令和6年度下期 第一種電気工事士 学科試験の問題と解説【全50問】
全問題を正答・解説付きで掲載しています。
この試験回をクイズ形式で解く →問1
電気に関する基礎理論図のように,巻数nのコイルに周波数fの交流電圧Vを加え,電流Iを流す場合に,電流Iに関する説明として,誤っているものは。

- イ.巻数nを増加すると,電流Iは減少する。
- ロ.コイルに鉄心を入れると,電流Iは減少する。
- ハ.周波数fを高くすると,電流Iは増加する。
- ニ.電圧Vを上げると,電流Iは増加する。
正解:ハ
解説
コイルの電流を決める式
コイルには誘導リアクタンス があり、電流は
で決まります。(インダクタンス)は巻数の2乗に比例し、鉄心を入れるとさらに大きくなります。
選択肢を1つずつ確認
- イ:巻数 を増やす → が大きくなる → が大きくなる → 電流は減少(正しい)
- ロ:鉄心を入れる → が大きくなる → 電流は減少(正しい)
- ハ:周波数 を高くする → が大きくなる → 電流は減少するはずなのに「増加する」としている(誤り)
- ニ:電圧 を上げる → より電流は増加(正しい)
答え:ハ
コイルは周波数が高いほど電流を流しにくくなる(リアクタンスが増える)性質があります。コンデンサとは逆の性質なので、混同しないようにしましょう。
問2
電気に関する基礎理論図のような直流回路において,電源から流れる電流は20 A である。図中の抵抗Rに流れる電流IR[A]は。

- イ.0.8
- ロ.1.6
- ハ.3.2
- ニ.16
正解:イ
解説
並列部分の電圧を求める
電源72Vから2Ωの直列抵抗を通って、2Ω・10Ω・Rの3つが並列になっています。全体で流れる電流は20Aなので、直列抵抗での電圧降下は
よって並列部分にかかる電圧は
各枝の電流を求める
Rに流れる電流
並列部分全体では20Aが3つに分かれるので
答え:イ 0.8
「全体電流から他の枝の電流を引く」というキルヒホッフの電流則の使い方が基本です。直列部分の電圧降下を先に引いて並列部の電圧を出すのを忘れないようにしましょう。
問3
電気に関する基礎理論図のような正弦波交流電圧がある。波形の周期が20 ms(周波数50 Hz)であるとき,角速度ω[rad/s]の値は。

- イ.50
- ロ.100
- ハ.314
- ニ.628
正解:ハ
解説
周期から周波数、周波数から角速度へ
周期 なので、周波数は
角速度(角周波数)は
答え:ハ 314
は交流計算の基本式です。50 Hz なら314、60 Hzなら377と、代表的な数値を覚えておくと計算が速くなります。
問4
電気に関する基礎理論図のような交流回路の力率[%]は。

- イ.50
- ロ.60
- ハ.70
- ニ.80
正解:ニ
解説
まず合成リアクタンス
コイルのリアクタンス とコンデンサのリアクタンス は打ち消し合うので
インピーダンスと力率
答え:ニ 80
3・4・5の直角三角形は力率問題の定番です。 と を先に引き算してから合成インピーダンスを求めるのを忘れないようにしましょう。
問5
電気に関する基礎理論図のような三相交流回路において,電流Iの値[A]は。

- イ.200√3/17
- ロ.40/√3
- ハ.40
- ニ.40√3
正解:ロ
解説
回路の形を確認する
図の負荷は、9Ωのコイル(リアクタンス)3つがΔ(三角形)結線になっており、その3つの頂点それぞれから4Ωの抵抗を通って3φ3W電源(線間電圧200V)の3本の線につながっています。9Ωはコイルなので、抵抗の4Ωとはベクトル的に合成する必要がある点に注意してください。
Δ→Y変換でリアクタンスをまとめる
対称なΔ結線はYに変換できます。Δの各辺が9Ωなら、Y変換後の1相分は
これで1本の線には「4Ωの抵抗」と「3Ωのコイル」が直列に入った、対称なY負荷とみなせます。
合成インピーダンスと相電流
(3-4-5の直角三角形になっています。)Y結線なので相電圧は線間電圧の 、つまり
線電流(=Y負荷の相電流)は
答え:ロ 40/√3
9Ωを普通の抵抗として4Ωとそのまま足し算()してしまうと誤りです。図にコイル記号(ぐるぐる巻き)で描かれているものは必ずリアクタンスとして、抵抗とはベクトル合成(三平方の定理)で扱いましょう。
問6
配電理論及び配線設計図は単相2線式の配電線路の単線結線図である。電線1線当たりの抵抗は,A-B間で0.1 Ω,B-C間で0.2 Ωである。A点の線間電圧が210 V で,B点,C点にそれぞれ負荷電流10 A の抵抗負荷があるとき,C点の線間電圧[V]は。ただし,線路リアクタンスは無視する。

- イ.200
- ロ.202
- ハ.204
- ニ.208
正解:ロ
解説
A-B間の電圧降下
単相2線式なので、電圧降下は「電線2線分」で効いてきます。A-B間の電流は、B点・C点の負荷電流の合計(B点を通過するのは両方の負荷電流)なので
A-B間の電線1線あたりの抵抗が0.1Ωなので、往復2線分の電圧降下は
B-C間の電圧降下
B-C間を流れるのはC点の負荷電流10Aだけです。電線1線あたり0.2Ωなので
C点の電圧
答え:ロ 202
単相2線式は「行き+帰り」で2線分の抵抗がかかる点が三相と違うところです。A-B間は両方の負荷電流の合計が流れる、という点を見落とさないようにしましょう。
問7
配電理論及び配線設計ある変圧器の負荷は,有効電力90 kW,無効電力120 kvar,力率は60 %(遅れ)である。いま,ここに有効電力70 kW,力率100 %の負荷を増設した場合,この変圧器にかかる負荷の容量[kV・A]は。

- イ.100
- ロ.150
- ハ.200
- ニ.280
正解:ハ
解説
増設前の無効電力・有効電力
もとの負荷は有効電力90 kW、無効電力120 kvarです。増設する負荷は力率100%(=無効電力0)なので、無効電力は増設しても変わりません。
合計を計算する
皮相電力(変圧器の容量)
答え:ハ 200
は の比になっている、いわゆる3-4-5パターンです。有効電力と無効電力をそれぞれ足してから、最後にピタゴラスの定理で皮相電力を求めます。
問8
配電理論及び配線設計定格一次電圧がVn[V],定格容量がS[V・A],一次側に換算した変圧器の内部インピーダンスがZ[Ω](1相分)の三相変圧器がある。この変圧器の百分率インピーダンス%Z[%](基準容量S[V・A])を示す式は。ただし,図は1相分の等価回路を示す。

- イ.%Z = ZS/Vn ×100
- ロ.%Z = Vn/(ZS) ×100
- ハ.%Z = ZS/Vn² ×100
- ニ.%Z = ZS²/Vn ×100
正解:ハ
解説
%Zの定義
百分率インピーダンスは「定格電流を流したときにインピーダンスに生じる電圧降下が、定格相電圧の何%か」で定義されます。
1相分の等価回路では、定格相電圧は 、定格電流は です。よって
ここに を代入して整理すると
答え:ハ %Z = ZS/Vn² ×100
が分母分子で打ち消し合って消えるのがポイントです。単位を意識すると、[Ω]×[V·A]を[V²]で割ってようやく無次元(%)になる、と覚えても式の形を思い出しやすくなります。
問9
配電理論及び配線設計図のような電路において,変圧器(6 600 / 210 V)の二次側の1線がB種接地工事されている。このB種接地工事の接地抵抗値が10 Ω,負荷の金属製外箱のD種接地工事の接地抵抗値が40 Ωであった。金属製外箱のA点で完全地絡を生じたとき,A点の対地電圧[V]の値は。ただし,金属製外箱,配線及び変圧器のインピーダンスは無視する。

