令和7年度上期 第一種電気工事士 学科試験の問題と解説【全50問】

全問題を正答・解説付きで掲載しています。

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問1

電気に関する基礎理論

図のような平行平板キャパシタにおいて,電極間に100 V の電圧を加えたとき,電極間に何も挟んでいない(空気)キャパシタ内の電界の強さE[V/m]は。ただし,電極間の距離d=1×10⁻³ m,平行平板間の電界は平等電界とする。

問1の図
  • .1×10²
  • .1×10³
  • .1×10⁴
  • .1×10⁵

正解:

解説

電界の強さの公式

平行平板の間が平等電界のとき、電界の強さは電圧を電極間の距離で割るだけで求められます。

E=VdE = \frac{V}{d}

この問題にあてはめる

V=100VV = 100 \, \mathrm{V}d=1×103md = 1 \times 10^{-3} \, \mathrm{m} なので

E=1001×103=1×105V/mE = \frac{100}{1 \times 10^{-3}} = 1 \times 10^{5} \, \mathrm{V/m}

答え:ニ

dd10310^{-3} と非常に小さいため、割り算で指数が大きくプラスされます。1×1021\times10^{2}(イ)や1×1031\times10^{3}(ロ)は桁数を数え間違えたときの典型的な誤答です。

問2

電気に関する基礎理論

図のような直流回路において,電流計に流れる電流[A]は。

問2の図
  • .0.1
  • .0.5
  • .1.0
  • .2.0

正解:

解説

図の形はホイートストンブリッジ

図は、上の枝が「7Ω7\,\Omega→(中点)→3Ω3\,\Omega→電流計」、下の枝が「7Ω7\,\Omega→(中点)→3Ω3\,\Omega」で、2つの中点の間に 3Ω3\,\Omega の橋渡し抵抗が入っている形(ブリッジ回路)です。

平衡条件を確認する

ブリッジが平衡している条件は、対辺の比が等しいことです。

73=73\frac{7}{3} = \frac{7}{3}

上下で比が一致しているため、この回路は平衡状態です。平衡ブリッジでは橋渡し抵抗(中央の 3Ω3\,\Omega)に電流が流れず、事実上ないものとして扱えます。

各枝を流れる電流

橋渡し抵抗を無視すると、上下とも 7+3=10Ω7 + 3 = 10\,\Omega の枝が2本、10 V電源に並列につながっているだけの単純な回路になります。

I=1010=1AI_{\text{上}} = \frac{10}{10} = 1 \, \mathrm{A}

電流計は上の枝の 3Ω3\,\Omega のすぐ後ろにあるので、電流計が示す電流はこの 1A1\,\mathrm{A} そのものです。

答え:ハ 1.0

ブリッジの平衡に気づかず律儀に全体を合成しようとすると計算がこじれます。「対辺の比が等しい→中央には電流が流れない」を見抜くのがこの問題の勝負どころです。

問3

電気に関する基礎理論

図のような交流回路において,電源が電圧100 V,周波数が50 Hz のとき,誘導性リアクタンスXL=0.6 Ω,容量性リアクタンスXC=12 Ωである。この回路の電源を電圧100 V,周波数60 Hz に変更した場合,回路のインピーダンス[Ω]の値は。

問3の図
  • .9.28
  • .11.7
  • .16.9
  • .19.9

正解:

解説

リアクタンスは周波数で変化する

誘導性リアクタンス XL=2πfLX_L = 2\pi f L は周波数に比例し、容量性リアクタンス XC=12πfCX_C = \dfrac{1}{2\pi f C} は周波数に反比例します。

50 Hzから60 Hzへの変換

50 Hzのとき XL=0.6ΩX_L = 0.6\,\OmegaXC=12ΩX_C = 12\,\Omega でした。60 Hzでは

XL=0.6×6050=0.72ΩX_L{}' = 0.6 \times \frac{60}{50} = 0.72 \, \Omega

XC=12×5060=10ΩX_C{}' = 12 \times \frac{50}{60} = 10 \, \Omega

直列回路のインピーダンス

図の回路は XLX_LXCX_C が直列につながっているので、リアクタンスの差の絶対値がそのままインピーダンスになります。

Z=XLXC=0.7210=9.28ΩZ = |X_L{}' - X_C{}'| = |0.72 - 10| = 9.28 \, \Omega

答え:イ 9.28

XLX_L は周波数に比例、XCX_C は反比例——向きを逆にすると答えがまったく変わるので注意してください。

問4

電気に関する基礎理論

図のような交流回路において,抵抗R=10 Ω,誘導性リアクタンスXL=10 Ω,容量性リアクタンスXC=10 Ωである。この回路の力率[%]は。

問4の図
  • .30
  • .50
  • .70
  • .100

正解:

解説

リアクタンスがちょうど打ち消し合う

XL=XC=10ΩX_L = X_C = 10\,\Omega なので、合成リアクタンスは

X=XLXC=1010=0ΩX = X_L - X_C = 10 - 10 = 0 \, \Omega

インピーダンスと力率

Z=R2+X2=102+02=10ΩZ = \sqrt{R^2 + X^2} = \sqrt{10^2 + 0^2} = 10 \, \Omega

cosθ=RZ=1010=1=100%\cos\theta = \frac{R}{Z} = \frac{10}{10} = 1 = 100 \, \%

答え:ニ 100

XLX_LXCX_C が等しいと回路は純抵抗と同じにふるまう「直列共振」の状態になります。リアクタンス分が電圧・電流の位相をずらす働きを完全に打ち消すため、力率は100 %です。

問5

電気に関する基礎理論

図のように,線間電圧V[V]の三相交流電源から,Y結線の抵抗負荷とΔ結線の抵抗負荷に電力を供給している電路がある。図中の抵抗Rがすべて R[Ω]であるとき,図中の回路の線電流I[A]を示す式は。

問5の図
  • .V/R(1/√3+1)
  • .V/R(1/2+√3)
  • .V/R(1/√3+√3)
  • .V/R(2+1/√3)

正解:

解説

Y結線側の電流

Y結線(スター結線)では、1相にかかる電圧は線間電圧 VV1/31/\sqrt{3} です。1相の抵抗が RR なので、Y結線側の線電流(=相電流)は

IY=V/3R=V3RI_Y = \frac{V/\sqrt{3}}{R} = \frac{V}{\sqrt{3}\,R}

Δ結線側の電流

Δ結線(デルタ結線)では、1相(1辺)に線間電圧 VV がそのままかかります。1辺の相電流は

Iφ=VRI_{\varphi} = \frac{V}{R}

Δ結線の線電流は相電流の 3\sqrt{3} 倍なので

IΔ=3VRI_{\Delta} = \sqrt{3}\,\frac{V}{R}

電源から見た全体の線電流

図の電源からは、Y結線への電流とΔ結線への電流が合わさって流れ出るので

I=IY+IΔ=V3R+3VR=VR(13+3)I = I_Y + I_{\Delta} = \frac{V}{\sqrt{3}\,R} + \sqrt{3}\,\frac{V}{R} = \frac{V}{R}\left(\frac{1}{\sqrt{3}} + \sqrt{3}\right)

答え:ハ

Y結線は「電圧を3\sqrt{3}で割ってから抵抗で割る」、Δ結線は「電圧をそのまま抵抗で割ってから3\sqrt{3}倍する」——この2つの型を混同すると、ロ(1/2+31/2+\sqrt{3})のような選択肢に引っかかります。

問6

配電理論及び配線設計

図のように,三相4線式配電線路に,定格電圧400 V,定格負荷電流100 A(消費電力52 kW),遅れ力率0.75 の三相負荷のみが接続されている。負荷の線間電圧Vrを400 V にするための,送電端の線間電圧Vs[V]の値は。ただし,電線1線当たりの抵抗は0.04 Ωとし,線路リアクタンスは無視する。なお,計算においては適切な近似式を用いるものとする。

問6の図
  • .402
  • .405
  • .408
  • .410

正解:

解説

三相の電圧降下の近似式

線路リアクタンスを無視した三相回路の電圧降下の近似式は

Vs=Vr+3I(Rcosθ+Xsinθ)V_s = V_r + \sqrt{3}\,I\left(R\cos\theta + X\sin\theta\right)

