令和7年度下期 第一種電気工事士 学科試験の問題と解説【全50問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験回をクイズ形式で解く →問1
電気に関する基礎理論図のような平行平板キャパシタにおいて,電極間に100 V の電圧を加えたとき,電極間に何も挟んでいない(空気)キャパシタ内の電界の強さE[V/m]は。ただし,電極間の距離d=1×10⁻³ m,平行平板間の電界は平等電界とする。

- イ.1×10²
- ロ.1×10³
- ハ.1×10⁴
- ニ.1×10⁵
正解:ニ
解説
平等電界の式
平行平板キャパシタの中の電界は、極板間の距離が一定なら「平等電界」となり、次の式で求められます。
電圧 を極板間の距離 で割るだけです。
この問題にあてはめる
、 なので
答え:ニ
が「メートル」単位のごく小さい値(ミリメートル台)であることに気づかず桁を1つ間違えると、ハの に引っかかります。 の指数計算は慎重に。
問2
電気に関する基礎理論図のような直流回路において,スイッチSが開いているとき,抵抗Rの両端の電圧は36 V であった。スイッチSを閉じたときの抵抗Rの両端の電圧[V]は。

- イ.3
- ロ.12
- ハ.24
- ニ.30
正解:ニ
解説
スイッチが開いているときにRを求める
スイッチSが開いていると、6Ωの抵抗には電流が流れません(枝が切れているため)。よって回路は60V電源・2Ω・Rの直列回路になります。
Rの両端電圧が36Vなので、2Ωにかかる電圧は
このとき流れる電流は
したがって
スイッチを閉じたときの電圧
スイッチSを閉じると、6ΩとRの並列合成抵抗を2Ωと直列に接続した回路になります。
全体の合成抵抗は なので、全電流は
並列部分にかかる電圧(=Rの両端電圧)は
答え:ニ 30
「スイッチが開いている状態からまずRの値を逆算する」のがこの手の問題の定石です。Rの値を求めずに感覚で答えるとロの12(Sが開いていたときの2Ωの電圧と混同)などに引っかかります。
問3
電気に関する基礎理論図のように,角周波数がω=500 rad/s,電圧100 V の交流電源に,抵抗R=3 ΩとインダクタンスL=8 mH が接続されている。回路に流れる電流Iの値[A]は。

- イ.9
- ロ.14
- ハ.20
- ニ.33
正解:ハ
解説
リアクタンスを求める
コイルのリアクタンスは
インピーダンス
抵抗 とリアクタンス の直列なので
電流を求める
答え:ハ 20
-- の直角三角形はインピーダンス計算の定番パターンです。 の単位換算( をそのまま掛けない)を忘れずに。
問4
電気に関する基礎理論図のような交流回路において,10 Ωの抵抗の消費電力[W]は。ただし,ダイオードの電圧降下や電力損失は無視する。

- イ.100
- ロ.200
- ハ.500
- ニ.1 000
正解:ハ
解説
ダイオードは半分だけ電流を通す
ダイオードは一方向にしか電流を流さないため、交流の半サイクル(半波)だけが抵抗に流れます。これを半波整流といいます。
半波整流された電圧の実効値は、元の交流電圧の実効値の半分になります。
消費電力を求める
あれ、これだと選択肢にありません。半波整流の実効値は正確には ではなく、電力の関係から見直す必要があります。全波(整流なし)で流れたときの消費電力は 。半波整流ではダイオードが半サイクルしか通さないため、消費電力はちょうど半分になります。
答え:ハ 500
半波整流での電力は「フルに電流が流れたときの電力の半分」と覚えるのが簡単です。ニの1000(整流なしの電力)を選んでしまうミスに注意しましょう。
問5
電気に関する基礎理論図のような三相交流回路において,電源電圧はV[V],抵抗R=5 Ω,誘導性リアクタンスXL=3 Ωである。回路の全消費電力[W]を示す式は。

- イ.3V²/5
- ロ.V²/3
- ハ.V²/5
- ニ.V²
正解:イ
解説
回路をよく見る
図をよく見ると、外側の三角形(Δ結線)の3辺はすべて抵抗 だけで、内側の星形(Y結線、中性点は他とつながっていない浮遊中性点)の3本はすべてリアクタンス だけです。「Rの三角形」と「XLの星形」が同じ3つの頂点(電源の3端子)にそれぞれ独立に接続されている、という構成です。
リアクタンス側は電力を消費しない
コイル(リアクタンス)は電流を流しますが、電力を消費するのは抵抗だけです。内側のY結線はリアクタンス のみでできているため、そこにどんな電流が流れても有効電力(消費電力)はゼロです。
抵抗側(外側のΔ結線)だけで計算する
したがって、この回路の消費電力は、外側のΔ結線(3辺とも抵抗 、線間電圧 )だけを考えればよいことになります。Δ結線の1辺には線間電圧 がそのままかかるので、1辺に流れる電流は
1辺で消費する電力は で、これが3辺分あるので
答え:イ
図に の文字が入っていると身構えてしまいますが、「リアクタンスは電力を消費しない」という原則を知っていれば、内側の星形は計算から丸ごと除外できます。外側の抵抗の三角形だけに注目するのがこの問題の一番のポイントです。
問6
電気に関する基礎理論図のような単相3 線式電路において,スイッチA及びスイッチBを閉じているとき,図中の電圧Vは102 V であった。スイッチAは閉じたままで,スイッチBを開いた場合,電圧Vはどのように変化するか。ただし,電源電圧は104 V 一定で,電線1 線当たりの抵抗は0.2 Ωであり,負荷抵抗は10.2 Ω一定であるとする。

- イ.2 V下がる。
- ロ.変化しない。
- ハ.1 V上がる。
- ニ.3 V上がる。
正解:イ
解説
スイッチA・Bが両方閉じているとき
上下の電圧線(各104V)と中性線からなる単相3線式で、負荷(10.2Ω)に対して上側電線(0.2Ω)を通じて電流が流れ込み、負荷側の電圧を電圧計Vで測定しています。A・B両方が閉じてバランスが取れているときは中性線に電流が流れないため、上側の電流だけを考えればよく、
この連立方程式を解くと 、 となり、問題文の「104Vのとき102V」という条件とぴったり一致します。つまり104Vから102Vへの2Vの低下は、上側電線の抵抗0.2Ωによる電圧降下()そのものです。
スイッチBを開いたとき
Bを開くと、電流の帰り道は中性線を通るしかなくなり、上側電線(0.2Ω)→負荷(10.2Ω)→中性線(0.2Ω)という単純な直列回路になります。合成抵抗は
電流は
このときの負荷側電圧は
電圧の変化を比べる
Bを開く前と比べて、電圧はおよそ2V下がることが分かります。中性線に新たに電流が流れるようになった分、電線の抵抗による電圧降下が増えたことが原因です。
答え:イ 2V下がる
「Bを開く=中性線にも上側と同じ電流が流れ込む=電線の抵抗が1本分増える」とイメージすると、電圧が下がる方向だとすぐに判断できます。
問7
配電理論及び配線設計図のような単相3 線式配電線路において,負荷A,負荷Bともに消費電力800 W,力率0.8(遅れ)である。負荷電圧がともに100 V であるとき,この配電線路の電力損失[W]は。ただし,電線1 線当たりの抵抗は0.4 Ωとし,配電線路のリアクタンスは無視する。