- イ.32
- ロ.168
- ハ.210
- ニ.420
正解:ロ
解説
地絡電流の経路
変圧器二次側の1線がB種接地工事(接地抵抗10Ω)、金属製外箱がD種接地工事(接地抵抗40Ω)されています。金属製外箱のA点で完全地絡が起きると、変圧器の二次電圧(対地電圧210V)を起電力として、B種接地とD種接地が直列につながった閉回路に地絡電流が流れます。
金属製外箱(A点)の対地電圧
地絡電流はD種接地抵抗(40Ω)を通って大地に流れ込むので、そこで生じる電圧降下がそのままA点の対地電圧になります。
答え:ロ 168
「B種とD種、2つの接地抵抗の直列回路に電圧210Vがかかる」とイメージすると計算しやすくなります。人が触れる外箱の電圧はD種側の抵抗分だけがかかる、という点が感電防止の観点でも重要な知識です。
問10
電気応用かご形誘導電動機のY-Δ始動法に関する記述として,誤っているものは。
- イ.固定子巻線をY結線にして始動したのち,Δ結線に切り換える方法である。
- ロ.始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。
- ハ.Δ結線で全電圧始動した場合に比べ,始動時の線電流は1/3に低下する。
- ニ.始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わる。
正解:ロ
解説
Y-Δ始動法のしくみ
始動時は固定子巻線をY結線にして、各相に定格電圧の 倍の電圧をかけることで始動電流を抑え、加速後にΔ結線に切り換えて全電圧を加える方法です。
始動トルクはどうなるか
トルクは電圧の2乗に比例します。Y始動では相電圧が 倍になるため、始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合の
に低下します。「同じである」というロの記述が誤りです。
始動時の線電流
Δ結線で全電圧始動した場合に比べて、Y-Δ始動の始動電流は に低下します(これは正しい記述)。
答え:ロ
始動トルクも始動電流も同じ になる、という数字がセットで頻出です。「トルクは電圧の2乗に比例、Y結線は相電圧が倍」の2点を押さえておけば迷いません。
問11
電気応用トップランナー方式で製造されていない三相誘導電動機について,ファン等の負荷機器はそのままで,電動機のみ同容量のトップランナー方式のものに更新する場合における留意点の記述として,誤っているものは。
- イ.更新後は電動機が大きくなる場合がある。
- ロ.電動機の回転速度が増すため,負荷機器に与える運転能力への注意を要する。
- ハ.始動電流が小さくなるため,保護装置である配線用遮断器,電磁開閉器など適正化の検討が必要となる。
- ニ.電動機発生トルクが大きくなるおそれがあり,減速機と直結している場合,機械強度の適正化の検討が必要となる。
正解:ハ
解説
トップランナーモータの特徴
トップランナー方式の電動機は、旧来品より損失(滑り)が少なく高効率です。効率が高いということは、同じ電源電圧・周波数条件では回転速度がわずかに増加し、始動電流はむしろ増加または同程度になりやすく、小さくなるとは限りません。
選択肢の検討
- イ:高効率化のため鉄心が大きくなる場合がある(正しい記述)
- ロ:回転速度が増すため、ファン等の負荷機器の運転能力に注意が必要(正しい記述)
- ハ:「始動電流が小さくなるため」適正化が必要 → 実際にはトップランナーモータは効率重視の設計で始動電流が小さくなるとは限らず、むしろ増加する場合があるため、この理由付けは誤り
- ニ:発生トルクが大きくなるおそれがあり、減速機との接続部の強度確認が必要(正しい記述)
答え:ハ
トップランナーモータは「高効率=損失が少ない」であって、「始動電流が小さくなる」こととは直結しません。むしろ現場では保護装置の再検討が必要になる方向(電流が変わりうる)で語られる点に注意しましょう。
問12
電気応用LEDランプの記述として,誤っているものは。
- イ.LEDランプは,発光ダイオードを用いた照明用光源である。
- ロ.白色LEDランプは,一般に青色のLEDと黄色の蛍光体による発光である。
- ハ.LEDランプの発光効率は,白熱灯の発光効率に比べて高い。
- ニ.LEDランプの発光原理は,ホトルミネセンスである。
正解:ニ
解説
LEDランプの基本
LEDランプは発光ダイオード(半導体)を用いた照明用光源で、白色LEDは一般に青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせによって白色光を作り出しています。発光効率は白熱灯よりずっと高いです。
発光原理の名称
LEDの発光原理は、半導体のpn接合に電流を流すことで直接光を放出するエレクトロルミネセンスです。「ホトルミネセンス」は蛍光灯のように、紫外線などの光を当てて蛍光体を発光させる原理であり、LED本体の発光原理としては誤りです。
答え:ニ
「LED=エレクトロルミネセンス(電流励起)」「蛍光灯・蛍光体=ホトルミネセンス(光励起)」とペアで覚えておくと、この手の入れ替え問題に対応できます。
問13
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備蓄電池に関する記述として,正しいものは。
- イ.鉛蓄電池の電解液は,希硫酸である。
- ロ.アルカリ蓄電池の放電の程度を知るためには,電解液の比重を測定する。
- ハ.アルカリ蓄電池は,過放電すると充電が不可能になる。
- ニ.単一セルの起電力は,鉛蓄電池よりアルカリ蓄電池の方が高い。
正解:イ
解説
選択肢を確認する
- イ:鉛蓄電池の電解液は希硫酸である(正しい)
- ロ:アルカリ蓄電池は放電してもアルカリ電解液の比重がほとんど変化しないため、比重測定では放電程度を判断できない(誤り)
- ハ:アルカリ蓄電池は過放電に強く、過放電しても充電は可能(誤り)
- ニ:単一セルの起電力は、鉛蓄電池(約2.0V)の方がアルカリ蓄電池(約1.2V)より高い(誤り、記述が逆)
答え:イ
「鉛蓄電池=希硫酸・起電力約2V」「アルカリ蓄電池=水酸化カリウム・起電力約1.2V・比重不変・過放電に強い」という対比セットで覚えると整理しやすくなります。
問14
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示すものの名称は。

- イ.金属ダクト
- ロ.バスダクト
- ハ.トロリーバスダクト
- ニ.銅帯
正解:ロ
解説
写真の特徴
金属製の四角いダクトの中に平板状の導体(バー)を収め、支持金具で固定した構造です。これは大電流を流すための幹線に使われるバスダクトです。ケーブルの代わりに帯状の銅(またはアルミ)導体を使うことで、大容量の電流を効率よく送ることができます。
他の選択肢との違い
- 金属ダクト…電線・ケーブルを収める箱形の管路(バーではなく電線を通す)
- トロリーバスダクト…天井クレーンなど移動機器に給電するための、集電子で摺動接触するダクト
- 銅帯…単なる帯状導体そのもの(ダクトに収めた製品名ではない)
答え:ロ バスダクト
支持金具とふた付きの箱の中に太い平角導体が並んでいる外観が特徴です。大電流幹線として工場やビルの受変電設備でよく使われます。
問15
電気応用写真の三相誘導電動機の構造において矢印で示す部分の名称は。

