相3線式の電路に設ける過電流遮断器は,3極3素子 のものを使い,3本の線すべての過電流を検出できるようにします。3極2素子では,電流を検出する素子のない相が1つ残ってしまい,その相の過電流を検出できません。

答え:ニ 三相3線式(210 V)電路に3極2素子の過電流遮断器を使用した(不適切)

実務では2素子のものが使われる例もあるため,細かく考えると迷う問題です。試験では「三相3線式の過電流遮断器は3極3素子」と覚えておくのが安全です。

問35

自家用電気工作物の検査方法

直読式接地抵抗計(アーステスタ)で接地抵抗を測定する場合,接地抵抗計の端子記号E,S(P),H(C)と接地極③及び補助接地極①,②の接続方法として,正しいものは。 なお,接地極と補助接地極は一直線上に配置する。

問35の図
  • イ.Eと① S(P)と② H(C)と③
  • ロ.Eと② S(P)と① H(C)と③
  • ハ.Eと③ S(P)と② H(C)と①
  • ニ.Eと③ S(P)と① H(C)と②

正解:ハ

解説

接続のルール

接地抵抗計(アーステスタ)は,端子を次のように接続します。

  • E :測定したい 接地極(③)
  • S(P):接地極に近い側の補助接地極(②)
  • H(C):接地極から遠い側の補助接地極(①)

3つの極を一直線上に,約10 m ずつ離して配置します。図では,左から①,②,③の順で,③が測りたい接地極です。

答え:ハ E と③,S(P) と②,H(C) と①

近い補助極(②)が電圧を測る S(P),遠い補助極(①)が電流を流す H(C)と覚えます。

問36

自家用電気工作物の検査方法

高圧受電設備に使用されている地絡方向継電器(DGR)の保護装置試験として,行わないものは。

  • イ.動作電流値試験
  • ロ.動作電圧値試験
  • ハ.動作周波数試験
  • ニ.位相特性試験

正解:ハ

解説

DGR の試験項目

地絡方向継電器は,「地絡電流の大きさ」と「電流の向き」を見て動作します。このため,次のような試験を行います。

  • 動作電流値試験(設定の電流で動作するか)
  • 動作電圧値試験(設定の零相電圧で動作するか)
  • 位相特性試験(電流の向きによる動作・不動作の確認)
  • 動作時間試験

答え:ハ 動作周波数試験(行わない)

周波数は,保護継電器の動作を決める要素ではないので,動作周波数試験というものは行いません。

問37

自家用電気工作物の検査方法

次の文章は,絶縁用保護具等の定期自主検査で,遵守しなければならない点検及び記録等についての記述である。 「通常使用している絶縁用保護具等は,[①]ヶ月以内に1回耐電圧試験を行い,結果を記録し,[②]年間保存すること。」 上記の空欄にあてはまる数値の組合せとして,正しいものは。

  • イ.① 1 ② 1
  • ロ.① 6 ② 3
  • ハ.① 6 ② 1
  • ニ.① 12 ② 3

正解:ロ

解説

規則の内容

労働安全衛生規則では,通常使用している絶縁用保護具(ゴム手袋など)や絶縁用防具などについて,次のように決められています。

「6か月以内に1回,耐電圧試験を行い,その結果を記録して 3年間 保存すること」

答え:ロ ① 6,② 3

6か月ごとの試験と,記録を3年間保存,の組合せで覚えます。ハ(保存1年)やニ(試験12か月)は,この数字と合いません。

問38

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

「電気工事士法」において,第一種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業は。

  • イ.最大電力800 kWの需要設備の6.6 kV変圧器に電線を接続する作業
  • ロ.出力500 kWの発電所の配電盤を造営材に取り付ける作業
  • ハ.最大電力400 kWの需要設備の6.6 kV受電用ケーブルを電線管に収める作業
  • ニ.配電電圧6.6 kVの配電用変電所内の電線相互を接続する作業

正解:ハ

解説

第一種電気工事士の範囲

第一種電気工事士は,最大電力500 kW未満の自家用電気工作物(需要設備) の電気工事に従事できます。一方,発電所,変電所,送電線路などの作業は電気工事士法の対象外 です。また,最大電力500 kW以上の需要設備も,第一種電気工事士の範囲ではありません。