- イ.40
- ロ.60
- ハ.80
- ニ.120
正解:ハ
解説
各負荷の電流を求める
負荷A・Bともに消費電力800W、力率0.8(遅れ)、電圧100Vなので、電流は
単相3線式の電線に流れる電流
負荷A・Bの消費電力・力率が同じ(平衡負荷)なので、中性線には電流が流れず、上下の電圧線にそれぞれ10Aが流れます。
電力損失を計算する
電力損失が生じるのは電流が流れる2本の電圧線だけです(電線1線あたりの抵抗0.4Ω)。
答え:ハ 80
負荷が平衡しているときは中性線の損失を考えなくてよい点がポイントです。うっかり3本分(中性線も含めて)計算するとニの120に引っかかります。
問8
配電理論及び配線設計図のような配電線路において,抵抗負荷R1に50 A,抵抗負荷R2には70 A の電流が流れている。変圧器の一次側に流れる電流I[A]の値は。ただし,変圧器と配電線路の損失及び変圧器の励磁電流は無視するものとする。

- イ.1
- ロ.2
- ハ.3
- ニ.4
正解:ロ
解説
二次側の消費電力を求める
二次側は変圧器から2つの100V巻線が出て、それぞれ抵抗負荷R1(50A)・R2(70A)に電力を供給しています(単相3線式と同様の構造)。
一次側も同じ電力(損失・励磁電流なし)
変圧器や配電線路の損失、励磁電流を無視するので、一次側が受け取る電力も12000Wのままです。
一次電流を求める
一次電圧は6000Vなので
答え:ロ 2
「二次側の電力=一次側の電力」という理想変圧器の関係を使うのがポイントです。二次側の電流(50Aや70A)をそのまま一次側に当てはめてしまうミスに注意してください。
問9
配電理論及び配線設計図のような,低圧屋内幹線からの分岐回路において,分岐点から配線用遮断器までの分岐回路を600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)で配線する。この電線の長さaと太さbの組合せとして,不適切なものは。ただし,幹線を保護する配線用遮断器の定格電流は100 A とし,VVR の太さと許容電流は表のとおりとする。

- イ.a:2 m b:2.0 mm
- ロ.a:5 m b:5.5 mm²
- ハ.a:7 m b:8 mm²
- ニ.a:10 m b:14 mm²
正解:ロ
解説
分岐回路の電線サイズを決めるルール
低圧屋内幹線から分岐する電線の太さは、分岐点から配線用遮断器までの距離によって、幹線を保護するブレーカーの定格電流に対する割合の基準が変わります(電気設備の技術基準の解釈による)。
このケースでは幹線保護ブレーカーが100Aなので、目安として
- 分岐点からの距離が3m以下 → 電線の許容電流に制限なし
- 距離が8m以下 → ブレーカー定格電流の35%以上の許容電流の電線
- 距離が8mを超える → ブレーカー定格電流の55%以上の許容電流の電線
が必要です。100Aの35%は35A、55%は55Aです。
選択肢を確認する
- イ:2m・2.0mm(許容電流24A)→ 3m以内なので制限なし。適切。
- ロ:5m・5.5mm²(許容電流34A)→ 8m以内なので35A以上必要だが34Aしかなく不足。不適切。
- ハ:7m・8mm²(許容電流42A)→ 8m以内で35A以上必要、42Aは満たす。適切。
- ニ:10m・14mm²(許容電流61A)→ 8m超なので55A以上必要、61Aは満たす。適切。
答え:ロ
「距離が長くなるほど、より太い(許容電流の大きい)電線が必要」という感覚と、3m・8mという距離の区切りを覚えておくのがコツです。
問10
電気応用定格出力22 kW,極数4 の三相誘導電動機が電源周波数60 Hz,滑り5 %で運転されている。このときの1 分間当たりの回転数は。
- イ.1 620
- ロ.1 710
- ハ.1 800
- ニ.1 890
正解:ロ
解説
同期速度を求める
同期速度は、周波数と極数から次の式で求まります。
滑りを考慮した実際の回転数
滑り があると、実際の回転数は同期速度より遅くなります。
答え:ロ 1710
「同期速度をまず求め、そこから滑りの分だけ引く(掛ける)」という2段階の考え方を押さえておきましょう。同期速度そのもの(ハの1800)を答えてしまうミスが多いので注意してください。
問11
電気応用変圧器の鉄損に関する記述として,正しいものは。
- イ.電源の周波数が変化しても鉄損は一定である。
- ロ.一次電圧が高くなると鉄損は増加する。
- ハ.鉄損はうず電流損より小さい。
- ニ.鉄損はヒステリシス損より小さい。
正解:ロ
解説
鉄損とは
鉄損は、変圧器の鉄心に生じる損失で、ヒステリシス損とうず電流損の合計です。鉄損は負荷電流の大きさに関係なく、加えている電圧(磁束)の大きさでほぼ決まる、という特徴があります。
選択肢を確認する
- イ:「周波数が変化しても鉄損は一定」→ 誤り。ヒステリシス損は周波数に比例し、うず電流損は周波数の2乗に比例するため、周波数が変わると鉄損も変化します。
- ロ:「一次電圧が高くなると鉄損は増加する」→ 正しい。鉄損は電圧(磁束密度)のほぼ2乗に比例して増えるため、電圧が上がれば鉄損も増加します。
- ハ:「鉄損はうず電流損より小さい」→ 鉄損はヒステリシス損とうず電流損の合計なので、鉄損がその一部(うず電流損)より小さくなることはありません。誤り。
- ニ:「鉄損はヒステリシス損より小さい」→ 同じ理由で誤り。
答え:ロ
鉄損は「電圧(磁束)で決まる」「負荷電流にはほぼ無関係」という2点をセットで覚えておくと、この手の性質問題に強くなります。
問12
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備LED ランプの記述として,誤っているものは。
- イ.LED ランプはpn 接合した半導体に電圧を加えることにより発光する現象を利用した光源である。
- ロ.LED ランプに使用されるLED チップ(半導体)の発光に必要な順方向電圧は,直流100 V 以上である。
- ハ.LED ランプの発光原理はエレクトロルミネセンスである。
- ニ.LED ランプには,青色LED と黄色を発光する蛍光体を使用し,白色に発光させる方法がある。
正解:ロ
解説
LEDランプの仕組み
LED(発光ダイオード)は、pn接合した半導体に電圧を加えることで発光する素子です。この発光現象は「エレクトロルミネセンス」と呼ばれます。白色LEDは、青色LEDチップと黄色を発光する蛍光体を組み合わせて作られることが多く、これらの記述(イ・ハ・ニ)はすべて正しい内容です。
誤っている選択肢
ロの「LEDチップの発光に必要な順方向電圧は、直流100V以上である」は誤りです。実際のLEDチップの順方向電圧はわずか数V程度(青色LEDで3V前後など)で、100Vという桁は完全に間違っています。
答え:ロ
LEDは低電圧・低電流で光る半導体素子であることを押さえておけば、「100V以上」という極端な数値にすぐ違和感を持てます。
問13
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備浮動充電方式の直流電源装置の構成図として,正しいものは。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:ニ
解説
浮動充電方式とは
浮動充電方式は、常時は整流器(交流を直流に変換する装置)が蓄電池と負荷の両方に電力を供給しつつ、蓄電池を満充電状態に保つ方式です。停電時には蓄電池が自動的に負荷への電力供給を引き継ぎます。
このため正しい構成図は「整流器 → (蓄電池と負荷が並列に接続される分岐点)」という順序になります。整流器の直後で回路が分岐し、片方が蓄電池、もう片方が負荷につながる形が正解です。
誤りやすいポイント
蓄電池と負荷の接続順序や、整流器と蓄電池の位置関係を入れ替えた図が誤答の選択肢として並びます。「整流器の出力を、蓄電池と負荷が両方受け取る(並列)」という基本構成を図で正確に見分けることが必要です。
答え:ニ
浮動充電方式の基本構成(整流器→蓄電池・負荷が並列)を絵として覚えておくと、選択肢の図を素早く見分けられます。
問14
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真の照明器具には矢印で示すような表示マークが付されている。この器具の用途として,適切なものは。