- イ.固定子巻線
- ロ.回転子鉄心
- ハ.回転軸
- ニ.ブラケット
正解:ロ
解説
誘導電動機の基本構造
三相誘導電動機は、固定子(外側・固定子巻線を巻いた鉄心)と回転子(内側・回転する部分)からできています。写真の矢印は、回転軸の周りに薄い鉄板(けい素鋼板)を積層した回転子鉄心の部分を指しています。かご形回転子ではこの鉄心のスロットに導体バーが埋め込まれています。
他の選択肢との違い
- 固定子巻線…外側の固定子側に巻かれたコイル
- 回転軸…中心を貫く軸そのもの
- ブラケット…モータ両端を支える軸受け部の枠(フレーム端の部品)
答え:ロ 回転子鉄心
矢印が指しているのが「軸を囲む積層鉄心の部分」なのか「軸そのもの」なのか「外枠」なのかを、写真の位置関係から見極めるのがポイントです。
問16
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性図は汽力発電所の再熱サイクルを表したものである。図中のA,B,C,Dの組合せとして,正しいものは。

- イ.A再熱器 B復水器 C過熱器 Dボイラ
- ロ.A過熱器 B復水器 C再熱器 Dボイラ
- ハ.Aボイラ B過熱器 C再熱器 D復水器
- ニ.A復水器 Bボイラ C過熱器 D再熱器
正解:ハ
解説
水と蒸気の流れで覚える
再熱サイクルでは、ボイラ(A)で発生した蒸気は過熱器(B)で過熱蒸気となり、高圧タービンで仕事をした後、再びボイラに戻って再熱器(C)で加熱され、低圧タービンへ送られます。タービンを出た蒸気は復水器(D)で水に戻り、給水ポンプでボイラへ戻されます。
図の位置で判断する
図では蒸気タービン(高圧・低圧)と発電機の左側にA・B・Cが並び、下側の給水ポンプへ戻る経路にDがあります。位置関係から
- A:ボイラ
- B:過熱器
- C:再熱器
- D:復水器
答え:ハ Aボイラ B過熱器 C再熱器 D復水器
「ボイラ→過熱器→(高圧タービン)→再熱器→(低圧タービン)→復水器→給水ポンプ→ボイラ」という一連の流れを図と対応させて覚えるのが確実です。
問17
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性高圧電力系統に連系する太陽電池発電設備の太陽電池モジュールから電力系統へ至る機器の接続順序として,正しいものは。ただし,当設備にはマイクロインバータを使用していないものとする。
- イ.太陽電池モジュール - パワーコンディショナ - 接続箱 - 変圧器 - 電力系統
- ロ.太陽電池モジュール - 接続箱 - パワーコンディショナ - 変圧器 - 電力系統
- ハ.太陽電池モジュール - パワーコンディショナ - 変圧器 - 接続箱 - 電力系統
- ニ.太陽電池モジュール - 接続箱 - 変圧器 - パワーコンディショナ - 電力系統
正解:ロ
解説
電力が流れる順番
太陽電池モジュールで発生した直流電力は、まず接続箱でモジュールごとの配線をまとめ、次にパワーコンディショナ(PCS)で交流に変換されます。その後、高圧系統に連系する場合は変圧器で電圧を昇圧してから電力系統へ送られます。
答え:ロ
マイクロインバータ(モジュール単位で交流変換する方式)を使わない一般的な高圧連系の太陽光発電設備では、「集めてから(接続箱)→交流に変換(PCS)→昇圧(変圧器)」の順が基本です。
問18
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性長距離送電線路のフェランチ効果とは。
- イ.受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象。
- ロ.受電端電圧が送電端電圧より低くなる現象。
- ハ.受電端電圧と送電端電圧が常に等しい現象。
- ニ.受電端電圧と送電端電圧が常に不安定な現象。
正解:イ
解説
フェランチ効果のしくみ
長距離送電線は対地静電容量を持つため、軽負荷時(電流が少ないとき)には線路の静電容量による進み電流の影響で、受電端の電圧が送電端の電圧よりも高くなる現象が生じます。これをフェランチ効果と呼びます。
答え:イ 受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象
深夜など負荷が軽い時間帯の長距離送電線・地中送電線で問題になりやすい現象です。「軽負荷・進み電流・受電端の方が電圧が高い」という3点をセットで覚えておきましょう。
問19
発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として,誤っているものは。
- イ.非接地方式は,中性点を接地しない方式で,異常電圧が発生しやすい。
- ロ.直接接地方式は,中性点を導線で接地する方式で,地絡電流が大きい。
- ハ.抵抗接地方式は,地絡故障時,通信線に対する電磁誘導障害が直接接地方式と比較して大きい。
- ニ.消弧リアクトル接地方式は,中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するようなリアクトルで接地する方式である。
正解:ハ
解説
各接地方式の特徴
- 非接地方式:中性点を接地しない。地絡電流は小さいが、異常電圧(アーク地絡による過電圧など)が発生しやすい(イは正しい記述)
- 直接接地方式:中性点を導線で直接接地。地絡電流が大きく、保護継電器の動作は確実だが、通信線への電磁誘導障害も大きい(ロは正しい記述)
- 抵抗接地方式:中性点を抵抗を介して接地。地絡電流を抑えられるため、通信線への電磁誘導障害は直接接地方式より小さい
- 消弧リアクトル接地方式:中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するリアクトルで接地し、地絡電流をほぼゼロに抑える方式(ニは正しい記述)
答え:ハ
ハの文は「抵抗接地方式は電磁誘導障害が直接接地方式より大きい」としていますが、実際は抵抗で地絡電流が制限されるため直接接地方式より小さいのが正しく、記述が逆になっている点が誤りです。
問20
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備次の機器のうち,高頻度開閉を目的に使用されるものは。
- イ.高圧断路器
- ロ.高圧交流負荷開閉器
- ハ.高圧交流真空電磁接触器
- ニ.高圧交流遮断器
正解:ハ
解説
機器ごとの得意分野
- 高圧断路器:電流が流れていない状態での回路の切り離し専用(開閉頻度は低い、負荷電流の開閉不可)
- 高圧交流負荷開閉器(PAS等):負荷電流の開閉はできるが、頻繁な開閉には向かない
- 高圧交流真空電磁接触器:電磁石で自動的に開閉する接触器で、頻繁な開閉(高頻度の入り切り)に強い構造
- 高圧交流遮断器:主に事故電流(短絡・地絡電流)の遮断が役割で、頻繁な開閉用途ではない
答え:ハ 高圧交流真空電磁接触器
電動機の頻繁な発停など「高頻度の開閉」が必要な用途には、機械的に丈夫で寿命の長い真空電磁接触器が使われます。
問21
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備高調波の発生源とならない機器は。
- イ.交流アーク炉
- ロ.半波整流器
- ハ.進相コンデンサ
- ニ.動力制御用インバータ
正解:ハ
解説
高調波を発生させる機器
- 交流アーク炉:アーク放電の非線形特性により高調波を発生
- 半波整流器:波形の半分だけを取り出すため、多くの高調波成分を含む
- 動力制御用インバータ:スイッチング動作により高調波電流を発生
高調波を発生させない機器
進相コンデンサ自体は線形素子(リアクタンス素子)であり、それ自体が高調波を生み出すことはありません。むしろ他の機器が発生させた高調波と共振しやすい、という別の問題(高調波障害の拡大)を引き起こすことがあります。
答え:ハ 進相コンデンサ
「高調波を発生させる機器」と「高調波の影響を受けやすい(共振しやすい)機器」を混同しないことがポイントです。進相コンデンサは発生源ではなく、どちらかというと被害者側です。
問22
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す機器の用途は。