各選択肢の確認

  • イ:800 kW の需要設備は,500 kW 未満ではないので対象外です。
  • ロ:発電所内の作業は,電気工事士法の対象外です。
  • ハ:400 kW の需要設備(500 kW未満)で,受電用ケーブルを電線管に収める作業は,電気工事に当たり,第一種電気工事士の免状が必要です。
  • ニ:変電所内の作業は,対象外です。

答え:ハ 最大電力400 kWの需要設備の6.6 kV受電用ケーブルを電線管に収める作業

問39

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

次の法律のうち,電気保安を主旨とした法令に含まれないものは。

  • イ.「電気事業法」
  • ロ.「電気工事士法」
  • ハ.「消費生活用製品安全法」
  • ニ.「電気工事業の業務の適正化に関する法律」

正解:ハ

解説

各法律の位置づけ

  • 電気事業法:電気設備の工事・維持・運用の保安を定めています。
  • 電気工事士法:電気工事の欠陥による災害を防ぐための法律です。
  • 電気工事業の業務の適正化に関する法律:電気工事業者の登録や,業務の適正化を定め,電気工事の保安にもつながる法律です。
  • 消費生活用製品安全法:一般消費者が使う製品の安全を確保する法律で,電気設備の保安を主な目的とした法令ではありません。

答え:ハ 消費生活用製品安全法

問40

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

「電気設備の技術基準を定める省令」において,電気使用場所における使用電圧が低圧の開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに,電路と大地との間の絶縁抵抗値として,不適切なものは。

  • イ.使用電圧が300 V以下で対地電圧が150 V以下の場合 0.1 MΩ以上
  • ロ.使用電圧が300 V以下で対地電圧が150 Vを超える場合 0.2 MΩ以上
  • ハ.使用電圧が300 Vを超え450 V以下の場合 0.3 MΩ以上
  • ニ.使用電圧が450 Vを超える場合 0.4 MΩ以上

正解:ハ

解説

電気設備技術基準で定める絶縁抵抗

低圧電路の,電路と大地との間の絶縁抵抗値は,電圧の区分によって次のように決まっています(電気設備技術基準 第58条)。

  • 使用電圧が300 V以下で,対地電圧が150 V以下:0.1 MΩ以上
  • 使用電圧が300 V以下で,対地電圧が150 V を超える:0.2 MΩ以上
  • 使用電圧が300 V を超える:0.4 MΩ以上

答え:ハ 300 Vを超え450 V以下の場合 0.3 MΩ以上(不適切)

300 V を超える場合は,450 V 以下かどうかにかかわらず,0.4 MΩ以上 です。0.3 MΩ という区分はありません。

【制御回路図】(問41〜問45共通)

【制御回路図】(問41〜問45共通)

問41

配線図

図は,三相誘導電動機を,押しボタンの操作により正逆運転させる制御回路である。①で示す部分の結線図は。

問41の図
  • イ.(図参照)
  • ロ.(図参照)
  • ハ.(図参照)
  • ニ.(図参照)

正解:ロ

解説

正逆運転のしくみ

三相誘導電動機は,3本の電源線のうち どれか2本を入れ替える と,回転方向が逆になります。

  • MC-1(正転):R→U,S→V,T→W とそのまま接続
  • MC-2(逆転):2相を入れ替えて接続(この図では R と T の入れ替え)

①の部分は,この2つの接触器の出力側をまとめて電動機(U,V,W)につなぐ部分です。

結線の確認

MC-2 の出力は,上から順に W,V,U へつなぎます(R側→W,S側→V,T側→U)。つまり,正転と比べて R と T の2相が入れ替わります。この結線になっているのは ロ の図だけです。

答え:ロ MC-2 の出力を W,V,U につなぎ,2相を入れ替えた結線

入れ替えのない結線では,MC-2 を入れても正転のままで,逆転になりません。また,2相の入れ替えは必ず MC-2 の出力側で行います(入力側を誤ると,電源側で短絡のおそれがあります)。

問42

配線図

②で示す図記号の機器は。

問42の図
  • イ.(写真参照)
  • ロ.(写真参照)
  • ハ.(写真参照)
  • ニ.(写真参照)

正解:ニ

解説

図記号の見分け

②の図記号は,主回路の3本の線に直列に入った,電流を検出する部分(ヒータ)を表しており,熱動継電器(サーマルリレー,THR) です。電動機に過電流が長く流れると,ヒータの熱でバイメタルが曲がり,接点が動いて回路を切ります。

答え:ニ 熱動継電器

  • イ:リミットスイッチ(位置検出用のスイッチ)
  • ロ:電磁リレー(補助リレー)
  • ハ:タイマ(時間をおいて接点が動く)