- イ.断熱材施工天井に埋め込んで使用できる。
- ロ.非常用照明として使用できる。
- ハ.屋外に使用できる。
- ニ.ライティングダクトに設置して使用できる。
正解:イ
解説
Sb・SGI・SG形のマークとは
写真の照明器具に付いている「Sb」「SGI」「SG」などのマークは、日本照明工業会が定める、断熱材施工天井(グラスウールなどの断熱材を敷き詰めた天井)に埋め込んで使用できることを示す適合マークです。
このマークがない器具を断熱材施工天井に埋め込むと、熱がこもって器具が異常過熱し、火災の原因になることがあります。
他の選択肢との違い
非常用照明、屋外使用、ライティングダクト対応は、それぞれ別の規格・表示(耐熱形、防雨形など)で示されるものであり、Sb・SGI・SG形の表示とは関係ありません。
答え:イ
「断熱材施工天井対応=Sマークを探す」という組み合わせで覚えておきましょう。
問15
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す,主に屋外に設置され,機器内で二酸化炭素を利用する機器の名称は。

- イ.自然冷媒ヒートポンプ給湯器
- ロ.パワーコンディショナ
- ハ.家庭用燃料電池
- ニ.水電解装置
正解:イ
解説
二酸化炭素を利用する屋外設置機器
写真の機器は、屋外に設置され、機器内で二酸化炭素(CO2)を冷媒として利用する「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」(エコキュートなど)です。空気の熱を吸収してCO2冷媒を圧縮・膨張させることでお湯を沸かす仕組みで、フロン系冷媒を使わない環境配慮型の機器として普及しています。
他の選択肢との違い
- パワーコンディショナ:太陽光発電の直流を交流に変換する機器で、冷媒は使いません。
- 家庭用燃料電池:都市ガスなどから水素を取り出し発電する機器で、二酸化炭素の利用が主目的ではありません。
- 水電解装置:水を電気分解して水素を作る装置です。
答え:イ
「屋外設置」「機器内でCO2を利用」というキーワードから自然冷媒ヒートポンプ給湯器を連想できるようにしておきましょう。
問16
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性図は,ボイラの水の循環方式のうち,自然循環ボイラの構成図である。図中の①,②及び③の組合せとして,正しいものは。

- イ.①蒸発管 ②節炭器 ③過熱器
- ロ.①過熱器 ②蒸発管 ③節炭器
- ハ.①過熱器 ②節炭器 ③蒸発管
- ニ.①蒸発管 ②過熱器 ③節炭器
正解:ニ
解説
自然循環ボイラの水・蒸気の流れ
自然循環ボイラは、ボイラ水の温度差による密度差(自然対流)を利用して水を循環させる方式です。図の構成では、ドラム(汽水分離器)から水が下降管を通って加熱部へ送られ、加熱されて蒸気となったものがドラムに戻る、という循環経路をたどります。
図中の①・②・③は、この循環経路上にある主要な構成要素(蒸発管・過熱器・節炭器)を指しています。
- 蒸発管:ボイラ水を加熱して蒸気に変える管
- 過熱器:蒸発管で作られた飽和蒸気をさらに加熱し、乾いた高温の蒸気(過熱蒸気)にする装置
- 節炭器(エコノマイザ):燃焼ガスの余熱を利用して、ボイラに供給する前の水(給水)を予熱する装置
図の位置関係(ドラムに近い側から蒸発→過熱→排ガス側の節炭器という順序)から、①蒸発管、②過熱器、③節炭器の組み合わせが正解です。
答え:ニ ①蒸発管 ②過熱器 ③節炭器
3つの要素の役割(蒸発・過熱・予熱)を区別できれば、図中の位置関係と結びつけて判断できます。
問17
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性全揚程がH[m],揚水量がQ[m³/s]である揚水ポンプの電動機の入力[kW]を示す式は。ただし,電動機の効率をηm,ポンプの効率をηpとする。
- イ.9.8QH/(ηpηm)
- ロ.9.8ηpηm/(QH)
- ハ.9.8Hηpηm/Q
- ニ.9.8QHηpηm
正解:イ
解説
ポンプの動力の基本式
水を持ち上げる仕事率(ポンプの出力)は、揚程・揚水量から次の式で求められます。
( は重力加速度、 は揚水量、 は全揚程)
効率を考慮した電動機の入力
実際のポンプ・電動機にはそれぞれ効率(ポンプ効率 、電動機効率 )があり、入力はロスの分だけ出力より大きくなります。効率で割り戻すことで入力を求めます。
答え:イ
効率は「かけると小さくなる(出力側)」「割ると大きくなる(入力側)」という関係を混同しないことが重要です。効率を掛けてしまう式(ニ)は、出力側の考え方であり誤りです。
問18
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性架空送電線の雷害対策として,適切なものは。
- イ.がいしにアークホーンを取り付ける。
- ロ.がいしの洗浄装置を施設する。
- ハ.電線にダンパを取り付ける。
- ニ.がいし表面にシリコンコンパウンドを塗布する。
正解:イ
解説
アークホーンの役割
架空送電線の雷害対策として代表的なのが、がいしに取り付ける「アークホーン」です。雷サージ(異常高電圧)が発生すると、がいし本体ではなくアークホーンの間でアーク(放電)を発生させることで、がいしが破損するのを防ぎます。
他の選択肢について
- がいしの洗浄装置:塩害・汚損対策であり、雷害対策ではありません。
- 電線のダンパ:電線の振動(微風振動)を抑える装置で、雷害とは関係ありません。
- がいし表面へのシリコンコンパウンド塗布:塩害・汚損によるフラッシオーバ防止策で、雷害対策ではありません。
答え:イ がいしにアークホーンを取り付ける。
「雷害対策=アークホーン」「塩害対策=がいし洗浄・シリコンコンパウンド」「振動対策=ダンパ」と、対策と目的をセットで覚えると迷いません。
問19
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性同一容量の単相変圧器を並行運転するための条件として,必要でないものは。
- イ.各変圧器の極性を一致させて結線すること。
- ロ.各変圧器の変圧比が等しいこと。
- ハ.各変圧器のインピーダンス電圧が等しいこと。
- ニ.各変圧器の効率が等しいこと。
正解:ニ
解説
並行運転に必要な条件
複数の変圧器を並行運転(並列に接続して同時に負荷を受け持たせる)するには、次の条件が必要です。
- 各変圧器の極性が一致していること(逆につなぐと大きな循環電流が流れて危険)
- 各変圧器の変圧比(巻数比)が等しいこと(異なると循環電流が流れる)
- 各変圧器のインピーダンス電圧(%インピーダンス)が等しいこと(異なると負荷の分担が容量比どおりにならない)
必要でない条件
各変圧器の効率が等しいことは、並行運転の条件には含まれません。効率が異なっていても、極性・変圧比・インピーダンス電圧さえ合っていれば並行運転自体は可能です(負荷分担の効率が多少悪くなることはあっても、成立はします)。
答え:ニ 各変圧器の効率が等しいこと。
並行運転の3条件(極性・変圧比・インピーダンス電圧)を正確に覚え、「効率」や「容量」がこの条件に含まれていない点を区別しましょう。
問20
電気工事の施工方法高圧受電設備の短絡保護装置として,適切な組合せは。
- イ.過電流継電器\n高圧柱上気中開閉器
- ロ.地絡継電器\n高圧真空遮断器
- ハ.地絡方向継電器\n高圧柱上気中開閉器
- ニ.過電流継電器\n高圧真空遮断器
正解:ニ
解説
短絡保護の基本構成
高圧受電設備における短絡事故の保護は、「短絡電流を検出する継電器」と「実際に電路を遮断する開閉装置」の組み合わせで行います。
- 短絡電流を検出するのは過電流継電器(OCR)
- 実際に大電流を遮断できるのは高圧真空遮断器(VCB)などの遮断器
他の選択肢について
- 地絡継電器は地絡(漏電)を検出するものであり、短絡事故の検出には使いません。
- 高圧柱上気中開閉器(PAS等)は、短絡電流を遮断する能力を持たない(負荷開閉器であり遮断器ではない)ため、短絡保護の主遮断装置としては不適切です。
答え:ニ 過電流継電器+高圧真空遮断器
「地絡=地絡継電器(GR/DGR)」「短絡=過電流継電器(OCR)+遮断器(CB)」という対応を押さえておくと迷いません。
問21
電気工事の施工方法キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置として,不適切なものは。
- イ.受電設備容量500 kV・A の高圧受電設備に高圧交流遮断器(CB形)
- ロ.受電設備容量400 kV・A の高圧受電設備に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)
- ハ.受電設備容量300 kV・A の高圧受電設備に高圧交流遮断器(CB形)
- ニ.受電設備容量200 kV・A の高圧受電設備に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)
正解:ロ
解説
PF・S形とCB形の使い分け
キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置には、大きく分けて次の2種類があります。
- CB形(高圧交流遮断器):容量の制限なく使用できる、本格的な遮断器
- PF・S形(限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器):受電設備容量が300kV・A以下の場合にのみ使用が認められる、簡易な構成
選択肢を確認する
- イ:500kV・AにCB形 → 容量に制限のないCB形なので適切。
- ロ:400kV・AにPF・S形 → 400kV・Aは300kV・Aを超えているため、PF・S形は使用できず不適切。
- ハ:300kV・AにCB形 → CB形は容量を問わず使えるので適切。
- ニ:200kV・AにPF・S形 → 300kV・A以下なので適切。
答え:ロ
「PF・S形が使えるのは300kV・A以下まで」という数字の線引きがこの問題の核心です。300kV・Aちょうどは使える(以下に含む)点も覚えておきましょう。
問22
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す機器の用途は。

