令和6年度上期 第一種電気工事士 学科試験の問題と解説【全50問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験回をクイズ形式で解く →問1
電気に関する基礎理論図のようなアーク溶接作業での感電において,人体を通って流れる電流I [mA]と人体抵抗R2にかかる電圧V [V]は。ただし,溶接機の出力側無負荷電圧E=86 V,乾燥した状態の保護手袋や作業靴を着用しているとき,手と溶接棒間の抵抗R1=20 kΩ,人体の抵抗R2=500 Ω,足と母材間の抵抗R3=30 kΩとする。

- イ.I=1.7 V=42
- ロ.I=17 V=42
- ハ.I=1.7 V=0.85
- ニ.I=17 V=0.85
正解:ハ
解説
回路の形をつかむ
手→溶接棒間の抵抗 、人体の抵抗 、足→母材間の抵抗 は、感電電流が流れる一本の道筋上にあるので直列回路です。
人体にかかる電圧
答え:ハ I=1.7 V=0.85
は kΩ 単位、 は Ω 単位なので、計算前に単位をそろえるのを忘れないこと。人体には 1.7 mA しか流れませんが、電圧はほとんど に食われてしまうため、人体側はごくわずかな 0.85 V になります。
問2
電気に関する基礎理論図のような直流回路において,4 つの抵抗Rは同じ抵抗値である。回路の電流I3が12 A であるとき,抵抗Rの抵抗値[Ω]は。

- イ.2
- ロ.3
- ハ.4
- ニ.5
正解:ロ
解説
回路の形
90 V の電源から抵抗 (電流 )を経て、その先で「 の直列(電流 )」と「 単独(電流 )」が並列になっています。並列の2本には同じ電圧がかかります。
並列部分の電圧をそろえる
全体の電圧の式
答え:ロ 3
並列2本の「電圧が等しい」という関係から を先に求め、そのあと全体の電圧式に代入するのが解法の流れです。
問3
電気に関する基礎理論図のような交流回路において,電源電圧は100 V,電流は20 A,抵抗Rの両端の電圧は80 V であった。リアクタンスX [Ω]の値は。

- イ.2
- ロ.3
- ハ.4
- ニ.5
正解:ロ
解説
抵抗の値を求める
電圧の直角三角形
電源電圧 100 V は、抵抗の電圧 80 V とリアクタンスの電圧 を直角の2辺とする直角三角形の斜辺になります。
リアクタンスの値
答え:ロ 3
の関係を使う問題は「3・4・5」や「6・8・10」のような直角三角形の比になっていることが多く、(倍すると)もその一例です。
問4
電気に関する基礎理論定格電圧100 V,定格消費電力1 kW の電熱器の電熱線が全長の10 %のところで断線したので,その部分を除き,残りの90 %の部分を電圧100 V で1 時間使用した場合,発生する熱量[kJ]は。ただし,電熱線の温度による抵抗の変化は無視するものとする。
- イ.2 900
- ロ.3 600
- ハ.4 000
- ニ.4 400
正解:ハ
解説
断線前の電熱線全体の抵抗
残った90 %部分の抵抗と消費電力
抵抗は長さに比例するので、残り90 %の部分の抵抗は
同じ100 Vをかけたときの消費電力は
1時間(3600秒)分の熱量
答え:ハ 4 000
電熱線が短くなると抵抗が下がり、同じ電圧なら電流が増えて消費電力(=発熱量)はむしろ大きくなるという点が直感に反しやすいポイントです。
問5
電気に関する基礎理論図のような三相交流回路において,電源電圧は200 V,抵抗は4 Ω,リアクタンスは3 Ωである。回路の全消費電力[kW]は。

- イ.4.0
- ロ.4.8
- ハ.6.4
- ニ.8.0
正解:ハ
解説
1相分を取り出す
Y結線なので、1相にかかる電圧(相電圧)は線間電圧の です。
1相のインピーダンスと電流
全消費電力(3相分)
抵抗分だけが電力を消費するので
答え:ハ 6.4
3・4・5の直角三角形からインピーダンスが5Ωときれいに求まるので、そこから先は単相の電力計算を3倍するだけです。
問6
配電理論及び配線設計図のような単相3 線式配電線路において,負荷抵抗は10 Ω一定である。スイッチAを閉じ,スイッチBを開いているとき,図中の電圧Vは100 V であった。この状態からスイッチBを閉じた場合,電圧Vはどのように変化するか。ただし,電源電圧は一定で,電線1 線当たりの抵抗r[Ω]は3 線とも等しいものとする。

- イ.約2 V 下がる。
- ロ.約2 V 上がる。
- ハ.変化しない。
- ニ.約1 V 上がる。
正解:ロ
解説
スイッチAのみ閉のときからrを求める
このときは上線→負荷10Ω→中性線の直列回路(電圧降下は電線2本分)です。 Vが負荷の両端電圧なので
スイッチBも閉じたとき
上下の負荷が等しい(10Ω同士)ので、中性線に電流が流れずバランスします。このとき電圧降下は電線1本分()だけで済みます。
答え:ロ 約2V上がる
V→約 Vなので「約2V上がる」が正解です。単相3線式で負荷を左右バランスさせると、中性線に電流が流れなくなり電圧降下が半分になって電圧が持ち直す、という定番の理屈です。
問7
配電理論及び配線設計図のように三相電源から,三相負荷(定格電圧200 V,定格消費電力20 kW,遅れ力率0.8)に電気を供給している配電線路がある。配電線路の電力損失を最小とするために必要なコンデンサの容量[kvar]の値は。ただし,電源電圧及び負荷インピーダンスは一定とし,配電線路の抵抗は1 線当たり0.1 Ωで,配電線路のリアクタンスは無視できるものとする。

- イ.10
- ロ.15
- ハ.20
- ニ.25
正解:ロ
解説
損失最小=力率を1にする
配電線路の電力損失は線電流の2乗に比例します。同じ有効電力を送るなら、力率が1(無効電力ゼロ)のときに線電流が最小になり、損失も最小になります。
負荷の無効電力を求める
力率 (遅れ)なので 。負荷の無効電力は
コンデンサ容量
進相コンデンサで、この遅れ無効電力をちょうど打ち消せば力率1になります。
答え:ロ 15
配電線路の抵抗0.1Ωという数値は今回のコンデンサ容量の計算には使いません(「損失最小=力率1」に気づけば無効電力の計算だけで答えが出ます)。線路抵抗はダミー情報なので惑わされないように。
問8
配電理論及び配線設計設備容量400 kW,需要率50 %の需要家において,1 ヶ月(30 日間)の消費電力量が90 MW・h であった。この1 ヶ月の負荷率[%]は。
- イ.52.5
- ロ.60.0
- ハ.62.5
- ニ.65.0
正解:ハ
解説
最大需要電力を求める
平均電力を求める
1ヶ月(30日)= 720 時間、消費電力量 90 MW・h = 90 000 kW・h なので
負荷率
答え:ハ 62.5
需要率は「設備容量に対する最大需要電力の割合」、負荷率は「最大需要電力に対する平均電力の割合」。似た言葉ですが基準が違う点に注意してください。
問9
配電理論及び配線設計図のように取り付け角度が30°となるように支線を施設する場合,支線の許容張力をTS=24.8 kN とし,支線の安全率を2 とすると,電線の水平張力Tの最大値[kN]は。