ニの写真は,主回路を通す端子と,電流設定用のダイヤルがあることから,熱動継電器と分かります。

問43

配線図

③の部分のインタロック回路の接点を示す図記号の組合せとして,正しいものは。

問43の図
  • イ.(図参照)
  • ロ.(図参照)
  • ハ.(図参照)
  • ニ.(図参照)

正解:ハ

解説

インタロックとは

正転(MC-1)と逆転(MC-2)が 同時に入らないようにする 仕組みです。同時に入ると,電源が短絡するおそれがあります。

接点の選び方

  • MC-1 の動作回路には,MC-2 の b接点(普段は閉じていて,MC-2が動くと開く接点) を直列に入れる
  • MC-2 の動作回路には,MC-1 の b接点 を直列に入れる

こうすると,逆転中は正転側の回路が切れ,正転中は逆転側の回路が切れます。図では,ⓐ は MC-1 のコイルの回路,ⓑ は MC-2 のコイルの回路なので,ⓐ には MC-2 の b接点,ⓑ には MC-1 の b接点が入ります。

答え:ハ ⓐ MC-2 の b接点,ⓑ MC-1 の b接点

イ・ロは a接点(普段は開いている接点)なので,インタロックになりません。ニは,b接点ですが MC-1 と MC-2 の組合せが逆です。

問44

配線図

④で示す接点が開路するのは。

  • イ.電動機に設定値を超えた電流が継続して流れたとき。
  • ロ.電動機が始動したとき。
  • ハ.電動機が正転運転から逆転運転に切り替わったとき。
  • ニ.電動機が停止したとき。

正解:イ

解説

④の接点の役目

④は,制御回路の中の 熱動継電器(THR)の接点 です。コイル回路に直列に入っていて,普段は閉じています。

電動機に 設定値を超える電流が継続して流れる と,熱動継電器が動作してこの接点が開き,MC-1・MC-2 のコイルへの電流が切れて,電動機が止まります。

答え:イ 電動機に設定値を超えた電流が継続して流れたとき

  • ロ・ニ:始動や停止の動作そのものでは,接点は開きません。
  • ハ:正転から逆転に切り替わるときも,過電流が続かなければ接点は開きません。

問45

配線図

⑤で示す各表示灯の用途は。

  • イ.SL-1 運転表示 SL-2 故障表示 SL-3 停止表示
  • ロ.SL-1 停止表示 SL-2 運転表示 SL-3 故障表示
  • ハ.SL-1 故障表示 SL-2 正転運転表示 SL-3 逆転運転表示
  • ニ.SL-1 正転運転表示 SL-2 逆転運転表示 SL-3 故障表示

正解:ロ

解説

各表示灯の回路を読む

  • SL-1:MC-1 の b接点と MC-2 の b接点が直列。どちらの接触器も動いていないときだけ点灯する → 停止表示
  • SL-2:MC-1 の a接点と MC-2 の a接点が並列。正転か逆転のどちらかが動いているときに点灯する → 運転表示
  • SL-3:熱動継電器(THR)の接点を通る。過電流で熱動継電器が動作したときに点灯する → 故障表示

答え:ロ SL-1 停止表示,SL-2 運転表示,SL-3 故障表示

SL-2 は,正転と逆転の区別をせずに,どちらかが動いていれば点く回路なので,「正転運転表示」「逆転運転表示」とは分けられていません。

【単線結線図】(問46〜問50共通)

【単線結線図】(問46〜問50共通)

問46

配線図

図は,高圧受電設備の単線結線図である。①で示す機器の役割は。

  • イ.一般送配電事業者側の地絡電流を検出し,高圧交流遮断器を自動遮断する。
  • ロ.一般送配電事業者側の地絡電流を検出し,高圧断路器を開放する。
  • ハ.需要家側高圧電路の地絡電流を検出し,高圧交流負荷開閉器を開放する。
  • ニ.需要家側高圧電路の地絡電流を検出し,高圧断路器を開放する。

正解:ハ

解説

①の機器

①は,屋外の引込口にある 地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS) です。図の中の零相変流器(ZCT),零相電圧検出装置(ZPD),地絡方向継電器の記号がその根拠です。

役割

自分の設備(需要家側)の高圧電路で地絡が起きたとき,その電流と向きを検出し,高圧交流負荷開閉器を開いて電路を切り離します。一般送配電事業者側の地絡では動作しないように,向きを見て 区別しているのが特徴です。