- イ.大電流を小電流に変成する。
- ロ.高調波電流を抑制する。
- ハ.負荷の力率を改善する。
- ニ.高電圧を低電圧に変成する。
正解:ロ
解説
直列リアクトルとは
写真の機器は、高圧の進相コンデンサ設備に直列に接続する「直列リアクトル」です。コンデンサ回路に発生しやすい高調波電流を抑制し、電圧波形のひずみを軽減する役割を持っています。
他の選択肢について
- 「大電流を小電流に変成する」のは変流器(CT)の役割です。
- 「負荷の力率を改善する」のは進相コンデンサ本体の役割であり、直列リアクトル自体の目的ではありません。
- 「高電圧を低電圧に変成する」のは変圧器(PT・VTなど)の役割です。
答え:ロ 高調波電流を抑制する。
直列リアクトルは進相コンデンサと必ずセットで語られる機器です。「コンデンサ=力率改善」「リアクトル=高調波抑制」と役割を分けて覚えましょう。
問23
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形(SOG)の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)を設置する場合の記述として,誤っているものは。

- イ.一般送配電事業者の配電線への波及事故の防止に効果がある。
- ロ.自家用側の高圧電路に地絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する。
- ハ.自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,PAS を一旦ロックし,一般送配電事業者の配電線が一時停止した後,自動的にPAS を開放する。
- ニ.自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する。
正解:ニ
解説
GR付PASの基本動作
過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形(SOG)の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)は、自家用構内の事故が一般送配電事業者側の配電線に波及しないようにするための機器です。地絡と短絡で動作が異なる点がポイントです。
- 地絡事故が発生したとき:GR(地絡継電器)が地絡電流を検出し、一般送配電事業者の配電線を止めることなく、自動的に電路を遮断します。
- 短絡事故が発生したとき:PASには短絡電流を遮断する能力がないため、まず短絡電流を検出して動作を記憶(蓄勢)し、いったんPASをロックします。その後、電源側(一般送配電事業者側)の遮断器が動作して無電圧になったことを確認してから、初めて自動的にPASを開放します。
誤っている選択肢
ニの「短絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する」は誤りです。短絡事故の場合は、PAS自体には遮断能力がないため、電源側の遮断器がいったん動作して配電線が停止した後に開放する、という手順を踏みます。「配電線を止めずに即座に遮断」できるのは地絡事故の場合(ロの記述)であり、短絡事故では止められません。
答え:ニ
「地絡=止めずに自動遮断」「短絡=いったんロック→電源側遮断→無電圧確認→開放」という2つの動作パターンを区別して覚えるのがこの問題の核心です。
問24
電気工事の施工方法低圧屋内配線の金属可とう電線管工事に使用する電線管に関する記述として,誤っているものは。
- イ.1 種金属製可とう電線管は,2 種金属製可とう電線管より耐水性に優れている。
- ロ.金属製可とう電線管は,「電気用品安全法」の適用を受ける。
- ハ.1 種金属製可とう電線管の厚さは0.8 mm 以上である。
- ニ.金属製可とう電線管は,手で自由に曲げることができる。
正解:イ
解説
金属製可とう電線管の種類と特徴
金属製可とう電線管には1種と2種があります。
- 2種金属製可とう電線管は、外装が二重巻きになっており、1種より耐水性・機械的強度に優れています(現在の低圧屋内配線工事では主に2種が使われます)。
- 金属製可とう電線管は「電気用品安全法」の適用を受ける電気用品です。
- 1種金属製可とう電線管の厚さは0.8mm以上と定められています。
- 金属製可とう電線管は、手で自由に曲げられる柔軟性を持つのが特徴です。
誤っている選択肢
イの「1種金属製可とう電線管は,2種金属製可とう電線管より耐水性に優れている」は誤りです。実際は2種の方が1種より耐水性に優れているため、記述が逆になっています。
答え:イ
「1種と2種、どちらが優れているか」を問う問題では、2種の方が構造的に優れている(現在の主流)と覚えておきましょう。
問25
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す材料のうち,電線の接続に使用しないものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:イ
解説
写真の材料を見分ける
電線の接続に使われる代表的な材料には、スリーブ(圧着接続に使う筒状の金属)、圧着端子、差込形コネクタなどがあります。写真のイ〜ニのうち、ロ(ボルト・ナット式の接続金具)、ハ(圧着スリーブ)、ニ(差込形コネクタ)は、いずれも電線相互の接続や端子への接続に実際に使用される材料です。
使用しないもの
イの写真に写っているのは、電線の途中に取り付けて分岐や接続以外の目的(ケーブルの引き留めなど)に使う金具で、電線同士を電気的に接続する接続材料ではありません。見た目が似ている接続材料と混同しないよう注意が必要です。
答え:イ
写真判別問題は、圧着スリーブ・差込形コネクタ・ボルト形端子など「実際に電気接続を行う部品」の外観を、テキストや過去問の写真で繰り返し確認しておくことが対策になります。
問26
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す工具の名称は。