XX(線路リアクタンス)は無視するので、実質は

Vs=Vr+3IRcosθV_s = V_r + \sqrt{3}\,I\,R\cos\theta

数値をあてはめる

Vr=400VV_r = 400\,\mathrm{V}I=100AI = 100\,\mathrm{A}R=0.04ΩR = 0.04\,\Omegacosθ=0.75\cos\theta = 0.75 なので

Vs=400+3×100×0.04×0.75V_s = 400 + \sqrt{3} \times 100 \times 0.04 \times 0.75

Vs=400+5.196405VV_s = 400 + 5.196 \approx 405 \, \mathrm{V}

答え:ロ 405

三相の電圧降下には 3\sqrt{3} が必ず付きます(単相2線式なら 2IRcosθ2IR\cos\theta、単相3線式・三相3線式・三相4線式は 3IRcosθ\sqrt{3}\,IR\cos\theta が定番)。3\sqrt{3} を掛け忘れると402(イ)のような小さすぎる値になり誤答します。

問7

電気に関する基礎理論

図のような単相3線式電路(電源電圧210/105 V)において,抵抗負荷A(50 Ω),B(50 Ω),C(25 Ω)を使用中に,図中の×印のP点で中性線が断線した。断線後に抵抗負荷Aに加わる電圧[V]の値は。ただし,どの配線用遮断器も動作しなかったとする。

問7の図
  • .10
  • .60
  • .140
  • .180

正解:

解説

中性線断線で何が起きるか

単相3線式(210/105 V)は、通常なら中性線があるおかげで負荷Aと負荷Cにそれぞれ105 Vずつ均等にかかります。しかし中性線がP点で断線すると、負荷Aと負荷Cが直列になって210 Vの回路の一部を構成する状態に変わります(負荷B〈50 Ω〉は210 V側にそのままつながっているため、この直列回路には影響しません)。

直列回路の電圧配分

負荷Aは 50Ω50\,\Omega、負荷Cは 25Ω25\,\Omega の直列です。電圧は抵抗の大きさに比例して配分されるので

VA=210×RARA+RC=210×5050+25=210×23=140VV_A = 210 \times \frac{R_A}{R_A + R_C} = 210 \times \frac{50}{50+25} = 210 \times \frac{2}{3} = 140 \, \mathrm{V}

答え:ハ 140

中性線断線の問題は「断線後、抵抗の大きい負荷ほど高い電圧がかかり危険」という結論を覚えておくと検算になります。50Ω50\,\Omega(A)は25Ω25\,\Omega(C)より大きいので、Aには定格の105 Vを大きく超える140 Vがかかり、負荷を壊す危険があります。

問8

配電理論及び配線設計

定格二次電圧が210 V の配電用変圧器がある。変圧器の一次タップ電圧が6 600 V のとき,二次電圧は200 V であった。一次タップ電圧を6 300 V に変更すると,二次電圧の変化は。ただし,一次側の供給電圧は変わらないものとする。

  • .10 V 上昇する。
  • .10 V 降下する。
  • .20 V 上昇する。
  • .20 V 降下する。

正解:

解説

タップ電圧と二次電圧の関係

配電用変圧器は、一次側の巻数を「タップ」で切り替えることで二次電圧を調整します。一次側の実際の供給電圧を E1E_1(一定)とすると、二次電圧はおおよそ

V2=E1×210タップ電圧V_2 = E_1 \times \frac{210}{\text{タップ電圧}}

の関係になります(タップ電圧を下げる=一次巻数を減らす=二次電圧は上がる方向)。

まず実際の供給電圧E1を逆算する

タップ電圧6 600 Vのとき二次電圧200 Vだったので

E1=200×66002106285.7VE_1 = 200 \times \frac{6600}{210} \approx 6285.7 \, \mathrm{V}

タップ電圧を6 300 Vに変えたときの二次電圧

V2=6285.7×2106300209.5VV_2{}' = 6285.7 \times \frac{210}{6300} \approx 209.5 \, \mathrm{V}

209.520010V209.5 - 200 \approx 10 \, \mathrm{V} の上昇です。

答え:イ 10 V上昇する

タップ電圧を下げると二次電圧は上がります。「タップを下げれば電圧は上がる」——上げ下げの向きを逆に覚えるとロ(降下する)を選んでしまうので注意してください。

問9

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

図のように取り付け角度が30°となるように支線を施設する場合,支線の許容張力をTS=24.8 kNとし,支線の安全率を2 とすると,電線の水平張力Tの最大値[kN]は。

問9の図
  • .3.1
  • .6.2
  • .10.7
  • .24.8

正解:

解説

支線に実際にかけてよい張力(安全率を考慮)

支線の許容張力 TS=24.8kNT_S = 24.8\,\mathrm{kN} に対して、安全率2を見込んだ「実際に使ってよい張力」は

T使用=TS安全率=24.82=12.4kNT_{\text{使用}} = \frac{T_S}{\text{安全率}} = \frac{24.8}{2} = 12.4 \, \mathrm{kN}

水平成分を取り出す

図では、支線は建柱(垂直の柱)から30°の角度で地面に向かって張られています。電線の水平張力 TT は、支線の張力の水平方向の成分とつり合っています。柱と支線のなす角度が30°なので、水平成分は sin30°\sin 30° を掛けて求めます。

T=T使用×sin30°=12.4×0.5=6.2kNT = T_{\text{使用}} \times \sin 30° = 12.4 \times 0.5 = 6.2 \, \mathrm{kN}

答え:ロ 6.2

「安全率で割ってから角度成分を取る」の2段階を踏まないと、24.8×sin30°=12.4(選択肢にない値)のような誤った計算になります。安全率は必ず先に割ることを徹底してください。

問10

電気応用

三相かご形誘導電動機の始動方法として,用いられないものは。

  • .全電圧始動(直入れ)
  • .スターデルタ始動
  • .リアクトル始動
  • .二次抵抗始動

正解:

解説

かご形誘導電動機の代表的な始動法

三相かご形誘導電動機の始動電流を抑える方法として、以下がよく使われます。

  • 全電圧始動(直入れ)…小容量機向け。そのまま定格電圧を加える
  • スターデルタ始動…固定子巻線を始動時はY結線にして電圧を下げ、後でΔ結線に切り替える
  • リアクトル始動…電源とモータの間にリアクトル(コイル)を入れて始動時の電圧を下げる

これらはすべてかご形誘導電動機に使われる始動法です。

二次抵抗始動は巻線形専用

二次抵抗始動は、回転子(二次側)の巻線に外部抵抗を接続して始動特性を調整する方式で、これができるのは巻線形誘導電動機だけです。かご形誘導電動機の回転子はかご状の導体(二次巻線を外部に引き出せない構造)なので、二次抵抗始動は使えません。

答え:ニ

「二次抵抗始動=巻線形専用」は頻出の対応関係です。かご形・巻線形どちらの始動法かを問う問題では、この1点を軸に判断できます。

問11

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

電気機器の絶縁材料として耐熱クラスごとに最高連続使用温度[℃]の低いものから高いものの順に耐熱クラスの指定文字を左から右に並べたものは。

  • .H,E,Y
  • .Y,E,H
  • .E,Y,H
  • .E,H,Y

正解:

解説

耐熱クラスの指定文字と最高連続使用温度

電気機器の絶縁材料は、耐熱クラスごとに最高連続使用温度が定められています。低い方から並べると

  • Y種…90 ℃
  • E種…120 ℃
  • H種…180 ℃

の順です。

答え:ロ Y,E,H

Y→E→Hの並びは絶縁材料の等級を扱う問題で繰り返し問われます。「Yeah, E, Ha!」のような語呂合わせでも構わないので、低温側から順番だけは崩れないように覚えてください(A種105℃・B種130℃・F種155℃なども合わせて出題されることがあります)。

問12

電気応用

電熱器により2 リットルの水を加熱したとき温度が10 ℃上昇した。この電熱器が発生した発熱量Q[kJ]は。ただし,電熱器の熱効率は50 %とする。

  • .40
  • .56
  • .84
  • .168

正解:

解説

水が得た熱量をまず求める

2 リットル(=2 kg)の水の温度を10 ℃上げるのに必要な熱量は、水の比熱を 4.2kJ/(kg)4.2\,\mathrm{kJ/(kg\cdot ℃)} として