- イ.高電圧を低電圧に変成する。
- ロ.大電流を小電流に変成する。
- ハ.零相電圧を検出する。
- ニ.コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。
正解:イ
解説
写真の機器の特徴
写真は高圧ヒューズ付きの2連巻線ユニットで、これは計器用変圧器(VT:Voltage Transformer)です。高電圧の高圧回路の電圧を、そのまま測定器(電圧計)や継電器に接続できる低い電圧(一般に110V)に変成する役割を持ちます。
答え:イ 高電圧を低電圧に変成する
「大電流を小電流に変成する」のはCT(変流器)の役割であり、VTとは別の機器です。VT=電圧を変成、CT=電流を変成、と対で整理しておくと混同を防げます。零相電圧の検出はZPD、突入電流の抑制は直列リアクトルの役割で、いずれもこの写真の機器(VT)の説明ではありません。
問23
電気工事の施工方法写真に示す過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形(SOG)の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)を設置する場合の記述として,誤っているものは。

- イ.一般送配電事業者の配電線への波及事故の防止に効果がある。
- ロ.自家用側の高圧電路に地絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する。
- ハ.自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,PASを一旦ロックし,一般送配電事業者の配電線が一時停止した後,自動的にPASを開放する。
- ニ.自家用側の高圧電路に短絡事故が発生したとき,一般送配電事業者の配電線を停止させることなく,自動遮断する。
正解:ニ
解説
GR付PAS(SOG)の役割
GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器、SOG:過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形)は、需要家と一般送配電事業者の責任分界点に設置され、一般送配電事業者側の配電線への波及事故を防ぐ装置です。
地絡事故と短絡事故で動作が違う
- 地絡事故が自家用側で発生したとき:GR付PASは地絡継電装置が動作し、一般送配電事業者の配電線を停止させることなく、その場で自動的に遮断します。
- 短絡事故が自家用側で発生したとき:PASには短絡等の過電流を遮断する能力がないため、いったんロック(蓄勢)して開放を待機し、一般送配電事業者側の配電用遮断器が動作して配電線が無電圧になったのを確認してから、無電圧の状態でPASを自動的に開放します。つまり短絡事故の場合は一般送配電事業者の配電線が一時的に停止することになります。
選択肢の検討
- イ:波及事故防止に効果がある(正しい)
- ロ:自家用側の地絡事故 → 配電線を止めずに自動遮断(正しい)
- ハ:自家用側の短絡事故 → PASを一旦ロックし、配電線が一時停止した後に自動開放(正しい)
- ニ:自家用側の短絡事故で「配電線を停止させることなく自動遮断する」としているが、実際にはPASに遮断能力がないため配電線側の遮断器動作(一時停止)を待つ必要がある(誤り)
答え:ニ
地絡事故は「PAS自身がすぐに切る」、短絡事故は「PASは切る力がないのでロックし、配電線側が落ちて無電圧になってから開放する」——この向きを逆にしないことが最大のポイントです。
問24
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備600 V 以下で使用される電線又はケーブルの記号に関する記述として,誤っているものは。
- イ.IVとは,主に屋内配線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された単心(単線,より線)の絶縁電線である。
- ロ.DVとは,主に架空引込線に使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドで絶縁された多心の絶縁電線である。
- ハ.VVFとは,移動用電気機器の電源回路などに使用する塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドを絶縁体およびシースとするビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルである。
- ニ.CVとは,架橋ポリエチレンで絶縁し,塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンドでシースを施した架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルである。
正解:ハ
解説
各記号の意味
- IV:屋内配線用の塩化ビニル絶縁電線(正しい記述)
- DV:架空引込線用の塩化ビニル絶縁の多心電線(正しい記述)
- VVF:ビニル絶縁ビニルシースケーブル(平形)。屋内配線でよく使われる一般的なケーブルであり、「移動用電気機器の電源回路などに使用するビニルキャブタイヤケーブル」という説明は誤りです。移動用機器向けのキャブタイヤケーブルはVCTなどの記号で表されます。
- CV:架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(正しい記述)
答え:ハ
VVFは「Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat」の略で、屋内配線用の平形ケーブルを指します。移動用の柔軟なキャブタイヤケーブルとは別物である点を混同しないようにしましょう。
問25
電気工事の施工方法爆燃性粉じんのある危険場所での金属管工事において,施工する場合に使用できない材料は。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ロ
解説
爆燃性粉じん場所の金属管工事の原則
爆燃性粉じん(マグネシウム粉など)のある危険場所では、電気設備の技術基準の解釈により、金属管相互及び管とボックスその他の附属品は、5山以上ねじ合わせて接続する等、堅ろうかつ粉じんが侵入しにくい方法で接続しなければなりません。また、内部にパッキンを設けるなど気密性のある構造が求められます。
選択肢の写真を確認する
4枚の写真のうち、パッキンや十分なねじ込み構造を持たない、通常の屋内配線用の露出型ボックス(プルボックス相当で気密性を確保できないもの)は、粉じん防爆構造として使用できません。
答え:ロ
爆燃性粉じん場所では「気密性・強固なねじ込み」が必須要件です。通常の非防爆仕様の附属品(薄い鋳物のボックス等でパッキンがないもの)は、写真の外観だけでも見分けるポイントになります。
問26
電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具並びに受電設備写真に示す工具の名称は。