- イ.トルクレンチ
- ロ.呼び線挿入器
- ハ.ケーブルジャッキ
- ニ.張線器
正解:ニ
解説
張線器とは
写真の工具は「張線器(ちょうせんき、通称シメラー)」です。ワイヤーロープやメッセンジャーワイヤーなどを緊張させる(ピンと張る)ために使う工具で、レバーを操作してワイヤーを巻き取り、たるみを取り除きます。
他の選択肢との違い
- トルクレンチ:ボルトを規定の締め付けトルクで締めるための工具。
- 呼び用挿入器:電線管の中にあらかじめ呼び線(ワイヤー)を通しておくための工具。
- ケーブルジャッキ:ケーブルドラムを持ち上げて回転させ、ケーブルを繰り出すための工具。
答え:ニ 張線器
写真とセットで工具の名称・用途を覚えるのが最も確実な対策です。似た形状の工具と混同しないよう、レバーとワイヤーの巻き取り機構が張線器の特徴と押さえておきましょう。
問27
電気工事の施工方法バスダクト工事の記述として,誤っているものは。
- イ.ダクト相互及び電線相互は,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続した。
- ロ.ダクトを水平に造営材に取り付け,支持間隔を5 m にして堅ろうに施設した。
- ハ.ダクト(換気型のものを除く)の終端部を閉そくした。
- ニ.低圧屋内配線の使用電圧が300 V 以下のダクトにD 種接地工事を施した。
正解:ロ
解説
バスダクト工事の基本ルール
バスダクト工事は、金属製のダクトの中に導体(バスバー)を収めた配線方式で、大電流を扱う幹線などに使われます。施工にあたっては、次のような基準があります。
- バスダクトの支持点間の距離は、原則として3m以下とすること
- バスダクトの終端部は閉そくすること
- バスダクトが造営材を貫通する場合、貫通部分は堅牢な隔壁を設けるなどの防火措置を行うこと
- 使用電圧300V以下の場合、バスダクトの金属製外箱にはD種接地工事を施すこと
誤っている選択肢
ロの「バスダクトの支持点間の距離を5mとした」は誤りです。支持間隔の基準は3m以下であり、5mは基準を超えています。
答え:ロ
バスダクトの支持間隔「3m以下」という数値を正確に覚えておくのがポイントです。金属管工事の支持間隔(2m以下)と混同しないようにしましょう。
問28
電気工事の施工方法金属管工事の施工方法に関する記述として,適切なものは。
- イ.金属管に,屋外用ビニル絶縁電線を収めて施設した。
- ロ.金属管に,高圧絶縁電線を収めて,高圧屋内配線を施設した。
- ハ.金属管内に接続点を設けた。
- ニ.使用電圧が400 V の電路に使用する金属管に接触防護措置を施したので,D 種接地工事を施した。
正解:ニ
解説
金属管工事で電圧によって変わる規定
金属管工事では、使用電圧の区分によって接地工事の種類が変わります。
- 300V以下:D種接地工事
- 300Vを超える場合:C種接地工事(ただし接触防護措置を施した場合はD種接地工事でよい)
「接触防護措置」とは、人が容易に触れられない場所に施設する、または人が触れるおそれのないよう防護を施すことを指します。
選択肢を確認する
400Vの電路に金属管工事を施す場合、原則はC種接地工事ですが、接触防護措置を施せばD種接地工事に緩和できます。「400V電路で接触防護措置を施し、D種接地工事とした」という施工方法はこの規定に合致しており、適切です。
答え:ニ 400V電路に接触防護措置を施しD種接地工事とした。
「300V超はC種が原則、ただし接触防護措置があればD種でよい」という緩和規定を覚えておくと、この手の設問にすぐ対応できます。
問29
電気工事の施工方法地中電線路の施設に関する記述として,不適切なものは。
- イ.長さが15 m を超える高圧地中電線路を管路式で施設し,物件の名称,管理者名及び電圧を表示した埋設表示シートを,管と地表面のほぼ中間に施設した。
- ロ.地中電線路に絶縁電線を使用した。
- ハ.地中電線路に使用する金属製の電線接続箱にD 種接地工事を施した。
- ニ.地中電線路を暗きょ式で施設する場合に,地中電線を不燃性又は自消性のある難燃性の管に収めて施設した。
正解:ロ
解説
地中電線路に使用できる電線
地中電線路は、直接埋設式・管路式・暗きょ式のいずれかによって施設しますが、いずれの方式であっても、地中電線にはケーブルを使用しなければならないと定められています。絶縁電線(がいし引き工事などで使う一般の絶縁電線)を地中に直接施設することは認められていません。
これは、地中は湿気や外傷を受けやすい過酷な環境であり、絶縁電線では耐水性・machine的強度が不足するためです。ケーブルは絶縁体の外側をさらにシースで保護した構造になっており、地中での使用に耐えられます。
誤っている選択肢
「地中電線路に絶縁電線を使用した」という施工は不適切です。地中電線路には必ずケーブルを使用しなければなりません。
答え:ロ 地中電線路に絶縁電線を使用した。
「地中はケーブルのみ」というシンプルなルールをまず押さえておけば、この手の問題は選択肢を見た瞬間に判断できます。
【平面図】(問30〜問34共通)