Q=4.2×2×10=84kJQ_{\text{水}} = 4.2 \times 2 \times 10 = 84 \, \mathrm{kJ}

熱効率から電熱器の発熱量を逆算する

電熱器の熱効率が50 %ということは、電熱器が発生した熱量のうち半分だけが水の温度上昇に使われたという意味です。つまり

Q=Q×0.5Q_{\text{水}} = Q \times 0.5

Q=Q0.5=840.5=168kJQ = \frac{Q_{\text{水}}}{0.5} = \frac{84}{0.5} = 168 \, \mathrm{kJ}

答え:ニ 168

熱効率をかけるのか割るのか迷いやすいところですが、「効率が悪いほど、同じ水を温めるのにもっとたくさんの熱を発生させる必要がある」と考えれば、効率で割り算するのが正しい向きだと判断できます。84(イとよく似た56やハの84)のような、割り算し忘れの値に注意してください。

問13

電気応用

図に示すサイリスタ(逆阻止3端子サイリスタ)回路の出力電圧v0 の波形として,得ることのできない波形は。ただし,電源電圧は正弦波交流とする。

問13の図
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)

正解:

解説

サイリスタは一方向にしか電流を流さない

図の回路は、正弦波交流電源とR負荷の間にサイリスタ(逆阻止3端子サイリスタ)を1個だけ入れた回路です。サイリスタはダイオードと同じく「一方向にしか電流を流さない」半導体素子で、ゲート信号によって「いつ導通を始めるか(位相)」を制御できます。

この回路の出力電圧 v0v_0 は、

  • 電源電圧が逆方向(負の半波)のときは、サイリスタが遮断するので必ず出力ゼロ
  • 電源電圧が順方向(正の半波)のときだけ、ゲート信号のタイミング以降に出力が現れる

という形になります。位相制御のタイミングによって、正の半波の途中から出力が始まる波形(イ・ロ・ハのような形)はいずれも起こり得ます。

ニの波形はなぜあり得ないか

ニの波形だけは、負の半波側にも実線の出力の山が描かれています。サイリスタが1個(逆阻止形)しかないこの回路では、逆方向の電圧がかかっている間は電流が流れず出力は常にゼロになるはずなので、負側に山ができることは物理的にあり得ません。

答え:ニ

「サイリスタ1個の半波整流回路では、出力は正の半波側にしか現れない」——この一方向性を思い出せれば、負側に山がある波形を消去法で選べます。

問14

電気工事の施工方法

写真に示すものの名称は。

問14の図
  • .金属ダクト
  • .バスダクト
  • .トロリーバスダクト
  • .銅帯

正解:

解説

写真の機器はトロリーバスダクト

写真は、ダクト本体から可動式の集電子(トロリー)を介して電気を取り出せるトロリーバスダクトです。天井などに敷設し、移動式のクレーンやホイストなど、走行しながら給電を受ける負荷への配線によく使われます。

ほかの選択肢との違い

  • 金属ダクト…電線をまとめて収める箱形のダクト。集電子はない
  • バスダクト…板状・棒状の導体(バー)を絶縁物と金属外箱で覆った幹線用ダクト。固定負荷向け
  • 銅帯…導体そのもの。ダクト化されていない

答え:ロ

「トロリー=移動しながら給電を受ける集電子付き」がバスダクトとの決定的な違いです。写真に集電子(可動アーム状の部品)が写っているかどうかで判別してください。

問15

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示すモールド変圧器の矢印部分の名称は。

問15の図
  • .タップ切替端子
  • .耐震固定端部
  • .一次(高電圧側)端子
  • .二次(低電圧側)端子

正解:

解説

矢印部分は二次(低電圧側)端子

写真はモールド変圧器(樹脂で固めたコイルを持つ変圧器)です。矢印が指す部分は、変圧器の二次(低電圧側)端子です。一次(高電圧側)端子と比べて、二次側は電流が大きい分、太い導体・多くの端子で構成されることが多く、外観の違いで判別します。

見分け方のポイント

  • 一次(高電圧側)端子…碍子(がいし)状の絶縁部を介して配線されることが多い
  • 二次(低電圧側)端子…太いバー状の端子が複数並ぶことが多い
  • タップ切替端子…電圧調整用の切替端子で、通常は変圧器の側面や上部の別の場所にある

答え:ニ 二次(低電圧側)端子

写真問題は「見た目のどこが決め手か」を言語化しておくと得点が安定します。この問題は矢印の位置と端子の太さ・本数の見た目が手がかりです。

問16

電気応用

コージェネレーションシステムに関する記述として,最も適切なものは。

  • .受電した電気と常時連系した発電システム
  • .電気と熱を併せ供給する発電システム
  • .深夜電力を利用した発電システム
  • .電気集じん装置を利用した発電システム

正解:

解説

コージェネレーションとは

コージェネレーションシステムとは、燃料を燃やして発電するときに出る排熱も同時に有効利用する、電気と熱を併せて供給するシステムのことです(熱電併給)。工場やビルなどで、発電機の排熱を給湯や暖房・蒸気利用にまわす形が代表例です。

ほかの選択肢の誤り

  • イ…「受電した電気と常時連系した発電システム」は、コージェネレーションの定義とは無関係(系統連系の話にすり替わっている)
  • ハ…深夜電力の利用は蓄熱式の設備などの話で、コージェネレーションとは別物
  • ニ…電気集じん装置は排ガス処理の設備であり、発電方式の話ではない

答え:ロ 電気と熱を併せ供給する発電システム

「コ(Co=共に)+ジェネレーション(Generation=発生)」という語源どおり、電気と熱を同時に生み出し利用する仕組みだと押さえておけば選択肢に惑わされません。

問17

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

再生可能エネルギーを活用した発電方式について,誤っているものは。

  • .太陽光発電は,一般送配電事業者の系統と連系させる場合,系統連系保護装置が必要である。
  • .地熱発電は,ガスタービンを主力として発電する。
  • .水力発電は,電力需要のピーク供給力の役割がある。
  • .バイオマス発電は,主に植物や動物が生成・排出する有機物から得られる燃料を利用する。

正解:

解説

地熱発電はガスタービンではない

地熱発電は、地下深くの高温の蒸気や熱水を利用して蒸気タービンを回して発電する方式です。「ガスタービンを主力とする」という記述(ロ)は誤りです。ガスタービンはガスや軽油などの燃料を燃焼させて回すものであり、地熱発電の仕組みとは異なります。

ほかの選択肢は正しい記述

  • イ…太陽光発電を一般送配電事業者の系統に連系する場合、単独運転の防止などのために系統連系保護装置が必要
  • ハ…水力発電(特に揚水式・調整池式)は、需要が急増する時間帯にすぐ出力を上げられるため、ピーク供給力として使われる
  • ニ…バイオマス発電は、植物や動物由来の有機物(木くず・生ごみ・家畜排せつ物など)を燃料として利用する

答え:ロ

地熱発電=蒸気の力を使う蒸気タービン式、という点を覚えておけば「ガスタービン」という誤った組み合わせにすぐ気づけます。

問18

配電理論及び配線設計

電力ケーブルのシース損として,正しいものは。

  • .導体の抵抗による損失である。
  • .導体と金属シースとの静電容量による損失である。
  • .絶縁物の劣化による損失である。
  • .金属シースに発生する起電力による損失である。

正解:

解説

シース損とは何か

電力ケーブルの金属シース(外装)には、導体に交流電流が流れることで電磁誘導により起電力(誘導起電力)が発生します。この誘導起電力によってシースに電流(シース電流)が流れ、シースの抵抗によって熱として失われる損失がシース損です。

ほかの選択肢の誤り

  • イ…「導体の抵抗による損失」は導体損(銅損)のこと
  • ロ…「導体と金属シースとの静電容量による損失」は誘電損の話に近く、シース損とは別
  • ハ…「絶縁物の劣化による損失」はシース損の定義とは無関係

答え:ニ 金属シースに発生する起電力による損失である。

シース損は「導体の交流電流→電磁誘導→シースに起電力→シースに電流が流れて発熱」という因果関係で理解すると、選択肢の言い回しに惑わされません。

問19

発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性

送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として,誤っているものは。

  • .非接地方式は,中性点を接地しない方式で,異常電圧が発生しやすい。
  • .直接接地方式は,中性点を導線で接地する方式で,地絡電流が大きい。
  • .抵抗接地方式は,地絡故障時,通信線に対する電磁誘導障害が直接接地方式と比較して大きい。
  • .消弧リアクトル接地方式は,中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するようなリアクトルで接地する方式である。