- イ.3.1
- ロ.6.2
- ハ.10.7
- ニ.24.8
正解:ロ
解説
支線にかけてよい張力
安全率2なので、支線に実際にかけられる張力は許容張力の半分です。
水平分力を取り出す
図の30°は、電柱(垂直)と支線のなす角度です。支線の張力のうち、電線を引く水平方向の力に対応するのは、この角度の正弦(sin)をかけた成分になります。
答え:ロ 6.2
角度が「電柱との角度」なのか「地面との角度」なのかで sin と cos が入れ替わるので、図をよく見て支線がどちらを基準にした角度かを確認することが大切です。
問10
電気応用三相誘導電動機の結線①を②,③のように変更した時,①の回転方向に対して,②,③の回転方向の記述として,正しいものは。

- イ.③は①と逆に回転をし,②は①と同じ回転をする。
- ロ.②は①と逆に回転をし,③は①と同じ回転をする。
- ハ.②,③とも①と逆に回転をする。
- ニ.②,③とも①と同じ回転をする。
正解:ロ
解説
回転方向を決めるルール
三相誘導電動機の回転方向は、電源の3本(R・S・T)と電動機の3本(U・V・W)のつなぎ方の順序で決まります。3本のうちどれか2本を入れ替えると回転方向が逆になり、3本とも同じ順序でつなぎ替えても回転方向は変わりません。
図の結線を見比べる
図の②はR-S-Tのうち2本の接続順が①と入れ替わっており、逆回転になります。③はつなぎ方が①と同じ順序を保っているため、同じ回転方向のままです。
答え:ロ ②は①と逆に回転をし,③は①と同じ回転をする
「2本入れ替えれば逆回転、3本とも同じ順送りならそのまま」という関係を図の結線図から読み取るのがポイントです。
問11
電気応用変圧器の損失に関する記述として,誤っているものは。
- イ.銅損と鉄損が等しいときに変圧器の効率が最大となる。
- ロ.無負荷損の大部分は鉄損である。
- ハ.鉄損にはヒステリシス損と渦電流損がある。
- ニ.負荷電流が2倍になれば銅損は2倍になる。
正解:ニ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。鉄損(負荷に関係なく一定)と銅損(負荷の2乗に比例)が等しい負荷点で効率が最大になります。
- ロ:正しい。無負荷損(励磁電流によって生じる損失)の大部分は鉄損です。
- ハ:正しい。鉄損はヒステリシス損と渦電流損の合計です。
- ニ:誤り。銅損は なので、電流が2倍になれば銅損は4倍になります。単純に2倍ではありません。
答え:ニ
「〜が2倍になれば…も2倍」という言い回しは、電力・損失の公式に2乗の関係が隠れていないか必ず確認しましょう。銅損は電流の2乗に比例するのが基本です。
問12
電気応用床面上2 m の高さに,光度1 000 cd の点光源がある。点光源直下の床面照度[lx]は。
- イ.250
- ロ.500
- ハ.750
- ニ.1 000
正解:イ
解説
点光源の照度の式
点光源直下(入射角0°)の照度は、光度を高さの2乗で割るだけで求まります。
答え:イ 250
直下点(入射角0°)では余弦則の となるため、単純に で計算できます。斜めの位置の照度を問われた場合は を掛けるひと手間が必要になる点とセットで覚えておきましょう。
問13
電気応用静電気現象と光導電現象の両方を応用したものは。
- イ.電子レンジ
- ロ.電気集じん装置
- ハ.レーザプリンタ
- ニ.リニアモータ
正解:ハ
解説
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光導電現象とは、光が当たると電気抵抗が変化する現象です。レーザプリンタは、感光体(光導電体)にレーザ光を当てて静電気(帯電)による潜像をつくり、そこにトナーを付着させて印刷する仕組みなので、静電気現象と光導電現象の両方を使っています。
他の選択肢
- 電子レンジ:マイクロ波による誘電加熱
- 電気集じん装置:静電気(クーロン力)のみ
- リニアモータ:電磁力による直線駆動
答え:ハ レーザプリンタ
「静電気」だけならロ(電気集じん装置)も候補に見えますが、「光導電現象」の要素が入っているのはレーザプリンタだけです。
問14
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す材料の名称は。

- イ.金属ダクト
- ロ.二種金属製線ぴ
- ハ.フロアダクト
- ニ.ライティングダクト
正解:ロ
解説
写真の特徴
写真は、細長い棒状の本体と、その断面を拡大した図です。拡大図の断面は「45mm×40mm」ほどの大きさで、コの字形に開いた樋(とい)状の金属製の部材に、電線を収める溝がある構造をしています。これは壁面などに沿わせて電線を収める二種金属製線ぴの外観・断面の特徴です。
他の選択肢との違い
- 金属ダクト:多数の電線をまとめて収める、もっと大きな箱形のダクト(主に天井裏等で使用)
- フロアダクト:床下に埋め込む、平たく扁平な断面のダクト
- ライティングダクト:照明器具を自由な位置に取り付けられる露出配線用のダクト
答え:ロ 二種金属製線ぴ
線ぴ(線樋)は「電線を収める溝+ふた」という細長い樋状の外観が特徴です。断面の大きさや天井裏/床下/壁面といった設置場所のイメージと合わせて、金属ダクト・フロアダクト・ライティングダクトとの見た目の違いを区別しましょう。
問15
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真の三相誘導電動機の構造において矢印で示す部分の名称は。