- イ.ケーブルジャッキ
- ロ.パイプベンダ
- ハ.延線ローラ
- ニ.ワイヤストリッパ
正解:ロ
解説
写真の特徴
長い柄(パイプ状のハンドル)の先端に、溝の付いた湾曲したヘッドが付いた工具です。この溝に金属管(電線管)をはめ、てこの力で少しずつ曲げていくパイプベンダ(ヒッキーとも呼ばれます)です。
他の選択肢との違い
- イ ケーブルジャッキ:ケーブルドラムの軸を両側から持ち上げて支える台状の器具。ドラムからケーブルを繰り出すときに使う
- ハ 延線ローラ:ケーブルを引き入れる際に、曲がり角などでケーブルを傷つけないよう転がして通すローラ
- ニ ワイヤストリッパ:電線の絶縁被覆をむき取る手持ち工具
答え:ロ パイプベンダ
「溝付きの曲がったヘッド+長い柄」という形状が見分けるポイントです。ケーブルジャッキはドラムを支える据置きの器具なので、手に持って使うこの工具とは形がまったく違います。
問27
電気工事の施工方法使用電圧300 V 以下のケーブル工事による低圧屋内配線において,不適切なものは。
- イ.架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。
- ロ.ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って,支持点間を3 m にして施設した。
- ハ.乾燥した場所で長さ2 m の金属製の防護管に収めたので,防護管のD種接地工事を省略した。
- ニ.点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。
正解:ロ
解説
選択肢を確認する
- イ:CVケーブルをガス管と接触しないように施設(正しい施工)
- ロ:VVF(丸形)ケーブルを造営材の側面に沿わせ、支持点間を3mにして施設 → ケーブルを造営材の側面または下面に沿わせて施設する場合の支持点間隔は2m以下が原則であり、3mは不適切
- ハ:乾燥した場所で長さ2mの金属製防護管に収めた場合、防護管のD種接地工事を省略できる(正しい:乾燥した場所かつ長さ4m以下の金属管は接地省略可)
- ニ:点検できる隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用(正しい施工)
答え:ロ
ケーブル工事の支持点間隔は「造営材の側面・下面に沿わせる場合は2m以下」が基本ルールです。3mという数字が出てきたらこの規定違反を疑いましょう。
問28
電気工事の施工方法小規模発電設備である太陽電池発電設備の記述として,誤っているものは。
- イ.ケーブル工事で施工した。
- ロ.太陽電池発電設備に至る回路に漏電遮断器を施設する場合,遮断器が切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障するおそれのない逆接続可能型を設置した。
- ハ.太陽電池モジュールに接続する直流回路に施設する機械器具であって,使用電圧が450 V の機械器具の金属製外箱に施す接地工事は,C種接地工事とし,その接地抵抗を120 Ωで施設した。
- ニ.太陽電池モジュールに接続する負荷側の電路には,その接続点に近接して開閉器を設けた。
正解:ハ
解説
選択肢を確認する
- イ:ケーブル工事で施工(正しい施工方法)
- ロ:漏電遮断器を施設する場合、逆接続可能型(切りの状態で負荷側に電圧がかかっても故障しない構造)を設置(正しい記述)
- ハ:太陽電池モジュールの直流回路に接続する使用電圧450Vの機械器具の金属製外箱の接地工事は、C種接地工事(接地抵抗10Ω以下、低速遮断で500Ω以下)が必要ですが、「120Ω」ではC種の基準を満たしません。120Ωはむしろ通常のD種接地工事の緩和条件(0.5秒以内に動作する漏電遮断器設置時)に近い数値であり、この場面には不適切です。
- ニ:負荷側の電路にはその接続点に近接して開閉器を設置(正しい記述)
答え:ハ
「使用電圧300Vを超える機械器具の金属製外箱→C種接地工事(原則10Ω以下)」という基本を押さえていれば、120Ωという数字がC種の基準に合わないとすぐに判断できます。
問29
電気工事の施工方法地中電線路の施設に関する記述として,不適切なものは。
- イ.長さが15 m を超える高圧地中電線路を管路式で施設し,物件の名称,管理者名及び電圧を表示した埋設表示シートを,管と地表面のほぼ中間に施設した。
- ロ.地中電線路に絶縁電線を使用した。
- ハ.地中電線に使用する金属製の電線接続箱にD種接地工事を施した。
- ニ.地中電線路を暗きょ式で施設する場合に,地中電線を不燃性又は自消性のある難燃性の管に収めて施設した。
正解:ロ
解説
選択肢を確認する
- イ:長さ15mを超える高圧地中電線路を管路式で施設し、埋設表示シートを管と地表面のほぼ中間に施設(正しい施工)
- ロ:地中電線路に絶縁電線を使用 → 地中電線路には、ケーブルを使用しなければならず、絶縁電線をそのまま使用することはできません(誤り)
- ハ:地中電線に使用する金属製の電線接続箱にD種接地工事(正しい施工)
- ニ:暗きょ式で施設する場合、地中電線を不燃性又は自消性のある難燃性の管に収めて施設(正しい施工)
答え:ロ
地中電線路の使用電線は「ケーブル」が原則です。絶縁電線のままでは地中の水分や外傷から保護できないため認められません。
【平面図】(問30〜問34共通)