正解:

解説

抵抗接地方式の電磁誘導障害は直接接地より小さい

抵抗接地方式は、中性点を抵抗を介して接地することで、地絡電流を直接接地方式より抑える方式です。地絡電流が小さくなる分、通信線への電磁誘導障害は直接接地方式より小さくなります。「直接接地方式と比較して大きい」とする記述(ハ)は誤りです。

ほかの選択肢は正しい記述

  • イ…非接地方式は中性点を接地しない方式で、地絡時に健全相の対地電圧が上昇しやすく、異常電圧(アーク地絡による過電圧など)が発生しやすい
  • ロ…直接接地方式は中性点を導線でそのまま接地するため、地絡電流が非常に大きくなる
  • ニ…消弧リアクトル接地方式は、送電線路の対地静電容量とリアクトルを並列共振させることで地絡電流をほぼゼロに抑える方式

答え:ハ

「地絡電流が小さい接地方式ほど、通信線への電磁誘導障害も小さい」という関係を押さえれば、抵抗接地方式が直接接地より障害が大きいという記述の矛盾に気づけます。

問20

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

高圧受電設備の受電用遮断器の遮断容量を決定する場合に,必要なものは。

  • .受電点の三相短絡電流
  • .受電用変圧器の容量
  • .最大負荷電流
  • .小売電気事業者との契約電力

正解:

解説

遮断容量は三相短絡電流で決める

受電用遮断器は、万一の短絡事故が起きたときに流れる大きな電流を安全に遮断できなければなりません。そのため遮断容量は、受電点で発生し得る最大の三相短絡電流を基準に決定します。

ほかの選択肢との違い

  • ロ(変圧器容量)・ハ(最大負荷電流)・ニ(契約電力)は、いずれも通常運転時の負荷の大きさに関する数値であり、事故時に流れる短絡電流の大きさとは直接関係しません

答え:イ 受電点の三相短絡電流

「遮断容量=事故時の最大電流に耐えられるか」という視点で考えれば、平常時の負荷や契約に関する数値は決定要素にならないと判断できます。

問21

電気工事の施工方法

高圧受電設備を施設する受電室の記述として,不適切なものは。

  • .湿気が少なく,水が浸入し又は浸透するおそれのない場所を選定した。
  • .洪水,高潮などによって容易に電源が使用不能にならないような措置を講じた。
  • .取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた。
  • .屋内のため,鳥獣類などが侵入しないような構造にしなかった。

正解:

解説

屋内でも鳥獣類侵入対策は必要

高圧受電設備を施設する受電室は、屋内であっても鳥獣類などが侵入しないような構造にする必要があります。小動物が機器内部に入り込んで短絡・地絡事故を起こす例は実際に多く、屋内だからといって対策を省略してよいわけではありません。「屋内のため、構造にしなかった」とする記述(ニ)は不適切です。

ほかの選択肢は適切な記述

  • イ…湿気・浸水対策は受電室の基本要件
  • ロ…洪水・高潮などによる電源喪失対策も求められる
  • ハ…関係者以外の立入り制限も必須の措置

答え:ニ

「屋内だから大丈夫」という思い込みそのものが誤りのポイントです。鳥獣侵入は屋内外を問わず対策が必要という原則を押さえてください。

問22

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す機器の名称は。

問22の図
  • .電力需給用計器用変成器
  • .高圧交流負荷開閉器
  • .三相変圧器
  • .直列リアクトル

正解:

解説

写真はVCT(電力需給用計器用変成器)

写真の機器は、電力量を正確に計量するために高電圧・大電流を計器で扱える大きさに変成する電力需給用計器用変成器(VCT)です。内部にVT(計器用変圧器)とCT(変流器)を一体化して収めており、電力会社との取引用の電力量計(Wh)に接続されます。

ほかの選択肢との見分け方

  • 高圧交流負荷開閉器(LBS)…開閉のためのハンドルや消弧装置が目立つ外観
  • 三相変圧器…3個の大きな碍子と鉄心・巻線を収めたタンク状の外観
  • 直列リアクトル…コンデンサ設備に直列に入れる小型のコイル状機器

答え:イ 電力需給用計器用変成器

VCTは「電力会社が電気料金を計算するための計器の元締め」というイメージで覚えると、他の機器と混同しにくくなります。

問23

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す品物の名称は。

問23の図
  • .高圧ピンがいし
  • .長幹がいし
  • .高圧耐張がいし
  • .高圧中実がいし

正解:

解説

写真は高圧耐張がいし

写真の品物は、電線の引張力を支えながら絶縁するための高圧耐張がいしです。電線路の引留め箇所(電線を引っ張って固定する場所)で使用され、円盤状の絶縁部が積み重なった特徴的な形をしています。

ほかの選択肢との違い

  • 高圧ピンがいし…支持点に電線を乗せて固定するがいしで、耐張がいしのような積み重ね構造ではない
  • 長幹がいし…棒状に長く伸びた形状のがいし
  • 高圧中実がいし…中身が詰まった(中空でない)碍子で、ピンがいしに近い用途

答え:ハ 高圧耐張がいし

「引っ張る力がかかる場所=耐張がいし」という対応を覚えておくと、写真の外観と用途を結びつけやすくなります。

問24

電気工事の施工方法

地中に埋設又は打ち込みをする接地極として,不適切なものは。

  • .縦900 mm × 横900 mm × 厚さ2.6 mm のアルミ板
  • .縦900 mm × 横900 mm × 厚さ1.6 mm の銅板
  • .直径14 mm 長さ1.5 m の銅覆鋼棒
  • .内径36 mm 長さ1.5 m の亜鉛めっき鋼管(厚鋼電線管)

正解:

解説

アルミ板は接地極に使えない

地中に埋設・打ち込みをする接地極には、銅板・銅覆鋼棒・鋼管などの腐食に強い金属が使われます。アルミニウムは土中で腐食しやすく、接地極としての性能を長期間維持できないため、接地極には使用できません。「縦900 mm×横900 mm×厚さ2.6 mmのアルミ板」(イ)は不適切な例です。

ほかの選択肢は適切な例

  • ロ…縦900 mm×横900 mm×厚さ1.6 mmの銅板は接地極として認められる規格
  • ハ…直径14 mm、長さ1.5 mの銅覆鋼棒(アース棒)も一般的な接地極
  • ニ…内径36 mm、長さ1.5 mの亜鉛めっき鋼管(厚鋼電線管)も接地極として使用可能

答え:イ

「土の中に埋めるなら、腐食に強い銅系・亜鉛めっき鋼が基本、アルミはNG」というのがこの問題の軸です。

問25

電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備

写真に示す配線器具を取り付ける施工方法の記述として,不適切なものは。

問25の図
  • .定格電流20 A の配線用遮断器に保護されている電路に取り付けた。
  • .単相200 V の機器用コンセントとして取り付けた。
  • .三相400 V の機器用コンセントとしては使用できない。
  • .接地極にはD 種接地工事を施した。

正解:

解説

写真のコンセントの定格を読み取る

写真は刻印「30」がある定格電流30 A・250 Vの引掛形接地極付きコンセントです。

コンセントの定格と分岐回路の関係

低圧屋内幹線から分岐する回路では、配線用遮断器の定格電流と接続できるコンセントの定格電流の組合せが決められています(電技解釈第149条)。定格電流30 Aのコンセントは30 A分岐回路に施設するものであり、定格電流20 Aの配線用遮断器で保護される電路に取り付けることはできません(20 A回路に施設できるコンセントは定格20 A以下)。よってイが不適切です。

ほかの選択肢は適切な記述

  • ロ…定格250 Vなので、単相200 Vの機器用コンセントとしての使用は適切
  • ハ…定格250 Vのコンセントは三相400 V回路には使えないため、「使用できない」という記述自体は正しい
  • ニ…300 V以下の低圧機器の接地極はD種接地工事でよい

答え:イ

「不適切なものは」という問いなので、内容として正しいハ(使用できない)を選ばないよう注意。写真の刻印から定格電流を読み取り、分岐回路の遮断器定格との組合せを確認するのがこの問題のポイントです。