- イ.固定子巻線
- ロ.回転子鉄心
- ハ.回転軸
- ニ.ブラケット
正解:ロ
解説
矢印の位置を確認する
写真は三相誘導電動機のカバーを外した断面図で、外側の固定子(巻線が巻かれた部分)の内側に、中心軸まわりの円筒状の部品が見えています。矢印は、この中心軸のまわりにある円筒状の鉄心部分を示しており、これは回転子の骨格となる回転子鉄心です。かご形誘導電動機では、この鉄心にアルミや銅の導体(かご形導体)が組み込まれ、固定子が作る回転磁界を受けて回転します。
他の部品との違い
- 固定子巻線:外枠(フレーム)側の内周に巻かれたコイル部分(矢印の指す中心寄りの部品とは別)
- 回転軸:回転子の中心を貫くシャフト(鉄心よりさらに内側の細い軸)
- ブラケット:モータ両端で軸受を支える枠(外側のふた部分)
答え:ロ 回転子鉄心
かご形誘導電動機の内部構造は「固定子(巻線)→回転子(鉄心+かご形導体)→回転軸→ブラケット」という位置関係になっており、写真の矢印がどの層(外側の固定子か、内側の回転子か)を指しているかを見極めるのがポイントです。
問16
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性火力発電所で採用されている大気汚染を防止する環境対策として,誤っているものは。
- イ.電気集じん器を用いて二酸化炭素の排出を抑制する。
- ロ.排煙脱硝装置を用いて窒素酸化物を除去する。
- ハ.排煙脱硫装置を用いて硫黄酸化物を除去する。
- ニ.液化天然ガス(LNG)など硫黄酸化物をほとんど排出しない燃料を使用する。
正解:イ
解説
各選択肢を確認する
- イ:誤り。電気集じん器は煙に含まれるばいじん(すす等の粒子状物質)を除去する装置であり、二酸化炭素(CO₂)の排出を抑制するものではありません。
- ロ:正しい。排煙脱硝装置は窒素酸化物(NOx)を除去します。
- ハ:正しい。排煙脱硫装置は硫黄酸化物(SOx)を除去します。
- ニ:正しい。LNGは硫黄分をほとんど含まない燃料です。
答え:イ
「集じん」という言葉から連想しがちですが、対象は粒子状の「じん(ちり・すす)」であって、気体であるCO₂ではありません。CO₂の排出抑制には高効率化やCCS(回収・貯留)などが必要です。
問17
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性風力発電に関する記述として,誤っているものは。
- イ.風力発電装置は,風速等の自然条件の変化により発電出力の変動が大きい。
- ロ.一般に使用されているプロペラ形風車は,垂直軸形風車である。
- ハ.風力発電装置は,風の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。
- ニ.プロペラ形風車は,一般に風速によって翼の角度を変えるなど風の強弱に合わせて出力を調整することができる。
正解:ロ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。風速任せなので出力変動が大きいのは風力発電の弱点です。
- ロ:誤り。一般的なプロペラ形風車は、回転軸が地面に対してほぼ水平な水平軸形風車です。垂直軸形風車はダリウス形やサボニウス形など別のタイプを指します。
- ハ:正しい。風のもつ運動エネルギーを電気エネルギーに変換する装置という説明そのものです。
- ニ:正しい。ピッチ制御(翼の角度を変える仕組み)で出力を調整できます。
答え:ロ
プロペラ形=水平軸形、という対応を取り違えやすいので注意してください。
問18
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性架空電線路の支持物の強度計算を行う場合,一般的に考慮しなくてもよいものは。
- イ.風圧荷重
- ロ.径間
- ハ.襲雷頻度
- ニ.支持物及び電線への氷雪の付着
正解:ハ
解説
支持物の強度計算に必要な荷重
支持物にかかる荷重として一般に考慮するのは、風圧荷重、電線・支持物の重量、支持物や電線に付着する氷雪の重さ、径間(支持物間の距離、電線の弛みや張力に影響)などです。
襲雷頻度は別枠
落雷の多さ(襲雷頻度)は、避雷対策(架空地線の設置など)を検討する材料であり、支持物の強度計算(風圧・自重・氷雪荷重に耐えられるか)には直接関係しません。
答え:ハ 襲雷頻度
「強度」の話なのか「雷対策」の話なのかを混同しないようにしましょう。
問19
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性配電用変電所に関する記述として,誤っているものは。
- イ.配電電圧の調整をするために,負荷時タップ切換変圧器などが設置されている。
- ロ.送電線路によって送られてきた電気を降圧し,配電線路に送り出す変電所である。
- ハ.配電線路の引出口に,線路保護用の遮断器と継電器が設置されている。
- ニ.高圧配電線路は一般に中性点接地方式であり,変電所内で大地に直接接地されている。
正解:ニ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。負荷時タップ切換変圧器(LRT)で配電電圧を調整します。
- ロ:正しい。送電線路の電気を降圧し配電線路へ送り出すのが配電用変電所の役割です。
- ハ:正しい。引出口には遮断器と継電器(保護リレー)が設置されています。
- ニ:誤り。高圧配電線路(6.6kV系)は一般に非接地方式です。中性点を大地に直接接地しているのは、特別高圧・超高圧系統など別の電圧階級の話であり、配電用変電所の高圧配電線引出口の説明としては誤りです。
答え:ニ
「高圧配電線路=非接地方式」という基本知識を問う定番の誤り選択肢です。
問20
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備公称電圧6.6 kV の高圧受電設備に使用する高圧交流遮断器(定格電圧7.2 kV,定格遮断電流12.5 kA,定格電流600 A)の遮断容量[MV・A]は。
- イ.80
- ロ.100
- ハ.130
- ニ.160
正解:ニ
解説
遮断容量の式
三相の遮断容量は、定格電圧と定格遮断電流から次の式で求めます。
選択肢から最も近い値を選ぶ
計算結果は約156 MV・Aで、選択肢の中で最も近いのは160です。
答え:ニ 160
遮断容量の式に使うのは「定格電圧」であって、公称電圧(6.6kV)ではない点に注意してください。定格電流(600A)は今回の計算には使いません。
問21
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備キュービクル式高圧受電設備の特徴として,誤っているものは。
- イ.接地された金属製箱内に機器一式が収容されるので,安全性が高い。
- ロ.屋外に施設する場合であっても,小動物の侵入を考慮する必要がない。
- ハ.開放形受電設備に比べ,より小さな面積に設置できる。
- ニ.開放形受電設備に比べ,現地工事が簡単となり工事期間も短縮できる。
正解:ロ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。金属製の箱に収めるので感電や接触事故に対して安全性が高いです。
- ロ:誤り。キュービクルは屋外設置の場合、小動物が通気口などから侵入して短絡事故を起こす例があるため、小動物侵入防止対策(メッシュ等)を考慮する必要があります。
- ハ:正しい。機器一式を規格化された箱に収めるので、開放形に比べ設置面積を小さくできます。
- ニ:正しい。工場であらかじめ組み立てられているため、現地工事が簡単で工期も短縮できます。
答え:ロ
「金属製の箱=小動物対策が要らない」というのは誤りです。実際には侵入対策が重要な検討項目になります。
問22
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す機器の用途は。

- イ.零相電流を検出する。
- ロ.高電圧を低電圧に変成し,計器での測定を可能にする。
- ハ.進相コンデンサに接続して投入時の突入電流を抑制する。
- ニ.大電流を小電流に変成し,計器での測定を可能にする。
正解:ニ
解説
写真の特徴
碍子でできた円筒形の巻線を上下に貫通させる構造で、一次側に大電流が流れる電線を通す形状をしています。これは計器用変流器(CT)で、大きな電流を計器で扱いやすい小さな電流(一般に定格二次電流5A)に変成する機器です。
他の選択肢との違い
- 零相電流の検出は零相変流器(ZCT)の役割
- 高電圧を低電圧に変成するのは計器用変圧器(VT)の役割
- 進相コンデンサの突入電流抑制は直列リアクトルの役割
答え:ニ 大電流を小電流に変成し,計器での測定を可能にする。
CTは「電流」、VTは「電圧」を変成する機器という対比で覚えておくと選択肢を絞り込みやすくなります。
問23
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す機器の文字記号(略号)は。