問30
電気工事の施工方法図のような,一般送配電事業者の供給用配電箱(高圧キャビネット)から自家用構内を経由して,地下1 階受電室に施設する屋内キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620 適合品)に至る電線路及び低圧屋内幹線設備の一部を表した図がある。①に示す地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として,不適切なものは。
- イ.波及事故を防止するため,一般送配電事業者の地絡保護継電装置と動作協調をとる必要がある。
- ロ.電路に地絡が生じた場合,自動的に電路を遮断する機能を内蔵している。
- ハ.短絡事故を遮断する能力を有する必要がある。
- ニ.定格短時間耐電流は,系統(受電点)の短絡電流以上のものを選定する。
正解:ハ
解説
問30〜34は共通の図を使う連問
この問題は、高圧受電設備の断面図・平面図(見取図)をもとにした一連の設問(問30〜問34)の1問目です。図中のUGSは、地中引込線と構内の高圧線路との境界に設置される、地絡継電装置を内蔵した高圧交流負荷開閉器です。
UGSの性能・役割
UGSは主に次の性能を持ちます。
- 地絡事故を検出したときに、自動的に電路を開放する(地絡保護)
- 短絡電流程度の電流を投入する能力(投入遮断ではなく、あくまで負荷電流を開閉する能力)は持つ
しかし、UGSはあくまで「負荷開閉器」であり、短絡電流を遮断する能力は持っていません。短絡事故が起きた場合の遮断は、電源側(一般送配電事業者側)の遮断器に委ねる構造になっています。
誤っている選択肢
「UGSは、短絡事故を遮断する能力を有する必要がある」という記述は誤りです。UGSに求められるのは地絡保護の機能であり、短絡遮断能力は不要です。
答え:ハ
「PAS・UGSの類は地絡は検出するが、短絡は遮断できない」という原則は、この分野の問題全体を通じて繰り返し問われるポイントです。
問31
電気工事の施工方法②に示す構内の高圧地中引込線を施設する場合の施工方法として,不適切なものは。
- イ.地中電線を収める防護装置に波付硬質合成樹脂管(FEP)を使用した。
- ロ.地中電線路を直接埋設式により施設し,長さが20 m であったので電圧の表示を省略した。
- ハ.地中電線を収める防護装置に鋼管を使用した管路式とし,管路の接地を省略した。
- ニ.地中電線に堅ろうながい装を有するケーブルを使用し,埋設深さ(土冠)を1.2 m とした。
正解:ロ
解説
高圧地中引込線のケーブル埋設表示
高圧地中引込線をはじめ、地中電線路を管路式や直接埋設式で施設する場合、その電線路の長さが15mを超えるときは、おおむね2mの間隔で、地中に電線路(ケーブル)が埋設されていることを示す表示(埋設表示シートなど)を施さなければなりません。長さが15m以下であれば、この表示を省略することができます。
誤っている選択肢
「電線路の長さが20mであるが、電圧の表示を省略した」という施工は不適切です。20mは15mを超えているため、表示の省略は認められません。
答え:ロ
「15m以下なら表示省略可、15mを超えたら表示必須」という長さの基準を正確に覚えておくことが対策になります。
問32
電気工事の施工方法③に示す電路及び接地工事の施工として,不適切なものは。
- イ.受電室内の高圧ケーブルの防護管にケーブル保護用合成樹脂被覆鋼管(JIS C 8380)を使用した。
- ロ.防水鋳鉄管の建物内側のプルボックスに二重壁内への水抜き措置を施したので,防水装置の取付けを省略した。
- ハ.接地端子盤への接地線の立上りに硬質ポリ塩化ビニル電線管を使用した。
- ニ.ピット内の高圧引込ケーブルの支持に樹脂製のクリートを使用した。
正解:ロ
解説
金属製部分の防食・防水対策
高圧受電設備において、地中に施設される金属管や、屋外に露出する金属製部分には、腐食や漏電を防ぐための防水・防食対策が求められます。防水鋳鉄管を使用する場合も、接続部やねじ込み部などには適切な防水装置(パッキンなど)を施す必要があります。
誤っている選択肢
「防水鋳鉄管を使用した部分で、防水装置の取付けを省略した」という施工は不適切です。防水鋳鉄管を使っていても、接続部分での浸水を防ぐための防水装置は省略できません。
答え:ロ
「防水性のある材料を使っているから防水処理は不要」と早合点しないことが大事です。管の材質と接続部の防水処理は別問題として扱われます。
問33
電気工事の施工方法④に示すケーブルラックの施工に関する記述として,不適切なものは。
- イ.ケーブルラックが受電室の壁を貫通する部分に,適切な防火措置を施した。
- ロ.同一のケーブルラックに電灯幹線と動力幹線のケーブルを布設する場合,両者間のセパレータを省略した。
- ハ.ケーブルラックは,ケーブル重量に十分耐える構造とし,天井コンクリートスラブからアンカーボルトで吊り,堅固に施設した。
- ニ.ケーブルラックの長さが15 m で,乾燥した場所であったため,D 種接地工事を省略した。
正解:ニ
解説
ケーブルラックの接地工事の基準
ケーブルラック(ケーブルを支持するためのはしご状・トレイ状の金属製の受け material)には、原則としてD種接地工事を施す必要があります。この接地工事の要否は、ケーブルラックの長さに関係なく必要です(金属管工事のように、対地電圧や長さによる緩和規定はケーブルラックにはありません)。
誤っている選択肢
「ケーブルラックの長さが15mなので、D種接地工事を省略した」という施工は不適切です。ケーブルラックは長さにかかわらずD種接地工事が必要であり、「短いから省略できる」という規定はありません。
答え:ニ
金属管やがいし引き工事の一部にある「こう長が短ければ接地省略可」という緩和規定と、ケーブルラックの規定を混同しないようにしましょう。ケーブルラックは長さを問わず接地必須です。
問34
電気工事の施工方法⑤に示す高圧受電設備の絶縁耐力試験に関する記述として,不適切なものは。
- イ.ケーブルが長く静電容量が大きいため,リアクトルを使用して試験用電源の容量を軽減した。
- ロ.絶縁耐力試験の前後には,絶縁抵抗計による絶縁抵抗測定と安全確認が必要である。
- ハ.ケーブルの絶縁耐力試験を直流で行う場合の試験電圧は,交流の1.5 倍である。
- ニ.交流絶縁耐力試験は,電路と大地との間に最大使用電圧の1.5 倍の電圧を連続して10 分間加え,これに耐える必要がある。
正解:ハ
解説
絶縁耐力試験の試験電圧
高圧受電設備の新設・変更時には、電路の絶縁性能を確認するために絶縁耐力試験を行います。最大使用電圧が7000V以下の電路の場合、試験電圧は最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を、連続して10分間加えて絶縁破壊が生じないことを確認するのが基本です。
直流で試験を行う場合は、交流の場合の試験電圧の2倍の直流電圧を用いることとされています(ケーブル部分は直流試験を行うことが多い)。
誤っている選択肢
「直流试験電圧は交流試験電圧の1.5倍とした」という記述は誤りです。直流で試験する場合の電圧は、交流試験電圧の2倍でなければなりません。1.5倍は交流試験電圧を求めるときの倍率(最大使用電圧に対する倍率)であり、直流試験電圧の倍率と混同しないよう注意が必要です。
答え:ハ