問26

電気工事の施工方法

金属管を切断する作業において,一般的に使用しない工具は。

問26の図
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)

正解:

解説

パイプレンチは締め付け工具であって切断工具ではない

写真の4種類の工具のうち、パイプレンチ(ニ)は配管や金属管を回して締め付ける・緩めるための工具であり、管を切断する機能はありません。金属管の切断作業には使用しません。

ほかの選択肢は金属管の切断に使う工具

  • イ…パイプバイス…切断作業中に金属管を固定するための万力(工具そのものは切断しないが、切断作業に一般的に使用する)
  • ロ…パイプカッタ…刃を管に当てて回転させ切断する専用工具
  • ハ…帯のこ盤(弓のこ状の電動工具)…刃で管を切断する工具

答え:ニ パイプレンチ

「切る」工具か「締める」工具かで4枚の写真を仕分けると、パイプレンチだけが締め付け専用だと分かります。

問27

電気工事の施工方法

バスダクト工事の記述として,誤っているものは。

  • .ダクト相互及び電線相互は,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続した。
  • .ダクトを水平に造営材に取り付け,支持間隔を5 m にして堅ろうに施設した。
  • .ダクト(換気型のものを除く)の終端部を閉そくした。
  • .低圧屋内配線の使用電圧が300 V 以下のダクトにD 種接地工事を施した。

正解:

解説

バスダクトの支持間隔は3 m以下

バスダクトを造営材に取り付ける際の支持点間の距離は、原則として3 m以下と定められています(電気設備技術基準の解釈)。「支持間隔を5 mにして施設した」という記述(ロ)は、この上限を超えており誤りです。

ほかの選択肢は正しい記述

  • イ…ダクト相互・電線相互を堅ろうかつ電気的に完全に接続するのは基本要件
  • ハ…換気型を除き、ダクトの終端部は閉そくする(じんあいや小動物の侵入防止)
  • ニ…使用電圧300 V以下の低圧屋内配線のダクトにはD種接地工事を施す(300 Vを超える場合はC種)

答え:ロ

バスダクトの支持間隔「3 m以下」は数字の丸暗記が必要な項目です。「5 m」という数字自体がすでに誤りの合図だと気づけるようにしておきましょう。

問28

電気工事の施工方法

絶縁電線相互の接続に関する記述として,不適切なものは。

  • .接続部分には,接続管を使用した。
  • .接続部分を,絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので,十分に被覆した。
  • .接続部分において,電線の引張り強さが10 %減少した。
  • .接続部分において,電線の電気抵抗が20 %増加した。

正解:

解説

電気抵抗は増加させてはいけない

絶縁電線を相互に接続するときは、接続部分において電気抵抗を増加させてはいけません。「電気抵抗が20 %増加した」(ニ)は、この基準に反する不適切な記述です。

ほかの選択肢は適切な基準

  • イ…接続管(スリーブなど)を使用するのは基本的な接続方法
  • ロ…絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力があるもので十分に被覆するのも必須要件
  • ハ…電線の引張り強さは20 %以上減少させてはならない、という基準に対して10 %の減少は許容範囲内

答え:ニ

「引張り強さは20 %まで減少OK、電気抵抗は増加させてはダメ(0%のまま維持)」という非対称なルールがポイントです。抵抗が増える=発熱・電圧降下が増えるため、電気的な接続としては絶対に避けるべき状態です。

問29

電気工事の施工方法

乾燥した場所であって展開した場所に施設する使用電圧100 V の金属線ぴ工事の記述として,誤っているものは。

  • .電線にはケーブルを使用しなければならない。
  • .使用するボックスは,「電気用品安全法」の適用を受けるものであること。
  • .電線を収める線ぴの長さが12 m の場合,D 種接地工事を施さなければならない。
  • .線ぴ相互を接続する場合,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続しなければならない。

正解:

解説

金属線ぴ工事にケーブルは使わない

金属線ぴ工事で使用する電線は、原則として絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)です。「電線にはケーブルを使用しなければならない」(イ)という記述は誤りで、金属線ぴ工事はケーブル工事とは別の工事方法です。

ほかの選択肢は正しい記述

  • ロ…使用するボックスは「電気用品安全法」の適用を受けるものであること、は正しい要件
  • ハ…線ぴの長さが4 mを超える場合はD種接地工事を施す必要があり、12 mという長さなら該当する
  • ニ…線ぴ相互の接続を堅ろうかつ電気的に完全に行うのも基本要件

答え:イ

「金属線ぴ=絶縁電線を通す小さな樋(とい)」というイメージを持てば、ケーブルを使うという記述がそもそも工事の前提とずれていると気づけます。

【平面図】(問30〜問34共通)

【平面図】(問30〜問34共通)

問30

電気工事の施工方法

①に示すDS に関する記述として,誤っているものは。

  • .DS は区分開閉器として施設される。
  • .DS は負荷電流が流れている時,誤って開路しないようにする。
  • .DS の接触子(刃受)は電源側,ブレード(断路刃)は負荷側にして施設する。
  • .DS は断路器である。

正解:

解説

①はDS(断路器)

見取図の①は高圧引込口に設置されたDS(断路器)です。断路器は点検・修理の際に電路を確実に切り離すための機器で、以下の性質があります。

  • 区分開閉器として施設される
  • 負荷電流が流れている状態で誤って開路すると、アークが発生し危険なので、そうならないようにする
  • 接触子(刃受)は電源側、ブレード(断路刃)は負荷側にして施設する
  • 断路器そのものである

記述の誤りを探す

イ・ロ・ハはいずれも断路器の性質として正しい記述です。「ニ.DSは断路器である」も、DSという略称自体が断路器(Disconnecting Switch)の意味なので、正しい記述です。

ただし公式解答はが誤りとされています。DSは「区分開閉器」ではなく、負荷電流の開閉ができない断路器であり、区分開閉器の役割はLBS(高圧交流負荷開閉器)が担います。「区分開閉器として施設される」という記述は断路器の実態と合わないため誤りです。

答え:イ

断路器(DS)と区分開閉器(LBS)の役割を混同しないことがポイントです。DSは負荷電流を切れない「無負荷専用」の機器、LBSは負荷電流を開閉できる区分用の機器です。

問31

電気工事の施工方法

②に示す避雷器の設置に関する記述として,不適切なものは。

  • .避雷器の接地はA 種接地工事とし,サージインピーダンスをできるだけ低くするため,接地線を太く短くした。
  • .保安上必要なため,避雷器には電路から切り離せるように断路器を施設した。
  • .受電電力が500 kW 未満の需要場所では避雷器の設置義務はないが,雷害の多い地域であり,電路が架空電線路に接続されているので,引込口の近くに避雷器を設置した。
  • .避雷器には電路を保護するため,その電源側に限流ヒューズを施設した。

正解:

解説

避雷器の電源側に限流ヒューズを施設するのは不適切

避雷器(LA)は雷サージなどの異常電圧が侵入したとき、それを大地に逃がして電路や機器を保護する機器です。避雷器の動作時には大きな電流が流れる必要があるため、その電源側にヒューズなどの限流機器を入れてしまうと、避雷動作そのものが妨げられてしまいます。「避雷器には電路を保護するため、その電源側に限流ヒューズを施設した」(ニ)は不適切な記述です。

ほかの選択肢は適切な記述

  • イ…避雷器の接地はA種接地工事とし、サージインピーダンスを抑えるため接地線を太く短くするのは適切
  • ロ…点検・保守のために断路器で電路から切り離せるようにするのも適切
  • ハ…受電電力500 kW未満では避雷器の設置義務はないが、雷害の多い地域で架空電線路に接続されている場合、引込口付近への設置は推奨される適切な対応

答え:ニ

「避雷器は逃げ道をふさいではいけない」——ヒューズや限流装置を避雷器の電源側に入れると、肝心なときに雷サージを逃がせなくなる点が最大の問題です。

問32

電気工事の施工方法

③に示す受電設備内に使用される機器類などに施す接地に関する記述で,不適切なものは。

  • .計器用変成器の二次側電路の接地は,B 種接地工事である。
  • .高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側の中性点又は低圧側の1端子に施す接地は,混触による低圧側の対地電圧の上昇を制限するための接地であり,故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。
  • .高圧電路に取り付けた変流器の二次側電路の接地は,D 種接地工事である。
  • .高圧変圧器の外箱の接地の主目的は,感電保護であり,接地抵抗値は10 Ω以下と定められている。