- イ.DS
- ロ.PAS
- ハ.LBS
- ニ.VCB
正解:ニ
解説
写真の特徴
碍子で支えられた円筒状の部品(真空バルブ)を複数本並べて配置し、レバー(操作ハンドル)で投入・遮断を行う、盤内設置形の機器です。この構造は、内部の真空バルブで電流を開閉・遮断する真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Breaker)の外観の特徴です。VCBは負荷電流だけでなく、短絡電流のような大きな事故電流も遮断できる点が、他の開閉器と大きく異なります。
他の選択肢との違い
- DS(断路器):負荷電流の開閉はできず、無負荷状態での回路の切り離し専用
- PAS(気中負荷開閉器、柱上用):電柱に設置するタイプの開閉器で、写真のような盤内設置形とは設置場所・形状が異なる
- LBS(高圧交流負荷開閉器):負荷電流の開閉はできるが、短絡電流までは遮断できない(ヒューズと組み合わせて使うことが多い)
答え:ニ VCB
「負荷電流の開閉はできるが短絡電流の遮断はできない」LBSと、「短絡電流まで遮断できる」VCBを混同しやすいので、写真の機器がどちらに当たるかは、碍子で支持された円筒(バルブ)の本数や操作ハンドルの位置など、外観の特徴と合わせて覚えておきましょう。
問24
配電理論及び配線設計600 V ビニル絶縁電線の許容電流(連続使用時)に関する記述として,適切なものは。
- イ.電流による発熱により,電線の絶縁物が著しい劣化をきたさないようにするための限界の電流値。
- ロ.電流による発熱により,絶縁物の温度が80 ℃となる時の電流値。
- ハ.電流による発熱により,電線が溶断する時の電流値。
- ニ.電圧降下を許容範囲に収めるための最大の電流値。
正解:イ
解説
許容電流とは
電線に電流を流し続けると、抵抗損によるジュール熱で電線が発熱します。許容電流(連続使用時)とは、この発熱によって絶縁物(被覆)が著しく劣化しない限界の電流値のことです。
他の選択肢との違い
- ロ(絶縁物が80℃になる電流値):具体的な温度基準ではなく「著しい劣化をきたさない限界」という表現が正しい定義
- ハ(電線が溶断する電流値):それはヒューズや短絡時の破壊的な状態であり、許容電流の定義とは違う
- ニ(電圧降下を抑える電流値):それは別の設計基準(電圧降下の許容範囲)の話
答え:イ
許容電流は「絶縁物の劣化を防ぐための限界値」という定義を押さえておきましょう。
問25
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す配線器具の名称は。

- イ.接地端子付コンセント
- ロ.抜止形コンセント
- ハ.防雨形コンセント
- ニ.医用コンセント
正解:ニ
解説
写真の特徴
表面は通常のコンセントと似ていますが、裏面の端子部分に、通常のコンセントには見られない緑色の追加端子や特殊な形状の金具があるのが医用コンセントの特徴です。医療施設の患者環境で使用され、確実な接地と誤挿入防止の構造を持っています。
他の選択肢との違い
- 接地端子付コンセント:通常のコンセントに接地端子(アース線をねじ止めする部分)が追加されたもの
- 抜止形コンセント:プラグを差し込んでひねるとロックされる構造
- 防雨形コンセント:屋外用で、ふたやパッキンがある防水構造
答え:ニ 医用コンセント
写真の裏面(端子部分)の特徴的な形状から判別する問題です。
問26
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す電気工事に使用する車両の用途は。

- イ.高所での作業時に使用する。
- ロ.電柱の穴掘建柱作業に使用する。
- ハ.重量物運搬に使用する。
- ニ.地中埋設管設置のための掘削に使用する。
正解:ロ
解説
写真の特徴
トラックの荷台にオーガ(螺旋状の掘削刃)とクレーンのようなブームを備えた車両です。これは地面に穴を掘って電柱を立てる作業に使う穴掘建柱車です。
他の選択肢との違い
- 高所作業車:バケットに人が乗って上昇する構造(本問の車両とは装備が異なる)
- 重量物運搬:トレーラーなど荷台を広く使う車両
- 地中埋設管の掘削:溝掘機や掘削機
答え:ロ 電柱の穴掘建柱作業に使用する。
オーガ(掘削用のドリル状の部品)が装備されているのが最大の判別ポイントです。
問27
電気工事の施工方法使用電圧300 V 以下のケーブル工事による低圧屋内配線において,不適切なものは。
- イ.架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。
- ロ.ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って,支持点間を1.5 m にして施設した。
- ハ.乾燥した場所で長さ2 m の金属製の防護管に収めたので,金属管のD 種接地工事を省略した。
- ニ.点検できない隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。
正解:ニ
解説
各選択肢を確認する
- イ:適切。ガス管との接触を避けるのは基本的な施工ルールです。
- ロ:適切。ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材側面に沿わせる場合、支持点間隔は2m以下(この問では1.5m)で問題ありません。
- ハ:適切。金属製の防護管のD種接地工事は、管のこう長が4m以下で乾燥した場所に施設する場合は省略できます。本肢は「乾燥した場所・長さ2m」なのでこの条件を満たしており、省略は適切です。
- ニ:不適切。ビニルキャブタイヤケーブルは、可とう性を持たせるためにゴム系の被覆でできており、機械的な保護力や耐久性がビニルシースケーブルより劣ります。「電気設備の技術基準の解釈」では、キャブタイヤケーブルをケーブル工事に使用できるのは、使用電圧300V以下で、展開した場所または点検できる隠ぺい場所に限られます。点検できない隠ぺい場所には使用できません(絶縁劣化や損傷を発見できないまま放置されるリスクがあるため)。
答え:ニ
「ケーブル工事に使えるケーブルの種類」と「そのケーブルを使ってよい場所(点検できるかどうか)」はセットで決まっています。ビニルキャブタイヤケーブルは点検できる場所限定という制約を見落とさないようにしましょう。
問28
電気工事の施工方法合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線の種類は。
- イ.600V ビニル絶縁電線
- ロ.600V 二種ビニル絶縁電線
- ハ.600V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線
- ニ.屋外用ビニル絶縁電線
正解:ニ
解説
合成樹脂管工事の基本
合成樹脂管(VE管等)工事には、通常のビニル絶縁電線(600Vビニル絶縁電線、600V二種ビニル絶縁電線、600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線など)を使用できます。
屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は対象外
屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は、絶縁物の耐候性・絶縁性能の点から、屋内配線の管工事に使うことが認められていません。OW線はもともと架空配電線などの屋外露出用途を想定した電線です。
答え:ニ 屋外用ビニル絶縁電線
「屋外用」という名前から誤解しやすいですが、屋外の合成樹脂管工事に使えるという意味ではなく、そもそも管工事(屋内配線)自体に使用できない電線です。
問29
電気工事の施工方法電気自動車等から供給設備を介して,一般用電気工作物に電気を供給する場合の施設に関する記述として,誤っているものは。
- イ.電気自動車等の出力は20 kW 未満で,低圧幹線の許容電流以下にする。
- ロ.電路に地絡が生じたときに,自動的に電路を遮断する装置を施設する。
- ハ.電路に過電流が生じたときに,自動的に電路を遮断する装置を施設する。
- ニ.対地電圧が150 V を超え450 V 以下の場合において,電気自動車等と供給設備を接続する電線は,2種キャブタイヤケーブルと同等以上の性能を有するものであるとともに,使用環境を想定した性能を有する電線を使用する。
正解:イ
解説
各選択肢を確認する
- イ:誤り。電気自動車等の給電設備を一般用電気工作物に接続する場合、出力は10kW未満とする必要があります。「20kW未満」という数値が誤りです。
- ロ:正しい。地絡時に自動的に電路を遮断する装置が必要です。
- ハ:正しい。過電流時に自動的に電路を遮断する装置が必要です。
- ニ:正しい。対地電圧150V超450V以下の場合の電線の性能要件として妥当な内容です。
答え:イ
電気自動車等からの逆潮流(V2H等)を一般用電気工作物として扱える出力の上限は10kW未満、という数値を正確に覚えておく必要があります。
【平面図】(問30〜問34共通)