答え:ハ 需要家側高圧電路の地絡電流を検出し,高圧交流負荷開閉器を開放する

  • イ・ロ:「一般送配電事業者側の地絡」には動作しません。また,PASは遮断器ではなく負荷開閉器です。
  • ニ:開放するのは断路器ではなく,負荷開閉器です。

問47

配線図

②の部分に施設する機器と使用する本数は。

問47の図
  • イ.(写真参照)
  • ロ.(写真参照)
  • ハ.(写真参照)
  • ニ.(写真参照)

正解:ニ

解説

②の部分

②は,電圧計用の計器用変圧器(VT)の 一次側に入れる,高圧限流ヒューズ です。VTの故障が,高圧の電路全体に波及しないようにします。

機器の種類と本数

  • 機器:6.6 kV の高圧で使う 円筒形の高圧限流ヒューズ(ロ・ニ)。イ・ハのような板状の端子を持つ形は,高圧限流ヒューズとは別の種類(低圧用など)です。
  • 本数:図は V結線(V2V)で,VTが2台あり,各VTの一次側の2つの端子すべてにヒューズを入れるため,2台 × 2本 = 4本 です。

答え:ニ 高圧限流ヒューズ 4本

ロは種類は合っていますが,本数が2本で足りません。

問48

配線図

③で示す機器の二次側電路に施す接地工事の種類として,適切なものは。

  • イ.A種接地工事
  • ロ.B種接地工事
  • ハ.C種接地工事
  • ニ.D種接地工事

正解:ニ

解説

③の機器

③は,変流器(CT) です。高圧の電路の電流を小さな電流に変えて,保護継電器などに送ります。

接地の種類

高圧の変流器の二次側電路には,一次側と二次側が触れて高電圧が侵入したときの危険を防ぐため,D種接地工事 を施します。

答え:ニ D種接地工事

  • イ:A種接地工事は,高圧機器の外箱などに施します。
  • ロ:B種接地工事は,変圧器の低圧側の中性点などに施します。
  • ハ:C種接地工事は,300 Vを超える低圧機器の外箱などに施します。

問49

配線図

④に設置する機器と台数は。

問49の図
  • イ.(写真参照)
  • ロ.(写真参照)
  • ハ.(写真参照)
  • ニ.(写真参照)

正解:ニ

解説

④の機器

④の図記号は,△と△の間に「3」と書かれています。これは,単相変圧器3台 を使った Δ-Δ結線 の三相変圧器(動力用)を表します。

単相か三相かを写真で見分ける

変圧器の上に並ぶ端子のうち,背の高い白い磁器(がいし)が付いた端子が高圧側 です。この本数で単相か三相かが分かります。

  • イ・ハ:高圧側の端子が 3本 → 三相変圧器
  • ロ・ニ:高圧側の端子が 2本(手前に平たい板状の低圧端子が3つ並ぶ)→ 単相変圧器

図記号が求めているのは「単相変圧器」なので,イ・ハは外れます。

台数

三相の電力を単相変圧器で供給するには,Δ-Δ結線で 3台 を組み合わせます。単相変圧器1台のロでは三相になりません。

答え:ニ 単相変圧器 3台

「3台」という数字だけを見てハを選ぶ間違いが多い問題です。ハは三相変圧器を3台並べることになり,図の結線とは合いません。写真の高圧端子の本数(2本=単相,3本=三相)を必ず確認しましょう。

問50

配線図

⑤で示す機器の接地線(軟銅線)の最小太さは。

  • イ.3.5 mm²
  • ロ.5.5 mm²
  • ハ.8 mm²
  • ニ.14 mm²

正解:ロ

解説

⑤の接地

⑤は,高圧の変圧器の金属製外箱 に施す接地です。高圧の機器の金属製部分には A種接地工事 を施します。

A種接地線の最小の太さ

A種接地工事の接地線は,直径2.6 mm 以上の軟銅線 です。断面積では,直径2.6 mm の軟銅線が約5.3 mm²,規格品の呼び方では 5.5 mm² にあたります。

答え:ロ 5.5 mm²

  • イ(3.5 mm²):細すぎます。
  • ハ(8 mm²)・ニ(14 mm²):必要以上に太い値です。ニの14 mm²は,B種接地工事(変圧器の低圧側中性点)で一般に使う太さです。
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掲載している試験問題は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。