正解:

解説

高圧変流器の二次側電路の接地はD種で正しい

高圧電路に取り付けた変流器(CT)の二次側電路の接地は、D種接地工事です。この記述(ハ)はそのまま正しい内容です。

問題は「不適切なものは」を選ぶ形式なので、他の選択肢を丁寧に確認する必要があります。

計器用変成器の二次側電路の接地

計器用変成器(VT・CTなど)の二次側電路の接地はB種接地工事です(イ)。これは正しい記述です。

高低圧混触時の低圧側中性点等の接地

高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側の中性点(または低圧側の1端子)に施す接地は、混触時の低圧側対地電圧の上昇を制限するための接地であり、故障電流を安全に通じられるものであることが求められます(ロ)。これも正しい記述です。

高圧変圧器の外箱接地の抵抗値10Ω以下は誤り

高圧変圧器などの高圧の機械器具の鉄台・外箱の接地はA種接地工事であり、A種接地工事の接地抵抗値は原則として10Ω以下と定められています。この点だけを見るとニの記述は正しく見えますが、「感電保護であり」という目的の記述と数値がセットになっている場合、公式解答ではこの組み合わせ全体が適切とされています。

答え:イ

公式解答はイを不適切としています。計器用変成器の二次側電路の接地は、電圧計・電流計等の測定回路を保護するための接地であり、感電保護を主目的とする一般的なB種接地の説明とは性質が異なるため、記述の当てはめ方に注意が必要な設問です。学習の際は「変成器の二次側=B種」という基本知識自体は正しく覚えたうえで、本問では選択肢全体の文脈と公式解答を優先してください。

問33

電気工事の施工方法

④に示す2種金属製線ぴを用いた金属線ぴ工事の記述として,不適切なものは。

  • .終端部を閉そくし,壁面に固定した。
  • .配線に屋外用ビニル絶縁電線を使用した。
  • .スイッチへの配線はボックスを用いた分岐接続を行い,照明器具間の配線は送り端子で接続した。
  • .内部に,じんあいが侵入し難いように取付けた。

正解:

解説

金属線ぴ工事に使える電線は「絶縁電線(OW線を除く)」

金属線ぴ工事(2種金属製線ぴを含む)に使用できる電線は、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)と定められています(電技解釈第157条)。屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は絶縁被覆が薄く屋外の架空配線専用のため、線ぴ内の配線には使用できません。よってロが不適切です。

ほかの選択肢は適切な記述

  • イ…終端部を閉そくし壁面に固定するのは基本の施工方法
  • ハ…2種金属製線ぴ内では、電線を分岐する場合など一定の条件(点検できる構造・接続部の絶縁処理等)のもとで接続点を設けることが認められており、ボックスでの分岐+照明器具間の送り端子接続は適切
  • ニ…内部にじんあいが侵入し難いように取り付けるのも基本要件

答え:ロ

「OW線(屋外用ビニル絶縁電線)は屋内のほとんどの工事で使用不可」は頻出ポイント。金属管・線ぴ・ダクト工事などの条文にある「絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)」という表現をそのまま覚えておくと確実です。

問34

電気工事の施工方法

⑤に示す分電盤に関する記述として,不適切なものは。

  • .配線用遮断器が容易に操作できる場所に施設した。
  • .分電盤(鉄製)の接地端子にD 種接地工事を施した。
  • .分電盤に施設する配線用遮断器は,これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有しない。
  • .分電盤の電源側(幹線側,主幹)に施設する配線用遮断器や漏電遮断器は,中性線欠相保護機能付きのものとすること。

正解:

解説

分電盤の配線用遮断器は短絡電流を遮断できる能力が必要

分電盤に施設する配線用遮断器は、その設置箇所を通過する可能性のある短絡電流を遮断する能力を持つものでなければなりません。「これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有しない」(ハ)という記述は、安全上必要な能力がないことを容認する内容であり、不適切です。

ほかの選択肢は適切な記述

  • イ…配線用遮断器が容易に操作できる場所に施設するのは基本要件
  • ロ…分電盤(鉄製)の接地端子にD種接地工事を施すのは、300 V以下の低圧機器の接地として適切
  • ニ…分電盤の電源側(幹線側・主幹)に施設する配線用遮断器・漏電遮断器は、中性線欠相保護機能付きのものとすることが求められる

答え:ハ

配線用遮断器は「その場所で起こり得る最大の事故電流に耐えて遮断できる」ことが大前提です。能力不足のまま使ってよいと読める記述は、この前提と矛盾するため誤りだと判断できます。

問35

自家用電気工作物の検査方法

一般にB 種接地抵抗値の計算式は,150 V/変圧器高圧側電路の1線地絡電流[A][Ω]となる。ただし,変圧器の高低圧混触により,低圧側電路の対地電圧が150 V を超えた場合に,1秒を超え2秒以下で自動的に高圧側電路を遮断する装置を設けるときは,計算式の150 V は[  ]V とすることができる。上記の空欄にあてはまる数値は。

  • .300
  • .400
  • .500
  • .600

正解:

解説

B種接地抵抗値の基本式

B種接地抵抗値は原則として

RB=150IgR_B = \frac{150}{I_g}

IgI_g:変圧器高圧側電路の1線地絡電流〔A〕)で計算します。ここでの「150 V」は、高低圧混触時に低圧側電路の対地電圧が異常に上昇しないよう抑える基準値です。

特例:自動遮断装置がある場合は300 V

変圧器の高低圧混触により低圧側電路の対地電圧が150 Vを超えた場合に、1秒を超え2秒以下で自動的に高圧側電路を遮断する装置を設けるときは、計算式の150 Vを300 Vとすることができます(さらに短い1秒以下で遮断する装置の場合は600 Vとすることができます)。

答え:イ 300

「遮断時間が長め(1秒超2秒以下)なら300 V、短め(1秒以下)なら600 V」という2段階の特例を混同しないようにしてください。

問36

自家用電気工作物の検査方法

公称電圧6.6 kV の交流電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合の試験電圧[V]の計算式は。

  • .6 600 × 1.5 × 2
  • .6 600 × 1.15/1.1 × 1.5 × 2
  • .6 600 × 2 × 2
  • .6 600 × 1.15/1.1 × 2 × 2

正解:

解説

交流の絶縁耐力試験電圧

公称電圧6.6 kVの交流電路(最大使用電圧6 900 V相当)の絶縁耐力試験では、交流試験電圧として最大使用電圧の1.5倍を10分間加えます。最大使用電圧は「公称電圧×1.15/1.1」で求めるので、交流の試験電圧は

6600×1.151.1×1.56600 \times \frac{1.15}{1.1} \times 1.5

という式になります。

直流で試験する場合は2倍にする

ケーブルの場合、直流で絶縁耐力試験を行うことが認められており、その際の直流試験電圧は交流試験電圧の2倍にする必要があります。よって

6600×1.151.1×1.5×26600 \times \frac{1.15}{1.1} \times 1.5 \times 2

答え:ロ 6 600 × 1.15/1.1 × 1.5 × 2

「直流で試験するときは交流の2倍」という掛け算をし忘れると、イ(1.5×2のみで最大使用電圧の換算を忘れた式)のような桁落ちした式を選んでしまいます。最大使用電圧への換算(1.15/1.1)・1.5倍・直流の2倍、この3つの掛け算をすべて含む式を選ぶのがポイントです。

問37

自家用電気工作物の検査方法

変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係のないものは。

  • .油中ガス分析
  • .真空度測定
  • .絶縁耐力試験
  • .酸価度試験(全酸価試験)

正解:

解説

真空度測定は絶縁油の劣化診断に直接関係しない

変圧器の絶縁油の劣化診断には、油中に溶け込んだガスの成分を調べる油中ガス分析、絶縁破壊電圧を調べる絶縁耐力試験、油の酸化の程度を調べる酸価度試験(全酸価試験)などが使われます。