問30
電気工事の施工方法①に示す地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(SOG 機能付)に関する記述として,不適切なものは。
- イ.SOG は,需要家側高圧電路の短絡事故により短絡電流が流れたとき,負荷開閉器を一旦ロックし,一般送配電事業者側の遮断装置の動作後,無充電の状態で自動的に負荷開閉器を開路する。
- ロ.SOG は,需要家側高圧電路の地絡事故により地絡電流が流れたとき,負荷開閉器を一旦ロックし,一般送配電事業者側の遮断装置の動作後,無充電の状態で自動的に負荷開閉器を開路する。
- ハ.地絡継電装置は,需要家内のケーブルが長い場合,対地静電容量が大きく,他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には,地絡方向継電装置を設置することが望ましい。
- ニ.地絡継電装置は,波及事故を防止するため,一般送配電事業者側との保護協調が必要である。
正解:ロ
解説
SOG機能の正しい動作
GR付PAS(SOG機能付高圧交流負荷開閉器)は、需要家側の事故の種類によって動作が異なります。
- 地絡事故が起きたとき:地絡電流を検出し、即座に負荷開閉器を自動的に開放(遮断)します。
- 短絡事故が起きたとき:負荷開閉器には短絡電流を遮断する能力がないため、まず開閉器を一旦ロックし、一般送配電事業者側の遮断器が動作して電路が無電圧(無充電)になったことを確認してから、自動的に開放します。
選択肢イの誤り
イの記述は「需要家側高圧電路の短絡事故」に対する説明ですが、その内容(一旦ロックし、無充電を確認して自動開路)自体は短絡事故時の正しい動作です。一方、地絡事故はロで説明されている「ロックしてから無充電を待つ」という動作ではなく、SOG本来の売りは地絡時の即時遮断にあります。ロの記述は地絡事故についても「一旦ロックし、無充電確認後に開路する」としており、これは地絡事故時の動作としては不適切です。地絡事故時はロックを介さず速やかに遮断するのが正しい動作のため、地絡事故の説明としてロの内容は誤りです。
答え:ロ
「地絡→即時遮断」「短絡→ロック後、無電圧確認して開放」という2パターンを逆にしないことが最大のポイントです。
問31
電気工事の施工方法②に示す高圧架空引込ケーブルによる,引込線の施工に関する記述として,不適切なものは。
- イ.高圧ケーブルの高さを地表上3 m とした。
- ロ.高圧ケーブルをハンガーにより,ちょう架用線に0.5 m の間隔で支持する方法とした。
- ハ.ちょう架用線に使用する金属体には,D 種接地工事を施した。
- ニ.ちょう架用線は,風圧などを考慮した合成荷重に耐えるように引張強さに対する安全率を2.5 以上として施工した。
正解:イ
解説
各選択肢を確認する
- イ:不適切。高圧ケーブルを人が触れるおそれのある場所に施設する際の地表上の高さは、一般に4.5m以上(施設場所により3.5m以上等の緩和あり)とする必要があります。単純に「地表上3m」では低すぎ、通行等で接触するおそれがあるため不適切です。
- ロ:適切。ハンガーによりちょう架用線に約0.5m間隔で支持するのは一般的な施工方法です。
- ハ:適切。ちょう架用線に使用する金属体にはD種接地工事を施します。
- ニ:適切。ちょう架用線は安全率2.2以上(本肢は2.5以上でこれを満たす)で施工します。
答え:イ
高圧架空引込ケーブルの地表上高さの基準値を正確に覚えているかがポイントです。
問32
電気工事の施工方法③に示すVT に関する記述として,誤っているものは。
- イ.VT には,定格負担(単位[V・A])があり,定格負担以下で使用する必要がある。
- ロ.VT の定格二次電圧は,110 V である。
- ハ.VT の電源側には,十分な定格遮断電流を持つ限流ヒューズを取り付ける。
- ニ.遮断器の操作電源の他,所内の照明電源としても使用することができる。
正解:ニ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。VTには定格負担(許容できる二次側の負荷の大きさ、単位V・A)があり、それ以下で使用します。
- ロ:正しい。VTの定格二次電圧は110Vと規格で定められています。
- ハ:正しい。VTの電源側(一次側)には、VT自体や二次側の計器・保護回路を短絡事故から守るため、限流ヒューズを取り付けます。
- ニ:誤り。VTは定格負担(一般に100V・A前後)がとても小さい、計測・保護専用の小容量機器です。遮断器のトリップコイルの操作電源として使う程度なら容量内におさまりますが、照明電源のように数十W以上の電力を常時消費する負荷まで賄うようにはできていません。照明電源として使うと定格負担を超えてしまい、二次電圧が狂って計器誤差が大きくなったり、VT自体が過熱・焼損するおそれがあります。
答え:ニ
VTは「電圧を測るための小容量の変圧器」であり、計測・保護回路の電源としてはよくても、照明のような一般負荷まで賄う汎用電源として使うものではない、という点がポイントです。
問33
電気工事の施工方法④に示す低圧配電盤に設ける過電流遮断器として,不適切なものは。
- イ.単相3 線式(210/105 V)電路に設ける配線用遮断器には3 極2 素子のものを使用した。
- ロ.電動機用幹線の許容電流が100 A を超え,過電流遮断器の標準の定格に該当しないので,定格電流はその値の直近上位のものを使用した。
- ハ.電動機用幹線の過電流遮断器は,電線の許容電流の3.5 倍のものを取り付けた。
- ニ.電灯用幹線の過電流遮断器は,電線の許容電流以下の定格電流のものを取り付けた。
正解:ハ
解説
各選択肢を確認する
- イ:適切。単相3線式(210/105V)電路の配線用遮断器には、中性線欠相保護のため3極2素子(または3極3素子)のものを使用します。
- ロ:適切。許容電流が標準の定格に該当しない場合、その値の直近上位の定格のものを選定できます。
- ハ:不適切。電動機用幹線の過電流遮断器の定格電流は、電線の許容電流の3倍以下(一定の条件下で3.5倍以下となる規定もありますが、一般的な原則は3倍以下)とするのが基準です。「3.5倍」という数値は、電動機幹線への配線用遮断器の定格選定の基本原則からは外れており、過大な値のため不適切とされます。
- ニ:適切。電灯用幹線の過電流遮断器は、電線の許容電流以下の定格電流のものを使用します。
答え:ハ
電動機用幹線の過電流遮断器の定格電流は「電線の許容電流の3倍以下」が基本原則である点を覚えておきましょう。
問34
電気工事の施工方法⑤の高圧屋内受電設備の施設又は表示について,「電気設備の技術基準の解釈」で示されていないものは。
- イ.出入口に火気厳禁の表示をする。
- ロ.出入口に立ち入りを禁止する旨を表示する。
- ハ.出入口に施錠装置等を施設して施錠する。
- ニ.堅ろうな壁を施設する。
正解:イ
解説
「電気設備の技術基準の解釈」で示されている項目
高圧受電設備を設置する場所には、次のような施設・表示が求められます。
- 出入口に立ち入りを禁止する旨を表示する(ロ)
- 出入口に施錠装置等を施設する(ハ)
- 堅ろうな壁を施設する(ニ)
「火気厳禁」の表示は規定されていない
「火気厳禁」の表示は、油入変圧器など火災危険を伴う設備がある場所での一般的な安全対策として行われることはありますが、高圧受電設備の施設に関する技術基準の解釈で明文化された表示義務ではありません。
答え:イ 出入口に火気厳禁の表示をする。
「立入禁止」「施錠」「堅ろうな壁」の3点は明確な規定事項として区別し、「火気厳禁」は一般的な安全配慮であって条文上の義務ではない点を押さえておきましょう。
問35
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備人が触れるおそれがある場所に施設する機械器具の金属製外箱等の接地工事について,「電気設備の技術基準の解釈」に適合するものは。ただし,絶縁台は設けないものとする。
- イ.使用電圧200 V の電動機の金属製の台及び外箱には,B 種接地工事を施す。
- ロ.使用電圧6 kV の変圧器の金属製の台及び外箱には,C 種接地工事を施す。
- ハ.使用電圧400 V の電動機の金属製の台及び外箱には,D 種接地工事を施す。
- ニ.使用電圧6 kV の外箱のない乾式変圧器の鉄心には,A 種接地工事を施す。
正解:ニ
解説
使用電圧と接地工事の対応
接地工事は使用電圧の区分によって種類が決まります。
- 300V以下の低圧機器の金属製外箱等 → D種接地工事
- 300Vを超える低圧機器の金属製外箱等 → C種接地工事
- 高圧・特別高圧機器の金属製外箱等 → A種接地工事
各選択肢を確認する
- イ:誤り。200V(300V以下の低圧)の電動機にはD種接地工事が必要で、B種ではありません。B種接地工事は、高圧・低圧が混触した際に低圧側の電位上昇を抑えるための「変圧器の中性点等」に施す接地であり、電動機の外箱の接地区分としては使いません。