「交流試験電圧=最大使用電圧の1.5倍」「直流試験電圧=交流試験電圧の2倍」という2段階の倍率を区別して覚えることが、この問題を正しく解く鍵です。
問35
自家用電気工作物の検査方法自家用電気工作物として施設する電路又は機器について,D 種接地工事を施さなければならない箇所は。
- イ.高圧電路に施設する外箱のない変圧器の鉄心
- ロ.使用電圧400 V の電動機の鉄台
- ハ.高圧計器用変成器の二次側電路
- ニ.6.6 kV/210 V 変圧器の低圧側の中性点
正解:ハ
解説
D種接地工事が必要な箇所
D種接地工事は、300V以下の低圧用機器の金属製外箱や、高圧計器用変成器(変流器・計器用変圧器など)の二次側電路などに施すことが定められています。高圧計器用変成器の二次側は、変成後の電圧が低圧レベルになるため、D種接地工事の対象となります。
他の選択肢との違い
高圧の機器本体の金属製外箱や、高圧電路そのものに施す接地は、原則としてA種接地工事の対象です。B種接地工事は変圧器の低圧側中性点(または一端子)に施す接地であり、混触時の低圧側電位上昇を抑える目的のものです。これらとD種接地工事の対象を区別する必要があります。
答え:ハ 高圧計器用変成器の二次側電路
「高圧の機器の外箱=A種」「高圧計器用変成器の二次側・低圧機器の外箱=D種」「変圧器の低圧側中性点=B種」という対応関係を整理して覚えておきましょう。
問36
自家用電気工作物の検査方法需要家の月間などの1 期間における平均力率を求めるのに必要な計器の組合せは。
- イ.電力計\n電力量計
- ロ.電力量計\n無効電力量計
- ハ.無効電力量計\n最大需要電力計
- ニ.最大需要電力計\n電力計
正解:ロ
解説
平均力率の求め方
一定期間における平均力率は、その期間の有効電力量と無効電力量から次のように求めます。
このため、平均力率を算出するには、有効電力量を測定する電力量計と、無効電力量を測定する無効電力量計の両方の計器が必要です。
他の選択肢との違い
電圧計・電流計だけでは、ある瞬間の電圧・電流の大きさしか分からず、一定期間の平均的な力率を求めることはできません。有効電力量計だけでは無効分が分からず、力率の算出には至りません。
答え:ロ 電力量計と無効電力量計
「力率を〈計算〉するには有効電力量と無効電力量の両方が必要」という関係を押さえておけば、この設問には迷わず答えられます。
問37
自家用電気工作物の検査方法「電気設備の技術基準の解釈」において,停電が困難なため低圧屋内配線の絶縁性能を,使用電圧が加わった状態における漏えい電流を測定して判定する場合,使用電圧が100 V の電路の漏えい電流の上限値[mA]として,適切なものは。
- イ.0.1
- ロ.0.2
- ハ.1.0
- ニ.2.0
正解:ハ
解説
漏えい電流の基準
電気設備の技術基準では、低圧電路の絶縁性能について、電路を使用状態のままで測定した漏えい電流が、対地電圧150V以下の電路(一般的な100V電路など)では1mA以下であることが求められています(漏えい電流が小さいほど絶縁状態が良好であることを示します)。
答え:ハ 1.0mA
漏えい電流の基準値「1mA以下」は、絶縁抵抗測定と並んでよく出題される数値です。単位を間違えず、mA(ミリアンペア)のオーダーであることを押さえておきましょう。
問38
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気工事士法」において,自家用電気工作物(最大電力500 kW 未満の需要設備)に係る電気工事のうち「ネオン工事」又は「非常用予備発電装置工事」に従事することのできる者は。
- イ.特種電気工事資格者
- ロ.認定電気工事従事者
- ハ.第一種電気工事士
- ニ.第三種電気主任技術者
正解:イ
解説
特種電気工事資格者とは
第一種電気工事士の免状を持っていても、ネオン工事や非常用予備発電装置工事は、特別な知識・技能が必要な特殊な工事として扱われ、これらの工事に従事するには別途「特種電気工事資格者」の認定証の交付を受ける必要があります。
具体的には、「ネオン工事」と「非常用予備発電装置工事」の2種類について、それぞれ特種電気工事資格者の認定があります。認定証がなければ、第一種電気工事士であってもこれらの特殊な工事の作業に従事することはできません。
他の選択肢との違い
認定電気工事従事者は、第二種電気工事士などが600V以下で使用する自家用電気工作物の電気工事に従事するための資格であり、ネオン工事や非常用予備発電装置工事とは別の制度です。
答え:イ 特種電気工事資格者
「ネオン工事・非常用予備発電装置工事=特種電気工事資格者」という組み合わせを覚えておきましょう。
問39
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気用品安全法」において,交流の電路に使用する定格電圧100 V 以上300 V 以下の機械器具であって,特定電気用品は。
- イ.定格電流60 A の配線用遮断器
- ロ.定格出力0.4 kW の単相電動機
- ハ.定格静電容量100 μF の進相コンデンサ
- ニ.(PS)E と表示された器具
正解:イ
解説
特定電気用品とは
電気用品安全法では、構造や使用方法から見て特に危険性が高い電気用品を「特定電気用品」として指定し、より厳しい検査・表示(〈PS〉Eマークなど、丸に囲まれた表示)を義務付けています。配線用遮断器(ブレーカー)のうち、定格電流が100A以下のものは、特定電気用品に該当します。
選択肢を確認する
定格電流60Aの配線用遮断器は、この基準(100A以下)に該当するため、特定電気用品です。他の選択肢(より大きな容量のものや、特定電気用品ではない一般の電気用品に区分されるもの)は該当しません。
答え:イ 定格電流60Aの配線用遮断器
特定電気用品は「危険性が高い=より厳しい規制対象」というイメージで捉え、配線用遮断器やタイムスイッチなどが定格容量によって特定/非特定に分かれる点を確認しておきましょう。
問40
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気設備に関する技術基準を定める省令」において,「高圧又は特別高圧の電路と低圧の電路とを結合する変圧器は,高圧又は特別高圧の電圧の侵入による低圧側の電気設備の損傷,感電又は火災のおそれがないよう,当該変圧器における適切な箇所に[ ]」と規定されている。上記の空欄にあてはまるものとして,正しいものは。
- イ.接地を施さなければならない。
- ロ.断路器を施設しなければならない。
- ハ.開閉器を施設しなければならない。
- ニ.遮断器を施設しなければならない。
正解:イ
解説
高圧と低圧を結ぶ変圧器の規定
高圧電路と低圧電路を結合する変圧器(柱上変圧器など)は、高圧側の混触事故が発生した際に、低圧側の電位が異常に上昇して感電などの危険が生じるのを防ぐため、低圧側の中性点または一端子に接地を施さなければならないと定められています(これがB種接地工事です)。
万一この接地がなければ、高圧側の事故電圧がそのまま低圧側の需要家設備にかかってしまい、極めて危険な状態になります。
答え:イ 接地を施さなければならない。
「高圧-低圧を結ぶ変圧器=低圧側にB種接地」という組み合わせを、混触事故防止の理由とあわせて覚えておきましょう。
【単線結線図】(問41〜問50共通)