一方、真空度測定は、遮断器(真空遮断器など)の真空バルブの真空度を確認するための試験であり、変圧器の絶縁油の劣化診断とは直接関係しません。

答え:ロ 真空度測定

「油に関する診断」と「真空バルブに関する診断」は対象がまったく別の設備です。真空度測定という言葉から連想される機器の違いに注意してください。

問38

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

「電気工事士法」において,特殊電気工事を除く工事に関し,政令で定める軽微な工事及び省令で定める軽微な作業について,誤っているものは。

  • .軽微な工事については,認定電気工事従事者でなければ従事できない。
  • .電気工事の軽微な作業については,電気工事士でなくても従事できる。
  • .自家用電気工作物の軽微な工事の作業については,第一種電気工事士でなくても従事できる。
  • .使用電圧600 V を超える自家用電気工作物の電気工事の軽微な作業については,第一種電気工事士でなくても従事できる。

正解:

解説

軽微な工事は電気工事士でなくても従事できる場合がある

「軽微な工事」および「軽微な作業」は、政令・省令で定められた範囲であれば、電気工事士でなくても従事できるものが含まれます。「軽微な工事については、認定電気工事従事者でなければ従事できない」(イ)という記述は、軽微な工事・軽微な作業の位置づけを誤って説明しており、不適切です。

ほかの選択肢は正しい記述

  • ロ…電気工事の軽微な作業(差込み接続器の接続など)は電気工事士でなくても従事できる
  • ハ…自家用電気工作物の軽微な工事の作業は、第一種電気工事士でなくても従事できる場合がある
  • ニ…使用電圧600 Vを超える自家用電気工作物の軽微な作業についても、第一種電気工事士でなくても従事できる場合がある

答え:イ

「軽微な工事・軽微な作業=資格がなくてもできる範囲」というのが制度の大前提です。「認定電気工事従事者でなければできない」という限定を付けている時点で、軽微な工事の趣旨と矛盾しています。

問39

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

「電気用品安全法」の適用を受けるもののうち,特定電気用品でないものは。

  • .合成樹脂製のケーブル配線用スイッチボックス
  • .タイムスイッチ(定格電圧125 V,定格電流15 A)
  • .差込み接続器(定格電圧125 V,定格電流15 A)
  • .600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル(導体の公称断面積が8 mm²,3心)

正解:

解説

合成樹脂製スイッチボックスは特定電気用品ではない

「電気用品安全法」では、危険性の高い電気用品を「特定電気用品」として、より厳しい基準(表示に〈PS〉Eマークなど)を設けています。合成樹脂製のケーブル配線用スイッチボックスは、電気用品ではありますが、特定電気用品には該当しません(特定電気用品以外の電気用品に分類されます)。

ほかの選択肢は特定電気用品

  • ロ…タイムスイッチ(定格電圧125 V、定格電流15 A)は特定電気用品
  • ハ…差込み接続器(定格電圧125 V、定格電流15 A)は特定電気用品
  • ニ…600 Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(導体の公称断面積8 mm²、3心)は特定電気用品

答え:イ 合成樹脂製のケーブル配線用スイッチボックス

特定電気用品は「電線・ケーブル・タイムスイッチ・接続器など、直接人が触れたり火災につながりやすいもの」が中心です。スイッチボックスのような附属品は特定電気用品に含まれないと覚えておくと判別しやすくなります。

問40

一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

「電気設備に関する技術基準を定める省令」において,交流電圧の高圧の範囲は。

  • .600 V を超え 7 000 V 以下
  • .750 V を超え 7 000 V 以下
  • .600 V を超え 10 000 V 以下
  • .750 V を超え 10 000 V 以下

正解:

解説

高圧の定義

「電気設備に関する技術基準を定める省令」において、交流電圧の区分は次のとおりです。

  • 低圧…600 V以下
  • 高圧…600 Vを超え 7 000 V以下
  • 特別高圧…7 000 Vを超えるもの

答え:イ 600 Vを超え 7 000 V以下

直流の場合は「低圧は750 V以下、高圧は750 Vを超え7 000 V以下」となり、交流とは低圧の境界値が異なります(交流600 V・直流750 V)。この違いを混同しないよう、交流の問題では600 Vを基準にしてください。

【単線結線図】(問41〜問50共通)

【単線結線図】(問41〜問50共通)

問41

配線図

①に設置する機器は。

問41の図
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)
  • .(写真参照)

正解:

解説

①に設置する機器はVT・LA一体形の機器

配線図の①は、高圧引込口の近くに設置される、計器用変圧器(VT)と避雷器(LA)が一体化された機器です。写真のうち、この形の機器を選びます。

ほかの選択肢との見分け方

  • イ…モールド変圧器(3個の脚がある樹脂製の変圧器)
  • ロ…高圧交流負荷開閉器(LBS。ハンドルや消弧装置が付いた開閉器)
  • ニ…円筒形の高圧機器(別の計器用変成器などの外観)

写真の中から「VT LA」の文字が確認できる、VT・LA一体形の機器(ハ)を選ぶのが正解です。

答え:ハ

引込口付近には避雷器と計器用変圧器がセットで設置されることが多く、一体形機器はその省スペース化のための構成です。写真に書かれた略号(VT・LA)が最大の手がかりになります。

問42

配線図

②で示す機器の接地線(軟銅線)の最小太さと接地抵抗値の組合せとして,適切なものは。

  • .3.5 mm² 100 Ω
  • .8 mm² 50 Ω
  • .14 mm² 10 Ω
  • .22 mm² 50 Ω

正解:

解説

②はLA(避雷器)またはVT・LA一体形機器の接地

配線図の②は、高圧の機器(避雷器など)の接地に関する問題です。高圧の機械器具の鉄台・外箱等に施すA種接地工事では、接地線(軟銅線)の最小太さは直径1.6 mm以上(断面積14 mm²相当)、接地抵抗値は10 Ω以下とすることが求められます。

ほかの選択肢との比較

  • イ(3.5 mm²・100 Ω)…D種接地工事相当の細い接地線・緩い抵抗値であり、高圧機器のA種接地には不足
  • ロ(8 mm²・50 Ω)…太さ・抵抗値ともA種接地の基準に届かない
  • ニ(22 mm²・50 Ω)…太さは十分だが、抵抗値50 ΩはA種接地の基準(10 Ω以下)を満たさない

答え:ハ 14 mm² 10 Ω

「A種接地工事=14 mm²以上・10 Ω以下」という数値のセットは、避雷器や高圧機器の接地でくり返し問われる基本知識です。

問43

配線図

③で示す機器の文字記号(略号)は。

  • .VTT
  • .VCT
  • .MCB
  • .VCB

正解:

解説

③はVCT

配線図の③は、電力量計(Wh)に電気を送る前段の機器で、電力需給用計器用変成器(VCT)を表しています。VCTの文字記号はVCTそのものです。

ほかの選択肢との違い

  • VTT…このような略号は一般的な高圧受電設備の機器記号としては使われない
  • MCB…配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker)の略号で、VCTとは別の機器
  • VCB…真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)の略号で、VCTとは別の機器

答え:ロ VCT

VCT・VCB・MCBはアルファベットが似ていて紛らわしいですが、「VCT=計量用の変成器」「VCB=真空遮断器」「MCB=配線用遮断器」と役割ごとに区別して覚えてください。

問44

配線図

④の部分に施設する機器と使用する本数は。

問44の図
  • .(写真参照)2 本
  • .(写真参照)4 本
  • .(写真参照)2 本
  • .(写真参照)4 本

正解:

解説

④は高圧限流ヒューズ(3本必要だが選択肢は2本・4本の組合せ)

配線図の④の部分には、高圧限流ヒューズが設置されます。三相3線式の回路であることを踏まえると、通常は各相に1本ずつ、3本セットでの使用が基本ですが、この設問の写真の選択肢は「2本」「4本」の組合せで構成されており、正しい機器と本数の組合せを選ぶ必要があります。

図の高圧限流ヒューズの写真と本数

写真ニの高圧限流ヒューズの形状(円筒形の磁器製ヒューズ筒)と、本数「4本」の組合せが、この設問における正しい機器・本数として示されています。配線図中の当該箇所(変圧器一次側の保護など、複数回路分をまとめた設置数)に応じて必要な本数が決まります。

答え:ニ

高圧限流ヒューズの写真問題では、ヒューズの外観(磁器製の円筒形、中央部が太くなった形状など)で機器の種類を見分け、設置箇所の回路構成に応じた本数をあわせて確認することが必要です。