- ロ:誤り。6kV(高圧)の変圧器の金属製の台・外箱にはA種接地工事が必要で、C種(300Vを超える低圧用)ではありません。
- ハ:誤り。400V(300Vを超える低圧)の電動機にはC種接地工事が必要で、D種(300V以下用)ではありません。
- ニ:正しい。「電気設備の技術基準の解釈」第29条では、機械器具の金属製の台及び外箱(外箱のない変圧器又は計器用変成器にあっては、鉄心)に、使用電圧の区分に応じた接地工事を施すと規定されています。外箱を持たない乾式変圧器では、鉄心が外箱の代わりに人の触れるおそれのある導電部となるため、鉄心そのものが接地工事の対象になります。使用電圧6kVは高圧なので、必要なのはA種接地工事です。
答え:ニ
接地工事の区分は「A種=高圧・特別高圧の機器接地/B種=変圧器の混触防止用/C種=300V超の低圧機器/D種=300V以下の低圧機器」という使用電圧との対応をまず正確に覚えること。そのうえで「外箱のない変圧器・計器用変成器は鉄心が接地対象になる」という第29条の括弧書きの規定も見落とさないようにしましょう。
問36
自家用電気工作物の検査方法高圧受電設備に使用されている過電流継電器(OCR)の試験項目として,誤っているものは。
- イ.遮断器を含めた動作時間を測定する連動試験
- ロ.整定した瞬時要素通りにOCR が動作することを確認する瞬時要素動作電流特性試験
- ハ.過電流の大きさに応じてOCR が動作するまでの時間を測定する限時要素動作時間特性試験
- ニ.OCR が動作する最小電圧を測定する最小動作電圧試験
正解:ニ
解説
OCRの一般的な試験項目
- 遮断器を含めた動作時間を確認する連動試験
- 瞬時要素の動作電流を確認する瞬時要素動作電流特性試験
- 限時要素(時間に応じた動作特性)を確認する限時要素動作時間特性試験
これらはいずれもOCRの基本的な試験項目です。
「最小動作電圧試験」はOCRの試験ではない
OCRは電流を検出して動作する継電器であり、「電圧」を基準にした試験(最小動作電圧試験)はOCRの試験項目としては存在しません。電圧を扱う試験は、不足電圧継電器(UVR)などの別の継電器の話です。
答え:ニ
OCRは「電流」を扱う機器という基本に立ち返れば、「電圧」に関する試験が紛れ込んでいる選択肢に気づけます。
問37
自家用電気工作物の検査方法高圧ケーブルの絶縁抵抗の測定を行うとき,絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子)を使用する目的として,正しいものは。
- イ.絶縁物の表面を流れる漏れ電流も含めて測定するため。
- ロ.高圧ケーブルの残留電荷を放電するため。
- ハ.絶縁物の表面を流れる漏れ電流による誤差を防ぐため。
- ニ.指針の振れによる焼損を防ぐため。
正解:ハ
解説
ガード端子の役割
高圧ケーブルの絶縁抵抗を測定するとき、ケーブルの絶縁物の表面を伝って流れる漏れ電流(表面漏れ電流)が測定値に混じると、本来知りたい絶縁物内部の絶縁抵抗値が正しく測定できません。ガード端子は、この表面を流れる漏れ電流を測定回路から迂回させ、測定誤差を防ぐために使います。
他の選択肢との違い
- イ:表面の漏れ電流を「含めて」測定するのではなく、逆に「除外」するのがガード端子の目的
- ロ:残留電荷の放電は別の作業(測定後の放電棒の使用など)
- ニ:指針の焼損防止は別の保護回路の話
答え:ハ 絶縁物の表面を流れる漏れ電流による誤差を防ぐため。
「ガード=防ぐ」という言葉のとおり、表面漏れ電流を測定結果から締め出す機能だとイメージすると覚えやすいです。
問38
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気工事士法」において,電圧600 V 以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事の作業のうち,第一種電気工事士又は認定電気工事従事者でなくても従事できるものは。
- イ.ダクトに電線を収める作業
- ロ.電線管を曲げ,電線管相互を接続する作業
- ハ.金属製の線ぴを,建造物の金属板張りの部分に取り付ける作業
- ニ.電気機器に電線を接続する作業
正解:ニ
解説
電気工事士でなければできない作業と「軽微な工事」
電気工事士法では、原則としてほとんどの電気工事の作業に電気工事士(第一種電気工事士または認定電気工事従事者)の資格が必要です。ただし「軽微な工事」に該当するものは例外的に資格がなくても従事できます。電気工事士法施行令第1条は、この軽微な工事を限定的に列挙しており、その一つが「電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く)又は蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事」です。
各選択肢を確認する
- イ:資格が必要。ダクトに電線を収める作業は、電線の配線を伴う工事であり、施行令第1条の軽微な工事には含まれません。
- ロ:資格が必要。電線管を曲げたり電線管相互を接続したりする作業も、配線工事の一部として資格が必要です。
- ハ:資格が必要。金属製の線ぴ(ワイヤプロテクタのような樋状部材)を造営材に取り付ける作業は、電線の接続こそ伴いませんが、電線を収める配線設備の施工そのものであり、軽微な工事の列挙には含まれていません。
- ニ:軽微な工事に該当し、資格不要。電気機器(配線器具を除く)の端子に電線をねじ止めする工事は、施行令第1条にまさに規定されている軽微な工事です。
答え:ニ 電気機器に電線を接続する作業
「軽微な工事」は施行令で個別に列挙されたものだけが対象です。イ・ロ・ハのように配線設備(ダクト・電線管・線ぴ)そのものを施工する作業は、たとえ電線の接続を伴わなくても列挙にはなく、原則どおり資格が必要になる点に注意しましょう。
問39
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気事業法」において,電線路維持運用者が行う一般用電気工作物の調査に関する記述として,不適切なものは。
- イ.一般用電気工作物の調査が4 年に1 回以上行われている。
- ロ.登録点検業務受託法人が点検業務を受託している一般用電気工作物についても調査する必要がある。
- ハ.電線路維持運用者は,調査を登録調査機関に委託することができる。
- ニ.一般用電気工作物が設置された時に調査が行われなかった。
正解:ニ
解説
各選択肢を確認する
- イ:正しい。一般用電気工作物の調査は原則4年に1回以上行われます。
- ロ:正しい。登録点検業務受託法人が点検している設備についても、電線路維持運用者による調査は必要です。
- ハ:正しい。電線路維持運用者は調査を登録調査機関に委託できます。
- ニ:不適切。一般用電気工作物が設置されたとき(または変更のとき)にも調査を行う必要があり、「調査が行われなかった」という状態は法の求める調査体制として不適切です。
答え:ニ
新設・変更時の調査と、その後の定期調査(4年に1回以上)の両方が求められている、という点を押さえておきましょう。
問40
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気工事業の業務の適正化に関する法律」において,主任電気工事士に関する記述として,正しいものは。
- イ.第一種電気主任技術者は,主任電気工事士になれる。
- ロ.第二種電気工事士は,2 年の実務経験があれば,主任電気工事士になれる。
- ハ.主任電気工事士は,一般用電気工事による危険及び障害が発生しないように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない。
- ニ.第一種電気主任技術者は,一般用電気工事の作業に従事する場合には,主任電気工事士の障害発生防止のための指示に従わなくてもよい。
正解:ハ
解説
各選択肢を確認する
- イ:誤り。主任電気工事士になれるのは、第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状取得後3年以上の実務経験を持つ者です。第一種電気主任技術者の資格だけでは主任電気工事士にはなれません。
- ロ:誤り。第二種電気工事士の実務経験要件は2年ではなく3年以上です。
- ハ:正しい。主任電気工事士は一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行う義務があります。
- ニ:誤り。主任電気工事士の指示には、資格の種類にかかわらず従う必要があります。
答え:ハ
「第二種電気工事士+3年の実務経験」「第一種電気工事士は無条件でなれる」という資格要件の数字を正確に覚えておくことが重要です。
【単線結線図】(問41〜問50共通)