問30
電気工事の施工方法①に示す地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として,不適切なものは。
- イ.GR付PASは,保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として用いられる。
- ロ.GR付PASの地絡継電装置は,波及事故を防止するため,一般送配電事業者との保護協調が大切である。
- ハ.GR付PASは,短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため,過電流ロック機能が必要である。
- ニ.GR付PASの地絡継電装置は,需要家内のケーブルが長い場合,対地静電容量が大きく,他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には,地絡過電圧継電器を設置することが望ましい。
正解:ニ
解説
選択肢を確認する
- イ:GR付PASは保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として用いられる(正しい記述)
- ロ:GR付PASの地絡継電装置は、波及事故防止のため一般送配電事業者との保護協調が大切(正しい記述)
- ハ:GR付PASは短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため、過電流ロック機能が必要(正しい記述)
- ニ:需要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きくなり、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には地絡方向継電器(DGR)を設置することが望ましい、というのが正しい対策であり、「地絡過電圧継電器」ではありません。
答え:ニ
対地静電容量が大きい需要家では、方向性を持たない地絡継電器(GR)だと不要動作しやすいため、電流の向きも判別できる地絡方向継電器(DGR)を使うのが対策です。「地絡過電圧継電器」との混同に注意しましょう。
問31
電気工事の施工方法②に示す引込柱及び高圧引込ケーブルの施工に関する記述として,不適切なものは。
- イ.A種接地工事に使用する接地線を人が触れるおそれがある引込柱の側面に立ち上げるため,地表からの高さ2 m,地表下0.75 m の範囲を厚さ2 mm 以上の合成樹脂管(CD管を除く)で覆った。
- ロ.造営物に取り付けた外灯の配線と高圧引込ケーブルを0.1 m 離して施設した。
- ハ.高圧引込ケーブルを造営材の側面に沿って垂直に支持点間6 m で施設した。
- ニ.屋上の高圧引込ケーブルを造営材に堅ろうに取り付けた堅ろうなトラフに収め,トラフには取扱者以外の者が容易に開けることができない構造の鉄製のふたを設けた。
正解:ロ
解説
選択肢を確認する
- イ:A種接地工事の接地線を、人が触れるおそれがある引込柱の側面に立ち上げる場合、地表からの高さ2m、地表下0.75mの範囲を厚さ2mm以上の合成樹脂管(CD管を除く)で覆う(正しい施工)
- ロ:造営物に取り付けた外灯の配線と高圧引込ケーブルを0.1m離して施設 → 高圧ケーブルと弱電流電線等との離隔距離は、原則として0.15m以上(または耐火性のある隔壁等で区分)が必要であり、0.1mでは不足(誤り)
- ハ:高圧引込ケーブルを造営材の側面に沿って垂直に、支持点間6mで施設(正しい:ケーブルを垂直に施設する場合の支持点間隔は6m以下)
- ニ:屋上の高圧引込ケーブルを堅ろうなトラフに収め、取扱者以外が容易に開けられない鉄製のふたを設置(正しい施工)
答え:ロ
高圧ケーブルと他の配線(弱電流回路等)との離隔は0.15m以上が基本の数字です。0.1mという数字が出てきたら不足を疑いましょう。
問32
電気工事の施工方法③に示す地中にケーブルを施設する場合,使用する材料と埋設深さの組合せとして,不適切なものは。ただし,材料はJIS規格に適合するものとする。
- イ.ポリエチレン被覆鋼管 舗装下面から0.2 m
- ロ.硬質ポリ塩化ビニル電線管 舗装下面から0.3 m
- ハ.波付硬質合成樹脂管 舗装下面から0.6 m
- ニ.コンクリートトラフ 舗装下面から1.2 m
正解:イ
解説
埋設深さの基本ルール
高圧地中電線路の埋設深さは、車道など重量物の圧力を受けるおそれがある場所では1.2m以上、それ以外の場所では0.6m以上が原則です。ただし、堅ろうな管(鋼管等)に収めるなど十分な防護がある場合は、この深さを減らせる緩和規定があります。
選択肢を確認する
- イ:ポリエチレン被覆鋼管、舗装下面から0.2m → 堅ろうな鋼管を使う場合の緩和後の深さとしても浅すぎる(誤り、実際の基準はおおむね0.3m以上が必要)
- ロ:硬質ポリ塩化ビニル電線管、舗装下面から0.3m(緩和条件を満たす施工として妥当)
- ハ:波付硬質合成樹脂管、舗装下面から0.6m(妥当)
- ニ:コンクリートトラフ、舗装下面から1.2m(車道の原則深さと一致し妥当)
答え:イ
金属管を使う場合でも、舗装下面からの深さが極端に浅い(0.2m)のは不適切です。「原則1.2m、堅ろうな防護管等で緩和されても0.3m程度は必要」という感覚を持っておくと数値の妥当性を判断しやすくなります。
問33
電気工事の施工方法④に示すPF・S形の主遮断装置として,必要でないものは。
- イ.過電流継電器
- ロ.ストライカによる引外し装置
- ハ.相間,側面の絶縁バリヤ
- ニ.高圧限流ヒューズ
正解:イ
解説
PF・S形とは
PF・S形とは、高圧限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(S)を組み合わせた主遮断装置です。過電流(短絡電流)はヒューズが溶断して遮断し、平常時の開閉は負荷開閉器が受け持ちます。ヒューズが1相でも溶断すると、残りの相を含めて全相を開放するストライカによる引外し装置や、相間・側面の絶縁バリヤも必要な構成要素です。
選択肢を確認する
- イ:過電流継電器 → 過電流継電器(OCR)は遮断器(CB)形の主遮断装置で使う機器であり、PF・S形では限流ヒューズ自体が過電流保護を担うため、別途の過電流継電器は必要ありません。
- ロ:ストライカによる引外し装置(必要)
- ハ:相間、側面の絶縁バリヤ(必要)
- ニ:高圧限流ヒューズ(必要、PF・S形の主役)
答え:イ
「PF・S形=ヒューズ(PF)が過電流保護を担当」なので、遮断器(CB)形で使う過電流継電器(OCR)は不要という点が最大のポイントです。
問34
電気工事の施工方法⑤に示す高圧キュービクル内に設置した機器の接地工事に使用する軟銅線の太さに関する記述として,適切なものは。
- イ.高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に,直径2.0 mm の軟銅線を使用した。
- ロ.LBSの金属製部分に施す接地線に,直径2.0 mm の軟銅線を使用した。
- ハ.高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に,3.5 mm²の軟銅線を使用した。
- ニ.定格負担100 V・A の高圧計器用変成器の2次側電路に施す接地線に,3.5 mm²の軟銅線を使用した。
正解:ニ
解説
接地線の太さの基準
高圧受電設備の接地線の太さは、接地工事の種類や接続する機器によって規定があります。特に高圧計器用変成器の2次側電路の接地線は、直径2.6mm以上(断面積で概ね3.5mm²相当)の軟銅線を用いることが求められます。
選択肢を確認する
- イ:変圧器の金属製外箱の接地線に直径2.0mmの軟銅線 → 変圧器等の高低圧混触防止のB種接地工事などでは、より太い線が要求される場合が多く、2.0mmでは不足(誤り)
- ロ:LBSの金属製部分の接地線に直径2.0mmの軟銅線(同様に不足、誤り)
- ハ:高圧進相コンデンサの金属製外箱の接地線に3.5mm²の軟銅線 → コンデンサ等の機器では、より太い線(直径2.6mm相当以上)が求められる場合があり不足(誤り)
- ニ:定格負担100V·Aの高圧計器用変成器の2次側電路の接地線に3.5mm²の軟銅線 → 計器用変成器の2次側電路の接地線として妥当な太さ(正しい)
答え:ニ
高圧計器用変成器(VT・CT)の2次側電路の接地線は3.5mm²程度の軟銅線で問題ありません。一方、高圧側の金属製外箱等に施す接地線は、より太い線が要求される点を区別して覚えておきましょう。
問35
自家用電気工作物の検査方法人が触れるおそれがある場所に施設する機械器具の金属製外箱等の接地工事について,「電気設備の技術基準の解釈」に適合するものは。ただし,絶縁台は設けないものとする。
- イ.使用電圧200 V の電動機の金属製の台及び外箱には,B種接地工事を施す。
- ロ.使用電圧6 kV の変圧器の金属製の台及び外箱には,C種接地工事を施す。
- ハ.使用電圧400 V の電動機の金属製の台及び外箱には,D種接地工事を施す。
- ニ.使用電圧6 kV の外箱のない乾式変圧器の鉄心には,A種接地工事を施す。
正解:ニ
解説
接地工事の種類(電圧区分)
- 300V以下の低圧機器 → D種接地工事
- 300Vを超える低圧機器 → C種接地工事
- 高圧・特別高圧の機器 → A種接地工事
- 高低圧混触防止(変圧器の低圧側中性点等) → B種接地工事
選択肢を確認する
- イ:使用電圧200Vの電動機(300V以下)にB種接地工事 → D種が正しく誤り
- ロ:使用電圧6kVの変圧器の金属製の台及び外箱にC種接地工事 → 高圧機器なのでA種が正しく誤り
- ハ:使用電圧400Vの電動機(300V超の低圧)にD種接地工事 → C種が正しく誤り
- ニ:使用電圧6kVの外箱のない乾式変圧器の鉄心にA種接地工事 → 高圧の露出した鉄心部分に施す接地としてA種が正しく、適合
答え:ニ
「300V以下→D種」「300V超の低圧→C種」「高圧・特別高圧→A種」「混触防止→B種」という対応表を丸暗記しておくのが確実です。
問36
自家用電気工作物の検査方法高圧受電設備に使用されている地絡方向継電器(DGR)の保護装置試験として,行わないものは。
- イ.動作電流値試験
- ロ.動作電圧値試験
- ハ.動作周波数試験
- ニ.位相特性試験
正解:ハ
解説
DGRの試験項目
地絡方向継電器(DGR)は、地絡電流の大きさだけでなく、地絡電流と零相電圧の位相関係(方向)も見て動作する継電器です。そのため保護装置試験としては
- 動作電流値試験
- 動作電圧値試験
- 位相特性試験
などが行われます。一方、動作周波数試験という試験項目は一般的なDGRの試験には含まれません(電源周波数はほぼ一定であり、周波数特性を確認する試験はDGRの標準的な保護装置試験ではありません)。
答え:ハ 動作周波数試験
DGRは「電流の大きさ」+「電圧との位相関係」で動作する継電器なので、試験も電流・電圧・位相特性が中心になります。周波数試験は含まれない点を覚えておきましょう。
問37
自家用電気工作物の検査方法受電電圧6 600 V の受電設備が完成した時の自主検査で,一般に行わないものは。
- イ.高圧電路の絶縁耐力試験
- ロ.高圧機器の接地抵抗測定
- ハ.変圧器の温度上昇試験
- ニ.地絡継電器の動作試験
正解:ハ
解説
完成時の自主検査で一般的に行う項目
- 高圧電路の絶縁耐力試験(正しい)
- 高圧機器の接地抵抗測定(正しい)
- 地絡継電器の動作試験(正しい)
変圧器の温度上昇試験は?
変圧器の温度上昇試験は、変圧器を製造するメーカー側の型式試験・工場試験として行われるものであり、需要家側の受電設備が完成した際の現地自主検査としては一般に行いません。
答え:ハ 変圧器の温度上昇試験
現地の自主検査は「正しく安全に設置・接続されているか」を確認するもの(絶縁耐力、接地抵抗、継電器動作)が中心で、変圧器そのものの性能試験(温度上昇試験)はメーカーの工場試験の領域です。
問38
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気工事士法」において,第一種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業は。
- イ.最大電力800 kW の需要設備の6.6 kV 変圧器に電線を接続する作業
- ロ.出力500 kW の発電所の配電盤を造営材に取り付ける作業
- ハ.最大電力400 kW の需要設備の6.6 kV 受電用ケーブルを電線管に収める作業
- ニ.配電電圧6.6 kV の配電用変電所内の電線相互を接続する作業
正解:ハ
解説
電気工事士法の作業区分
- 一般用電気工作物(600V以下の一般住宅・小規模需要家)の工事 → 第二種電気工事士以上
- 自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備(=「自家用電気工作物のうち一般用電気工作物とみなされない小規模なもの以外」で500kW未満のもの)の高圧部分の工事 → 第一種電気工事士が必要
- 発電所・変電所・送配電設備等の電気事業用電気工作物の工事 → 電気工事士法の対象外(電気主任技術者等が別途管理)
選択肢を確認する
- イ:最大電力800kWの需要設備 → 500kW以上のため電気工事士法の対象外(電気工事士でなくても、事業用電気工作物として別の資格体系で管理)
- ロ:出力500kWの発電所の配電盤取付 → 発電所は電気工事士法の対象外
- ハ:最大電力400kW(500kW未満)の需要設備の6.6kV受電用ケーブルを電線管に収める作業 → 自家用電気工作物(500kW未満)の高圧部分の作業であり、第一種電気工事士でなければ従事できない
- ニ:配電用変電所内の電線相互の接続 → 配電用変電所は電気事業用電気工作物であり電気工事士法の対象外
答え:ハ
「500kW未満の自家用電気工作物の高圧部分=第一種電気工事士の独占業務」という基本区分がポイントです。500kW以上の需要設備や発電所・変電所は電気工事士法の対象外になる点も合わせて確認しましょう。
問39
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令小規模発電設備のうち,一般用電気工作物に含まれないものは。
- イ.太陽電池発電設備であって,出力10 kW未満のもの。
- ロ.風力発電設備であって,出力10 kW未満のもの。
- ハ.内燃力を原動力とする火力発電設備であって,出力10 kW未満のもの。
- ニ.水力発電設備であって,最大使用水量が毎秒1 m³未満のもの(ダムを伴うものを除く。)の出力20 kW未満のもの。
正解:ロ
解説
一般用電気工作物として扱われる小規模発電設備の出力上限
- 太陽電池発電設備:出力10kW未満
- 風力発電設備:出力10kW未満(風力は事故時の危険性を考慮し、出力に関わらず一般用に含めない扱いとされる点に注意)
- 内燃力を原動力とする火力発電設備:出力10kW未満
- 水力発電設備(ダムを伴うものを除く、最大使用水量毎秒1m³未満):出力20kW未満
このうち風力発電設備は、実際の技術基準上「出力の大小にかかわらず一般用電気工作物には含めない」扱いとされています(風車は落雷や強風等での事故が多く、規模によらず慎重な管理が必要なため)。
答え:ロ 風力発電設備であって、出力10kW未満のもの
太陽電池・内燃力・水力は「小規模なら一般用」に含まれますが、風力発電設備は出力10kW未満であっても一般用電気工作物には含まれません。この点が他の発電設備との違いとして狙われやすいポイントです。
問40
一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令「電気工事業の業務の適正化に関する法律」において,主任電気工事士に関する記述として,誤っているものは。
- イ.第一種電気工事士免状の交付を受けた者は,免状交付後に実務経験が無くても主任電気工事士になれる。
- ロ.第二種電気工事士は,2 年の実務経験があれば,主任電気工事士になれる。
- ハ.第一種電気工事士が一般用電気工事の作業に従事する時は,主任電気工事士がその職務を行うため必要があると認めてする指示に従わなければならない。
- ニ.主任電気工事士は,一般用電気工事による危険及び障害が発生しないように一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない。
正解:ロ
解説
主任電気工事士になれる要件
- 第一種電気工事士免状の交付を受けた者:実務経験なしで主任電気工事士になれる(イは正しい)
- 第二種電気工事士:免状交付後3年以上の実務経験があれば主任電気工事士になれる(「2年」ではなく「3年」が正しいため、ロの記述は誤り)
- 第一種電気工事士が一般用電気工事に従事する際は、主任電気工事士の必要な指示に従わなければならない(ハは正しい)
- 主任電気工事士は一般用電気工事の作業の管理の職務を誠実に行わなければならない(ニは正しい)
答え:ロ
第二種電気工事士が主任電気工事士になるための実務経験年数は「3年以上」です。「2年」という数字が出てきたら誤りを疑いましょう。第一種電気工事士は実務経験なしで即座になれる、という違いもセットで押さえておくと確実です。
【単線結線図】(問41〜問50共通)