問41
配線図図は,高圧受電設備の単線結線図である。①で示す機器の動作特性試験に用いるものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ロ
解説
問41〜50は共通の単線結線図をもとにした連問
この問題は、高圧受電設備の単線結線図(配線図)に付けられた①〜⑩の矢印箇所について問う一連の設問(問41〜問50)の1問目です。①は地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PASなど)を指しており、この機器の動作特性(地絡電流を検出して正しく動作するかどうか)を確認する試験には、専用の継電器試験装置(保護継電器試験機)を使用します。
写真の選択肢の中から、地絡継電器に模擬的な電流・電圧を入力して動作時間や動作電流を測定できる試験装置を選ぶ必要があります。絶縁抵抗計や検電器、接地抵抗計など、目的の異なる測定器を選ばないよう注意してください。
答え:ロ
「①はGR付PAS→動作特性試験には継電器試験装置」という組み合わせを、写真の外観とセットで覚えておきましょう。
問42
配線図②で示す部分の施工で使用しないものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ロ
解説
②は地中引込線(ケーブル)部分
②は地中引込線(高圧ケーブル)を指しています。ケーブルの端末処理や接続作業では、ケーブルカッター、油圧式圧着工具、ケーブル端末処理用の各種工具などが使われます。
写真の選択肢のうち、ケーブル工事に直接関係のない工具(例えば、がいし引き工事や金属管工事で使うような、ケーブル端末処理とは無関係な工具)は、この施工では使用しません。
答え:ロ
ケーブル工事特有の工具(圧縮工具、ケーブルカッターなど)の外観を、他の配線工事用工具と区別できるようにしておくことが対策になります。
問43
配線図③で示すⓐ,ⓑ,ⓒの機器において,この高圧受電設備を点検時に停電させるための開路手順として,最も不適切なものは。
- イ.ⓑ → ⓐ → ⓒ
- ロ.ⓒ → ⓑ → ⓐ
- ハ.ⓐ → ⓑ → ⓒ
- ニ.ⓒ → ⓐ → ⓑ
正解:イ
解説
開路の鉄則:負荷側や電流が流れている側から切らない
③のⓐ・ⓑ・ⓒは、高圧受電設備の主要な開閉装置(断路器や遮断器など)を指しています。高圧電路を開路(停止)する作業では、必ず負荷電流を遮断できる遮断器を先に開放し、その後で電流が流れていない状態の断路器を開放する、という順序を守らなければなりません。
断路器(DS)は、電流が流れている状態で開閉すると、アーク(放電)が発生して重大な事故につながる危険があるため、電流を切ってから(無負荷状態にしてから)操作する必要があります。
誤っている選択肢
「ⓐ→ⓑ→ⓒの順に開路した」のように、電源側や、まだ電流が流れている系統の断路器を遮断器より先に操作してしまう手順は、感電・アーク事故の危険があるため不適切です。正しい手順は、必ず遮断器(電流を切る能力がある機器)を先に開放し、断路器は最後に無負荷状態で開放することです。
答え:イ
「切るときは遮断器が先、断路器は後(無負荷にしてから)」という開路の大原則を覚えておけば、手順の並び替え問題にも対応できます。
問44
配線図④で示す装置を使用する主な目的は。
- イ.計器用変圧器の欠相を防止する。
- ロ.計器用変圧器の過負荷を防止する。
- ハ.計器用変圧器を雷サージから保護する。
- ニ.計器用変圧器の内部短絡事故が主回路に波及することを防止する。
正解:ニ
解説
④は計器用変圧器(VT)の一次側に設けられた限流ヒューズ
計器用変圧器(VT)は、高圧を低圧の計器用電圧に変成する機器ですが、内部で万一巻線の短絡事故(内部短絡)が発生すると、大きな短絡電流が主回路(高圧母線側)に流れ込み、他の機器や電路全体に事故が波及するおそれがあります。
これを防ぐため、VTの一次側には限流ヒューズを設置し、VT内部で短絡事故が起きた際に、ヒューズが速やかに溶断して電路を切り離し、事故が主回路に波及するのを防止する役割を持たせています。
答え:ニ 計器用変圧器の内部短絡事故が主回路に波及することを防止する。
「VT一次側の限流ヒューズ=VT自体の内部事故を主回路から切り離す保護装置」という位置づけを覚えておきましょう。
問45
配線図⑤で示す図記号の器具の名称は。
- イ.試験用電流切換スイッチ
- ロ.試験用電圧切換スイッチ
- ハ.試験用端子(電流端子)
- ニ.試験用端子(電圧端子)
正解:ニ
解説
⑤は試験用端子(電圧確認・計器試験のための端子)
単線結線図の⑤に示された図記号は、電力量計や保護継電器の試験を行う際に使用する「試験用端子」を表しています。試験用端子は、計器用変圧器(VT)の二次側電路などに設けられ、電路を通常運転状態に保ったまま、電圧・電流を測定したり試験機器を接続したりできるようにするための端子です。
答え:ニ 試験用端子
図記号だけを見ると地味な部品ですが、単線結線図の読み取り問題では頻出です。試験用端子の図記号の形(四角の中に対角線が入るような記号など)を過去問の図で確認しておきましょう。
問46
配線図⑥に設置する機器として,一般的に使用されるものの図記号は。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:ニ
解説
⑥は避雷器の設置箇所
高圧受電設備の単線結線図で、引込口(責任分界点付近)に近い位置に設けられる⑥の箇所には、一般的に避雷器(LA)を設置します。避雷器は、雷サージなどの異常高電圧が構内の電気設備に侵入した際に、その電圧を大地に逃がして機器を保護する役割を持っています。
図記号を選ぶ
選択肢には避雷器の図記号のほか、断路器や変流器など別の機器の図記号も並んでいます。避雷器の図記号(矢印のような形が特徴的)を正しく選ぶ必要があります。
答え:ニ
「引込口付近=避雷器(LA)」という設置位置と図記号の組み合わせを覚えておきましょう。
問47
配線図⑦で示す機器の役割は。
- イ.地絡電流を検出する。
- ロ.高電圧を低電圧に変成する。
- ハ.高圧電路の電流を変成する。
- ニ.電路に侵入した過電圧を抑制する。
正解:ハ
解説
⑦は変流器(CT)
⑦の位置に設置されている機器は変流器(CT:Current Transformer)です。CTは、高圧電路に流れる大きな電流を、計測器や保護継電器で扱いやすい小さな電流(一般的に定格二次電流5A)に変成する役割を持っています。
CTの二次側には、電流計や過電流継電器(OCR)などが接続され、CTが変成した電流をもとに電路の電流の大きさを監視したり、過電流を検出したりします。
他の選択肢との違い
「高電圧を低電圧に変成する」のは計器用変圧器(VT・PT)の役割であり、CTの役割ではありません。この2つの機器(CTとVT)の役割を混同しないことが大切です。
答え:ハ 高圧電路の電流を変成する。
「電流を変成=CT」「電圧を変成=VT」という対応をはっきり区別して覚えておきましょう。
問48
配線図⑧で示す機器の名称は。
- イ.ヒューズ付断路器
- ロ.ヒューズ付高圧カットアウト
- ハ.限流ヒューズ付高圧交流遮断器
- ニ.限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器
正解:ニ
解説
⑧は主遮断装置(PF・S形)の負荷開閉器部分
⑧の位置にある機器は、限流ヒューズを組み合わせた高圧交流負荷開閉器、すなわち「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)」です。これは、300kV・A以下の比較的小容量の受電設備で、高圧交流遮断器(CB)の代わりに主遮断装置として使用されるものです。
負荷開閉器(LBS)自体は短絡電流を遮断する能力を持ちませんが、これに限流ヒューズを組み合わせることで、短絡事故時にはヒューズが溶断して大電流を遮断し、負荷電流程度の開閉は開閉器本体が受け持つ、という役割分担になっています。
答え:ニ 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器
問21で扱った「PF・S形は300kV・A以下」という容量の話とセットで、この機器の構造(負荷開閉器+限流ヒューズ)を覚えておくと理解が深まります。
問49
配線図⑨で示す部分に使用するCVT ケーブルとして,適切なものは。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:ロ
解説
CVTケーブルの構造
CVTケーブルは、CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)の単心(1心)のものを3本より合わせて1本にまとめたケーブルです(「トリプレックス形」とも呼ばれます)。断面を見ると、絶縁体で覆われた3本の導体(各相)が、より合わされた状態で1本の外観にまとまっている構造をしています。
選択肢を見分ける
選択肢の断面図の中には、1本の外装の中に3心がそのまま平行に収められた通常のCVケーブル(3心一括形)や、単心ケーブルをただ3本束ねただけのものなど、CVTケーブル特有の「より合わせ構造」になっていないものが混じっています。CVTケーブルの断面図は、3本の単心ケーブルがらせん状により合わさっている点が特徴です。
答え:ロ
CVケーブルとCVTケーブルの断面構造の違い(一括3心か、より合わせ単心3本か)を図で見分けられるようにしておくことが対策になります。
問50
配線図⑩で示す動力制御盤内から電動機に至る配線で,必要とする電線本数(心線数)は。
- イ.3
- ロ.4
- ハ.5
- ニ.6
正解:ニ
解説
三相電動機の結線に必要な電線
⑩は動力制御盤から三相誘導電動機までの配線を指しています。三相誘導電動機を運転するための動力配線は、三相3線式(3φ3W)が基本であり、これに電動機の金属製外箱の接地線(接地工事のための電線)を加える必要があります。
電線本数を数える
- 三相3線式の電力線:3本
- 接地線:1本
これらを合計すると
答え:ニ 4本
「動力配線=3線(3φ3W)+接地線1本=合計4本」という数え方は、電動機まわりの配線本数を問う定番のパターンです。電力線の本数だけで数えて3本と答えてしまうミスに注意してください。
掲載している試験問題は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。