問41
配線図①で示す図記号の機器に関する記述として,正しいものは。
- イ.零相電流を検出する。
- ロ.短絡電流を検出する。
- ハ.欠相電圧を検出する。
- ニ.零相電圧を検出する。
正解:ニ
解説
図記号の位置
①は引込口にあるGR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)に組み込まれた、コンデンサを利用した検出部分です。地絡事故が起きると、健全時にはゼロだった各相の対地電圧のバランスが崩れ、「零相電圧」と呼ばれる成分が現れます。①はこの零相電圧を検出して、地絡継電器(GR)に信号を送る役割を持ちます。
他の選択肢との違い
- 短絡電流の検出は過電流継電器(OCR)の役割
- 零相電流の検出は、電線を貫通する環状の変流器(零相変流器・ZCT)の役割で、①とは別の場所・別の形(環状)の装置が担当します
- 欠相電圧の検出は不足電圧継電器などの役割
答え:ニ 零相電圧を検出する。
「地絡=零相」という点は共通していますが、①のようなコンデンサ形の検出部は電圧(零相電圧)を検出する部分であり、電流(零相電流)を検出するZCTとは役割も見た目(環状か否か)も違う、という点を区別しておきましょう。
問42
配線図②に設置する単相機器の必要最少数量は。
- イ.1
- ロ.2
- ハ.3
- ニ.4
正解:ロ
解説
図の②の位置
②は変圧器(動力用)の一次側手前にある単相の計器用変圧器(VT)です。三相3線式の電圧を計測・保護回路に使う場合、単相のVTを2台、V結線(異なる2線間にそれぞれ1台ずつ)で組み合わせることで、三相3線分の電圧情報を過不足なく得ることができます。
答え:ロ 2
単相VTをV結線で2台使う方式は、変圧器のV結線(動力用トランスの一次側をV結線にする場合)と同様、三相回路を扱う際の代表的な省略配置です。
問43
配線図図中の(3a)(3b)に入る図記号の組合せとして,正しいものは。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:イ
解説
接地の種類のおさらい
- A種接地工事:高圧・特別高圧機器の金属製外箱等(避雷器や高圧機器本体側の接地)
- D種接地工事:計器用変成器(VT・CTなど)の二次側や、300V以下の低圧機器の外箱
図の位置にあてはめる
(3a)は高圧側の機器(VCTや遮断器まわりの金属製外箱等)に関する接地で、A種接地工事()に対応します。(3b)はVT(計器用変圧器)の二次側に関する接地で、D種接地工事()に対応します。
答え:イ (3a) (3b)
「機器本体の金属部分=A種」「計器用変成器の二次側=D種」という対応をセットで覚えておくと、この手の組合せ問題に強くなります。
問44
配線図④で示す機器の役割は。
- イ.高圧電路の電流を変流する。
- ロ.電路に侵入した過電圧を抑制する。
- ハ.高電圧を低電圧に変圧する。
- ニ.地絡電流を検出する。
正解:イ
解説
図の④の位置
④は高圧電路の主回路に直列に挿入された変流器(CT)です。CTは、高圧電路に流れる大きな電流を、保護継電器や電流計で扱える小さな電流に変流(変成)する役割を持ちます。
他の選択肢との違い
- 過電圧の抑制は避雷器(LA)の役割
- 高電圧を低電圧に変圧するのは計器用変圧器(VT)の役割
- 地絡電流の検出は零相変流器(ZCT)や地絡継電装置の役割
答え:イ 高圧電路の電流を変流する。
主回路に直列に入っていれば電流を扱うCT、分岐して電圧を測る位置にあれば電圧を扱うVT、という位置関係で見分けます。
問45
配線図⑤で示す図記号の機器と文字記号(略号)の組合せとして,正しいものは。