問41
配線図①で示す図記号の機器に関する記述として,正しいものは。
- イ.零相電流を検出する。
- ロ.零相電圧を検出する。
- ハ.異常電圧を検出する。
- ニ.短絡電流を検出する。
正解:ロ
解説
図記号①の機器
単線結線図の①は、引込口の近くに設置された零相基準電圧検出装置(ZPD、コンデンサ形の零相電圧検出装置)です。地絡方向継電器(DGR)と組み合わせて使われ、地絡事故時の零相電圧を検出する役割を持ちます。
選択肢の検討
- イ:零相電流を検出する → これはZCT(零相変流器)の役割で、ZPDとは異なる
- ロ:零相電圧を検出する → 正しい
- ハ:異常電圧を検出する → 避雷器(LA)などの役割であり異なる
- ニ:短絡電流を検出する → 過電流継電器(OCR)等の役割であり異なる
答え:ロ 零相電圧を検出する
「零相電流はZCT」「零相電圧はZPD(またはEVT・ZVTの2次側)」という対応を混同しないようにしましょう。DGRは両方の情報(電流の大きさと電圧との位相)を組み合わせて方向判定を行います。
問42
配線図②で示す部分に使用するCVTケーブルとして,適切なものは。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:イ
解説
CVTケーブルとは
CVTケーブルは「Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheathed Trip-le core」の略で、架橋ポリエチレンで絶縁した単心(1心)のCVケーブルを3本より合わせてトリプレックス(より合わせ)構造にしたものです。各単心線は「導体・内部半導電層・架橋ポリエチレン絶縁体・外部半導電層・銅シールド(遮へい銅テープ)」の順の層構造を持ち、それを3本まとめてビニルシースで覆います。
選択肢の検討
- イ:単心3本の構造で、各心線が「導体→内部半導電層→架橋ポリエチレン→外部半導電層→銅シールド」の順に層をなし、3本まとめてビニルシースで覆う構造 → CVTケーブルの正しい構造
- ロ:層構造の順番が異なる(内部半導電層と架橋ポリエチレンの位置関係が入れ替わっている)→ 誤った構造
- ハ:単心ではなく3心一括の構造で、ビニル絶縁体を使用 → CV/CVTではなくVVケーブル等の構造
- ニ:単心3本だが半導電層・シールドがない簡略な構造 → 高圧CVTケーブルとしては不十分
答え:イ
CVTケーブルは「単心3本より合わせ」「各心に半導電層と銅シールドがある」のが特徴です。高圧ケーブルには電界を均一にするための半導電層と、遮へいのための銅シールドが必須である点を押さえておきましょう。
問43
配線図③で示す機器の名称と文字記号(略号)の組合せとして,正しいものは。
- イ.電力需給用計器用変成器 EVT
- ロ.電力需給用計器用変成器 VCT
- ハ.零相計器用変圧器 ZVT
- ニ.零相計器用変圧器 ZCT
正解:ロ
解説
図記号③の機器
単線結線図の③(Whメーターの手前に接続される変成器)は、電力量計(Wh)に電力会社への売買電計量用の電圧・電流を安全なレベルに変成して送る電力需給用計器用変成器です。文字記号(略号)はVCT(Voltage and Current Transformer)です。
選択肢の検討
- イ:電力需給用計器用変成器 EVT → 名称は正しいが略号が誤り(EVTは接地形計器用変圧器の略)
- ロ:電力需給用計器用変成器 VCT → 名称・略号ともに正しい
- ハ:零相計器用変圧器 ZVT → 名称・略号ともに異なる機器
- ニ:零相計器用変圧器 ZCT → ZCTは零相変流器の略で、名称・略号ともに異なる
答え:ロ
電力量計に接続する計器用変成器は「VCT」、地絡保護用の零相電圧検出はEVTやZPD、零相電流検出はZCTと、用途ごとに略号が異なります。混同しやすいので対応をセットで覚えましょう。
問44
配線図④に設置する機器は。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ロ
解説
④に設置する機器
単線結線図の④は、主遮断装置の手前(引込口に近い位置)に設置される機器で、雷や開閉サージなどの異常電圧が侵入した際にこれを大地に放電し、機器を保護する避雷器(LA:Lightning Arrester)です。碍子状の外観に放電用のギャップやホーンを持つ構造が特徴です。
答え:ロ
避雷器は、複数の碍子形ユニットが並んだ外観で、引込ケーブルの近く(できるだけ保護したい機器の近く)に設置されます。写真の中から碍子・ホーン形状を持つものを選びます。
問45
配線図⑤の部分に施設する機器と使用する本数として,適切なものは。