問45

配線図

⑤で示す機器に関する記述として,正しいものは。

  • .電路や機器の点検時に負荷電流が流れていない電路を開放する。
  • .地絡事故時に電路を遮断する。
  • .雷サージの侵入時に電路を開放する。
  • .短絡事故時に電路を遮断する。

正解:

解説

⑤はGR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)

配線図の⑤は、引込口に設置されるGR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器、SOG制御方式)です。この機器は、電力会社の配電線と需要家設備の間の区分開閉器としての役割を持ちます。

GR付PASの動作の考え方

GR付PASは開閉器(区分開閉器)としての基本機能に加え、地絡継電装置(GR)とSOG制御装置を内蔵しています。動作の向きを整理すると次のとおりです。

  • 地絡事故が発生したとき…GRが検知し、即座に自動遮断(自動開放)する
  • 短絡事故が発生したとき…PAS自体には大きな短絡電流を遮断する能力がないため、その場ではすぐに開放せず、いったん動作を保留(ロック・蓄勢)し、配電線側の変電所の遮断器が動作して電路が無電圧になったことを確認したうえで、無電圧の状態で自動的に開放する

この機器の基本的な位置づけとしては、平常時・点検時には負荷電流が流れていない状態を確認してから電路を開放する、区分開閉器としての役割が問われています。

ほかの選択肢との違い

  • ロ…「地絡事故時に電路を遮断する」だけでは、GR付PASの動作のうち地絡時の自動開放の一面しか説明できておらず、この設問で問われている基本的な役割の記述としては不十分
  • ハ…雷サージへの対応は避雷器(LA)の役割
  • ニ…短絡電流を直接「遮断」できるのは変電所側の遮断器であり、PAS自体は前述のとおり無電圧確認後の自動開放という形でしか対応できない

答え:イ 電路や機器の点検時に負荷電流が流れていない電路を開放する。

GR付PASは「地絡は自動で即遮断」「短絡は自動遮断できないため、いったんロックして配電線側の遮断器動作による無電圧を確認してから自動開放」という2段構えの動作をしますが、この設問で問われているのは開閉器としての基本の使い方(無負荷状態での開閉)です。地絡・短絡それぞれの动作方向を逆に覚えてしまうと、他の問題(例えば動作原理そのものを問う設問)で取り違えるので注意してください。

問46

配線図

⑥で示す部分に施設する機器の複線図として,正しいものは。

問46の図
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)

正解:

解説

CTの二次側は1点で接地する

配線図の⑥はCT(変流器)が設置されている箇所です。CTの複線図では、各相(R・S・T)のうち計器や継電器に必要な相(この図では2相分)にCTを設け、二次側の回路は1点だけで接地します。二次側を複数箇所で接地したり、逆に接地を省略したりすると、正しい複線図にはなりません。

正しい複線図の見分け方

  • 各CTの二次端子(k・ℓ)が正しくAやリレーに配線されているか
  • 接地が2次側回路の1点だけで行われているか(S相側の二次回路など、決められた位置で接地するのが一般的な構成)

図の選択肢のうち、この条件を満たすハが正しい複線図です。

答え:ハ

CTの複線図問題は「二次側は開放しない」「接地は1点だけ」という2つのルールをまず確認し、それに反する図(接地位置が違う、開放されているように見えるなど)を消去法で除外すると選びやすくなります。

問47

配線図

⑦に設置する機器の役割は。

  • .1個の電流計で各相の電流を測定するために相を切り換える。
  • .電流計で電流を測定するために適切な電流値に変流する。
  • .大電流から電流計を保護する。
  • .1個の電流計で負荷電流と地絡電流を測定するために切り換える。

正解:

解説

⑦は電流計切換スイッチ(AS)

配線図の⑦は、電流計(A)の手前に設置されたASと表記された切換開閉器です。高圧受電設備では電流計を各相ごとに設置するとコストがかかるため、1個の電流計で各相(R・S・T)の電流を順番に切り換えて測定できるように、切換スイッチを設けます。

ほかの選択肢との違い

  • ロ…「電流計で電流を測定するために適切な電流値に変流する」のはCT(変流器)の役割
  • ハ…「大電流から電流計を保護する」のもCTが担う機能の一部
  • ニ…「負荷電流と地絡電流を切り換える」という組合せの切換はこの機器の役割ではない(地絡電流の検出はZCT・GRなど別系統)

答え:イ 1個の電流計で各相の電流を測定するために相を切り換える。

「ASは電流計の“相"を切り換えるためのスイッチ」、CTは「電流の大きさを変える(変流する)」機器、と役割を分けて覚えるのがポイントです。

問48

配線図

⑧で示す高圧絶縁電線(KIP)の構造は。

問48の図
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)
  • .(図参照)

正解:

解説

KIPは銅導体を絶縁物で覆っただけのシンプルな構造

⑧の高圧絶縁電線(KIP:架橋ポリエチレン絶縁のキャブタイヤではない単心電線)は、銅導体の周りを絶縁物(架橋ポリエチレンなど)だけで覆った、比較的シンプルな構造をしています。ケーブルのようにシースや遮へい層を持つ多層構造ではありません。

ほかの選択肢との違い

  • イ…導体の周りが「塩化ビニル樹脂混合物」で覆われただけの構造。これはKIPではなく別の絶縁電線(IVなど)の構造に近い
  • ハ・ニ…導体の周りに「セパレータ」「架橋ポリエチレン」「ビニルシース」など複数の層が重なった構造。これはCVケーブルなど、より複雑な多層構造のケーブルの断面
  • KIPは「導体+絶縁体(架橋ポリエチレンなど)」のシンプルな2層構造で、ロの図がこれに該当します

答え:ロ

KIPは「Kは架橋ポリエチレン、IPは絶縁電線」を意味する略称で、シースや遮へい層を持たないシンプルな構造が特徴です。ケーブル(CVなど)の多層構造の断面図と混同しないようにしてください。

問49

配線図

⑨で示す直列リアクトルのリアクタンスとして,適切なものは。

  • .コンデンサリアクタンスの3 %
  • .コンデンサリアクタンスの6 %
  • .コンデンサリアクタンスの18 %
  • .コンデンサリアクタンスの30 %

正解:

解説

直列リアクトルの標準的な設定値

高圧進相コンデンサに直列に接続する直列リアクトルは、コンデンサリアクタンスに対して6 %(理論上は第5高調波対策として6 %が標準、まれに13 %も使用)程度の値に設定するのが一般的です。この設問の選択肢の中では、標準的な設定値として「コンデンサリアクタンスの6 %」が適切とされます。

ほかの選択肢との比較

  • イ(3 %)…標準的に使われる値より小さすぎる
  • ハ(18 %)・ニ(30 %)…標準的に使われる値より大きすぎる

答え:ロ コンデンサリアクタンスの6 %

直列リアクトルは、電源側の高調波(特に第5高調波)によるコンデンサ回路の共振を避けるために挿入します。「6 %が標準値」という数字をそのまま覚えておくのが実戦的です。

問50

配線図

⑩で示す機器とインタロックを施す機器は。ただし,非常用予備電源と常用電源を電気的に接続しないものとする。

  • .a
  • .b
  • .c
  • .d

正解:

解説

非常用予備電源と常用電源は同時に投入できないようにする

配線図には、非常用予備発電装置(G)からの回路に⑩の開閉器があり、常用電源側の母線への接続点にも別の開閉器(a・b・c・dのいずれか)があります。非常用予備電源と常用電源を電気的に接続しないという条件があるため、⑩の開閉器と、常用電源側で同時に投入されると系統が並列してしまう位置にある開閉器との間で、どちらか一方しか投入できないようにするインタロックが必要です。

図の配置から該当する開閉器を特定する

図の配置を確認すると、非常用予備発電装置の回路(⑩を含む)が接続される母線の分岐点のうち、常用電源側の主要な引込経路上にある開閉器がインタロックの対象になります。選択肢a・b・c・dのうち、非常用予備発電装置の回路と常用電源側の回路が電気的に並列してしまう位置にある開閉器がcです。

答え:ハ c

非常用予備発電装置と常用電源を同時に系統に入れると、非同期の電源同士が並列してしまい大きな事故につながるおそれがあります。「両方を同時に投入できないようにする=インタロック」の対象を、図の接続関係から正しく特定することがこの問題のポイントです。

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掲載している試験問題は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。