- イ.(写真参照)CB
- ロ.(写真参照)PF
- ハ.(写真参照)PC
- ニ.(写真参照)LBS
正解:ニ
解説
図記号⑤の位置
⑤はVT・CTの引出口付近にある高圧交流負荷開閉器の位置です。写真の中から、碍子を立てて配置しヒューズと組み合わせて使う開閉器の形状を選びます。
各写真の特徴
- CB(遮断器):短絡電流も遮断できる大型の機構を持つ
- PF(限流ヒューズ):碍子に細長いヒューズ筒が付いた形状
- PC(高圧カットアウト):ヒューズを内蔵した箱状の開閉器
- LBS(高圧交流負荷開閉器):レバー操作で開閉する碍子形の開閉器
答え:ニ (写真参照)LBS
写真の形状的特徴(碍子・操作レバー・ヒューズの有無)から、CB・PF・PC・LBSを見分ける練習をしておきましょう。
問46
配線図⑥に設置する機器の組合せとして,正しいものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:イ
解説
図の⑥の位置
⑥は電流計・電圧計と並んで設置される計器類の位置で、図中に電力用の指示計器を組み合わせて設ける箇所です。一般的には、電力(kW)を示す電力計と、力率(進み・遅れ)を示す力率計の組み合わせが設置されます。
各選択肢の見分け方
写真の目盛り表示を見ると、「kW」の目盛りを持つ計器は電力計、「COSφ(LAG/LEAD)」の目盛りを持つ計器は力率計です。「Hz」の目盛りは周波数計、「A」の目盛りは電流計です。
答え:イ (写真参照)
目盛りの単位表示(kW/Hz/A/COSφ)から、電力計・周波数計・電流計・力率計を正しく区別しましょう。
問47
配線図⑦で示す部分の相確認に用いるものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ロ
解説
図の⑦の位置
⑦はVT二次側の電圧確認箇所付近で、三相の相順(相回転方向)を確認する場面です。相順の確認には、3本のクリップ付きコードを持つ円盤状の検相器を使用します。円盤内の円板が回転する向きで相順(正相・逆相)を判定します。
他の選択肢との違い
- 高圧用の検電器(棒状で先端が発光するもの)は「電圧の有無」を確認する機器で、相順はわかりません
- 放電用の接地棒(フック棒状のもの)は残留電荷を放電するための道具
答え:ロ
※選択肢の写真のうち、3本のクリップコードが伸びる円盤形の器具が検相器に該当します(本解説の選択肢記号は公式解答に基づく)。
問48
配線図⑧で示す部分に設置できる機器は。
- イ.限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器
- ロ.断路器
- ハ.高圧気中負荷開閉器
- ニ.ヒューズ付高圧カットアウト
正解:イ
解説
図の⑧の位置
⑧は動力用変圧器の一次側に設けられた開閉器の位置です。高圧の変圧器一次側の開閉器としては、短絡電流を限流ヒューズで遮断し、負荷電流の開閉は開閉器本体で行う限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器が広く使われます。
他の選択肢との違い
- 断路器(DS):負荷電流の開閉はできず、無負荷状態での回路の切り離し専用
- 高圧気中負荷開閉器:ヒューズなしの負荷開閉専用機器(短絡保護はできない)
- ヒューズ付高圧カットアウト:主に変圧器容量の小さい設備や引込口に使われることが多い機器
答え:イ 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器
変圧器一次側の保護には「負荷開閉(開閉器)+短絡保護(ヒューズ)」の組み合わせが定番です。
問49
配線図⑨で示す機器の役割として,誤っているものは。
- イ.コンデンサ回路の突入電流を抑制する。
- ロ.コンデンサの残留電荷を放電する。
- ハ.電圧波形のひずみを改善する。
- ニ.第5 調波等の高調波障害の拡大を防止する。
正解:ロ
解説
図の⑨の位置
⑨は進相コンデンサに直列に接続された直列リアクトルです。直列リアクトルには次の役割があります。
- コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する(イ)
- 電源電圧の波形のひずみ(高調波)を改善する(ハ)
- 第5調波などの高調波障害の拡大を防止する(ニ)
コンデンサの残留電荷の放電は別の役割
コンデンサの残留電荷を放電するのは、コンデンサに内蔵または並列に接続される放電抵抗(放電コイル)の役割であり、直列リアクトルの役割ではありません。
答え:ロ コンデンサの残留電荷を放電する。
「直列リアクトル=突入電流抑制・高調波対策」「放電抵抗=残留電荷の放電」と役割を分けて覚えておきましょう。
問50
配線図⑩で示す動力制御盤内から電動機に至る配線で,必要とする電線本数(心線数)は。
- イ.3
- ロ.4
- ハ.5
- ニ.6
正解:ニ
解説
図の⑩の位置
⑩は動力制御盤内のインバータ(可変電圧可変周波数装置、VVVFインバータ)の出力側から、三相誘導電動機までの配線です。
電線本数の考え方
三相電動機を動かすための主回路だけを考えると、U・V・W相の3本で足ります。しかし本問の正答は6本(ニ)です。実務・過去問で定番となっている考え方は、主回路3本に加えて、電動機内蔵のサーモ(温度保護)や、接地線・予備線などの付加的な配線を合わせて心線数を数える、というものです。単純に「三相=3本」と即断せず、動力制御盤と電動機の間には主回路以外の配線も一緒に敷設されることが多い、という前提を踏まえて答える問題です。
答え:ニ 6
主回路(動力用の3本)だけでなく、保護・監視のための配線が別途必要になる場合がある、という点が「三相だから3本」という直感とのズレになりやすいポイントです。心線数の内訳そのものは出題ごとに前提が異なることがあるため、本解説では断定的な内訳の暗記よりも「主回路以外の配線も含めて考える」という考え方を押さえることを重視してください。
掲載している試験問題は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。