- イ.(写真参照)2本
- ロ.(写真参照)4本
- ハ.(写真参照)2本
- ニ.(写真参照)4本
正解:ロ
解説
⑤に設置する機器
単線結線図の⑤は、PF・S形の主遮断装置に使われる高圧限流ヒューズです。三相3線式(3φ3W)の回路なので、各相に1本ずつ、合計3本が基本ですが、限流ヒューズはストライカ引外し検出のため実務上は各相ごとに設置され、図の配置(相数)に応じた本数が問われます。この問題では図の配置から、使用本数として適切な組み合わせが写真と本数のセットで問われています。
答え:ロ
高圧限流ヒューズの外観(両端に金属キャップのある円筒形の絶縁体)と、単線結線図に示された相数から必要本数を確認します。本設問では写真と本数の組み合わせのうち、ロの組み合わせが公式解答として示されています。
問46
配線図⑥に設置する機器として,正しいものは。

- イ.(写真参照)
- ロ.(写真参照)
- ハ.(写真参照)
- ニ.(写真参照)
正解:ニ
解説
⑥に設置する機器
単線結線図の⑥は、電流計(A)・電力計(W)・力率計(cosφ)などに電流を供給するための計器用変流器(CT:Current Transformer)です。一次側に大電流が流れる高圧母線を貫通させ、二次側に小さな電流(定格5A)を取り出す構造をしています。
答え:ニ
CTは巻線形または貫通形の鉄心にコイルを巻いた構造で、二次端子が複数本引き出されているのが特徴です。写真の中から、貫通穴と二次端子を持つ変流器特有の外観のものを選びます。
問47
配線図⑦で示す部分に設置する機器の図記号と制御器具番号の組合せとして,正しいものは。

- イ.U⏚> 64
- ロ.U⏚< 27
- ハ.U< 27
- ニ.U> 59
正解:ハ
解説
⑦に設置する機器
単線結線図の⑦は、非常用予備発電装置と連系する部分に設置される継電器で、常用電源が停電(電圧低下)したことを検出して非常用発電装置を起動させる不足電圧継電器(UVR)です。図記号は電圧を検出する「U」に、しきい値を下回ったときに動作することを示す不等号「<」を組み合わせた で表されます。
制御器具番号
継電器の制御器具番号はJEM(日本電機工業会)規格で定められており、不足電圧継電器の番号は27です(ちなみに地絡過電圧継電器は64、過電圧継電器は59)。
選択肢の検討
- イ:(接地形の過電圧継電器のような表現)・番号64 → 不一致
- ロ:・番号27 → 記号の書き方が異なる(零相電圧の記号が付加されている)
- ハ:・番号27 → 不足電圧継電器の図記号・番号として正しい組合せ
- ニ:・番号59 → これは過電圧継電器の図記号・番号
答え:ハ U< 27
「不足電圧=U<=27」「過電圧=U>=59」「地絡過電圧=U0>(または64)」という図記号と番号のセットを対応させて覚えておくと、この手の問題に強くなります。
問48
配線図⑧で示す部分に設置する機器の図記号として,適切なものは。

- イ.(図参照)
- ロ.(図参照)
- ハ.(図参照)
- ニ.(図参照)
正解:ハ
解説
⑧に設置する機器
単線結線図の⑧は、変圧器の一次側に設けられた開閉器で、変圧器の過負荷・短絡保護を兼ねる高圧限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)です。図記号は、負荷開閉器の接点記号にヒューズ記号を組み合わせた形で表されます。
答え:ハ
選択肢に示された図記号のうち、開閉接点とヒューズが組み合わさった記号を選びます。変圧器一次側の開閉器としては、ヒューズ単体(PF)ではなく、負荷電流の開閉もできるPF付LBSが実務上一般的に使われます。
問49
配線図⑨で示す機器の役割として,誤っているものは。
- イ.コンデンサ回路の突入電流を抑制する。
- ロ.電圧波形のひずみを改善する。
- ハ.第5調波等の高調波障害の拡大を防止する。
- ニ.コンデンサの残留電荷を放電する。
正解:ニ
解説
⑨の機器(直列リアクトル)
単線結線図の⑨は、高圧進相コンデンサに直列に接続される直列リアクトル(SR)です。主な役割は次の3つです。
- コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する
- 電圧波形のひずみを改善する
- 第5調波等の高調波障害の拡大を防止する(コンデンサとの共振を避ける)
残留電荷の放電は?
コンデンサの残留電荷を放電する役割を持つのは、コンデンサに並列に接続される放電コイル(DC:Discharge Coil)であり、直列リアクトルの役割ではありません。
答え:ニ コンデンサの残留電荷を放電する
「直列リアクトル=突入電流抑制・波形改善・高調波拡大防止」「放電コイル=残留電荷の放電」と役割分担を区別して覚えておきましょう。
問50
配線図⑩で示す部分の図記号で,正しいものは。
- イ.⏚EA
- ロ.⏚EB
- ハ.⏚EC
- ニ.⏚ED
正解:イ
解説
⑩の図記号
単線結線図の⑩は、非常用予備発電装置まわりに設けられた接地の表示部分です。接地工事の種類によって、図面ではE(Earth)にA・B・C・Dの添字を付けて区別します(=A種、=B種、=C種、=D種)。⑩の位置・接続先(発電装置の中性点や外箱等)から、どの接地工事に該当するかを判断します。
答え:イ
図中の⑩が指す接地箇所の電圧・用途(非常用発電装置の高圧側に近い部分など)から、A種接地工事の表示であるが正しい図記号となります。
掲載している試験問題は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去問題を使用しています。図・写真は表示用に一部トリミング等の加工をしています。解説は当サイトが独自に作成したものです。